伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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30.試してみるか?

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「……チェリーボーイじゃなくなったら、そのマークはどうなるんだ?」
「この実の種のマークになるらしい」
「あー……なるほど」

 本当に、単純なマークだ。性行為は、愛のためとか以前に、子を成すための行為だからな。実の種に変わるのは、子種ということだろう。

「1つ、王族の私でも分からないことがあって……」
「なんだ?」
「……」

 レオンは言いづらそうに目を逸らした。心なしか、恥ずかしそうに見える。

「まあ、レオンにも分からないなら、私は分からないだろうが、何か糸口になるようなことが思いつくかもしれない。だから、とりあえず、言ってみて欲しい」

 レオンが知りたいことがあるのならば、力になりたい。話を聞くことで、私が何か思いつくかもしれないし、レオンも、私に話すことで、何か思いつくことがあるかもしれない。

「その……男同士でした場合、どうなるのかな……って」

 レオンの声は、とても小さかったが、何を言ったのか、逃すこと無く聞き取ることができた。私は、反応がワンテンポ遅れてしまった。

「……え」
「そりゃあ、その……いれる方はチェリーボーイじゃなくなるんだろうが、受け入れる方は……」
「……たしかに、マークはどうなるのだろうな」

 受け入れる方は…………性行為ではあるし、判定はどうなるのだろうか。
 レオンにも分からないということは、王家の記録にも残っていないということだろう。いたかどうかも分からないし。いても、積極的に記録に残そうとしなかったのかもしれない。

「……マークがそのままになるか、種以外の何かになるのか」
「私は、そのままの可能性が高いと思う。ハンスはキララを愛していたから、魔法をかけたわけで……だから、他の想定はしていないものとは、思う」

 レオンは、自分の手の甲にあるマークを見ながらそう言った。

「たしかに、私もそう思う。誰とも男女の仲ではないという証明だったわけだからな……」

 受け入れる側の想定は、きっと、ハンスはしていなかっただろう。だから、マークがそのままの可能性が高いのかもしれない。私は、自分のティーカップに入っている茶を見て、そんなことを思っていた。

「ユリウス」

 名を呼ばれ、再びレオンを見ると、レオンは、目線を私から少し逸らしていた。レオンが私の名を呼んだくせに、何故こちらを向いていない。

「試してみるか……?」

 レオンの赤みがかった顔が、みるみるうちに真っ赤になっていく。それにつられて、私の顔も熱くなってきた。

「え……っと」

 レオンの目がこちらを向いた。さきほどは、その目がこちらを向いていないのが面白くなかったが、今はこの顔を見られるのが気恥ずかしい。
 きっと私は、今のレオンと同じような目をしている。違うのは、私の目にはきっと戸惑いがあることだけで、緊張と期待の混じったような目を。
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