29 / 47
29.王族が手袋をする理由
しおりを挟む
「……王族が、学園を入学した頃から、手袋をするのは知っているな?」
「ああ。王族が素手になるのは、裸と同義だから……」
ふと、兄のダリアスが言っていたことを思い出した。王族が手袋をしている理由……それを問えば、きっとレオンは顔を赤くするだろうと言っていたことを。
「それで、王族の素手が、裸と同義の理由だが……」
レオンは自分の右につけている手袋を、左手で掴み、引っ張る。どうやら、今から私は、約6年ぶりにレオンの素手を見ることになるみたいだ。
「一応言っておくが、私は今から手袋を取る。それは、ユリウスには裸を見せても良いと思っているからだ」
レオンは顔を赤らめながら、そう言った。レオンの言葉の真意に気がつき、想いを告げた時のような、キスをした時のような、でもそれとは違うようなドキドキ、興奮が身体を巡る。
「ああ」
手袋が取れ、右手の肌が露出する。レオンは、手の甲を私に見せた。
「これが、私が誰とも性的な関係ではないことの証拠だ。結構見せるのは恥ずかしいが…… 」
レオンの手の甲にあるマークを見て、私は目を見開く。予想外のマークだったからだ。手の甲には、丸みの帯びた赤い実が2つ並んでおり、それを緑色の軸が結んでいる。
「なんというか……可愛らしいマークだな」
「……」
「あ……そのマークって、チェリーボーイってことか?」
「……そうだ」
思わず笑ってしまいそうになったが、レオンの表情を見て、それはおさまった。レオンは、自分の秘密を打ち明けているからか、恥ずかしそうにしていた。勇気を出して、『ユリウスになら』と打ち明けてくれているのだ。笑うのは失礼だ。笑ってしまいそうになってしまったのが申し訳ない。
「ハンスがキララを愛し始めたのが13歳の頃らしい。だからか、その頃にこのマークが手の甲に」
「……なるほど。そんな可愛らしく、プライベートを暴露するようなマーク、隠すに決まっているな。王族の威厳のために。たしかに、裸と同義だ」
チェリーのマークによって、チェリーボーイということを表している。安直だが分かりやすい。きっとハンスは、キララに信じてもらえずに、焦って、自分自身に魔法をかけたのだろう。そうでなければ、ここまで単純なものには、きっとならない。
「ところで、女性だとどうなるんだ?」
「女性だと、マーク自体出ないらしい。ハンスの影響だから、男にしか出ないのだろう」
「それじゃあ、マークのことがバレないように、女性も手袋をしているんだな。たしかに、ハンスと血の繋がりのない王妃なども手袋を付けているものな」
「ああ……」
ダリアスが言っていた意味が分かった。可愛いものにあまり縁がなさそうなレオンに、こんなに可愛らしいマークがついている。それが恥ずかしくて赤くなるということだろう。
チェリーボーイなことは恥ずかしいことじゃないからな。むしろ、結婚まで、したことのない人の方が多いだろう。私もしたことないし。
「ああ。王族が素手になるのは、裸と同義だから……」
ふと、兄のダリアスが言っていたことを思い出した。王族が手袋をしている理由……それを問えば、きっとレオンは顔を赤くするだろうと言っていたことを。
「それで、王族の素手が、裸と同義の理由だが……」
レオンは自分の右につけている手袋を、左手で掴み、引っ張る。どうやら、今から私は、約6年ぶりにレオンの素手を見ることになるみたいだ。
「一応言っておくが、私は今から手袋を取る。それは、ユリウスには裸を見せても良いと思っているからだ」
レオンは顔を赤らめながら、そう言った。レオンの言葉の真意に気がつき、想いを告げた時のような、キスをした時のような、でもそれとは違うようなドキドキ、興奮が身体を巡る。
「ああ」
手袋が取れ、右手の肌が露出する。レオンは、手の甲を私に見せた。
「これが、私が誰とも性的な関係ではないことの証拠だ。結構見せるのは恥ずかしいが…… 」
レオンの手の甲にあるマークを見て、私は目を見開く。予想外のマークだったからだ。手の甲には、丸みの帯びた赤い実が2つ並んでおり、それを緑色の軸が結んでいる。
「なんというか……可愛らしいマークだな」
「……」
「あ……そのマークって、チェリーボーイってことか?」
「……そうだ」
思わず笑ってしまいそうになったが、レオンの表情を見て、それはおさまった。レオンは、自分の秘密を打ち明けているからか、恥ずかしそうにしていた。勇気を出して、『ユリウスになら』と打ち明けてくれているのだ。笑うのは失礼だ。笑ってしまいそうになってしまったのが申し訳ない。
「ハンスがキララを愛し始めたのが13歳の頃らしい。だからか、その頃にこのマークが手の甲に」
「……なるほど。そんな可愛らしく、プライベートを暴露するようなマーク、隠すに決まっているな。王族の威厳のために。たしかに、裸と同義だ」
チェリーのマークによって、チェリーボーイということを表している。安直だが分かりやすい。きっとハンスは、キララに信じてもらえずに、焦って、自分自身に魔法をかけたのだろう。そうでなければ、ここまで単純なものには、きっとならない。
「ところで、女性だとどうなるんだ?」
「女性だと、マーク自体出ないらしい。ハンスの影響だから、男にしか出ないのだろう」
「それじゃあ、マークのことがバレないように、女性も手袋をしているんだな。たしかに、ハンスと血の繋がりのない王妃なども手袋を付けているものな」
「ああ……」
ダリアスが言っていた意味が分かった。可愛いものにあまり縁がなさそうなレオンに、こんなに可愛らしいマークがついている。それが恥ずかしくて赤くなるということだろう。
チェリーボーイなことは恥ずかしいことじゃないからな。むしろ、結婚まで、したことのない人の方が多いだろう。私もしたことないし。
101
あなたにおすすめの小説
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜
キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。
モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。
このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。
「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」
恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。
甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。
全8話。
失恋したと思ってたのになぜか失恋相手にプロポーズされた
胡桃めめこ
BL
俺が片思いしていた幼なじみ、セオドアが結婚するらしい。
失恋には新しい恋で解決!有休をとってハッテン場に行ったエレンは、隣に座ったランスロットに酒を飲みながら事情を全て話していた。すると、エレンの片思い相手であり、失恋相手でもあるセオドアがやってきて……?
「俺たち付き合ってたないだろ」
「……本気で言ってるのか?」
不器用すぎてアプローチしても気づかれなかった攻め×叶わない恋を諦めようと他の男抱かれようとした受け
※受けが酔っ払ってるシーンではひらがな表記や子供のような発言をします
ルピナスの花束
キザキ ケイ
BL
王宮の片隅に立つ図書塔。そこに勤める司書のハロルドは、変わった能力を持っていることを隠して生活していた。
ある日、片想いをしていた騎士ルーファスから呼び出され、告白を受ける。本来なら嬉しいはずの出来事だが、ハロルドは能力によって「ルーファスが罰ゲームで自分に告白してきた」ということを知ってしまう。
想う相手に嘘の告白をされたことへの意趣返しとして、了承の返事をしたハロルドは、なぜかルーファスと本物の恋人同士になってしまい───。
【朗報】無能と蔑まれ追放された俺、実は「聖獣に愛されすぎる体質」でした ~最強の騎士団長が毎日モフモフを口実に抱きついてくるんだが?~
たら昆布
BL
鉄血の重執着ストーカー騎士団長×無自覚もふもふ(聖獣使い)な元雑用係
恋人がキスをしてくれなくなった話
神代天音
BL
大学1年の頃から付き合っていた恋人が、ある日キスしてくれなくなった。それまでは普通にしてくれていた。そして、性生活のぎこちなさが影響して、日常生活もなんだかぎくしゃく。理由は怖くて尋ねられない。いい加減耐えかねて、別れ話を持ちかけてみると……?
〈注意〉神代の完全なる趣味で「身体改造(筋肉ではない)」「スプリットタン」が出てきます。自己責任でお読みください。
色欲も時代には勝てないらしい
ちき
BL
前世で恋人だった運命の人に、今世では捨てられてしまった祐樹。前世で愛してくれた人は彼以外誰もいないのだから、今後僕を愛してくれる人は現れないだろう。その事を裏付けるように、その後付き合う人はみんな酷い人ばかりで…………。
攻めがクズでノンケです。
攻め・受け共に、以外とのキスや行為を仄めかす表現があります。
元クズ後溺愛×前世の記憶持ち
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる