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101.突撃してきたお騒がせな奴をペチッてする
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【きゃ~! 本物のロクサーナだわ~! たった4ヶ月で目が覚めるなんて、いや~ん、凄すぎ~。そのメッシュ、めちゃめちゃイけてる~。ほら、見て見て~、私の色と一緒だよ~! お揃いなの~】
部屋に飛び込んできたユースティティの弾丸トークがはじまった。呆然として立ち尽くすジルベルトの前を通り過ぎて、ベッドの近くまで入り込んだユースティティは無遠慮にロクサーナの顔を覗き込んだ。
【まだ馴染み方が足りないみたいだけど、思った以上に適合しそうで安心した】
「あ、あの⋯⋯初めまして?」
正座のままはつらすぎるので、ベッドから足を下ろして座り小さく頭を下げた。
できれば部屋から放り出したいが、相手は腐ってる女神⋯⋯腐っても女神。下手に手を出したり抗議をすれば何が起きるか想像もつかない。
(こんな時こそクロノスやカイロスがいてくれれば)
(誰だろ? 人じゃないし精霊でもなくて神様っぽい。はっ! クロちゃんかカイちゃんのこ、恋人とかかも⋯⋯大人だもん、そういう相手がいてもおかしくないよね)
「ロクサーナ、その想像だけはやめてあげた方が良いよ。多分泣かれるからね」
クロノスやカイロスはユースティティのお喋りに辟易して逃げ回り、ミュウ達は最初からから相手にしない。
【そうだ! 人間ってまずは自己紹介するんだったわ。久しぶりに下界に来たからすっかり忘れてた~。
ゴホン! 移住希望者のユースティティです。職業は正義の女神で、時間と季節を司ったりも出来ちゃいま~す」
「⋯⋯チェンジで」
「ええぇぇぇ! なんでぇぇぇ!」
一瞬で無表情になったロクサーナは、ユースティティから目を逸らし完全拒絶。ロクサーナの神と人嫌いは伊達ではなく、相手が誰であろうと忖度する事はない。
「教会、嫌いなんです。んで、そこで祀られてるユースティティ様もあれなんで⋯⋯お会いできて光栄ですとも言えませんが、さようなら」
ユースティティという名前を聞いただけで、あの頃の記憶が蘇ってくる気がする。ミュウ達に会わなければ生きていなかった非力で役立たずな自分、ジルベルトに会うまで騙されている事に気付かなかった間抜けな自分。
あれから何年も経って心に残ったのは、飢餓や暴力の記憶よりも『無知と無力は何よりも恐ろしい』と言う事。一人でも戦える・一人でも稼げる・一人でも生活できる・一人でも生きていける。
そうなりたい⋯⋯ではなく、そうならなければ昔の自分に戻ってしまいそうで怖くてたまらない。
【あ、あ、あぅぅ⋯⋯あの時助けてあげなくてごめんね。すっごく反省してるの~。だから私の加護をつけて、神聖魔法を使えるようにしたげたのぉ。お詫びだから、この世界の理をちょーっと捻じ曲げたし。
この島、すっごく素敵なんだもん。お願い、移住して良いよって言って~】
「申し訳ないですが、教会とは関わりたくないんです」
【それなら大丈夫! 聖王国も教会もぶっ潰し⋯⋯】
「ユースティティ様!」
目が覚めたばかりのロクサーナに、余計なストレスを与えたくない。ユースティティは教会が潰れても『ざまぁ』で終わるかもしれないが、余計なことをあれこれと考えて、ロクサーナが頭を悩ますのは目に見えている。
「教会をぶっ潰した?」
「ユースティティ様、ロクサーナは目が覚めたばかりなんです。せめて体調が整うまでご退席願えませんか!?」
「教会がなくなったら、聖女や魔法士達は⋯⋯」
ぐらっと頭が揺れ前のめりになって、ベッドから転げ落ちそうになったロクサーナを、ジルベルトがギリギリで抱き抱えた。
ロクサーナをベッドにそっと横たえて、薄い上掛けで肩までしっかりと包み込んたジルベルトは、ユースティティに向き直った。
「ユースティティ様、どうかご退出下さい。当面は面会謝絶にさせていただきますので、お忘れなきようお願い申し上げます」
【ちょっと気を失っただけだもの、ジルベルトったら大袈裟ねえ。前の子は一年近く目が覚めなかったから、しっかりと身体に馴染んでたけど、ロクサーナはまだ4ヶ月だからちょっと不安定なのかもね。
でも顔色も良かったし、すぐに目が覚めると思⋯⋯きゃあ!⋯⋯カイロス、やめてぇぇ】
傲慢な台詞を吐いていたユースティティの身体が、突然足元にできた裂け目に引き摺り込まれていく。
【ちょ、やだ! 助けてぇぇ、なんで!? 私何もやってな⋯⋯】
(な、なかなか凄い絵面だな。ロクサーナが見てたら『助けなきゃ』とか言って一緒に飛び込みそう⋯⋯はぁ、眠ってて良かったよ)
【遅れてすまん。ユースティティがこんなに直ぐ、騒ぎを起こすとは思わなかった。無駄に有り余ってる行動力やら、自分勝手な思考とかを舐めてた】
ユースティティに見つからないように世界各地を飛び歩き、行方を掴ませないようにしていたせいで、ロクサーナの目覚めや、ユースティティの突撃に気付くのが遅れたらしい。
【島に寄り付かなければ、他のとこを探すはずだって思ったんだがなあ】
ユースティティが引き摺り込まれた裂け目は、カイロスが作り出した異次元に繋がっており、カイロスの手助けなしには逃げ出せない。
「失礼な物言いになりますが、ユースティティ様は暫く出入り禁止にしていただけると助かります」
【ああ、しっかりと縛りつけとく。クロも俺も女神達の暴走には手を焼いてるんだ。暇だとロクなことを考えねえってやつでさ、もうマジでウンザリだぜ】
「ロクサーナは聖王国と教会を潰したと聞いて気を失いました。次に目が覚めたら、暫くは穏やかに過ごさせたいと思っています」
【おうよ、その方が絶対に良いと思うぜ。正義の女神なんて言われてるけどよ、神の考える正義と人間が考える正義は違う。人間から見りゃ、神の言う正義なんざ随分と身勝手なもんだからな。
⋯⋯今回の加護だのなんだのもそうだが、ほとんどの神は人間の意思なんか気にもしてねえ。気まぐれで自分勝手、普段は珍しいおもちゃが勝手に動いてる⋯⋯くらいに思ってるくせに、退屈になると『神降臨』『我の神託』『天罰』とか言って遊びはじめる。誰かに文句を言われたりしたら⋯⋯この世界は自分が作った箱庭。その中なら自分は何しても良いとか言い出しやがる】
万物の最上位からすれば人間など虫や魔物と同じだろう。生きているのではなく、生存を許されている者といったところか。
立場が違えば価値観が大きく変わるのは当然の事だが、行動に対する影響や結果くらい考えて欲しいと思う。
(俺だって聖王国や教会が潰れてスッキリしたけど、その後⋯⋯国に住む人たちはどうなるとか、教会に所属している奴らの中にはマシな奴もいたとか。その辺を何も考えずドカーンだもんなぁ。
時間の余裕とか、タイミングを考えて欲しいなんてのは無理なんだろうな)
クロノスやカイロスとの交流が深まるたびに、神への理解が深まっていた気がしていたが、どうやら違っていたらしい。
【神は自分勝手でやりっぱなし⋯⋯精霊は白と黒しかねえ単純脳。そこを踏まえて関わらねえと振り回されて終わるぜ】
「カイロス様やクロノス様もですか?」
【ああ、俺達もアイツらと変わんねえよ。ロクサーナが面白すぎて勝手にそばを彷徨いてるだけだし、異空間収納やら転移やらも危険を無視して与えっぱなし】
人の持っていない能力は妬みや僻みを生む。虐めや迫害、拉致監禁⋯⋯危険ばかりが付き纏う。
(レオンを筆頭に、サブリナやセシルがいい例だよな)
友達になれそうとか、友達だと思っていたのに自分にはない能力がある。欲しくても手に入らないものを当たり前のように持っているのが羨ましい⋯⋯妬ましい⋯⋯利用して⋯⋯潰してやる。
(レオンはロクサーナの能力を知れば知るほど強引に付き纏いはじめたし、サブリナやセシルは自分に不足しているものを持ってるロクサーナに逆恨みしはじめた)
気を失ったロクサーナを心配するジルベルト達の気持ちは、簡単に加護を与えて悦にいるユースティティには、永遠に理解できないのだろう。
「人間同士でさえ正義の基準が違いますから、神と人なら違って当然でしょう。但し、それを押し付けられては困りますが」
【だな。女神の大半は天界に篭って、下界を眺めて口だけ動かしてやがる。そんなんじゃ相手の事は理解できねえのに、理解したつもりなのがめんどくせえ。んで、『我が正義』だのって力を振り翳すんだから。
いつかしっぺ返しが来る。そん時は一緒に『ざまぁ』って言ってやろうぜ】
「それは⋯⋯勇気が入りそうですね」
部屋に飛び込んできたユースティティの弾丸トークがはじまった。呆然として立ち尽くすジルベルトの前を通り過ぎて、ベッドの近くまで入り込んだユースティティは無遠慮にロクサーナの顔を覗き込んだ。
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クロノスやカイロスはユースティティのお喋りに辟易して逃げ回り、ミュウ達は最初からから相手にしない。
【そうだ! 人間ってまずは自己紹介するんだったわ。久しぶりに下界に来たからすっかり忘れてた~。
ゴホン! 移住希望者のユースティティです。職業は正義の女神で、時間と季節を司ったりも出来ちゃいま~す」
「⋯⋯チェンジで」
「ええぇぇぇ! なんでぇぇぇ!」
一瞬で無表情になったロクサーナは、ユースティティから目を逸らし完全拒絶。ロクサーナの神と人嫌いは伊達ではなく、相手が誰であろうと忖度する事はない。
「教会、嫌いなんです。んで、そこで祀られてるユースティティ様もあれなんで⋯⋯お会いできて光栄ですとも言えませんが、さようなら」
ユースティティという名前を聞いただけで、あの頃の記憶が蘇ってくる気がする。ミュウ達に会わなければ生きていなかった非力で役立たずな自分、ジルベルトに会うまで騙されている事に気付かなかった間抜けな自分。
あれから何年も経って心に残ったのは、飢餓や暴力の記憶よりも『無知と無力は何よりも恐ろしい』と言う事。一人でも戦える・一人でも稼げる・一人でも生活できる・一人でも生きていける。
そうなりたい⋯⋯ではなく、そうならなければ昔の自分に戻ってしまいそうで怖くてたまらない。
【あ、あ、あぅぅ⋯⋯あの時助けてあげなくてごめんね。すっごく反省してるの~。だから私の加護をつけて、神聖魔法を使えるようにしたげたのぉ。お詫びだから、この世界の理をちょーっと捻じ曲げたし。
この島、すっごく素敵なんだもん。お願い、移住して良いよって言って~】
「申し訳ないですが、教会とは関わりたくないんです」
【それなら大丈夫! 聖王国も教会もぶっ潰し⋯⋯】
「ユースティティ様!」
目が覚めたばかりのロクサーナに、余計なストレスを与えたくない。ユースティティは教会が潰れても『ざまぁ』で終わるかもしれないが、余計なことをあれこれと考えて、ロクサーナが頭を悩ますのは目に見えている。
「教会をぶっ潰した?」
「ユースティティ様、ロクサーナは目が覚めたばかりなんです。せめて体調が整うまでご退席願えませんか!?」
「教会がなくなったら、聖女や魔法士達は⋯⋯」
ぐらっと頭が揺れ前のめりになって、ベッドから転げ落ちそうになったロクサーナを、ジルベルトがギリギリで抱き抱えた。
ロクサーナをベッドにそっと横たえて、薄い上掛けで肩までしっかりと包み込んたジルベルトは、ユースティティに向き直った。
「ユースティティ様、どうかご退出下さい。当面は面会謝絶にさせていただきますので、お忘れなきようお願い申し上げます」
【ちょっと気を失っただけだもの、ジルベルトったら大袈裟ねえ。前の子は一年近く目が覚めなかったから、しっかりと身体に馴染んでたけど、ロクサーナはまだ4ヶ月だからちょっと不安定なのかもね。
でも顔色も良かったし、すぐに目が覚めると思⋯⋯きゃあ!⋯⋯カイロス、やめてぇぇ】
傲慢な台詞を吐いていたユースティティの身体が、突然足元にできた裂け目に引き摺り込まれていく。
【ちょ、やだ! 助けてぇぇ、なんで!? 私何もやってな⋯⋯】
(な、なかなか凄い絵面だな。ロクサーナが見てたら『助けなきゃ』とか言って一緒に飛び込みそう⋯⋯はぁ、眠ってて良かったよ)
【遅れてすまん。ユースティティがこんなに直ぐ、騒ぎを起こすとは思わなかった。無駄に有り余ってる行動力やら、自分勝手な思考とかを舐めてた】
ユースティティに見つからないように世界各地を飛び歩き、行方を掴ませないようにしていたせいで、ロクサーナの目覚めや、ユースティティの突撃に気付くのが遅れたらしい。
【島に寄り付かなければ、他のとこを探すはずだって思ったんだがなあ】
ユースティティが引き摺り込まれた裂け目は、カイロスが作り出した異次元に繋がっており、カイロスの手助けなしには逃げ出せない。
「失礼な物言いになりますが、ユースティティ様は暫く出入り禁止にしていただけると助かります」
【ああ、しっかりと縛りつけとく。クロも俺も女神達の暴走には手を焼いてるんだ。暇だとロクなことを考えねえってやつでさ、もうマジでウンザリだぜ】
「ロクサーナは聖王国と教会を潰したと聞いて気を失いました。次に目が覚めたら、暫くは穏やかに過ごさせたいと思っています」
【おうよ、その方が絶対に良いと思うぜ。正義の女神なんて言われてるけどよ、神の考える正義と人間が考える正義は違う。人間から見りゃ、神の言う正義なんざ随分と身勝手なもんだからな。
⋯⋯今回の加護だのなんだのもそうだが、ほとんどの神は人間の意思なんか気にもしてねえ。気まぐれで自分勝手、普段は珍しいおもちゃが勝手に動いてる⋯⋯くらいに思ってるくせに、退屈になると『神降臨』『我の神託』『天罰』とか言って遊びはじめる。誰かに文句を言われたりしたら⋯⋯この世界は自分が作った箱庭。その中なら自分は何しても良いとか言い出しやがる】
万物の最上位からすれば人間など虫や魔物と同じだろう。生きているのではなく、生存を許されている者といったところか。
立場が違えば価値観が大きく変わるのは当然の事だが、行動に対する影響や結果くらい考えて欲しいと思う。
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時間の余裕とか、タイミングを考えて欲しいなんてのは無理なんだろうな)
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【神は自分勝手でやりっぱなし⋯⋯精霊は白と黒しかねえ単純脳。そこを踏まえて関わらねえと振り回されて終わるぜ】
「カイロス様やクロノス様もですか?」
【ああ、俺達もアイツらと変わんねえよ。ロクサーナが面白すぎて勝手にそばを彷徨いてるだけだし、異空間収納やら転移やらも危険を無視して与えっぱなし】
人の持っていない能力は妬みや僻みを生む。虐めや迫害、拉致監禁⋯⋯危険ばかりが付き纏う。
(レオンを筆頭に、サブリナやセシルがいい例だよな)
友達になれそうとか、友達だと思っていたのに自分にはない能力がある。欲しくても手に入らないものを当たり前のように持っているのが羨ましい⋯⋯妬ましい⋯⋯利用して⋯⋯潰してやる。
(レオンはロクサーナの能力を知れば知るほど強引に付き纏いはじめたし、サブリナやセシルは自分に不足しているものを持ってるロクサーナに逆恨みしはじめた)
気を失ったロクサーナを心配するジルベルト達の気持ちは、簡単に加護を与えて悦にいるユースティティには、永遠に理解できないのだろう。
「人間同士でさえ正義の基準が違いますから、神と人なら違って当然でしょう。但し、それを押し付けられては困りますが」
【だな。女神の大半は天界に篭って、下界を眺めて口だけ動かしてやがる。そんなんじゃ相手の事は理解できねえのに、理解したつもりなのがめんどくせえ。んで、『我が正義』だのって力を振り翳すんだから。
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