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アカデミー、後期
12.聖魔法
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夜、ミリアは今日も禁忌の書庫にいた。側で、ギーがうたた寝をしている。ギーを連れてくるようになってから、禁忌の書庫の中は静まりかえっている。
悪霊も本の霊もドラゴンには勝てないのだろうか?
金曜の夜、ミリアはノアの家に来ていた。エラと3人で食事を済ませ、目の前には紅茶のカップが置かれている。
ギーはお腹いっぱいで眠くなったようで、ミリアの膝の上でうとうとしている。
「ノアさん、明日試してみたいことがあるんです」
「随分真剣な顔して、どうした?」
「成功しなかったら、現状維持です。やらせて下さい」
「・・お前、まさか」
「はい、やらせて下さい」
「父さん?」
「・・」
「今のままでは駄目か?」
「駄目じゃないです。でも、ノアさんの戦うとこが見てみたいんです。私の我儘に付き合って貰えませんか?」
「もし上手くいかなくても、落ち込んだりしないと約束できるか? 教会の枢機卿でも無理だったんだ」
「落ち込んだら、もっと勉強します」
「分かった、どこでやる?」
「出来れば、周りに人がいないとこがいいです」
土曜日の朝早く、アリストア平原にやってきた。暫く歩き、林の奥まで入って行く。
「この辺りでいいか?」
「はい」
ミリアは緊張して、手が震えている。
「キュウ?」
「ありがとう、ギー。ノアさんここに座ってください」
地面にシートを敷いて、ノアを座らせる。ノアの右側に座ったミリアは、インベントリから、大きな布と数本の瓶を取り出した。
ノアの腕に布を巻き、瓶の液体を染み込ませる。
「はじめるね、ギー宜しく」
「キュウ!」
「ギーも?」
「ギーには邪魔が入らないように、周りの警戒をお願いしました。詠唱が止まったり、言葉に詰まったりしないようにしないといけないので。この呪文、すっごく長いんです」
「そうか、ギー宜しくな」
「キュイ」
ミリアはワンドを持ち、大きく息を吸った。ノアの右腕に手を置き深呼吸してはじめた。
拘束【シャインバインド】
「慈愛の精霊よ、光を統べる揺・・・・事象改変」【精霊の讃歌】
魔法除去【ライトディスペル】
長い詠唱と魔法発動、精神統一して失われた聖魔法を使う。ノアの右腕が金色に輝き、火傷した様に熱くなる。ノアは歯を食いしばって痛みに耐えていた。
痛みが治りはじめた頃、黒い靄が右腕から上り消えていった。
真っ青になったミリアは、ワンドを落として倒れ込んだ。
「アメリア!」
「キュイ! キュウ」
「大丈夫、魔力切れ。《魔力回復上昇》あるから、すぐ治ります」
目を瞑り、眠りについたミリアに上着をかけ様子を伺っているノア。
太陽が西に傾きはじめる頃、ミリアは目を覚ました。
「うーん、よく寝た。ノアさん?」
少し離れた場所で、右手に刀を持ち素振りしているノアの姿があった。
悪霊も本の霊もドラゴンには勝てないのだろうか?
金曜の夜、ミリアはノアの家に来ていた。エラと3人で食事を済ませ、目の前には紅茶のカップが置かれている。
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「・・」
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土曜日の朝早く、アリストア平原にやってきた。暫く歩き、林の奥まで入って行く。
「この辺りでいいか?」
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ミリアは緊張して、手が震えている。
「キュウ?」
「ありがとう、ギー。ノアさんここに座ってください」
地面にシートを敷いて、ノアを座らせる。ノアの右側に座ったミリアは、インベントリから、大きな布と数本の瓶を取り出した。
ノアの腕に布を巻き、瓶の液体を染み込ませる。
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「キュウ!」
「ギーも?」
「ギーには邪魔が入らないように、周りの警戒をお願いしました。詠唱が止まったり、言葉に詰まったりしないようにしないといけないので。この呪文、すっごく長いんです」
「そうか、ギー宜しくな」
「キュイ」
ミリアはワンドを持ち、大きく息を吸った。ノアの右腕に手を置き深呼吸してはじめた。
拘束【シャインバインド】
「慈愛の精霊よ、光を統べる揺・・・・事象改変」【精霊の讃歌】
魔法除去【ライトディスペル】
長い詠唱と魔法発動、精神統一して失われた聖魔法を使う。ノアの右腕が金色に輝き、火傷した様に熱くなる。ノアは歯を食いしばって痛みに耐えていた。
痛みが治りはじめた頃、黒い靄が右腕から上り消えていった。
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「アメリア!」
「キュイ! キュウ」
「大丈夫、魔力切れ。《魔力回復上昇》あるから、すぐ治ります」
目を瞑り、眠りについたミリアに上着をかけ様子を伺っているノア。
太陽が西に傾きはじめる頃、ミリアは目を覚ました。
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