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ワイバーンと白銀の狼
3.クラフク村
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今回の依頼は、王都から1週間かかるクラフク村。かなり田舎の為、乗合馬車を乗り継いで行かなければならない。
途中宿屋に宿泊したり野宿したりと、2人と2匹はのんびり旅を続けている。
「今回の依頼は、どうしてうちの冒険者ギルドに来たんですか?」
「クラフク村は、すごく小さな田舎の村なんだ。依頼料が安すぎて、たらい回しになってたらしい」
「ワイバーンって危険なのに?」
「ああ、冒険者は命を賭けて魔物を討伐するだろ。だから、依頼料が低すぎたら受けない。ボランティアじゃないからな」
「でも、ワイバーンって高く売れるってギルマスが言ってました」
「ボロボロになってたら値段は下がるし、あんまり田舎だと、売れるまでに肉は腐っちまう」
「そうか。クラフク村からだと、店まで遠すぎるんですね」
「そう言うことだな。素材を高く売れる可能性がありゃあ、依頼料が安くても受ける奴はいるんだがな」
ミリアは何か考え込みはじめた。
「どうした?」
「そう言う村の人って、いつもはどうしてるんだろうって。辺境の方が、魔物の出る確率は高いでしょう?」
「そう言う時の為に、領主に税金を払ってるんだがな。大概の領主は見て見ぬ振りだな」
「最低」
「ああ、俺もそう思う。向こうに着いたら、もっと切実に感じるだろうよ」
「そんなに?」
「アメリアがブチギレないのを祈ってる」
ノアは、多分こいつはキレるよなぁと、今から覚悟を決めている。
クラフク村に着くと、村長が出迎えてくれた。
「よく来て下さいました。何もないところですが、食事を準備したのでこちらにどうぞ」
数人の村人が、小さな畑を耕している。皆痩せ細り、覇気のない様子。ぷっくりとお腹だけが膨れた子供達が、芋の茎をしゃぶっている。
(どの家も、強い風が吹いたら一瞬で倒れそう)
村長の家は、他の家に比べると大きめだが、見た目はあまり遜色ない。
入り口を入った所の土間で、3人の年配の女性が料理を作っている。ミリア達が挨拶をすると、警戒した様子でノアをジロジロと見た。
「婆ちゃん、今度は子供が来たの?」
「しっ、お黙り。ごっごめんなさいね。この子ったらもう、ほらあっち行って遊んでな」
料理を作っていた女性の1人が、酷く慌てて子供を家から追い出した。
「なんも分かってない子供の言った事なんで、どうかお許しください」
婆ちゃんと呼ばれた女性が、必死になってノアに頭を下げ続けている。
「あの、大丈夫です。いつもギルマス達からちび助って呼ばれてるんで」
女達はチラっとノアを見た後、料理作りに戻った。
(何だろう、嫌がられてるみたいな)
村長が声をかけた。
「何にもないとこで申し訳ありませんが、こちらへどうぞ」
途中宿屋に宿泊したり野宿したりと、2人と2匹はのんびり旅を続けている。
「今回の依頼は、どうしてうちの冒険者ギルドに来たんですか?」
「クラフク村は、すごく小さな田舎の村なんだ。依頼料が安すぎて、たらい回しになってたらしい」
「ワイバーンって危険なのに?」
「ああ、冒険者は命を賭けて魔物を討伐するだろ。だから、依頼料が低すぎたら受けない。ボランティアじゃないからな」
「でも、ワイバーンって高く売れるってギルマスが言ってました」
「ボロボロになってたら値段は下がるし、あんまり田舎だと、売れるまでに肉は腐っちまう」
「そうか。クラフク村からだと、店まで遠すぎるんですね」
「そう言うことだな。素材を高く売れる可能性がありゃあ、依頼料が安くても受ける奴はいるんだがな」
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「そう言う時の為に、領主に税金を払ってるんだがな。大概の領主は見て見ぬ振りだな」
「最低」
「ああ、俺もそう思う。向こうに着いたら、もっと切実に感じるだろうよ」
「そんなに?」
「アメリアがブチギレないのを祈ってる」
ノアは、多分こいつはキレるよなぁと、今から覚悟を決めている。
クラフク村に着くと、村長が出迎えてくれた。
「よく来て下さいました。何もないところですが、食事を準備したのでこちらにどうぞ」
数人の村人が、小さな畑を耕している。皆痩せ細り、覇気のない様子。ぷっくりとお腹だけが膨れた子供達が、芋の茎をしゃぶっている。
(どの家も、強い風が吹いたら一瞬で倒れそう)
村長の家は、他の家に比べると大きめだが、見た目はあまり遜色ない。
入り口を入った所の土間で、3人の年配の女性が料理を作っている。ミリア達が挨拶をすると、警戒した様子でノアをジロジロと見た。
「婆ちゃん、今度は子供が来たの?」
「しっ、お黙り。ごっごめんなさいね。この子ったらもう、ほらあっち行って遊んでな」
料理を作っていた女性の1人が、酷く慌てて子供を家から追い出した。
「なんも分かってない子供の言った事なんで、どうかお許しください」
婆ちゃんと呼ばれた女性が、必死になってノアに頭を下げ続けている。
「あの、大丈夫です。いつもギルマス達からちび助って呼ばれてるんで」
女達はチラっとノアを見た後、料理作りに戻った。
(何だろう、嫌がられてるみたいな)
村長が声をかけた。
「何にもないとこで申し訳ありませんが、こちらへどうぞ」
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