【完結】戦う女神の愛し子! 最強少女が仲間と共に駆け上がる。冒険? それともただのファンタジー?

との

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アカデミー、後期

15.期末試験 ①

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 朝、リュックを背負って校庭に集合した。
全員大きな荷物を抱えている。

「今日から10日間のダンジョン攻略試験を開始します。全員、配布した魔道具を手首に付けていますか? それには各々の、個人情報の記された記録石がセットされています。
10日間の情報は全て記録されるので、不正行為等絶対にしないこと。何かあれば、ダンジョン内の教官に相談する事。何か質問はありますか? なければ出発します」

 列を作り、アカデミーの外れにあるダンジョンに向かった。ミリアは18番目、少し待ち時間がある。

「ミリア、本当に1人で攻略する気ですの?」

 グレースがやってきた。真っ白な上下にピンクのリボン。髪をハーフアップにしている。

「お友達がいないなんて、惨めですこと」
「あっという間に、逃げ出すんじゃありません?」
「偽Sクラスですもの」

「クスクス」
「カッコ悪いわねー」

「これで退学になるんじゃない?」

 やっとミリアの番が来た。周りを無視して、ダンジョンに入る。

「やな感じね」
「ズルしたら記録石に登録されますわよ」
「今回はずるできないね」


 4階までのダンジョンは、今までにも攻略したことがある。5階以降は今回初めてだ。各階に出てくる魔物や地形の情報は、頭に入れてある。
 上の階は人が多いので、少し下の階からはじめようと、ミリアは人を避けながら階段を降りて行った。

 3階に降りると、人が少なくなった。3階迄は、ゴブリンとオークが殆ど。ミリアは、出てきた魔物をサクサクと倒し討伐対象部位を剥ぎ取る。ダンジョンの中では、倒した魔物はそのまま放置する。時間が経つと、死体はダンジョンに吸収される。

 お昼休憩の為、セーフエリアに向かう。5分くらい歩き、セーフエリアに着いた。中に入ると、4つのパーティーが休憩していた。隅に座ってリュックを下ろした。

 1人の生徒が、ニヤニヤしながら近づいて来た。
「悪いんだけど、そこ予約席なんだ」

「ごめんなさい」
 慌てて場所を移動するミリア。

「そこも予約席なんだよね」
「こっちも予約だから」

 リュックを背負い、セーフエリアを出ようとすると、
「どこに行っても、予約でいっぱいだと思うよ」
と言う男子生徒の声の後に、ゲラゲラと笑う声がした。
 別のセーフエリアに行っても、予約が一杯だと追い出された。

 仕方なく、安全そうな場所を見つけてシールドをはり、食事と休憩を取る。

 夕方もおなじだった。どのセーフエリアにも入れない。下の階に降りてみたが、やはり全てのセーフエリアで、一杯だからと追い出された。

 近くにいる教員達も何も言わない。

 昼と同様に、隅に座りシールドをかけて休んだが、流石に仮眠は取れない。

(それなら、人がいないところまで行けば)

 2日目、ミリアは身体強化をかけて、一気に7階まで降りて行った。セーフエリアを覗くと、流石に誰もいない。
 隅に座りリュックを下ろして、念の為シールドをはって仮眠をとる。

 3日目から、7階で狩りをし休憩をとった。誰もいないエリアでは、周りを気にせずインベントリも使えるし、セーフエリアで休憩もできた。
 5日目から、人の声がしはじめた。ミリアは8階に降りて、狩りを行う。人の声がする度に下の階に降りる。
 8日目、10階で狩りをしていたミリアは、聴き慣れた声が聞こえてきたので、思わず耳をそばだてた。
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