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ミリアは深呼吸して、右手を伸ばした。水晶に手を当てると、手のひらが熱くなり、水晶が金色に光り始めた。
後ろに立っていた大男が、ミリアの手を水晶から引き剥がした。エラが慌てている。
「今の何?」
「エラ、ギルマス連れてこい」
「うっ、うん」
エラが椅子から立ち上がり、後ろのドアを開けバタバタと走って行く。
「おい、今なんか光んなかった?」
「いや、気のせいだろ」
「なら何でギルマス呼ぶんだ?」
「エラ、慌ててたし」
「あいつはいつもそんなもんだろ」
2階からギルマスが顔を出した。
「おい、ノア。ちびすけ連れて上がって来い」
大男がミリアの手を引いて、2階に上がった。
「んで、このチビちゃんが?」
ミリアはギルマスを睨みつけた。
「名前はミ・・アメリアです」
ギルマスは腕を組んで、ミリアをじーっと見ている。
「ギルマス、水晶持ってきますか?」
「いや、そこの棚にある」
エラが棚から水晶を持ってきた。
「ちびすけ、これが何かわかるか?」
「・・」
ミリアはギルマスを睨んでいる。
「アメリア、これが何か分かるか?」
「ステータスが分かる水晶です」
「なら、手を当ててみろ。こいつに嘘はつけんぞ」
「誰にも喋らないと約束できますか?」
「てめえ、ギルマスを疑うのか?」
「初めて会った人ですから、信用出来るかどうか分かりません」
ミリアは当然と言わんばかりに断言する。
「横の大男は?」
「・・信用できる気がします。ちょっぴりですが」
「ぷっ」
エラが吹き出した。
「ここで見たことは、誰にも話しません。これで良いか?」
「では、魔法契約を」
「なんだと! 良い加減にしろよ」
「嘘をつくつもりがなければ、問題はないと思います」
「分かったよ、書いてやるよ。その代わり大したことないステータスだったら、ケツを引っ叩いてやる」
ミリアはインベントリから羊皮紙を取り出して、自動筆記で書類を作成した。
「ちびすけ、その紙どこから出した?」
「・・」
「くそ。アメリア、その紙どこから出しやがった?」
「インベントリです。因みにペンも」
ギルマスとノア、エラの3人がサインした。ミリアが水晶に手を当てた。手のひらが熱くなり、水晶が金色に光り始めた。
ギルマスが口をポカンと開けて、水晶を見つめている。
水晶は次第に色を変え、虹色に輝いた。
「初めて見たぜ。金色も虹色も、伝説じゃなかったんだな」
水晶から目を離したギルマスは、ミリアを見つめた。
「あんた、何もんだ。ヤバすぎんだろ」
「冒険者登録出来ますか?」
後ろに立っていた大男が、ミリアの手を水晶から引き剥がした。エラが慌てている。
「今の何?」
「エラ、ギルマス連れてこい」
「うっ、うん」
エラが椅子から立ち上がり、後ろのドアを開けバタバタと走って行く。
「おい、今なんか光んなかった?」
「いや、気のせいだろ」
「なら何でギルマス呼ぶんだ?」
「エラ、慌ててたし」
「あいつはいつもそんなもんだろ」
2階からギルマスが顔を出した。
「おい、ノア。ちびすけ連れて上がって来い」
大男がミリアの手を引いて、2階に上がった。
「んで、このチビちゃんが?」
ミリアはギルマスを睨みつけた。
「名前はミ・・アメリアです」
ギルマスは腕を組んで、ミリアをじーっと見ている。
「ギルマス、水晶持ってきますか?」
「いや、そこの棚にある」
エラが棚から水晶を持ってきた。
「ちびすけ、これが何かわかるか?」
「・・」
ミリアはギルマスを睨んでいる。
「アメリア、これが何か分かるか?」
「ステータスが分かる水晶です」
「なら、手を当ててみろ。こいつに嘘はつけんぞ」
「誰にも喋らないと約束できますか?」
「てめえ、ギルマスを疑うのか?」
「初めて会った人ですから、信用出来るかどうか分かりません」
ミリアは当然と言わんばかりに断言する。
「横の大男は?」
「・・信用できる気がします。ちょっぴりですが」
「ぷっ」
エラが吹き出した。
「ここで見たことは、誰にも話しません。これで良いか?」
「では、魔法契約を」
「なんだと! 良い加減にしろよ」
「嘘をつくつもりがなければ、問題はないと思います」
「分かったよ、書いてやるよ。その代わり大したことないステータスだったら、ケツを引っ叩いてやる」
ミリアはインベントリから羊皮紙を取り出して、自動筆記で書類を作成した。
「ちびすけ、その紙どこから出した?」
「・・」
「くそ。アメリア、その紙どこから出しやがった?」
「インベントリです。因みにペンも」
ギルマスとノア、エラの3人がサインした。ミリアが水晶に手を当てた。手のひらが熱くなり、水晶が金色に光り始めた。
ギルマスが口をポカンと開けて、水晶を見つめている。
水晶は次第に色を変え、虹色に輝いた。
「初めて見たぜ。金色も虹色も、伝説じゃなかったんだな」
水晶から目を離したギルマスは、ミリアを見つめた。
「あんた、何もんだ。ヤバすぎんだろ」
「冒険者登録出来ますか?」
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