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ワイバーンと白銀の狼
閑話 アカデミー ③
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王宮に運ばれたライリーは、宮廷魔導士長の尽力により、翌日にはベッドに起き上がれるまでに回復した。
青褪めた顔を両手で覆い、声を殺して泣いているライリー。部屋のドアがノックされて、スティーブ第二王子が入ってきた。
「ライリー、陛下がお呼びだ。立てるか?」
「はい」
2人で陛下の自室へと向かう。
「俺を助けたのはミリア嬢か?」
「・・」
「お前が隠しても、もう遅い。全部ばれて騒ぎになってる。陛下はかなりお怒りだ、覚悟しておけ」
「はい」
「スティーブとライリー、参りました」
ドアが開けられ、2人は陛下の前まで進んだ。ソファには、陛下と王妃が並んで座っている。一人がけのアームチェアには、ヒューゴ第一王子が座っていた。
「・・」
陛下はライリーを睨みつけたまま、何も話さない。王妃とヒューゴ第一王子も冷ややかな顔をしている。
陛下の言葉を待たず、ライリーが話し始めた。
「この度は、申し訳ありませんでした」
「何に対して謝っておる? 愚かにも魅了などにかかり、王家を辱めたことか? 国に関わる大事を秘密にしたことか?」
ライリーは頭を下げたまま、身動きも取れないでいた。
「スティーブの怪我を治した、回復師の名は?」
「・・」
「言えぬか? 体育館の結界を破るほどの、攻撃魔法の使い手は?」
「・・」
「モンスターハウスを、一人で殲滅するほどの実力を持つ者の名は?」
「・・!」
「ライリー、その少女を帝国や教会に取られたらどうなるか、考えなかったのかい?」
ヒューゴ第一王子が、ライリーに聞いてきた。
「既に帝国も教会も動き始めている。早急にミリア嬢の身柄を確保しないと、まずい事になる」
「ミリア嬢は・・「ライリー、帝国がミリア嬢を手に入れたら、直ぐに戦争を仕掛けてくる。既に国境では動きが出始めている」」
「兄上、それは本当ですか?」
「教会も騒いでいるわ。長年不在だった聖女が現れたと」
「この、愚か者が!! 我が国と帝国や教会との状況が分かっておらぬのか!」
「ライリー、お前はもっと頭の良い奴だと思ってたよ」
「あなたの側近候補達は、3人とも廃嫡されて平民落ちしたわ。当然の処置ね」
「!」
「ミリアを連れてまいれ。出来なければ、其方を東の塔に幽閉する」
「ミリア嬢の意思はどうなりますか?」
「愚か者が。小娘一人の意思と国、どちらが大事か分からぬのか!」
「帝国はSランク冒険者を作ろうとしている。[白銀の狼]が次の討伐でSランクになり次第、我が国に攻め入るつもりだ」
ヒューゴ第一王子が断言した。
「教会は、長年の聖女の不在に加えて、力のある枢機卿がいなくなってきたの。そのお陰で教会自体の力は衰えてきてる。もしその娘を教会が手に入れたら、以前のように政治に口を出してくるようになるわ」
「1週間以内に王宮に連れてまいれ。ミリアが他の者の手に落ちたならば、其方を廃嫡する。良いな」
青褪めた顔を両手で覆い、声を殺して泣いているライリー。部屋のドアがノックされて、スティーブ第二王子が入ってきた。
「ライリー、陛下がお呼びだ。立てるか?」
「はい」
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「俺を助けたのはミリア嬢か?」
「・・」
「お前が隠しても、もう遅い。全部ばれて騒ぎになってる。陛下はかなりお怒りだ、覚悟しておけ」
「はい」
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ライリーは頭を下げたまま、身動きも取れないでいた。
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「・・」
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「・・」
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ヒューゴ第一王子が、ライリーに聞いてきた。
「既に帝国も教会も動き始めている。早急にミリア嬢の身柄を確保しないと、まずい事になる」
「ミリア嬢は・・「ライリー、帝国がミリア嬢を手に入れたら、直ぐに戦争を仕掛けてくる。既に国境では動きが出始めている」」
「兄上、それは本当ですか?」
「教会も騒いでいるわ。長年不在だった聖女が現れたと」
「この、愚か者が!! 我が国と帝国や教会との状況が分かっておらぬのか!」
「ライリー、お前はもっと頭の良い奴だと思ってたよ」
「あなたの側近候補達は、3人とも廃嫡されて平民落ちしたわ。当然の処置ね」
「!」
「ミリアを連れてまいれ。出来なければ、其方を東の塔に幽閉する」
「ミリア嬢の意思はどうなりますか?」
「愚か者が。小娘一人の意思と国、どちらが大事か分からぬのか!」
「帝国はSランク冒険者を作ろうとしている。[白銀の狼]が次の討伐でSランクになり次第、我が国に攻め入るつもりだ」
ヒューゴ第一王子が断言した。
「教会は、長年の聖女の不在に加えて、力のある枢機卿がいなくなってきたの。そのお陰で教会自体の力は衰えてきてる。もしその娘を教会が手に入れたら、以前のように政治に口を出してくるようになるわ」
「1週間以内に王宮に連れてまいれ。ミリアが他の者の手に落ちたならば、其方を廃嫡する。良いな」
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