伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

メグエム

文字の大きさ
31 / 47

31.報告しよう

しおりを挟む
 レオンの目をジッと見つめる。触れ合いたい気持ちはあるが、私の中で、わずかに理性の方が勝った。

「今は、やめておこう……もしも、そのマークが前例のないマークになってしまったら……私は、王族の方々になんと説明すれば良い……? だから、きちんと私たちのことを王に伝えてからにしよう」

 私はレオンの手を取り、ギュッと握る。可愛らしいマークを見つめる。マークの事情を知っている、そして、レオンと同じように、かつてこのマークを持っていたであろう、直系の王族……つまり、国王と王子たちの顔が浮かぶ。
 レオンは、私の手を握り返してくれた。手に、レオンの体温を感じる。

「そうだな……立場上、私たちだけの問題ではない。家を巻き込んでしまうのは、避けたいな……」
「ああ……だから、私たちのことを王にきちんと報告をして、王に認められるよう、説得しよう」
「そうだな。それからでも遅くない。気持ちが通じ合っただけで、こんなにも幸せで……つい気持ちが焦ってしまった」

 そうだ。私は、長い間、レオンへの想いを隠して生きてきた。それを考えれば、今、この状態がどれほどに幸せか、身にしみて分かっている。触れ合いたい気持ちはあるが、焦らなくて良い。

「というか、しなくても良いのだからな。男同士は負担が大きいらしいし、繋がることはできなくても、他に触れ合える方法はある」

 こうやって手を握り合っているだけで、こんなにも幸せだ。

「……」

 レオンの握っている手の力がギュッと強くなったのが伝わってくる。

「レオン?」
「私は、できることならば、ユリウスと繋がりたいと思っている。受け入れる側の負担もリスクも承知している」

 恥じらいを宿した瞳と視線が交わる。

「ユリウスも、男同士が負担が大きいと知っているのは、やり方を調べたことがあるからだろう? ユリウスも、したいと思っているのではないか……?」
「それは……そうだが……」

 恥ずかしいが、これは肯定するしかない。実際にそうだからだ。想いを交わし合う前は、そんなこと起きないと思っていたから、調べたことがなかったが、レオンと想いが通じ合ってから、ふと気になって調べたのである。その時、準備もいるし、負担もリスクもあることが分かった。
 雰囲気が良くてそのまま……というわけにはいかないと思った。

 そう思っていたはずなのに……さきほどは危なかったな……理性の方が勝って本当に良かった。

「あと、マークがどうなるか、単純に興味がある」
「それはたしかに」

 種には変化しないだろうが、マークは予想通りそのままなのか、それとも別の何かになるのか、私も気になる。

「とにかく、国王に報告だ。認めていただくことができなくても、どうにか説得するぞ! 法律は変えられなくても、他の人との結婚話が来ないように!」
「ああ。最低でも、それは果たさないとな……あ、でも」
「ん?」
「国王……父以外にも、ユリウスの家族には伝えた方が良いのでは?」
「え、ああ……そうか、そうだな」

 すっかり、頭から抜け落ちてしまっていた。そうだな。もしかしたら、国王への説得に、力を貸してくれるかもしれない。

「よし、さっそく報告しよう」
「ちょっと待て」

 椅子から立ち、部屋のドアに向かおうとしているレオンを慌てて引き留める。

「どうした? 今は留守にしているのか?」
「いや、いる。兄は留守にしているが、父と母はいるはずだ。いるが」
「どうした?」
「なんか家族に言うの恥ずかしい」
「私だってそうなんだが!?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

君の恋人

risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。 伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。 もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。 不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。

【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜

キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。 モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。 このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。 「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」 恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。 甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。 全8話。

失恋したと思ってたのになぜか失恋相手にプロポーズされた

胡桃めめこ
BL
俺が片思いしていた幼なじみ、セオドアが結婚するらしい。 失恋には新しい恋で解決!有休をとってハッテン場に行ったエレンは、隣に座ったランスロットに酒を飲みながら事情を全て話していた。すると、エレンの片思い相手であり、失恋相手でもあるセオドアがやってきて……? 「俺たち付き合ってたないだろ」 「……本気で言ってるのか?」 不器用すぎてアプローチしても気づかれなかった攻め×叶わない恋を諦めようと他の男抱かれようとした受け ※受けが酔っ払ってるシーンではひらがな表記や子供のような発言をします

【朗報】無能と蔑まれ追放された俺、実は「聖獣に愛されすぎる体質」でした ~最強の騎士団長が毎日モフモフを口実に抱きついてくるんだが?~

たら昆布
BL
鉄血の重執着ストーカー騎士団長×無自覚もふもふ(聖獣使い)な元雑用係

ルピナスの花束

キザキ ケイ
BL
王宮の片隅に立つ図書塔。そこに勤める司書のハロルドは、変わった能力を持っていることを隠して生活していた。 ある日、片想いをしていた騎士ルーファスから呼び出され、告白を受ける。本来なら嬉しいはずの出来事だが、ハロルドは能力によって「ルーファスが罰ゲームで自分に告白してきた」ということを知ってしまう。 想う相手に嘘の告白をされたことへの意趣返しとして、了承の返事をしたハロルドは、なぜかルーファスと本物の恋人同士になってしまい───。

色欲も時代には勝てないらしい

ちき
BL
前世で恋人だった運命の人に、今世では捨てられてしまった祐樹。前世で愛してくれた人は彼以外誰もいないのだから、今後僕を愛してくれる人は現れないだろう。その事を裏付けるように、その後付き合う人はみんな酷い人ばかりで…………。 攻めがクズでノンケです。 攻め・受け共に、以外とのキスや行為を仄めかす表現があります。 元クズ後溺愛×前世の記憶持ち

勇者パーティーを追放された「生きた宝箱」、無愛想な騎士団長に拾われて宝石のように愛でられる

たら昆布
BL
勇者パーティーを追放された魔法生物が騎士団長に拾われる話

処理中です...