伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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34.王に報告

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「……緊張するな」

 今日は、国王に時間を作っていただき、城に来ている。城のレオンの部屋で会うことになっている。今は、その部屋で王を待っているところだ。

「大丈夫だ、ユリウス。私がいる」
「レオン……」

 レオンは、私のことを安心させるような、優しい声でそう言った。レオンが隣にいるだけで心強い。
 レオンの父である王が、どんな反応をするのか、想像がつかない。私の両親のように、『後継でないから好きに生きろ』とおっしゃる気もするし、『王族や貴族としての自覚が足りない』とおっしゃる気もする。どちらの反応をするのか、予想がつかない。それは、息子であるレオンでも、同じらしい。

「絶対に説得しような」
「ああ」

 ガチャりと、部屋のドアが開く音がした。私はもちろん、レオンもその場でスッと立ち、礼をする。ドアが閉まる音がして、王が近づいて来る足音もする。王が許可するまでは、頭を上げてはいけない。そして頭を上げるまでは、言葉を発してはいけない。それがこの国の王への礼儀である。

「ユリウス、レオン。頭を上げろ」

 王に言われた通り、頭を上げると、威厳のある王ではなく、息子と、息子の友人に久々に会う父親の顔をした王が視界に入ってきた。

「お久しぶりです。国王陛下」
「ああ。私的な場で、ユリウスと、こうして会うのは久しぶりだな……さっそくだが、今日は2人から話があると聞いた。どうした?」
「父上。それは私から言わせてください」

 レオンは自分の片方の手を胸に当ててそう言った。その姿は凛々しく、高貴な存在なことが思い出される。レオン王子殿下だ。

「私は、ユリウスに恋情を抱いています。ユリウスも、私のことを好いてくれています。今日は、その話をしに来ました。私たちの関係を認めていただきたいと思っております」

 レオンも緊張していることが、その声から分かった。

「私は、殿下のことを大切に思っております。どうか、一緒にいる許可をいただきたいのです」
「…………」

 国王は目を閉じて、腕を組んだ。その表情からは、思いを読み取ることはできない。どんな反応をするのか……心臓がドクドクと、痛いくらいに鳴る。沈黙の時間は数秒。だが、永遠にも感じられるほどに長い時間だった。

「……なるほど。合点がいった」

 王は目を開けてそう言った。一体、何のことをおっしゃっているのだろうか。

「良いだろう。ただし、2人の関係を知る者は最低限にしろ」
「はい」
「ありがとうございます」

 こんなにすんなりと受け入れられたことに、少し驚く。レオンの方を見ると、同じタイミングでレオンも私を見た。2人揃って安堵する。

「王とはいえ、私の一存では法律を変えられない。法律を変えるには、3つの会で、それぞれ8割以上から承認を得る必要がある。子のできない同性同士の結婚は、反対派が多いからな……揚げ足を取られないためにも、関係は隠しておいた方が良い」

 王は、私たちに真剣にアドバイスをしている。

「私が申し上げるのもなんですが、反対はしないのですか?」
「ああ、私は、王族や貴族、同性同士であっても、想い合っている2人は、一緒にいるべきだと思っているからな」

 王はなんてことのないようにそう言った。このような方が国王であることが、なんて幸せなことなのだろうと思った。
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