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33.家族に報告
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「私たちから、兄さんに報告がある」
私が入れた茶を飲んで、『美味い』と言ってくれた兄に改めて向き直る。私の正面に座っているレオンも、斜め前に座るダリアスに、椅子ごと身体を向ける。
「兄さんの言葉に背中を押された。兄さんのおかげで、レオンに想いを伝えることができたのだと思う。ありがとう」
「私からも礼を言う。ブリュー・アトレージの件も、よく証拠を見つけたな。本当に助かった。ありがとう」
そう言うと、ダリアスは頬杖をつき、ひとつ息を吐く。眉を下げ、口角は上がっていた。その表情は、まさに、弟想いの兄の顔をしていた。
「ああ、そうか……良かった。2人が想い合っているのは、察していたから、自分のことのように嬉しいよ」
その声色からも、私たちを心から思ってくれていることが伝わってくる。
「ブリュー・アトレージの件は、前々から怪しい点がいくつかあって……ようやく片付いてホッとしています。本当は、尻尾を出すタイミングを掴もうとしていたのですが、ルル嬢の件を知り、どうにか早めて、なんとか上手くいった……30も上の変態ジジイと結婚なんか、絶対に回避させたい……ルル嬢が殿下に頼むのも分かります。あの状況では、最善の方法だと言えるでしょう」
ブリュー・アトレージが何かしらの悪事を働いているという噂はあっても、なかなか証拠を掴むことはできなかった。たしかに、兄の言う通り、ルル嬢ができる最善の方法だった。
「ただ、弟が暗い顔をしていたのも知っているので、複雑な気持ちではありますね」
ダリアスは、独り言のように、投げやりな言い方だった。目を閉じて茶をひと口飲む。ダリアスのこの言葉は、レオンに向けて、遠回しに『弟を悲しませるなよ』と言っているのが、伝わった。私を思ってくれているのは分かるが、レオンに向けて皮肉のような言い回しをしなくても良いじゃないかと、口を開こうとするが、それはレオンに遮られた。
「もう、ユリウスに隠し事や、不安にさせるようなことはしない」
レオンのその声は、覚悟を決めたような声だった。そのようなことを言ってくれるだけで、私の不安は吹き飛んでいくのだ。
「フッ……それは良かったです」
ダリアスはそう言って微笑んだ。さきほどのピリッとしたような緊張感はなかった。
「……兄さんに報告するのに結構緊張したな。国王に言うのは、もっと緊張するだろうな」
「ちゃんと報告しようとしてるのか。偉いな」
「当たり前だろう。筋は通さないと……いつのまにか結婚話が進んでるなんてこともあるかもしれない。認めていただけるかは不安だがな……」
「…………」
「でも、認めていただけるまで、説得する覚悟だ」
『偉い』と褒められるようなことではない。むしろ、男性同士の恋愛、しかも王族としている私は、褒められるようなこととは逆のことをしている。
「そういえば、兄さんの用って、何?」
ダリアスがこの部屋を訪ねて来た時『ジルから、殿下がいらっしゃっていると聞いて、ちょうど良いと思って来たんだが……』と言っていたから、用があって来たのだろう。
「ああ…………なんだったかな……まあ良い……たいした用ではなかったのだろう」
忘れるだなんて、兄さんらしくない。何かをごまかされたような気がする。
「そうだ、父と母にも報告してきたらどうだ? 国王に伝えるのに、こちらの両親に伝えないのはどうかと思うぞ」
「ああ……」
「さっそく行こう、ユリウス」
私はレオンに手を引かれて、部屋を出る。両親に伝えると、意外とあっさり受け入れられた。
私が入れた茶を飲んで、『美味い』と言ってくれた兄に改めて向き直る。私の正面に座っているレオンも、斜め前に座るダリアスに、椅子ごと身体を向ける。
「兄さんの言葉に背中を押された。兄さんのおかげで、レオンに想いを伝えることができたのだと思う。ありがとう」
「私からも礼を言う。ブリュー・アトレージの件も、よく証拠を見つけたな。本当に助かった。ありがとう」
そう言うと、ダリアスは頬杖をつき、ひとつ息を吐く。眉を下げ、口角は上がっていた。その表情は、まさに、弟想いの兄の顔をしていた。
「ああ、そうか……良かった。2人が想い合っているのは、察していたから、自分のことのように嬉しいよ」
その声色からも、私たちを心から思ってくれていることが伝わってくる。
「ブリュー・アトレージの件は、前々から怪しい点がいくつかあって……ようやく片付いてホッとしています。本当は、尻尾を出すタイミングを掴もうとしていたのですが、ルル嬢の件を知り、どうにか早めて、なんとか上手くいった……30も上の変態ジジイと結婚なんか、絶対に回避させたい……ルル嬢が殿下に頼むのも分かります。あの状況では、最善の方法だと言えるでしょう」
ブリュー・アトレージが何かしらの悪事を働いているという噂はあっても、なかなか証拠を掴むことはできなかった。たしかに、兄の言う通り、ルル嬢ができる最善の方法だった。
「ただ、弟が暗い顔をしていたのも知っているので、複雑な気持ちではありますね」
ダリアスは、独り言のように、投げやりな言い方だった。目を閉じて茶をひと口飲む。ダリアスのこの言葉は、レオンに向けて、遠回しに『弟を悲しませるなよ』と言っているのが、伝わった。私を思ってくれているのは分かるが、レオンに向けて皮肉のような言い回しをしなくても良いじゃないかと、口を開こうとするが、それはレオンに遮られた。
「もう、ユリウスに隠し事や、不安にさせるようなことはしない」
レオンのその声は、覚悟を決めたような声だった。そのようなことを言ってくれるだけで、私の不安は吹き飛んでいくのだ。
「フッ……それは良かったです」
ダリアスはそう言って微笑んだ。さきほどのピリッとしたような緊張感はなかった。
「……兄さんに報告するのに結構緊張したな。国王に言うのは、もっと緊張するだろうな」
「ちゃんと報告しようとしてるのか。偉いな」
「当たり前だろう。筋は通さないと……いつのまにか結婚話が進んでるなんてこともあるかもしれない。認めていただけるかは不安だがな……」
「…………」
「でも、認めていただけるまで、説得する覚悟だ」
『偉い』と褒められるようなことではない。むしろ、男性同士の恋愛、しかも王族としている私は、褒められるようなこととは逆のことをしている。
「そういえば、兄さんの用って、何?」
ダリアスがこの部屋を訪ねて来た時『ジルから、殿下がいらっしゃっていると聞いて、ちょうど良いと思って来たんだが……』と言っていたから、用があって来たのだろう。
「ああ…………なんだったかな……まあ良い……たいした用ではなかったのだろう」
忘れるだなんて、兄さんらしくない。何かをごまかされたような気がする。
「そうだ、父と母にも報告してきたらどうだ? 国王に伝えるのに、こちらの両親に伝えないのはどうかと思うぞ」
「ああ……」
「さっそく行こう、ユリウス」
私はレオンに手を引かれて、部屋を出る。両親に伝えると、意外とあっさり受け入れられた。
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