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31.報告しよう
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レオンの目をジッと見つめる。触れ合いたい気持ちはあるが、私の中で、わずかに理性の方が勝った。
「今は、やめておこう……もしも、そのマークが前例のないマークになってしまったら……私は、王族の方々になんと説明すれば良い……? だから、きちんと私たちのことを王に伝えてからにしよう」
私はレオンの手を取り、ギュッと握る。可愛らしいマークを見つめる。マークの事情を知っている、そして、レオンと同じように、かつてこのマークを持っていたであろう、直系の王族……つまり、国王と王子たちの顔が浮かぶ。
レオンは、私の手を握り返してくれた。手に、レオンの体温を感じる。
「そうだな……立場上、私たちだけの問題ではない。家を巻き込んでしまうのは、避けたいな……」
「ああ……だから、私たちのことを王にきちんと報告をして、王に認められるよう、説得しよう」
「そうだな。それからでも遅くない。気持ちが通じ合っただけで、こんなにも幸せで……つい気持ちが焦ってしまった」
そうだ。私は、長い間、レオンへの想いを隠して生きてきた。それを考えれば、今、この状態がどれほどに幸せか、身にしみて分かっている。触れ合いたい気持ちはあるが、焦らなくて良い。
「というか、しなくても良いのだからな。男同士は負担が大きいらしいし、繋がることはできなくても、他に触れ合える方法はある」
こうやって手を握り合っているだけで、こんなにも幸せだ。
「……」
レオンの握っている手の力がギュッと強くなったのが伝わってくる。
「レオン?」
「私は、できることならば、ユリウスと繋がりたいと思っている。受け入れる側の負担もリスクも承知している」
恥じらいを宿した瞳と視線が交わる。
「ユリウスも、男同士が負担が大きいと知っているのは、やり方を調べたことがあるからだろう? ユリウスも、したいと思っているのではないか……?」
「それは……そうだが……」
恥ずかしいが、これは肯定するしかない。実際にそうだからだ。想いを交わし合う前は、そんなこと起きないと思っていたから、調べたことがなかったが、レオンと想いが通じ合ってから、ふと気になって調べたのである。その時、準備もいるし、負担もリスクもあることが分かった。
雰囲気が良くてそのまま……というわけにはいかないと思った。
そう思っていたはずなのに……さきほどは危なかったな……理性の方が勝って本当に良かった。
「あと、マークがどうなるか、単純に興味がある」
「それはたしかに」
種には変化しないだろうが、マークは予想通りそのままなのか、それとも別の何かになるのか、私も気になる。
「とにかく、国王に報告だ。認めていただくことができなくても、どうにか説得するぞ! 法律は変えられなくても、他の人との結婚話が来ないように!」
「ああ。最低でも、それは果たさないとな……あ、でも」
「ん?」
「国王……父以外にも、ユリウスの家族には伝えた方が良いのでは?」
「え、ああ……そうか、そうだな」
すっかり、頭から抜け落ちてしまっていた。そうだな。もしかしたら、国王への説得に、力を貸してくれるかもしれない。
「よし、さっそく報告しよう」
「ちょっと待て」
椅子から立ち、部屋のドアに向かおうとしているレオンを慌てて引き留める。
「どうした? 今は留守にしているのか?」
「いや、いる。兄は留守にしているが、父と母はいるはずだ。いるが」
「どうした?」
「なんか家族に言うの恥ずかしい」
「私だってそうなんだが!?」
「今は、やめておこう……もしも、そのマークが前例のないマークになってしまったら……私は、王族の方々になんと説明すれば良い……? だから、きちんと私たちのことを王に伝えてからにしよう」
私はレオンの手を取り、ギュッと握る。可愛らしいマークを見つめる。マークの事情を知っている、そして、レオンと同じように、かつてこのマークを持っていたであろう、直系の王族……つまり、国王と王子たちの顔が浮かぶ。
レオンは、私の手を握り返してくれた。手に、レオンの体温を感じる。
「そうだな……立場上、私たちだけの問題ではない。家を巻き込んでしまうのは、避けたいな……」
「ああ……だから、私たちのことを王にきちんと報告をして、王に認められるよう、説得しよう」
「そうだな。それからでも遅くない。気持ちが通じ合っただけで、こんなにも幸せで……つい気持ちが焦ってしまった」
そうだ。私は、長い間、レオンへの想いを隠して生きてきた。それを考えれば、今、この状態がどれほどに幸せか、身にしみて分かっている。触れ合いたい気持ちはあるが、焦らなくて良い。
「というか、しなくても良いのだからな。男同士は負担が大きいらしいし、繋がることはできなくても、他に触れ合える方法はある」
こうやって手を握り合っているだけで、こんなにも幸せだ。
「……」
レオンの握っている手の力がギュッと強くなったのが伝わってくる。
「レオン?」
「私は、できることならば、ユリウスと繋がりたいと思っている。受け入れる側の負担もリスクも承知している」
恥じらいを宿した瞳と視線が交わる。
「ユリウスも、男同士が負担が大きいと知っているのは、やり方を調べたことがあるからだろう? ユリウスも、したいと思っているのではないか……?」
「それは……そうだが……」
恥ずかしいが、これは肯定するしかない。実際にそうだからだ。想いを交わし合う前は、そんなこと起きないと思っていたから、調べたことがなかったが、レオンと想いが通じ合ってから、ふと気になって調べたのである。その時、準備もいるし、負担もリスクもあることが分かった。
雰囲気が良くてそのまま……というわけにはいかないと思った。
そう思っていたはずなのに……さきほどは危なかったな……理性の方が勝って本当に良かった。
「あと、マークがどうなるか、単純に興味がある」
「それはたしかに」
種には変化しないだろうが、マークは予想通りそのままなのか、それとも別の何かになるのか、私も気になる。
「とにかく、国王に報告だ。認めていただくことができなくても、どうにか説得するぞ! 法律は変えられなくても、他の人との結婚話が来ないように!」
「ああ。最低でも、それは果たさないとな……あ、でも」
「ん?」
「国王……父以外にも、ユリウスの家族には伝えた方が良いのでは?」
「え、ああ……そうか、そうだな」
すっかり、頭から抜け落ちてしまっていた。そうだな。もしかしたら、国王への説得に、力を貸してくれるかもしれない。
「よし、さっそく報告しよう」
「ちょっと待て」
椅子から立ち、部屋のドアに向かおうとしているレオンを慌てて引き留める。
「どうした? 今は留守にしているのか?」
「いや、いる。兄は留守にしているが、父と母はいるはずだ。いるが」
「どうした?」
「なんか家族に言うの恥ずかしい」
「私だってそうなんだが!?」
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