白銀に輝く君はとても綺麗だ

柴山

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あの騒動のあと、午後の授業には何とか始業のベルには間に合うことが出来た。



でも、一体何をしたら転入生は生徒会に気に入られたのだろうか。少し疑問に思った。



これからが忙しくなりそうだ。あれでは生徒会の親衛隊が黙っていない。特に会長と副会長の親衛隊だ。





また、風紀で集まる機会がじきにあるだろう。








公誓は朝の支度を済ませ部屋を出る。朝は基本部活があるため、弦斗とは別々に登校していた。




公誓は弓道部所属だった。生徒会の書記里見宗次郎とは同じ部活だ。



寮からそのまま道場へ向かう。
道場は校舎とは別の棟だったので少し寮からは距離があった。長い渡り廊下を歩いた。目的の場所に着くと、まずは袴に着替えた。はじめた頃は袴を着るのにも一苦労だった。
 





朝練は皆サボりがちなので基本宗次郎と自分の2人しか居ない。





静まり帰った場所で、背筋を伸ばし弓に矢をかける何mか先にある的に狙いを定め矢を引く。1呼吸おいたあと手を離し矢を放つ。




バン!






見事的の中心に刺さる。
この場の静かさを突き破るような音が響いた。






 


 公誓はこの学園に入学した時から弓道部に所属し今では部内では1、2番歴が長い。
そして弓道部の部長も公誓だった。副部長は宗次郎。2人で穏やかに部活を牽引してきた。








 転入生は生徒会を狙っているのではないか。
公誓はそう考えていた。だから書記の宗次郎が居るここ弓道場にも転入生が来ないか少し心配していた。この静寂に包まれた心休まる場所が公誓は好きだったからそれが邪魔されるのは嫌だった。





今はまだ大丈夫そうだ。今朝も公誓1人しかいない。珍しく宗次郎は居ないようだが、何か用事でもあったのだろう。




その後何度か的に矢を命中させ、片付けをはじめた。





 














朝練が終わり教室に向かう。
その途中朝の見回り帰りの弦斗と合流し一緒に向かった。



「おはよう。」





「おはよう公誓。朝練はどうだったか?そういえば宗次郎は一緒じゃないんだな。」




弦斗はいつも居るはずの宗次郎が居ないことに違和感を覚えたようだ。




「ああ、気づいた?今朝はまだ宗次郎と会っていないんだ。」




「まあアイツの事だし寝坊でもしたんじゃないか?」




「それありそうだよね。時々寝坊で朝練遅れるし。きっとそれかも。」






「それより聞いたか?昨日の騒動の後のこと。会長達が転入生を生徒会室に招き入れたんだとよ。」




は?生徒会室に?


本当大丈夫なのか生徒会は。少し宗次郎が心配だ。面倒事に巻き込まれてないといいけど。






「会長達は自分たちの影響力をわかってないのかな。」



「1回分からせてやるか。」



そう言いながら弦斗は拳を握り突き出してきた。


「君が言うのはなんか危ないな。絶対手を出すのはダメだからね。いくらイラついてもだよ。分かってる?」




「はいはい。殴りはしないから安心して。」




全く説得力のない言葉だった。






弦斗とお喋りをしている内にいつの間にか教室に着いていた。
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