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31.とんでもない報告会
「どっち⋯⋯えーっと、短い方?」
「んじゃ、短くてぶっ飛んでるケニスだな」
楽しそうに笑うルーカスと気まずそうな顔のケニスを交互に見ながらメリッサは首を傾げた。
「ケニスさん、どうぞ?」
「ハリーの妹をうちで預かってる」
「⋯⋯へ?」
目の前の皿に残っていたミントの葉をフォークでつつきながらメリッサの問いかけるような目線を無視したケニスがボソボソと話しはじめた。
「多分だけど、ハリーがワッツの指示で動いてるのは弟や妹のためだと思うんだ。弟はやらかしてるけど妹は完全な被害者だから、助けとこうかなぁと思って」
「深夜、療養所に押し入って妹の⋯⋯名前なんだっけ⋯⋯ああ、リリアナを連れてきちまったんだよな~」
「マジか~」
「彼女の怪我は療養所に入らなきゃいけないほどでもないし、療養所自体かなり劣悪な環境だったんだ。今は母上が面倒を見てくださってる」
「そっかぁ、マーサおばさまには大感謝だね。罪のない人が一人でも助かったら嬉しいし」
(何を隠してるんだろう⋯⋯ケニスってこういう時目を合わせなくなってボソボソ話すから分かりやすいんだよね)
「リリアナにとっちゃ白馬に乗った騎士様だったんだから仕方ねえよなあ」
「⋯⋯ああ、そう言うことかぁ。小説なんかでもよくあるやつね。劣悪な環境から助け出してくれた私の王子様って」
「やめてくれ! ホント困ってるんだから」
助け出されて数日は大人しかったリリアナだが、ケニスは自分のことが好きだから助けにきたと信じ誰の言葉にも耳を貸さないで困っていると言う。
『どこでお会いしたのか覚えてないのが申し訳なくて』
『お気持ちに応えられるよう一日も早く貴族のマナーを覚えますね~』
『平民のままだと将来ご迷惑がかかってしまうかも⋯⋯あ、そうか。こう言う場合って一度どこかのお家の養女になるんでしたね!』
「君のお兄さんが⋯⋯とか今はまだ言わない方がいいと思って黙ってたら、勘違いがドンドン進行してるんだ」
「マーサおばさまはなんて?」
「最後まで責任を持てって、世話はするけどそれ以外はノータッチだと仰ってる」
「じゃあ、おばさまも賛成ってことね」
「へ?」
ルーカスが『ブフッ!』と吹き出した横でケニスが青褪めた。
「だって、最後までってそう言うことでしょ?」
ふむふむとおかしなふうに納得しているメリッサを手をケニスがガシッと掴んだ。
「頼む! メリッサにまで勘違いされたら俺やってけない。それに母上はリリアナの事を気に入ってないんだ。その証拠に部屋に鍵を取り付けたし、必要最低限の部屋以外は封印してしまわれた」
我が物顔で屋敷を歩き回り物の配置を変えたり自分にあてがわれた客間に勝手に持ち込んだりするリリアナは、マーサの部屋にもノックなしで入っていきクローゼットや引き出しを勝手に開けようとする。注意すると⋯⋯、
『こっちにあったほうが断然素敵ですもん』
『若い女性の感性が反映されるのを、新しい風が吹き込んだっていうんですよね~』
『貴族ってルールが沢山あるんですねぇ。家族になるんだから気にしなくていいと思いますよぉ』
「アレが欲しいコレが欲しいとか言ってくるらしいし、家に帰るたびに母上にはキレられるしリリアナには迫られるし⋯⋯最悪なんだよ。マジ勘弁して欲しい」
「な、中々強烈なお嬢さんだったんだ。それは御愁傷様と言うか」
「ワッツ家の領地に隠れてるセオドアも連れてくるって騒ぐから俺が止めた」
「なんで? お兄ちゃんがいれば人の家の物をいじっちゃダメとか勝手に部屋に入るなとかの部分だけなら止めてくれそうな気がするけどなぁ。
両親の死で泣き叫んでいた事を考えれば過去を反省している可能性もあるし」
「ケニスもおんなじ事を言ったんだけどな、リリアナが増殖する可能性もある」
しばらく首を傾げていたメリッサが『あっ!』と叫んだ。
「セオドアってメイルーンに心酔して平気で悪事に手を染めた少年だったんだ」
「その通りなんだ、思い込みで突っ走る性格は共通してるだろ? それをおじさんに言われてなかったらとんでもないことになってたかも」
(今でも十分とんでもないことになってる⋯⋯のは黙っておくことにしよう)
「マーサおばさまが一番の被害者ってことね」
「半分はお前のせいだしな、なんか方法を考えてやれよ」
「へ?」
「お前が聖職者達に捕まるかもしれんって不安になったケニスが暴走した結果だからなあ」
メリッサがカーター達を連れて逃げている時に自暴自棄になったケニスがリリアナとセオドアを確保してハリーを誘き出し、一気に片付けてやると騒いだ結果だと知ったメリッサはかなり居心地が悪くなった。
(私のせい? うーん、私のせいもちょっとだけあるかも)
「⋯⋯うーん、いっぺん会ってみようかなぁ」
「是非! メリッサに会って話し合えばリリアナは納得するはず」
「それはない⋯⋯でも、このままにしとくのはマーサおばさまに申し訳ないもん」
「ヒューゴとサリナは兄妹だと言って宿に泊まってて、捕まえるなら直ぐなんだがハリーを誘き出す囮として泳がしてる」
「次は、俺の方の報告だな」
「んじゃ、短くてぶっ飛んでるケニスだな」
楽しそうに笑うルーカスと気まずそうな顔のケニスを交互に見ながらメリッサは首を傾げた。
「ケニスさん、どうぞ?」
「ハリーの妹をうちで預かってる」
「⋯⋯へ?」
目の前の皿に残っていたミントの葉をフォークでつつきながらメリッサの問いかけるような目線を無視したケニスがボソボソと話しはじめた。
「多分だけど、ハリーがワッツの指示で動いてるのは弟や妹のためだと思うんだ。弟はやらかしてるけど妹は完全な被害者だから、助けとこうかなぁと思って」
「深夜、療養所に押し入って妹の⋯⋯名前なんだっけ⋯⋯ああ、リリアナを連れてきちまったんだよな~」
「マジか~」
「彼女の怪我は療養所に入らなきゃいけないほどでもないし、療養所自体かなり劣悪な環境だったんだ。今は母上が面倒を見てくださってる」
「そっかぁ、マーサおばさまには大感謝だね。罪のない人が一人でも助かったら嬉しいし」
(何を隠してるんだろう⋯⋯ケニスってこういう時目を合わせなくなってボソボソ話すから分かりやすいんだよね)
「リリアナにとっちゃ白馬に乗った騎士様だったんだから仕方ねえよなあ」
「⋯⋯ああ、そう言うことかぁ。小説なんかでもよくあるやつね。劣悪な環境から助け出してくれた私の王子様って」
「やめてくれ! ホント困ってるんだから」
助け出されて数日は大人しかったリリアナだが、ケニスは自分のことが好きだから助けにきたと信じ誰の言葉にも耳を貸さないで困っていると言う。
『どこでお会いしたのか覚えてないのが申し訳なくて』
『お気持ちに応えられるよう一日も早く貴族のマナーを覚えますね~』
『平民のままだと将来ご迷惑がかかってしまうかも⋯⋯あ、そうか。こう言う場合って一度どこかのお家の養女になるんでしたね!』
「君のお兄さんが⋯⋯とか今はまだ言わない方がいいと思って黙ってたら、勘違いがドンドン進行してるんだ」
「マーサおばさまはなんて?」
「最後まで責任を持てって、世話はするけどそれ以外はノータッチだと仰ってる」
「じゃあ、おばさまも賛成ってことね」
「へ?」
ルーカスが『ブフッ!』と吹き出した横でケニスが青褪めた。
「だって、最後までってそう言うことでしょ?」
ふむふむとおかしなふうに納得しているメリッサを手をケニスがガシッと掴んだ。
「頼む! メリッサにまで勘違いされたら俺やってけない。それに母上はリリアナの事を気に入ってないんだ。その証拠に部屋に鍵を取り付けたし、必要最低限の部屋以外は封印してしまわれた」
我が物顔で屋敷を歩き回り物の配置を変えたり自分にあてがわれた客間に勝手に持ち込んだりするリリアナは、マーサの部屋にもノックなしで入っていきクローゼットや引き出しを勝手に開けようとする。注意すると⋯⋯、
『こっちにあったほうが断然素敵ですもん』
『若い女性の感性が反映されるのを、新しい風が吹き込んだっていうんですよね~』
『貴族ってルールが沢山あるんですねぇ。家族になるんだから気にしなくていいと思いますよぉ』
「アレが欲しいコレが欲しいとか言ってくるらしいし、家に帰るたびに母上にはキレられるしリリアナには迫られるし⋯⋯最悪なんだよ。マジ勘弁して欲しい」
「な、中々強烈なお嬢さんだったんだ。それは御愁傷様と言うか」
「ワッツ家の領地に隠れてるセオドアも連れてくるって騒ぐから俺が止めた」
「なんで? お兄ちゃんがいれば人の家の物をいじっちゃダメとか勝手に部屋に入るなとかの部分だけなら止めてくれそうな気がするけどなぁ。
両親の死で泣き叫んでいた事を考えれば過去を反省している可能性もあるし」
「ケニスもおんなじ事を言ったんだけどな、リリアナが増殖する可能性もある」
しばらく首を傾げていたメリッサが『あっ!』と叫んだ。
「セオドアってメイルーンに心酔して平気で悪事に手を染めた少年だったんだ」
「その通りなんだ、思い込みで突っ走る性格は共通してるだろ? それをおじさんに言われてなかったらとんでもないことになってたかも」
(今でも十分とんでもないことになってる⋯⋯のは黙っておくことにしよう)
「マーサおばさまが一番の被害者ってことね」
「半分はお前のせいだしな、なんか方法を考えてやれよ」
「へ?」
「お前が聖職者達に捕まるかもしれんって不安になったケニスが暴走した結果だからなあ」
メリッサがカーター達を連れて逃げている時に自暴自棄になったケニスがリリアナとセオドアを確保してハリーを誘き出し、一気に片付けてやると騒いだ結果だと知ったメリッサはかなり居心地が悪くなった。
(私のせい? うーん、私のせいもちょっとだけあるかも)
「⋯⋯うーん、いっぺん会ってみようかなぁ」
「是非! メリッサに会って話し合えばリリアナは納得するはず」
「それはない⋯⋯でも、このままにしとくのはマーサおばさまに申し訳ないもん」
「ヒューゴとサリナは兄妹だと言って宿に泊まってて、捕まえるなら直ぐなんだがハリーを誘き出す囮として泳がしてる」
「次は、俺の方の報告だな」
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