伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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46.会いたかった

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「やはり、いないか」

 卒業式から数日経った今日。やっと、時間が確保できた為、レオンと約束しているわけではないが、例の部屋に来た。アルベルトの店から買った物を、扉の付いている棚に入れる。
 せっかく来たから、休んで行こうと考え、ベッドに寝転がる。

 卒業式の日から、お互い忙しくて、レオンと会えていない。会いたい。今までは学園があった為、ほぼ毎日顔を合わせていた。だから、数日とはいえ、会えない日がこんなに続くのは、久しぶりだ。約6年ぶりだろうか。もう少し日が経てば、落ち着いてくるのだろうが、きっと長く感じる。

 レオンに会いたい。

 顔を合わせるだけで良い……嘘だ。良くない。触れて、抱きしめて、キスをして、それから……。

 とにかくレオンが足りない。

 この部屋に初めて来た日から、何度かあの日のような触れ合いをした。もっとしていれば、このようなことを思わなかったのだろうか。

 ……いや、いくら触れても、足りないのだろう。触れた日にも、離れた直後から触れたくて仕方がなかった。

 最近、十分な睡眠時間が取れていなかったからか、瞼が重くなってきた。まあ良いか。このまま寝ても……もし長く眠ってしまっても、今日残っている仕事は、明日にまとめてしまっても差し支えないだろう。重くなった瞼を、そのまま閉じた。




 触られる感覚がして、起きた。私は、どれくらいの時間、眠っていたのだろうか。目を開けると、すぐ近くに、愛しい顔があった。

「レオン?」
「っ……すまない。起こすつもりは無かったのだが」

 レオンは顔を離そうとした。なぜ離れる? 
 レオンの後頭部に手をまわし、引き寄せ、キスをした。

「んっ」

 唇を離し、身体に腕をまわして抱きしめた。

「会いたかった……」
「私も会いたかったよ、ユリウス……」

 そう言うと、レオンも私を抱きしめ返した。

 ああ……幸せだ。

「レオン、今日、この後の予定はあるか?」
「今日はもうない。予定が今まで詰まっていたからな……丸一日ではないが、久しぶりの休みだ」
「そうか……私も今日は大丈夫だ」
「それじゃあ、しばらく一緒に居られるな」
「ああ」

 ふと、棚に入れた物が頭をよぎった。渡そうと思い、レオンから離れようとすると、まわされている腕の力が強くなった。

「離れるな」

 切羽詰まったようなその声から、レオンも、私と同じ想いをしていたのだと実感した。私もこのまま触れていたいが、このままだと、渡すタイミングを逃してしまいそうだ。

「渡したい物があるんだ……だから、少しだけ」
「渡したい物?」

 レオンから離れ、棚から、箱を取り出した。レオンに箱を見せながら、開ける。

「指輪?」
「ああ……お互い、人前では、身につけることができないが、証が欲しくてな……フリーサイズの物にしたから、指のサイズから相手がレオンだということが、シオンにさえバレることはないだろう……受け取ってくれるか?」
「もちろん……今、ユリウスがはめてくれないか? 誓いの式のように……私も、ユリウスに、はめたい」
「ああ……指輪の交換だな」

 レオンは手袋を取った。私は、2つ並んだ指輪のうちの一つを取り出し、差し出されたレオンの左手を取って、薬指にはめる。レオンも、箱から指輪を取り出し、差し出した左手の薬指に指輪をはめた。

 言ってしまえば、所詮お遊び。だが、私たちにとって、非常に意味のある行動だった。
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