113 / 126
100.ジルベルト、予想を上回る覚醒に(笑)
しおりを挟む
教会を辞めたジルベルトは、ロクサーナのそばで魔力量を増やす為の特訓をはじめた。
「魔力を枯渇させるのは結構大変だな」
ジルベルトは水・風・光の3属性。かなり多い魔力を枯渇させるには、相当な数の魔法を使い続ける必要がある。
部屋の中で使えて誰にも迷惑をかけないは光魔法だと考え、できる限り魔力消費の多い魔法を使い続けた。
天気のいい日には、窓を開けて海や山に向けて回復と浄化。回復魔法を風に乗せると、山の上でゴン太が驚いて火を吹いた。
浄化した水を風で飛ばせば木の葉が艶々と輝き、海の底に埋もれていた不廃物が分解されていく。
そのお陰で山の木は葉を生い茂らせ、普段より大きな果実が実り、花がいつまでも咲き続ける。魚達は元気に跳ねてミュウ達が大漁だと大騒ぎ。
「ジルさんの魔法で季節外れのキノコが大量に手に入ったけん、今日のスープに入れてみたよ」
「広場で父ちゃん達がキノコパーティーしよるけん、気が向いたら行ってみんちゃいね」
ジルベルトの努力が実ったのか、ロクサーナが目覚める頃には新しい属性が増えた⋯⋯闇魔法が。
【いや~、ジルベルトらしいなあ。火と土をすっ飛ばして闇かぁ】
【いや~、闇属性は悪くねえよ。後から生えるのが珍しいってだけでな⋯⋯ただ、初っ端に覚えたのがシャドウ系なのが、ウケるっつうか。もう、欲望ダダ漏れっつうか】
シャドウ系は影を操る魔法。相手の陰に潜んで一緒に行動したり、召喚獣や物を自分の影に潜ませることもできる。
【ジルちゃんは~、サーナについてく気、満々だも~ん】
【ジルベルト⋯⋯ヤバい】
【ジルベルト⋯⋯危険】
クロちゃんやカイちゃんの慈悲か根負けか。いずれジルベルトは転移と異空間収納を覚えるが、それはまだまだ先のこと。
聖王国と教会が崩壊し、職を失ったガンツが噂の奥さんを連れて島に移住してきた。
「すげえ! この薬草園、ロクサーナの魔力がみちみちじゃねえか! 寝てても薬草の世話してるってことか? ヤバすぎんだろ。あっ、精力剤の元発見!」
特定の薬草に向けて走り出したガンツが、奥ちゃんに張り飛ばされて宙を舞った。
「ぐへぇっ!」
「エロエロしてないで、とっとと働きな。じゃないと海にぶち込んで、魚の餌にしちまうからね!」
ロクサーナは常日頃ガンツの奥ちゃんの体力を心配していたが⋯⋯全然大丈夫そうな気配。
聖王国所属だった聖女や魔法士達は、仲間を集めて冒険者になったり、他国からのスカウトで移住したり。最も多くの魔法使いを獲得したのはハプスシード公国だった。
その理由は⋯⋯ ダンゼリアムの王侯貴族のほぼ全員がなんらかの犯罪に加担しており、処刑・禁錮刑・罰金刑に処せられるのが確実となった。その壊滅状態になった王国を併合したのが王国の隣にある、ハプスシード公国だったから。
魔物の森の管理や大陸への進出で、魔法使いの大量募集を行ったせい。
高級志向の貴族や金持ちが観光に訪れる公国は元々の治安も良く、公王以外の官僚達もかなり優秀らしい。応募してきた聖女や魔法士の面接でも魔法の技術より、協調性や仕事に対する考え方に注目した。
そのお陰で強力な魔法が使えても、腐った聖女や魔法士はかなり省かれた。
【漁夫の利ってやつだな】
【東の国じゃあ、棚からぼたもちって言うんだぜ】
その陰で、帝国所属の魔法士や聖女は魔法が全く使えなくなった。じわりじわりと国力が落ちた帝国が消滅するまで、後数年。
リューズベイの山から帰った4ヶ月後、漸くロクサーナの目が覚めた。
ロクサーナが倒れたのは初夏に近い頃だったが、今はもう少しずつ葉が紅葉しはじめている。
いつも通り少し窓を開けて部屋の換気をしながら、ジルベルトが話しはじめた。
「今日もいい天気だね。そろそろ栗拾いが出来そうだってカジャおばさんが言ってたよ。スイートポテトってあるだろ? で、今年はスイートマロンも作るんだって。
どっちが美味しいか競争だって張り切ってた。スイートポテトは結構甘いだろ? だから、俺としてはスイートマロンの方が気になるかな~」
「く⋯⋯栗⋯⋯マロ⋯⋯イス」
「ん? マロンアイス? じゃあ、カジャおばさんに作れるかどうか聞いて⋯⋯」
(今、人の声がしたような⋯⋯まさか!)
「サ、サーナ?」
ガバッと振り返ると顔を少し歪めたロクサーナが、手を喉に当てていた。
「ケホッケホッ⋯⋯アムひゅをひゅかったらお⋯⋯おいひいって」
「サーナァァァ!!」
大声で叫んでガバッと抱きついたジルベルトの胴締め技で、目の前が暗くなりはじめたロクサーナが必死に腕をタップした。
「死ぬ⋯⋯死んじゃ⋯⋯」
「あっ、ごめん! 目が覚めたんだね⋯⋯ウグッ⋯⋯よ、良かった」
滂沱の涙という言葉に相応しく、滝のような涙を流すジルベルトの顔が残念な事になっているが、アラクネなら『これはこれで良し!』と言いそう。
どんな顔でも絵になる、イケメンは超お得。爆ぜろ、イケメン!
水を2杯飲み干して落ち着いたロクサーナは、ジルベルトがなぜ泣いているのか分からないが『多分、何かしでかしたのだろう』と、まずは謝罪からはじめた。
「あの、寝坊してごめんなさい。えーっと、ここって⋯⋯島?」
「そう、転移で連れて帰ってから、もう4ヶ月経ったんだ」
「⋯⋯そうなんですね~⋯⋯へ? 4ヶ月って、ええーっ! 寝すぎにも程が⋯⋯マジですか、季節飛んじゃってます。夏が消えた⋯⋯そりゃもう、本当にごめんなさい」
ベッドの上に正座して頭を下げると、顔を拭いたジルベルトが頭を撫でてくれた。
魔力枯渇と同時にユースティティの加護を受け、神聖魔法が使えるほどの魔力量と器を手に入れたロクサーナの髪は、元のシルバーブロンドにライトゴールドのメッシュが入っている。
「もしかして覚えてない?」
「えーっと、なんかやらかしたんだろうとは思うけど⋯⋯最後の記憶はですね。うーん、ん? カネーンスだ! 見つけたんです、まだ生きてて、ほんのり生きてる感じで、何とかしてあげたいんだけど、幻術が⋯⋯」
ロクサーナの記憶では、結界の中で小さな陽炎になっていたカネーンスを見つけたのが最後。助けてあげたいのに何も出来ないと苦しくなったのは覚えている。
「カネーンスはセイレーン達のところにいるから、心配しないで。なんでも『打倒キルケー』に参加したらしい。
今は余計な事を考えないで休まないとね」
「はい、でも4ヶ月も寝っぱなしだったならやらなきゃいけないことが一杯で。もうダメになったかもだけど、薬草園に行かなくちゃ。
あ、カネーンスは陽炎なのに、元気ですね~。今にも消えそうだったんで心配でしたけど、そのパワーがあれば大丈夫なのかな? あれ? 幻術かかってても山から出れたんだ」
(幻術のせいで山を彷徨っていたって言う話が違ってたのかな?)
「幻術はロクサーナが解いたから、今は光の玉にまで回復してる。この話は時間がかかるからまた後で⋯⋯」
「いやいやいやいや、私は何もしてませんから。なーんにも出来なくて謝った覚えがありますもん。ミュウ達がいたからなんか方法を見つけたんですよ。やっぱ、精霊って凄い」
キルケーの幻術がどのような仕組みか皆目見当がつかなかったし、近くで鑑定しても読み取れなかったのだから、自分に何かできたはずがないと頭を横に振った。
「兎に角先に何か食べよう。みんなも心配してるから、声をかけてくるよ」
「はい、なんか頭が混乱してて⋯⋯横になってても良いですか?」
「勿論だよ。すぐに戻るけど眠ければ寝て良いからね」
目を離すとまた何かあるかもしれないと不安になるが、何か口にしないといけないはず。軽くハグをしてから立ち上がり、ジルベルトがドアの取っ手に手をかけると⋯⋯。
バタン!
「魔力を枯渇させるのは結構大変だな」
ジルベルトは水・風・光の3属性。かなり多い魔力を枯渇させるには、相当な数の魔法を使い続ける必要がある。
部屋の中で使えて誰にも迷惑をかけないは光魔法だと考え、できる限り魔力消費の多い魔法を使い続けた。
天気のいい日には、窓を開けて海や山に向けて回復と浄化。回復魔法を風に乗せると、山の上でゴン太が驚いて火を吹いた。
浄化した水を風で飛ばせば木の葉が艶々と輝き、海の底に埋もれていた不廃物が分解されていく。
そのお陰で山の木は葉を生い茂らせ、普段より大きな果実が実り、花がいつまでも咲き続ける。魚達は元気に跳ねてミュウ達が大漁だと大騒ぎ。
「ジルさんの魔法で季節外れのキノコが大量に手に入ったけん、今日のスープに入れてみたよ」
「広場で父ちゃん達がキノコパーティーしよるけん、気が向いたら行ってみんちゃいね」
ジルベルトの努力が実ったのか、ロクサーナが目覚める頃には新しい属性が増えた⋯⋯闇魔法が。
【いや~、ジルベルトらしいなあ。火と土をすっ飛ばして闇かぁ】
【いや~、闇属性は悪くねえよ。後から生えるのが珍しいってだけでな⋯⋯ただ、初っ端に覚えたのがシャドウ系なのが、ウケるっつうか。もう、欲望ダダ漏れっつうか】
シャドウ系は影を操る魔法。相手の陰に潜んで一緒に行動したり、召喚獣や物を自分の影に潜ませることもできる。
【ジルちゃんは~、サーナについてく気、満々だも~ん】
【ジルベルト⋯⋯ヤバい】
【ジルベルト⋯⋯危険】
クロちゃんやカイちゃんの慈悲か根負けか。いずれジルベルトは転移と異空間収納を覚えるが、それはまだまだ先のこと。
聖王国と教会が崩壊し、職を失ったガンツが噂の奥さんを連れて島に移住してきた。
「すげえ! この薬草園、ロクサーナの魔力がみちみちじゃねえか! 寝てても薬草の世話してるってことか? ヤバすぎんだろ。あっ、精力剤の元発見!」
特定の薬草に向けて走り出したガンツが、奥ちゃんに張り飛ばされて宙を舞った。
「ぐへぇっ!」
「エロエロしてないで、とっとと働きな。じゃないと海にぶち込んで、魚の餌にしちまうからね!」
ロクサーナは常日頃ガンツの奥ちゃんの体力を心配していたが⋯⋯全然大丈夫そうな気配。
聖王国所属だった聖女や魔法士達は、仲間を集めて冒険者になったり、他国からのスカウトで移住したり。最も多くの魔法使いを獲得したのはハプスシード公国だった。
その理由は⋯⋯ ダンゼリアムの王侯貴族のほぼ全員がなんらかの犯罪に加担しており、処刑・禁錮刑・罰金刑に処せられるのが確実となった。その壊滅状態になった王国を併合したのが王国の隣にある、ハプスシード公国だったから。
魔物の森の管理や大陸への進出で、魔法使いの大量募集を行ったせい。
高級志向の貴族や金持ちが観光に訪れる公国は元々の治安も良く、公王以外の官僚達もかなり優秀らしい。応募してきた聖女や魔法士の面接でも魔法の技術より、協調性や仕事に対する考え方に注目した。
そのお陰で強力な魔法が使えても、腐った聖女や魔法士はかなり省かれた。
【漁夫の利ってやつだな】
【東の国じゃあ、棚からぼたもちって言うんだぜ】
その陰で、帝国所属の魔法士や聖女は魔法が全く使えなくなった。じわりじわりと国力が落ちた帝国が消滅するまで、後数年。
リューズベイの山から帰った4ヶ月後、漸くロクサーナの目が覚めた。
ロクサーナが倒れたのは初夏に近い頃だったが、今はもう少しずつ葉が紅葉しはじめている。
いつも通り少し窓を開けて部屋の換気をしながら、ジルベルトが話しはじめた。
「今日もいい天気だね。そろそろ栗拾いが出来そうだってカジャおばさんが言ってたよ。スイートポテトってあるだろ? で、今年はスイートマロンも作るんだって。
どっちが美味しいか競争だって張り切ってた。スイートポテトは結構甘いだろ? だから、俺としてはスイートマロンの方が気になるかな~」
「く⋯⋯栗⋯⋯マロ⋯⋯イス」
「ん? マロンアイス? じゃあ、カジャおばさんに作れるかどうか聞いて⋯⋯」
(今、人の声がしたような⋯⋯まさか!)
「サ、サーナ?」
ガバッと振り返ると顔を少し歪めたロクサーナが、手を喉に当てていた。
「ケホッケホッ⋯⋯アムひゅをひゅかったらお⋯⋯おいひいって」
「サーナァァァ!!」
大声で叫んでガバッと抱きついたジルベルトの胴締め技で、目の前が暗くなりはじめたロクサーナが必死に腕をタップした。
「死ぬ⋯⋯死んじゃ⋯⋯」
「あっ、ごめん! 目が覚めたんだね⋯⋯ウグッ⋯⋯よ、良かった」
滂沱の涙という言葉に相応しく、滝のような涙を流すジルベルトの顔が残念な事になっているが、アラクネなら『これはこれで良し!』と言いそう。
どんな顔でも絵になる、イケメンは超お得。爆ぜろ、イケメン!
水を2杯飲み干して落ち着いたロクサーナは、ジルベルトがなぜ泣いているのか分からないが『多分、何かしでかしたのだろう』と、まずは謝罪からはじめた。
「あの、寝坊してごめんなさい。えーっと、ここって⋯⋯島?」
「そう、転移で連れて帰ってから、もう4ヶ月経ったんだ」
「⋯⋯そうなんですね~⋯⋯へ? 4ヶ月って、ええーっ! 寝すぎにも程が⋯⋯マジですか、季節飛んじゃってます。夏が消えた⋯⋯そりゃもう、本当にごめんなさい」
ベッドの上に正座して頭を下げると、顔を拭いたジルベルトが頭を撫でてくれた。
魔力枯渇と同時にユースティティの加護を受け、神聖魔法が使えるほどの魔力量と器を手に入れたロクサーナの髪は、元のシルバーブロンドにライトゴールドのメッシュが入っている。
「もしかして覚えてない?」
「えーっと、なんかやらかしたんだろうとは思うけど⋯⋯最後の記憶はですね。うーん、ん? カネーンスだ! 見つけたんです、まだ生きてて、ほんのり生きてる感じで、何とかしてあげたいんだけど、幻術が⋯⋯」
ロクサーナの記憶では、結界の中で小さな陽炎になっていたカネーンスを見つけたのが最後。助けてあげたいのに何も出来ないと苦しくなったのは覚えている。
「カネーンスはセイレーン達のところにいるから、心配しないで。なんでも『打倒キルケー』に参加したらしい。
今は余計な事を考えないで休まないとね」
「はい、でも4ヶ月も寝っぱなしだったならやらなきゃいけないことが一杯で。もうダメになったかもだけど、薬草園に行かなくちゃ。
あ、カネーンスは陽炎なのに、元気ですね~。今にも消えそうだったんで心配でしたけど、そのパワーがあれば大丈夫なのかな? あれ? 幻術かかってても山から出れたんだ」
(幻術のせいで山を彷徨っていたって言う話が違ってたのかな?)
「幻術はロクサーナが解いたから、今は光の玉にまで回復してる。この話は時間がかかるからまた後で⋯⋯」
「いやいやいやいや、私は何もしてませんから。なーんにも出来なくて謝った覚えがありますもん。ミュウ達がいたからなんか方法を見つけたんですよ。やっぱ、精霊って凄い」
キルケーの幻術がどのような仕組みか皆目見当がつかなかったし、近くで鑑定しても読み取れなかったのだから、自分に何かできたはずがないと頭を横に振った。
「兎に角先に何か食べよう。みんなも心配してるから、声をかけてくるよ」
「はい、なんか頭が混乱してて⋯⋯横になってても良いですか?」
「勿論だよ。すぐに戻るけど眠ければ寝て良いからね」
目を離すとまた何かあるかもしれないと不安になるが、何か口にしないといけないはず。軽くハグをしてから立ち上がり、ジルベルトがドアの取っ手に手をかけると⋯⋯。
バタン!
88
あなたにおすすめの小説
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
婚約破棄された地味伯爵令嬢は、隠れ錬金術師でした~追放された辺境でスローライフを始めたら、隣国の冷徹魔導公爵に溺愛されて最強です~
ふわふわ
恋愛
地味で目立たない伯爵令嬢・エルカミーノは、王太子カイロンとの政略婚約を強いられていた。
しかし、転生聖女ソルスティスに心を奪われたカイロンは、公開の舞踏会で婚約破棄を宣言。「地味でお前は不要!」と嘲笑う。
周囲から「悪役令嬢」の烙印を押され、辺境追放を言い渡されたエルカミーノ。
だが内心では「やったー! これで自由!」と大喜び。
実は彼女は前世の記憶を持つ天才錬金術師で、希少素材ゼロで最強ポーションを作れるチート級の才能を隠していたのだ。
追放先の辺境で、忠実なメイド・セシルと共に薬草園を開き、のんびりスローライフを始めるエルカミーノ。
作ったポーションが村人を救い、次第に評判が広がっていく。
そんな中、隣国から視察に来た冷徹で美麗な魔導公爵・ラクティスが、エルカミーノの才能に一目惚れ(?)。
「君の錬金術は国宝級だ。僕の国へ来ないか?」とスカウトし、腹黒ながらエルカミーノにだけ甘々溺愛モード全開に!
一方、王都ではソルスティスの聖魔法が効かず魔瘴病が流行。
エルカミーノのポーションなしでは国が危機に陥り、カイロンとソルスティスは後悔の渦へ……。
公開土下座、聖女の暴走と転生者バレ、国際的な陰謀……
さまざまな試練をラクティスの守護と溺愛で乗り越え、エルカミーノは大陸の救済者となり、幸せな結婚へ!
**婚約破棄ざまぁ×隠れチート錬金術×辺境スローライフ×冷徹公爵の甘々溺愛**
胸キュン&スカッと満載の異世界ファンタジー、全32話完結!
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
【完結】婚約破棄された悪役令嬢ですが、魔法薬の勉強をはじめたら留学先の皇子に求婚されました
楠結衣
恋愛
公爵令嬢のアイリーンは、婚約者である第一王子から婚約破棄を言い渡される。
王子の腕にすがる男爵令嬢への嫌がらせを謝罪するように求められるも、身に覚えのない謝罪はできないと断る。その態度に腹を立てた王子から国外追放を命じられてしまった。
アイリーンは、王子と婚約がなくなったことで諦めていた魔法薬師になる夢を叶えることを決意。
薬草の聖地と呼ばれる薬草大国へ、魔法薬の勉強をするために向う。
魔法薬の勉強をする日々は、とても充実していた。そこで出会ったレオナード王太子の優しくて甘い態度に心惹かれていくアイリーン。
ところが、アイリーンの前に再び第一王子が現れ、アイリーンの心は激しく動揺するのだった。
婚約破棄され、諦めていた魔法薬師の夢に向かって頑張るアイリーンが、彼女を心から愛する優しいドラゴン獣人である王太子と愛を育むハッピーエンドストーリーです。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる