白銀に輝く君はとても綺麗だ

柴山

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とうとう歓迎会の前日に差し掛かった。



明日の最終確認を生徒会と風紀達で行う。




明日の為に今日は一般生徒達は半日で下校だった。そのまま寮に帰り勉強する者、学園に備え付けられている娯楽施設で遊ぶ者、時間の使い方は様々だ。



公誓達も話し合いが終わり帰ろうとした時、副会長の直人に呼び止められた。



「新山君少し用事があるのですけど、いいですか?」





珍しい。逢瀬のこともあり仲が悪いと否定出来ない関係で、一方的に嫌われていると思っていた副会長から声をかけられるとは思ってもみなかった。



用事ってなんだろう。公誓自身はおそらく逢瀬関連かと予想していた。





「別に時間はありますけど、何の用事か教えて貰ってもよろしいですか?」




「はい。貴方も分かってると思いますが、翠の事です。翠が貴方に話したい事があるらしいのですが、佐見川君に尋ねても否と言われるので貴方ならと思いまして。良いのならこの後すぐにでもよろしくお願いします。」




何故、初めから僕に言わなかったんだ?そう思ったもののの万が一僕に危害が加わらないよう弦斗なりに牽制してくれたのだろうか。




「分かりました。すぐ終わるなら今からで大丈夫です。」




弦斗に目配せし一応スマホでLINEを入れておく。


20分しても帰ってこなかったら、様子を見に来て欲しい、と。





「ありがとうございます。では、翠は2階の美術室で待ってます。そこに行ってください。」



近くの教室ではないのか。少し疑問に思った。



「副会長は行かないんですか?」



「はい。翠に2人きりにして欲しいと言われたので。あ、間違っても翠を襲うことはしないで下さいね。そんな事、風紀の副委員長様はしないと思いますが。」


逢瀬を襲う?何を言ってるんだこの人は。どちらかと言うと逢瀬の方が僕を襲いそうなんだが。まあ、見た目では自分で言うけど僕は綺麗系、逢瀬は可愛い系だ。


逢瀬の本性を知らなかったら、しょうがないのかもしれない。


それにしても副会長の言い方には棘があった。




「では、翠が待っていますので、早速向かって欲しいです。」



「そうですね。あまり長い時間待たせるのは申し訳ないのでもう行きますね。それでは。」





副会長に急かされたので急いで美術室に向かう。






2階には人影が全くない。午後になって生徒達がみな下校してしまったので無理もないことだった。



静寂に包まれ僕が廊下を歩く音だけが足早に聴こえる。






2階の1番端にある、美術室に到着した。戸に手をかけ入室した。




公誓の目に映ったのは異様な光景だった。


普段から美術室を授業などで使っている筈なのに美術室の中には同じモデルで描かれた無数の絵があった。


その絵のモデルには心当たりがある。毎日見ている自分の顔、体だった。




その絵に気を取られながら、肝心の逢瀬を探した。
絵に囲まれている所に彼は居た。



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