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アカデミー、後期
2.ダンジョン実習 ②
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「おりゃぁー」
掛け声で振り返ったオークは、錆びた刀を振り上げた。
リーダーより20センチ以上背の高いオークは、頭上から刀を振り下ろした。
「貰った!」
リーダーは刀をかわし、横殴りに剣をふるう。オークの脇腹に傷を付けたが、オークは怯む事なくリーダーを蹴り付けた。壁際まで吹っ飛ぶリーダー。
「ヤバい」
「助けるか?」
「オークって弱いんじゃなかったの?」
「リーダー、手伝うか?」
大声でメンバーが叫ぶ。
「うるせえ、俺の獲物だ。ちょっと油断しただけだ」
大声で怒鳴ったリーダーが立ち上がり、
「弱いくせに、舐めてんじゃねえ。おりゃー」
オークに斬りかかる。オークの動きは遅いが、リーチの違いで剣が殆ど当たらない。
「リーダー、手伝おうか?」
メンバーの1人がまた、大声で叫んだ。
奥から4体のオークが現れた。
「大声出すから、奴らが来たじゃない」
「何やってんのよ」
「仕方ない、みんなで行くぞ」
「オルグレン、あんたは邪魔。ついてこないで」
5人が一斉に走り出した。狭い通路で、5体のオークと6人が混戦状態になった。
「いってえ、ジル回復しろ」
「きゃあ」
「逃げろー、一旦引くぞ」
怪我だらけになった6人が、ランバート先生の所まで逃げてくるが、オークが後を追いかけてくる。
「まずい、1階まで逃げるぞ」
「走れ」
1人の女子生徒が、持っていたスタッフに躓き転んだ。その前を走っていた男子生徒が、
「何やってんだよ、さっさと立てよ。死ぬぞ」
他の生徒達と一緒に走って行く。
ミリアは、転んだ女子生徒にシールドをかけ、
「助けても良い?」
と聞いた。
「当たり前でしょ。助けなさいよ」
ミリアは女子生徒の横に立ち、オークに向けて、
【アイスカッター】
オーク全員を瞬殺、女子生徒を立ち上がらせた。
「そんなこと出来るんなら、何でさっさとやらないのよ」
「動くな、邪魔するなって」
「・・」
「1階に行きますか?」
「勿論よ。単独行動は禁止だもの」
2人で階段を登った。後ろを先生がついてくる。
「あの、ありがとう」
「いえ」
グループのメンバーは、階段のすぐ近くに勢揃いして、青い顔をしている。
「ミランダ、大丈夫だったの? 良かったぁ」
「あんた達、最低。仲間を見捨てるとか信じらんない」
「ごめん。でもさ、助かったんだから良いでしょう?」
「何よ、オルグレンさんが助けてくれなかったら、死んでたんだからね」
「なら、さっさと助ければ良かっただろ。俺達が逃げてるの見て、馬鹿にしてたんだ?」
「・・」
何も言わないミリア。
「私達が言ったんでしょ、何もするなって」
「そん時とは状況が違うだろ? ヤバくなったら助けるのがチームだろ?」
「だったら逃げる前に、オルグレンさんがあいつらやっつけてたら、あんた“ありがとう” って言った?」
「「「・・」」」
「最低。先生、私帰ります。この人達と一緒だと殺されちゃう」
「待てよ、ミランダの魔法頼りにしてんだ」
「見捨てたくせに」
ダンジョン攻略開始早々、前途多難。
掛け声で振り返ったオークは、錆びた刀を振り上げた。
リーダーより20センチ以上背の高いオークは、頭上から刀を振り下ろした。
「貰った!」
リーダーは刀をかわし、横殴りに剣をふるう。オークの脇腹に傷を付けたが、オークは怯む事なくリーダーを蹴り付けた。壁際まで吹っ飛ぶリーダー。
「ヤバい」
「助けるか?」
「オークって弱いんじゃなかったの?」
「リーダー、手伝うか?」
大声でメンバーが叫ぶ。
「うるせえ、俺の獲物だ。ちょっと油断しただけだ」
大声で怒鳴ったリーダーが立ち上がり、
「弱いくせに、舐めてんじゃねえ。おりゃー」
オークに斬りかかる。オークの動きは遅いが、リーチの違いで剣が殆ど当たらない。
「リーダー、手伝おうか?」
メンバーの1人がまた、大声で叫んだ。
奥から4体のオークが現れた。
「大声出すから、奴らが来たじゃない」
「何やってんのよ」
「仕方ない、みんなで行くぞ」
「オルグレン、あんたは邪魔。ついてこないで」
5人が一斉に走り出した。狭い通路で、5体のオークと6人が混戦状態になった。
「いってえ、ジル回復しろ」
「きゃあ」
「逃げろー、一旦引くぞ」
怪我だらけになった6人が、ランバート先生の所まで逃げてくるが、オークが後を追いかけてくる。
「まずい、1階まで逃げるぞ」
「走れ」
1人の女子生徒が、持っていたスタッフに躓き転んだ。その前を走っていた男子生徒が、
「何やってんだよ、さっさと立てよ。死ぬぞ」
他の生徒達と一緒に走って行く。
ミリアは、転んだ女子生徒にシールドをかけ、
「助けても良い?」
と聞いた。
「当たり前でしょ。助けなさいよ」
ミリアは女子生徒の横に立ち、オークに向けて、
【アイスカッター】
オーク全員を瞬殺、女子生徒を立ち上がらせた。
「そんなこと出来るんなら、何でさっさとやらないのよ」
「動くな、邪魔するなって」
「・・」
「1階に行きますか?」
「勿論よ。単独行動は禁止だもの」
2人で階段を登った。後ろを先生がついてくる。
「あの、ありがとう」
「いえ」
グループのメンバーは、階段のすぐ近くに勢揃いして、青い顔をしている。
「ミランダ、大丈夫だったの? 良かったぁ」
「あんた達、最低。仲間を見捨てるとか信じらんない」
「ごめん。でもさ、助かったんだから良いでしょう?」
「何よ、オルグレンさんが助けてくれなかったら、死んでたんだからね」
「なら、さっさと助ければ良かっただろ。俺達が逃げてるの見て、馬鹿にしてたんだ?」
「・・」
何も言わないミリア。
「私達が言ったんでしょ、何もするなって」
「そん時とは状況が違うだろ? ヤバくなったら助けるのがチームだろ?」
「だったら逃げる前に、オルグレンさんがあいつらやっつけてたら、あんた“ありがとう” って言った?」
「「「・・」」」
「最低。先生、私帰ります。この人達と一緒だと殺されちゃう」
「待てよ、ミランダの魔法頼りにしてんだ」
「見捨てたくせに」
ダンジョン攻略開始早々、前途多難。
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