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アカデミー、後期
3.ダンジョン実習 ③
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ミランダはミリアと並び、グループの最後尾にいる。2階に降りてきたが、今回は左の道を選んだ。道幅は広く、天井まで灯が届いていないのでかなり暗い。
「オーク、瞬殺だったね」
「オークは弱いから」
「でもみんなぼろぼろだったよ。私もだけど、全然歯が立たなかった」
「多分、戦い方かなと」
「?」
「えっと、それぞれの特性を活かして、前衛・後衛になるとか。一体ずつやっつけるとか」
「そう言えば、授業でそんなのがあった。教えてくれる?」
「後衛が魔法で攻撃して、弱った所を剣で攻撃する。後は、さっきみたいな細い道だと、手前の一体ずつを確実に仕留めて行くとか」
「大声を出さないのも大事ね」
「うん、魔物が集まるから」
「今まで、ごめん。噂を信じて意地悪してた」
「・・いえ」
「試験、本当にずるしたの?」
「してない」
「だよね。そんな事する人は、仲間を助けたりしないよね」
広い空間に辿り着いた。
「ここまで何にも出なかったね」
「どうする?」
「ちょっと休憩するか」
「賛成」
弱いはずのオークに敗走した事で、意気消沈しているメンバーは、座り込んで荷物から飲み物を取り出した。早めのお昼を食べている者もいる。
「ここ、ヤバいかも」
「何で? 何もいなさそうだよ?」
「いる、かなり沢山。みんなに教えて」
「みんな、ここヤバいって。移動しようよ」
「はぁ? なんもいませんよ」
「オルグレン、リーダーは俺だから勝手なこと言うなよ」
ミリアとミランダは広間の端に移動し、背中を壁につけて座った。
「これが正しい座り方?」
「多分、周りを囲まれずに済むから」
突然バサバサと羽音が聞こえ、大量の吸血蝙蝠が飛び回った。
「きゃあ」
「うわぁ、何だこれ」
広間の真ん中に陣取り、荷物を広げていた生徒達は、頭を抱え込み怯えている。
「蝙蝠だわ!」
「吸血蝙蝠だ」
「まずい。ジルとミランダ、魔法だ!」
「きゃー助けて」
ジルは蝙蝠に襲われて、詠唱どころではない。ミランダは、
「無理よ! みんなにも当たっちゃう」
「くそぉ」
全員、手に持っている武器や水筒を、滅多やたらと振り回している。
ミランダは、スタッフを抱え込んでおろおろしている。
「ミランダ、得意な魔法は何?」
「火よ」
「狙いは自信ある?」
「ない」
元気よく即答するミランダ。
「なら、私がみんなにシールドをかけるから、あちこち適当にファイアボールを打って」
「わかった」
ミリアは生徒達と先生に、強めのシールドを掛けた。
【ファイアボール】
【ファイアボール】
【ファイアボール】
【ファイアボール】
:
:
炎に怯えた蝙蝠たちが逃げ出し、生徒達は壁際に逃げてきた。
「ミランダ、ありがとう」
「すごい、俺たちには全然当たらなかった」
「いっぱい当たってたわよ。ミリアがあんた達にシールドをかけてくれたから。でなかったら、魔法なんて打てなかったし、あんた達は大火傷してたはずね」
「「「・・」」」
「あの、ありがとう」
「今までごめん」
「全員、実習終了だ。帰るぞ」
先生の宣言で、帰還することになった。
「オーク、瞬殺だったね」
「オークは弱いから」
「でもみんなぼろぼろだったよ。私もだけど、全然歯が立たなかった」
「多分、戦い方かなと」
「?」
「えっと、それぞれの特性を活かして、前衛・後衛になるとか。一体ずつやっつけるとか」
「そう言えば、授業でそんなのがあった。教えてくれる?」
「後衛が魔法で攻撃して、弱った所を剣で攻撃する。後は、さっきみたいな細い道だと、手前の一体ずつを確実に仕留めて行くとか」
「大声を出さないのも大事ね」
「うん、魔物が集まるから」
「今まで、ごめん。噂を信じて意地悪してた」
「・・いえ」
「試験、本当にずるしたの?」
「してない」
「だよね。そんな事する人は、仲間を助けたりしないよね」
広い空間に辿り着いた。
「ここまで何にも出なかったね」
「どうする?」
「ちょっと休憩するか」
「賛成」
弱いはずのオークに敗走した事で、意気消沈しているメンバーは、座り込んで荷物から飲み物を取り出した。早めのお昼を食べている者もいる。
「ここ、ヤバいかも」
「何で? 何もいなさそうだよ?」
「いる、かなり沢山。みんなに教えて」
「みんな、ここヤバいって。移動しようよ」
「はぁ? なんもいませんよ」
「オルグレン、リーダーは俺だから勝手なこと言うなよ」
ミリアとミランダは広間の端に移動し、背中を壁につけて座った。
「これが正しい座り方?」
「多分、周りを囲まれずに済むから」
突然バサバサと羽音が聞こえ、大量の吸血蝙蝠が飛び回った。
「きゃあ」
「うわぁ、何だこれ」
広間の真ん中に陣取り、荷物を広げていた生徒達は、頭を抱え込み怯えている。
「蝙蝠だわ!」
「吸血蝙蝠だ」
「まずい。ジルとミランダ、魔法だ!」
「きゃー助けて」
ジルは蝙蝠に襲われて、詠唱どころではない。ミランダは、
「無理よ! みんなにも当たっちゃう」
「くそぉ」
全員、手に持っている武器や水筒を、滅多やたらと振り回している。
ミランダは、スタッフを抱え込んでおろおろしている。
「ミランダ、得意な魔法は何?」
「火よ」
「狙いは自信ある?」
「ない」
元気よく即答するミランダ。
「なら、私がみんなにシールドをかけるから、あちこち適当にファイアボールを打って」
「わかった」
ミリアは生徒達と先生に、強めのシールドを掛けた。
【ファイアボール】
【ファイアボール】
【ファイアボール】
【ファイアボール】
:
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炎に怯えた蝙蝠たちが逃げ出し、生徒達は壁際に逃げてきた。
「ミランダ、ありがとう」
「すごい、俺たちには全然当たらなかった」
「いっぱい当たってたわよ。ミリアがあんた達にシールドをかけてくれたから。でなかったら、魔法なんて打てなかったし、あんた達は大火傷してたはずね」
「「「・・」」」
「あの、ありがとう」
「今までごめん」
「全員、実習終了だ。帰るぞ」
先生の宣言で、帰還することになった。
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