伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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39.余裕なんかない

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「分かっている顔をしている」
「フッ」
 
 そう。分かっている。レオンが何を求めて私を見ているのか、手に取るように分かる。少し、イジワルしたくなっただけ。

 それに……

「これ以上したら、止まれなくなる」

 レオンの方に向いていた顔を、もとに戻し、前を向いた。
 自分の理性がギリギリ保っている状態だ。レオンを大事にしたいという気持ちと、レオンをぐちゃぐちゃにしてしまいたいという気持ちが、私の中で共存している。特に、後者の気持ちは、自分の中にこのような欲があっただなんてと、驚いた。キスで、苦しそうに息をするレオンを見て、もっと乱れたレオンを見たいと、そう思ってしまったのだ。

「止まらなくて良い……この後の予定もないから」

 その言葉を聞いた瞬間、ぐらっと、私の中で、理性が揺らいだ音がした。このまま押し倒してしまいたい。いや、だが、明日は休みではない。学園に行く日だ。初めては、どんなに優しく触れても、きっと無理をさせてしまう。

「……さきほど部屋を貸していただいたばかりで、するのは……余裕がないのが、みえみえじゃないか」
「私はとっくに余裕なんかないよ」
「私だってないさ……ただ、絶対にレオンに無理をさせてしまう……どんな影響が出るか、未知だ。身体が痛い中、学園に行きたくないだろう」
「…………」

 レオンからの返答は無かった。やはり、身体にどんな影響が出るのか、よく分からないまま、次の日も予定がある中でするのは良くないと、レオンも考えたのだろう。少し、残念な想いもあるが、レオンのためにも、この方が良い。

「レオンを愛しているからこそ、触れ合いたい気持ち以上に、大切にしたいんだ。学園を卒業してからの方が、お互い、時間は自分で調節できるだろう? 焦ってすることでもない。ずっと一緒にいるのだから」

 王にも、私の家族にも認めてもらった。今すぐにしなくても、私たちには、たくさんの時間がある。ゆっくりで良いのだ。

「ならば……」

 レオンが言葉を発し、またレオンに顔を向ける。下を向いて、気恥ずかしそうにしながらも、意を決したようにこちらを向いた。

「ならば、触りっこぐらいは良いのではないか?」
「!?」
「それくらいならば、次の日に支障をきたすことはないだろう……? 要は、挿れなければ、未知な負担はかからない」

 たしかにと、納得している自分がいる。

 だが、はたして、そこで止まることができるのだろうか。

 目を閉じ、そんなことを考えていると、唇にチュッと触れられる感覚がした。目を開けると、またレオンから口付けられ、上唇を食まれる。

 ああ……クソッ……

 気がついた時には、レオンを押し倒していた。口の中に舌を入れ、夢中になってむさぼる。

「ぅんっ……んぁ……ん」

 またレオンは息が苦しそうにしている。だが、さきほどのように、止まってやる余裕はない。

「鼻で息して」

 そう言うと私はまた、レオンの唇に引き寄せられた。
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