伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

メグエム

文字の大きさ
34 / 47

34.王に報告

しおりを挟む
「……緊張するな」

 今日は、国王に時間を作っていただき、城に来ている。城のレオンの部屋で会うことになっている。今は、その部屋で王を待っているところだ。

「大丈夫だ、ユリウス。私がいる」
「レオン……」

 レオンは、私のことを安心させるような、優しい声でそう言った。レオンが隣にいるだけで心強い。
 レオンの父である王が、どんな反応をするのか、想像がつかない。私の両親のように、『後継でないから好きに生きろ』とおっしゃる気もするし、『王族や貴族としての自覚が足りない』とおっしゃる気もする。どちらの反応をするのか、予想がつかない。それは、息子であるレオンでも、同じらしい。

「絶対に説得しような」
「ああ」

 ガチャりと、部屋のドアが開く音がした。私はもちろん、レオンもその場でスッと立ち、礼をする。ドアが閉まる音がして、王が近づいて来る足音もする。王が許可するまでは、頭を上げてはいけない。そして頭を上げるまでは、言葉を発してはいけない。それがこの国の王への礼儀である。

「ユリウス、レオン。頭を上げろ」

 王に言われた通り、頭を上げると、威厳のある王ではなく、息子と、息子の友人に久々に会う父親の顔をした王が視界に入ってきた。

「お久しぶりです。国王陛下」
「ああ。私的な場で、ユリウスと、こうして会うのは久しぶりだな……さっそくだが、今日は2人から話があると聞いた。どうした?」
「父上。それは私から言わせてください」

 レオンは自分の片方の手を胸に当ててそう言った。その姿は凛々しく、高貴な存在なことが思い出される。レオン王子殿下だ。

「私は、ユリウスに恋情を抱いています。ユリウスも、私のことを好いてくれています。今日は、その話をしに来ました。私たちの関係を認めていただきたいと思っております」

 レオンも緊張していることが、その声から分かった。

「私は、殿下のことを大切に思っております。どうか、一緒にいる許可をいただきたいのです」
「…………」

 国王は目を閉じて、腕を組んだ。その表情からは、思いを読み取ることはできない。どんな反応をするのか……心臓がドクドクと、痛いくらいに鳴る。沈黙の時間は数秒。だが、永遠にも感じられるほどに長い時間だった。

「……なるほど。合点がいった」

 王は目を開けてそう言った。一体、何のことをおっしゃっているのだろうか。

「良いだろう。ただし、2人の関係を知る者は最低限にしろ」
「はい」
「ありがとうございます」

 こんなにすんなりと受け入れられたことに、少し驚く。レオンの方を見ると、同じタイミングでレオンも私を見た。2人揃って安堵する。

「王とはいえ、私の一存では法律を変えられない。法律を変えるには、3つの会で、それぞれ8割以上から承認を得る必要がある。子のできない同性同士の結婚は、反対派が多いからな……揚げ足を取られないためにも、関係は隠しておいた方が良い」

 王は、私たちに真剣にアドバイスをしている。

「私が申し上げるのもなんですが、反対はしないのですか?」
「ああ、私は、王族や貴族、同性同士であっても、想い合っている2人は、一緒にいるべきだと思っているからな」

 王はなんてことのないようにそう言った。このような方が国王であることが、なんて幸せなことなのだろうと思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

君の恋人

risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。 伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。 もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。 不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。

【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜

キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。 モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。 このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。 「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」 恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。 甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。 全8話。

失恋したと思ってたのになぜか失恋相手にプロポーズされた

胡桃めめこ
BL
俺が片思いしていた幼なじみ、セオドアが結婚するらしい。 失恋には新しい恋で解決!有休をとってハッテン場に行ったエレンは、隣に座ったランスロットに酒を飲みながら事情を全て話していた。すると、エレンの片思い相手であり、失恋相手でもあるセオドアがやってきて……? 「俺たち付き合ってたないだろ」 「……本気で言ってるのか?」 不器用すぎてアプローチしても気づかれなかった攻め×叶わない恋を諦めようと他の男抱かれようとした受け ※受けが酔っ払ってるシーンではひらがな表記や子供のような発言をします

【朗報】無能と蔑まれ追放された俺、実は「聖獣に愛されすぎる体質」でした ~最強の騎士団長が毎日モフモフを口実に抱きついてくるんだが?~

たら昆布
BL
鉄血の重執着ストーカー騎士団長×無自覚もふもふ(聖獣使い)な元雑用係

ルピナスの花束

キザキ ケイ
BL
王宮の片隅に立つ図書塔。そこに勤める司書のハロルドは、変わった能力を持っていることを隠して生活していた。 ある日、片想いをしていた騎士ルーファスから呼び出され、告白を受ける。本来なら嬉しいはずの出来事だが、ハロルドは能力によって「ルーファスが罰ゲームで自分に告白してきた」ということを知ってしまう。 想う相手に嘘の告白をされたことへの意趣返しとして、了承の返事をしたハロルドは、なぜかルーファスと本物の恋人同士になってしまい───。

色欲も時代には勝てないらしい

ちき
BL
前世で恋人だった運命の人に、今世では捨てられてしまった祐樹。前世で愛してくれた人は彼以外誰もいないのだから、今後僕を愛してくれる人は現れないだろう。その事を裏付けるように、その後付き合う人はみんな酷い人ばかりで…………。 攻めがクズでノンケです。 攻め・受け共に、以外とのキスや行為を仄めかす表現があります。 元クズ後溺愛×前世の記憶持ち

勇者パーティーを追放された「生きた宝箱」、無愛想な騎士団長に拾われて宝石のように愛でられる

たら昆布
BL
勇者パーティーを追放された魔法生物が騎士団長に拾われる話

処理中です...