68 / 97
66. あと5日、暴走しはじめたワッツ
月曜日、ゲーム開始まであと5日。
「ピーター・ワッツが怪我をして仕事を休んだが、ありゃ間違いなくわざとだな」
土曜の夜の定期連絡にハリーが来なかったせいで朝までまんじりともせず起きていたワッツは、日曜の夜に運悪く足を滑らせて階段から落ちて頭を打った。
医師の診断でしばらく安静が必要だと言われ仕事を休んで部屋で大人しくしているというが、リリアナとセオドアの所在確認の為の偽装工作だと踏んでいる。
「動くとしても病院しかいけないよね?」
「ああ、病院は近えが領地は遠すぎるからな」
土曜日の午前6時に港で集合し船で離島に渡る予定なのでゲームに参加するなら、木曜日に王都を出発し前泊して港に向かうか、金曜日に王都を出発して土曜日の朝直接港に行かなければ間に合わない。
ワッツの屋敷からリリアナが入院していた病院までは半日だが、片道3日かかる領地に向かうとステファン主催のゲームに間に合わなくなる。
もっと早くに御者達を捕まえた時はハリーを説得して定期の連絡だけに行かせ、捕まえられなかった時は手持ちの犯罪の証拠だけで追い詰めるつもりだったが⋯⋯ケニス達がハリー達を最高のタイミングで捕まえた。
「メイルーンが来るのが確定してるゲームを外すわけにはいかんワッツとの勝負は今んとこ俺達に追い風が吹いてるが、凶暴性は確実に増してるから用心しねえとな」
何も知らないピーター・ワッツは不安な気持ちを押し隠して予想通り月曜日の午後屋敷を出発しリリアナの病院を訪ねた。
リリアナを連れ出すなら暗くなってからの方がいいだろうと考えていたワッツは院長の話の途中で怒鳴りはじめた。
『いないだと!? いつからだ、なぜ連絡してこなかった!』
しどろもどろの言い訳をする院長の首を絞め床に投げ捨てたワッツは驚愕して立ち竦む職員を端から手にかけた後馬車に戻り頭を抱え込んだ。
『このタイミングで! くそっ、ハリーめ⋯⋯俺様に楯突いてタダで済むと思うな。こんな事ならもっと早い時間に来るべきだった。ハリーごときが俺様の裏をかくなど絶対に許すものか!』
ハリーの話にあった8ヶ月くらい前にワッツに届いた手紙はおそらくメイルーンからのものだと予想している。
「ちょうどその頃メイルーンの持ってるランクル子爵領で大きな崩落事故が起きてるから大金が必要になったメイルーンがワッツを脅したんだろうな」
サマネス枢機卿から聞いたらしい『ワッツ公爵家の悪魔とランクル子爵家の繋がり』を仄めかされて一度は大金を強請られたピーター・ワッツだが、ゲーム当日に金をもってこいと言われたのを『金の工面ができない』と言って断っている。
「ハリーに御者を捕まえさせたらイーブンにできると狙って断ったんだろうがなぁ」
一度甘い汁を吸って調子に乗っていたメイルーンがワッツに頼みを断られて腹を立てていないわけがない。自分のいないところでメイルーンが何を言い出すかわからないワッツはこの状況でもゲームに参加しなければならない。
「早馬で領地に手紙を出すくらいしかできないって事なら⋯⋯飛脚便だと何日くらいで着くのかな?」
「あそこら辺の道は結構荒れてるから朝出しても2日はかかるだろうな。まあ、手紙より先に捕獲チームが仕事を終わらせるはずだから心配するこたぁねえよ」
「これからマシュー・ホッグスに会いに行ってきます」
マシュー・ホッグスはハリー達の通り魔事件を記事にして干されたモーニング・グローの新聞記者。
協力を求めた時かなり尻込みしていたホッグスは独占取材の契約と引き換えに協力する事になった。
「ホッグスは一番のキーマンだから絶対にヘマすんなよ」
乱した髪とヨレヨレの平民服を着ていても貴族臭が抜けないケニスに不安を覚えたルーカスが声をかけた。
「はい、十分に注意して行ってきます」
出かけて行くケニスを見送った後メリッサはルーカスに書類の束を渡しながら溜息をついた。
「一番心配なのはセオドアの捕獲チームだよね」
「大丈夫だと信じるしかねえだろうな。あれだけの人数を向かわせたんだ、ワッツの手紙が届くより先に行動できりゃこっちの勝ちだ」
メイルーンや教会のためなら何でもやっていた過去と薬物を使用されている疑いがあるセオドアがどんな行動に出るか全く予測がつかない。
使用人達がかなり屈強な者達だったと聞いたケニスは捕獲チームに『少しくらい手荒な真似をしてもいい』と言って送り出したと言う。
(あのワッツだからただ薬漬けにしてセオドアを放置していたとは思えん。洗脳くらいしてそうだとは思うが⋯⋯どんな風にそれをやってるのかが問題だよなぁ)
少し前に現地調査に向かった者が『屋敷に全く近付けない』と報告してきたほど完全に孤立した屋敷は、外部との接触もなく唯一分かったのは週に一度近くの村の前を通り過ぎる荷馬車がいることだけ。
捕獲チームには医師を同行させると共に腕力に自信のある者ばかりを選んだ。
「セオドアの頭ん中がどうなってるかわかんねえからな、善悪の判断ができなくされてて反撃してきたらある程度の怪我は覚悟しとかねえとな」
誰ひとり傷つく事なく終わらせたいと願っているメリッサの気持ちを知っているルーカスがさりげない風を装いながら釘を刺した。
領地の外れにある別荘にいる使用人や間取りなどの情報をハリーから聞き出し、全方向から包囲できるだけの人数を動員したがゲーム当日以外で唯一怪我人が出る可能性があるのがこのセオドア捕獲。
「使用人は結構腕の立つ奴らだったと言うしセオドアが素直に捕獲されるとも思えんから少しくらいの怪我は仕方ねえだろう」
メイルーンの元で様々な悪事を働いていたセオドアには元から理性や常識が通用しない可能性が高い。
「できる限りの準備はしたけど⋯⋯怪我とかしないことを祈るしかないってことかぁ」
「ピーター・ワッツが怪我をして仕事を休んだが、ありゃ間違いなくわざとだな」
土曜の夜の定期連絡にハリーが来なかったせいで朝までまんじりともせず起きていたワッツは、日曜の夜に運悪く足を滑らせて階段から落ちて頭を打った。
医師の診断でしばらく安静が必要だと言われ仕事を休んで部屋で大人しくしているというが、リリアナとセオドアの所在確認の為の偽装工作だと踏んでいる。
「動くとしても病院しかいけないよね?」
「ああ、病院は近えが領地は遠すぎるからな」
土曜日の午前6時に港で集合し船で離島に渡る予定なのでゲームに参加するなら、木曜日に王都を出発し前泊して港に向かうか、金曜日に王都を出発して土曜日の朝直接港に行かなければ間に合わない。
ワッツの屋敷からリリアナが入院していた病院までは半日だが、片道3日かかる領地に向かうとステファン主催のゲームに間に合わなくなる。
もっと早くに御者達を捕まえた時はハリーを説得して定期の連絡だけに行かせ、捕まえられなかった時は手持ちの犯罪の証拠だけで追い詰めるつもりだったが⋯⋯ケニス達がハリー達を最高のタイミングで捕まえた。
「メイルーンが来るのが確定してるゲームを外すわけにはいかんワッツとの勝負は今んとこ俺達に追い風が吹いてるが、凶暴性は確実に増してるから用心しねえとな」
何も知らないピーター・ワッツは不安な気持ちを押し隠して予想通り月曜日の午後屋敷を出発しリリアナの病院を訪ねた。
リリアナを連れ出すなら暗くなってからの方がいいだろうと考えていたワッツは院長の話の途中で怒鳴りはじめた。
『いないだと!? いつからだ、なぜ連絡してこなかった!』
しどろもどろの言い訳をする院長の首を絞め床に投げ捨てたワッツは驚愕して立ち竦む職員を端から手にかけた後馬車に戻り頭を抱え込んだ。
『このタイミングで! くそっ、ハリーめ⋯⋯俺様に楯突いてタダで済むと思うな。こんな事ならもっと早い時間に来るべきだった。ハリーごときが俺様の裏をかくなど絶対に許すものか!』
ハリーの話にあった8ヶ月くらい前にワッツに届いた手紙はおそらくメイルーンからのものだと予想している。
「ちょうどその頃メイルーンの持ってるランクル子爵領で大きな崩落事故が起きてるから大金が必要になったメイルーンがワッツを脅したんだろうな」
サマネス枢機卿から聞いたらしい『ワッツ公爵家の悪魔とランクル子爵家の繋がり』を仄めかされて一度は大金を強請られたピーター・ワッツだが、ゲーム当日に金をもってこいと言われたのを『金の工面ができない』と言って断っている。
「ハリーに御者を捕まえさせたらイーブンにできると狙って断ったんだろうがなぁ」
一度甘い汁を吸って調子に乗っていたメイルーンがワッツに頼みを断られて腹を立てていないわけがない。自分のいないところでメイルーンが何を言い出すかわからないワッツはこの状況でもゲームに参加しなければならない。
「早馬で領地に手紙を出すくらいしかできないって事なら⋯⋯飛脚便だと何日くらいで着くのかな?」
「あそこら辺の道は結構荒れてるから朝出しても2日はかかるだろうな。まあ、手紙より先に捕獲チームが仕事を終わらせるはずだから心配するこたぁねえよ」
「これからマシュー・ホッグスに会いに行ってきます」
マシュー・ホッグスはハリー達の通り魔事件を記事にして干されたモーニング・グローの新聞記者。
協力を求めた時かなり尻込みしていたホッグスは独占取材の契約と引き換えに協力する事になった。
「ホッグスは一番のキーマンだから絶対にヘマすんなよ」
乱した髪とヨレヨレの平民服を着ていても貴族臭が抜けないケニスに不安を覚えたルーカスが声をかけた。
「はい、十分に注意して行ってきます」
出かけて行くケニスを見送った後メリッサはルーカスに書類の束を渡しながら溜息をついた。
「一番心配なのはセオドアの捕獲チームだよね」
「大丈夫だと信じるしかねえだろうな。あれだけの人数を向かわせたんだ、ワッツの手紙が届くより先に行動できりゃこっちの勝ちだ」
メイルーンや教会のためなら何でもやっていた過去と薬物を使用されている疑いがあるセオドアがどんな行動に出るか全く予測がつかない。
使用人達がかなり屈強な者達だったと聞いたケニスは捕獲チームに『少しくらい手荒な真似をしてもいい』と言って送り出したと言う。
(あのワッツだからただ薬漬けにしてセオドアを放置していたとは思えん。洗脳くらいしてそうだとは思うが⋯⋯どんな風にそれをやってるのかが問題だよなぁ)
少し前に現地調査に向かった者が『屋敷に全く近付けない』と報告してきたほど完全に孤立した屋敷は、外部との接触もなく唯一分かったのは週に一度近くの村の前を通り過ぎる荷馬車がいることだけ。
捕獲チームには医師を同行させると共に腕力に自信のある者ばかりを選んだ。
「セオドアの頭ん中がどうなってるかわかんねえからな、善悪の判断ができなくされてて反撃してきたらある程度の怪我は覚悟しとかねえとな」
誰ひとり傷つく事なく終わらせたいと願っているメリッサの気持ちを知っているルーカスがさりげない風を装いながら釘を刺した。
領地の外れにある別荘にいる使用人や間取りなどの情報をハリーから聞き出し、全方向から包囲できるだけの人数を動員したがゲーム当日以外で唯一怪我人が出る可能性があるのがこのセオドア捕獲。
「使用人は結構腕の立つ奴らだったと言うしセオドアが素直に捕獲されるとも思えんから少しくらいの怪我は仕方ねえだろう」
メイルーンの元で様々な悪事を働いていたセオドアには元から理性や常識が通用しない可能性が高い。
「できる限りの準備はしたけど⋯⋯怪我とかしないことを祈るしかないってことかぁ」
あなたにおすすめの小説
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
幼馴染に振られたので薬学魔法士目指す
MIRICO
恋愛
オレリアは幼馴染に失恋したのを機に、薬学魔法士になるため、都の学院に通うことにした。
卒院の単位取得のために王宮の薬学研究所で働くことになったが、幼馴染が騎士として働いていた。しかも、幼馴染の恋人も侍女として王宮にいる。
二人が一緒にいるのを見るのはつらい。しかし、幼馴染はオレリアをやたら構ってくる。そのせいか、恋人同士を邪魔する嫌な女と噂された。その上、オレリアが案内した植物園で、相手の子が怪我をしてしまい、殺そうとしたまで言われてしまう。
私は何もしていないのに。
そんなオレリアを助けてくれたのは、ボサボサ頭と髭面の、薬学研究所の局長。実は王の甥で、第二継承権を持った、美丈夫で、女性たちから大人気と言われる人だった。
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。
お返事ネタバレになりそうなので、申し訳ありませんが控えさせていただきます。
ちゃんと読んでおります。ありがとうございます。
王命により、婚約破棄されました。
緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。
好きでした、婚約破棄を受け入れます
たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……?
※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。
王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。
佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。
だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。
その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。
クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。
ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
隠れ蓑婚約者 ~了解です。貴方が王女殿下に相応しい地位を得るまで、ご協力申し上げます~
夏笆(なつは)
恋愛
ロブレス侯爵家のフィロメナの婚約者は、魔法騎士としてその名を馳せる公爵家の三男ベルトラン・カルビノ。
ふたりの婚約が整ってすぐ、フィロメナは王女マリルーより、自身とベルトランは昔からの恋仲だと打ち明けられる。
『ベルトランはね、あたくしに相応しい爵位を得ようと必死なのよ。でも時間がかかるでしょう?だからその間、隠れ蓑としての婚約者、よろしくね』
可愛い見た目に反するフィロメナを貶める言葉に衝撃を受けるも、フィロメナはベルトランにも確認をしようとして、機先を制するように『マリルー王女の警護があるので、君と夜会に行くことは出来ない。今後についても、マリルー王女の警護を優先する』と言われてしまう。
更に『俺が同行できない夜会には、出席しないでくれ』と言われ、その後に王女マリルーより『ベルトランがごめんなさいね。夜会で貴女と遭遇してしまったら、あたくしの気持ちが落ち着かないだろうって配慮なの』と聞かされ、自由にしようと決意する。
『俺が同行出来ない夜会には、出席しないでくれと言った』
『そんなのいつもじゃない!そんなことしていたら、若さが逃げちゃうわ!』
夜会の出席を巡ってベルトランと口論になるも、フィロメナにはどうしても夜会に行きたい理由があった。
それは、ベルトランと婚約破棄をしてもひとりで生きていけるよう、靴の事業を広めること。
そんな折、フィロメナは、ベルトランから、魔法騎士の特別訓練を受けることになったと聞かされる。
期間は一年。
厳しくはあるが、訓練を修了すればベルトランは伯爵位を得ることが出来、王女との婚姻も可能となる。
つまり、その時に婚約破棄されると理解したフィロメナは、会うことも出来ないと言われた訓練中の一年で、何とか自立しようと努力していくのだが、そもそもすべてがすれ違っていた・・・・・。
この物語は、互いにひと目で恋に落ちた筈のふたりが、言葉足らずや誤解、曲解を繰り返すうちに、とんでもないすれ違いを引き起こす、魔法騎士や魔獣も出て来るファンタジーです。
あらすじの内容と実際のお話では、順序が一致しない場合があります。
小説家になろうでも、掲載しています。
Hotランキング1位、ありがとうございます。