伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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35.良い兄

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「ユリウス、お前は、良い兄を持ったな」

 王は眉を下げて笑い、そう言った。何故、ここで兄が出てくるのか、それが何となく、私には分かった。

「ダリアスが、ブリュー・アトレージの悪事を暴いたと聞き、すぐに城に呼んだ。詳しくは言えないが、ブリュー・アトレージの悪事は、後々、この国を揺るがすかもしれないものだったため、この国を守った者として招いた」

 初耳だ。ダリアスがブリュー・アトレージの悪事の証拠を突き止めたのは知っていたが、王に招かれるほどのこととは思っていなかった。

「『褒美は何が欲しい、何でも好きなものを言え』と言うと、ダリアスは『弟の頼み事を聞いてやって欲しい』と言っていた。まさか、その頼みが、レオンとの関係を認めることとは、思わなかったがな」

 やはり、思った通りだった。『何でも好きなものを言え』と、せっかく王がおっしゃってくださったのだから、自分のことを頼めば良いのに。
 王の言う通り、本当に……

「はい。弟想いの良い兄です」

 さきほど、私たちの関係を言った時、王が『合点がいった』と言った意味が分かった。兄は、どうしてこんなにも、私のために行動してくれるのだろうか。兄弟だからって、そこまでしなくても良いはずなのに。
 理解してくれる両親、弟想いの兄、そして、愛するレオン………私は本当に幸せ者だ。

「そうだ、2人の関係を隠すのに、ちょうど良い場所があるんだ。そこで2人で過ごすと良い。まあ、友人同士でも出かけるのは普通だろうが、それ以外なら、そこで過ごすと良い」

 王はそう言うと、ついてこいと言うように、歩き出す。私とレオンは顔を見合わせた。レオンも戸惑っている目をしているが、とりあえず王についていくことにする。
 レオンの部屋を出ると、お付きの者がいたが、王はついてこないよう、その者たちに言った。3人で広い廊下を歩く。
 他の人からは会話が聞こえないような距離まで歩くと、王が口を開いた。

「私は、幼少の頃、遊び相手がいなくてな……弟は私のことを嫌っていたし……」

 国王の弟君は、この国では珍しく、王籍離脱をした方だ。私は顔を知っている程度で詳しくは知らないが、優秀な兄を見て、捻くれた性格をしているらしい。仲が良くないという噂は本当なのだなと思った。

「それで城をよく探検した。おかげで、この城のことは歴代の王の中で1番詳しいという自負がある」

 王は、城の中の資料室に足を踏み入れた。私たちもそれに続いて、資料室に入る。
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