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57.もう仕事には興味ないようで
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「仕事内容? ここの仕事は簡単な事ばかり。問題があるどころか片手間でできるわよ?」
「だから手を抜いてるの?」
「私の仕事は完璧だわ。それに、簡単すぎて手の抜きようもないしね」
「試用期間は3ヶ月って言ってあったわね。まだ3か月経ってないけどサラには辞めてもらうことにしたわ。ここの仕事は向いてなさそう」
「・・じゃあ、今日で終わり?」
「そう言うことね。今日までのお給料を日割り計算して渡すから荷物を纏め終わったら声をかけて」
「わかったわ。レオ様、すぐに荷物纏めてくるからそしたらカフェに行っておしゃべりしましょ」
サラは冷ややかな態度で立ち上がりレオに向けて甘えた声で話しかけた。
「ねえ、アンタ! ありがとうございましたとかお世話になりましたとかってないの!? ソフィーの会社で何年も世話になったんでしょ!?」
ジェニーが怒りを爆発させテーブルを叩いた。
「こんな所で働いてる人に言うのはアレですけど、保育学校なんかで働かされたのは私にとって汚点にしかならないので」
「ざけんじゃないわよ!!」
「ジェニー落ち着いて下さい。言っていいことと悪いことの区別さえついてない人にはいくら言ってもこの学校の大切さは理解できませんから」
「俺は行かない。サラと出かける理由がないんでね」
腕を組んで壁にもたれたレオは冷たい声でサラの誘いを断ったがサラは頬を赤らめながら首を傾げた。
「理由? 理由なんて・・一緒にいるだけで楽しいもの、ねっ?」
「悪いがサラといて楽しかった記憶はないな」
「なんでそんな意地悪を? ソフィーに何か言われたのね。騙されちゃダメ、言ったでしょう。ソフィーは平民学校さえ行ってないの」
「サラから聞く前にソフィーから聞いてる」
「仕事だって優秀なのは他の人なの。手柄を自分のものにしてるだけ。どうやって資金を集めてるか教えてあげたでしょう? そんな人の言う事を真に受けたら笑われちゃうわよ」
「ねえちょっと、ソフィーがどうやって資金を集めてるって言ってるの?」
苛立ちを抑えきれないジェニーが低い声でサラに問いかけた。
「ジェニーも知らないのね。ソフィーはちょくちょく裕福な殿方と出かけてくの」
「それで? 仕事でしょ?」
「そう思うでしょ? 本当はね、その人達と秘密の時間を過ごしてその対価に融資してもらってるのよ」
「ソフィーが売春してる?」
「その言葉は私の口からは言えない。だって凄くいけないことだもの」
「じゃあ、法律に触れる方法で金を稼いでるってのはどうだ?」
「流石レオ様ね、その通り!」
「それは誰かから聞いたのですか? それともはっきりした何かを目撃したのですか?」
「ソフィーは時々とても着飾って出て行くの。平民の癖に貴族みたいな格好でね。馬車で紳士がお迎えに来て腕を組んで出て行くの」
「呆れました。それだけでソフィーが身を持ち崩していると断言するなんて人間性を疑ってしまいますね」
冷ややかな目でローリーが言うとサラは両手を腰に当てて勝ち誇ったように言い募った。
「勿論それだけじゃないわ。紳士が送って来た時、馬車を降りてソフィーの手にキスしてソフィーの耳元で囁いてるのをみたわ! 凄くいやらしいって思ったの。
だからすぐわかったわ。平民学校さえいけなかったソフィーが大金を持ってる理由はパトロンがいっぱいいてみんなから貢いでもらってるんだって」
「えーっと、サラの言い分はそれだけ?」
ソフィーはサラがもっとすごい話をでっち上げてくるのだろうと覚悟していたので拍子抜けしてしまった。
「慌てても今更よ、悪い事はいつかバレるものなの」
「仕事中に貴族のような格好で出かける事は確かにあるわ。失礼のないように行く場所や相手の家格に合わせるのは当然のことだから。それと手にキスだっけ、それって貴族では割と普通の挨拶なの。馬車に乗り込む時手を差し出したりエスコートしたりするのと一緒で特別な意味はないの」
「でもねえ、平民が平気で貴族みたいに着飾るのは穢らわしい職業の女性だけなの。だから誤魔化せない。残念だったわね」
「確かにそれは一理あるわ。敢えて公表はしてないけど私は法律上は貴族なの。だから貴族っぽい格好をしても問題はないわね。隠してるわけじゃないから知ってる人は何人もいるわ」
「はあ? なにそれ・・」
「本当だ。ソフィーの養い親にも会って何度も話をしてる。ソフィーは子爵令嬢だ。まあ、どっちにしてもソフィーはソフィーだし、不埒な行いもしていない」
「レオ様、あたしソフィーに騙されたのね」
「サラ、これでソフィーに対する誤解が解けて円満退社なら良いのですがどうかしら?」
「どちらにしても、もう私には関係ない事だからレオ様と出て行きます」
「最後に私からひとつだけ。さっきサラが言った『不埒な方法で資金を得てる』なんて今後一言でも口にしたら名誉毀損で訴えるわ。私は正しい方法だけで仕事をしてきた自信があるしいつでも証拠を提出できる。
サラの言った言葉は真面目に働いている社員の努力を冒涜した事になるの。会社の資産も資金もみんなの正当な努力の結果だからそれだけは絶対に許せない」
「人の手柄を横取りしてるって言うのも名誉毀損になるから言わない方がいいわね」
「・・荷物纏めてきます」
サラが肩を怒らせて応接室を出て行きテーブルの上にはサラが焼いたコンフェッティの包みがぽつんと残されていた。
「さて、この後第二弾よね。ここで一気に終わらせるんでしょ? 今頃作戦練ってるのかなあ。レオ、頑張ってね」
疲れた顔のジェニーがレオに手を振った。
荷物を纏め終えたサラに給料を渡した。サラはソフィーとは目も合わせず頭も下げないでテーブルの上のコンフェッティの包みを取り上げた。
「レオ様、準備できたから行きましょう?」
「サラ、何度も言うようだが俺は行かない。元気でな」
「レオ様がいないと困るんです。お願い、一緒に来て」
「だから手を抜いてるの?」
「私の仕事は完璧だわ。それに、簡単すぎて手の抜きようもないしね」
「試用期間は3ヶ月って言ってあったわね。まだ3か月経ってないけどサラには辞めてもらうことにしたわ。ここの仕事は向いてなさそう」
「・・じゃあ、今日で終わり?」
「そう言うことね。今日までのお給料を日割り計算して渡すから荷物を纏め終わったら声をかけて」
「わかったわ。レオ様、すぐに荷物纏めてくるからそしたらカフェに行っておしゃべりしましょ」
サラは冷ややかな態度で立ち上がりレオに向けて甘えた声で話しかけた。
「ねえ、アンタ! ありがとうございましたとかお世話になりましたとかってないの!? ソフィーの会社で何年も世話になったんでしょ!?」
ジェニーが怒りを爆発させテーブルを叩いた。
「こんな所で働いてる人に言うのはアレですけど、保育学校なんかで働かされたのは私にとって汚点にしかならないので」
「ざけんじゃないわよ!!」
「ジェニー落ち着いて下さい。言っていいことと悪いことの区別さえついてない人にはいくら言ってもこの学校の大切さは理解できませんから」
「俺は行かない。サラと出かける理由がないんでね」
腕を組んで壁にもたれたレオは冷たい声でサラの誘いを断ったがサラは頬を赤らめながら首を傾げた。
「理由? 理由なんて・・一緒にいるだけで楽しいもの、ねっ?」
「悪いがサラといて楽しかった記憶はないな」
「なんでそんな意地悪を? ソフィーに何か言われたのね。騙されちゃダメ、言ったでしょう。ソフィーは平民学校さえ行ってないの」
「サラから聞く前にソフィーから聞いてる」
「仕事だって優秀なのは他の人なの。手柄を自分のものにしてるだけ。どうやって資金を集めてるか教えてあげたでしょう? そんな人の言う事を真に受けたら笑われちゃうわよ」
「ねえちょっと、ソフィーがどうやって資金を集めてるって言ってるの?」
苛立ちを抑えきれないジェニーが低い声でサラに問いかけた。
「ジェニーも知らないのね。ソフィーはちょくちょく裕福な殿方と出かけてくの」
「それで? 仕事でしょ?」
「そう思うでしょ? 本当はね、その人達と秘密の時間を過ごしてその対価に融資してもらってるのよ」
「ソフィーが売春してる?」
「その言葉は私の口からは言えない。だって凄くいけないことだもの」
「じゃあ、法律に触れる方法で金を稼いでるってのはどうだ?」
「流石レオ様ね、その通り!」
「それは誰かから聞いたのですか? それともはっきりした何かを目撃したのですか?」
「ソフィーは時々とても着飾って出て行くの。平民の癖に貴族みたいな格好でね。馬車で紳士がお迎えに来て腕を組んで出て行くの」
「呆れました。それだけでソフィーが身を持ち崩していると断言するなんて人間性を疑ってしまいますね」
冷ややかな目でローリーが言うとサラは両手を腰に当てて勝ち誇ったように言い募った。
「勿論それだけじゃないわ。紳士が送って来た時、馬車を降りてソフィーの手にキスしてソフィーの耳元で囁いてるのをみたわ! 凄くいやらしいって思ったの。
だからすぐわかったわ。平民学校さえいけなかったソフィーが大金を持ってる理由はパトロンがいっぱいいてみんなから貢いでもらってるんだって」
「えーっと、サラの言い分はそれだけ?」
ソフィーはサラがもっとすごい話をでっち上げてくるのだろうと覚悟していたので拍子抜けしてしまった。
「慌てても今更よ、悪い事はいつかバレるものなの」
「仕事中に貴族のような格好で出かける事は確かにあるわ。失礼のないように行く場所や相手の家格に合わせるのは当然のことだから。それと手にキスだっけ、それって貴族では割と普通の挨拶なの。馬車に乗り込む時手を差し出したりエスコートしたりするのと一緒で特別な意味はないの」
「でもねえ、平民が平気で貴族みたいに着飾るのは穢らわしい職業の女性だけなの。だから誤魔化せない。残念だったわね」
「確かにそれは一理あるわ。敢えて公表はしてないけど私は法律上は貴族なの。だから貴族っぽい格好をしても問題はないわね。隠してるわけじゃないから知ってる人は何人もいるわ」
「はあ? なにそれ・・」
「本当だ。ソフィーの養い親にも会って何度も話をしてる。ソフィーは子爵令嬢だ。まあ、どっちにしてもソフィーはソフィーだし、不埒な行いもしていない」
「レオ様、あたしソフィーに騙されたのね」
「サラ、これでソフィーに対する誤解が解けて円満退社なら良いのですがどうかしら?」
「どちらにしても、もう私には関係ない事だからレオ様と出て行きます」
「最後に私からひとつだけ。さっきサラが言った『不埒な方法で資金を得てる』なんて今後一言でも口にしたら名誉毀損で訴えるわ。私は正しい方法だけで仕事をしてきた自信があるしいつでも証拠を提出できる。
サラの言った言葉は真面目に働いている社員の努力を冒涜した事になるの。会社の資産も資金もみんなの正当な努力の結果だからそれだけは絶対に許せない」
「人の手柄を横取りしてるって言うのも名誉毀損になるから言わない方がいいわね」
「・・荷物纏めてきます」
サラが肩を怒らせて応接室を出て行きテーブルの上にはサラが焼いたコンフェッティの包みがぽつんと残されていた。
「さて、この後第二弾よね。ここで一気に終わらせるんでしょ? 今頃作戦練ってるのかなあ。レオ、頑張ってね」
疲れた顔のジェニーがレオに手を振った。
荷物を纏め終えたサラに給料を渡した。サラはソフィーとは目も合わせず頭も下げないでテーブルの上のコンフェッティの包みを取り上げた。
「レオ様、準備できたから行きましょう?」
「サラ、何度も言うようだが俺は行かない。元気でな」
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