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6.小心者のノアとヤキモチ
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「うーん、取り敢えず様子見でいいかな。何をしてくるか分からない人達だから、ミリアーナおばさまが関わってるとバレたら危険すぎるもの」
「じゃあ、ジェラルドに手伝ってもらうのはどう? メイヨー公爵家の伝手を利用してそれとなく噂をばら撒くの。それなら大丈夫じゃないかしら」
メイヨー公爵家は先々代に王女が降嫁しており、現在の国王とも親交がある。小耳に挟んだ噂を口にした程度でメイヨー公爵家に抗議する勇気はないだろう。
「お願いしようかな。但し、ジェラルドや公爵様にゴリ押ししちゃダメだからね」
「少なくともジェラルドは喜んで協力すると言うか向こうから手伝いたいって言ってくると思うから心配しないで」
ハーヴィーの死に責任を感じているジェラルドなら例え危険を承知しても手伝いたいと言うだろう。
(だから下手に聞けないし頼めないのよね)
恐縮して逃げ回るノアをミリアーナが強制連行して4人で昼食を取った後、ライラ達は屋敷に戻ることにした。
「はあ」
顔色の悪いノアが溜息をついた。
「ミリアーナ様に毎回捕獲されるのが分かってるくせにノアは往生際が悪すぎるのよ」
「俺の家は一代限りの騎士爵ですし、平民より質素な生活をしてた自信があるんです。それがあのような席で貴族の方々と食事だなんて一生慣れないですよ」
「胸を張って貧乏自慢するのなんてノアくらいかもね。ミリアーナ様はノアのテーブルマナーは完璧だって褒めてらしたじゃない」
「それは、お屋敷でも学園でも教えていただいてますから。手順を間違わないようにするだけで料理の味なんて分かりませんし、この後必ず腹が痛くなるってご存知でしょう?」
「ノアは意外に気が小さいのかしら⋯⋯ミリアーナ様との食事の後は必ずお腹を壊すものね。もう少し頻度が上がれば慣れるんじゃないかしら」
「⋯⋯鬼ですか」
ふふっと笑ったライラはかなり機嫌が良くなった。
(屋敷で私と一緒に食べた時はお腹壊さないものね)
兄のように寄り添うノアの言動は護衛騎士の領分を超えているが、彼がいたからここまでやってこれたと思っている。
ハーヴィーもノアの事を『私にもこんな兄上がいたら良かったのに』って言っていた。剣が得意ではなかったハーヴィーはしょっちゅうノアの指導を受けていたし、馬場で2人仲良く競争するのを応援したのは楽しい思い出の一つ。
(虫が苦手なノアをハーヴィーが揶揄ったり⋯⋯)
濃いブロンドをすっきりと短くしていたハーヴィーとハニーブロンドに近い髪を伸ばして後ろで結んでいるノアの身長は同じくらいだった。2人ともほっそりとした見た目で手足の長さも変わらなかった。
ピクニックに出かけた帰りに雨に打たれた事があった。初秋とはいえ濡れた服に青褪めていたライラを心配したハーヴィーが『ターンブリー侯爵家の方が近いから』と言い出した。
遠慮するノアにハーヴィーの服を無理矢理着せると、サイズがぴったりでとても似合っていて驚いたのを覚えている。メイド達が目を輝かせ用もないのに部屋にやってくるのが気に入らなくて拗ねているとハーヴィーが笑い出した。
『私がライラをエスコートできない時はノアに頼めば衣装の心配は要らなそうだね。他の男にその役目を取られずに済みそうで安心したから、その時は私の為だと思って頑張ってくれよ』
ノアの部屋には誕生日プレゼントだと言ってハーヴィーから贈られた服が数着。一度も袖を通したことのないそれは上質の布地で作られ高位貴族の前に出ても恥ずかしくない物ばかりだった。
『ライラの幸せと私の安心だと思って受け取ってくれるかな。剣の師匠へのお礼込みと言うことで、これからも宜しく』
(ハーヴィーは相手のことを考えた言葉遣いが出来る人だったのよね。ノアより年上に見える時があって、あんな家族と暮らしてるせいで老成してるのかと思ったら、少し悲しくなってノアに叱られたっけ)
『家族の中で何を考えどう生きるかを模索した結果、人より少し早く大人になったのだとしたら、それは悲しむより尊敬するべき事だと思います』
屋敷に戻ると報告書が届いていた。
鍵をかけた部屋のドアの近くに立っていたノアが近づいてきて、ライラの横から報告書を覗き込んでいると、心配そうな顔をしたサラが外に人がいないことを確認して窓を閉めた。
「ごく薄いけど使えそうな人が何人かいたわ。ほら、ここ⋯⋯この2人が年齢的に合うわね」
ライラが読んでいる報告書に書かれているのはプリンストン侯爵家の血縁者の一覧。現プリンストン侯爵は一人っ子だがそれより上の代で、婚姻によって他家に行った者や爵位がなく平民になった次男以降の者達の所在と家族構成を調べていた。
「しかもラッキーな事に一人は学園の一年生。キャサリン・サルーン男爵令嬢、3人兄妹で⋯⋯残念、女の子は一人だけだわ」
「一年生ですか、すぐに調べさせましょう」
「あの、その女性にお嬢様の代わりをお願いするって言う事なんでしょうか?」
まだ詳しい説明をしていないのでサラが不安そうに手揉みしている。
ライラの狙いはプリンストン侯爵家の血が僅かでも入った女性とビクトールが付き合ってくれる事。ビクトールのタチの悪さを考えれば女性に無理強いをするつもりはないが、侯爵家の名前と資産に目を奪われたリリアのような女性だったなら⋯⋯。
「ビクトールがいくら婚約破棄を叫んだとしてもプリンストン侯爵家に娘が一人しかいない状況ではお父様は納得されないでしょう。でも、ビクトールがぶら下げている女性がプリンストンの血縁だったら話が変わってくると思わない?」
現在、政略によるより強い結びつきを欲しがっているのはどちらかと言えば財政危機に陥りかけているターンブリー侯爵家の方。
プリンストン侯爵に内緒で行った投資が失敗し貿易会社の利益で貯まっていた貯蓄は底をついている。
(ハーヴィーの話では⋯⋯この投資が上手くいったら貿易会社からプリンストンを追い出すつもりだったとか。そのつもりで根回ししていたのに当てが外れて慌ててるって)
血統と自身の評判を異常に気にするプリンストン侯爵にはライラ以外に娘がいないが、婚約破棄されてしまえば社交界での自分の評判を考えてライラをそのままにしておけない。
「婚約破棄を受け入れるしかなくなったら『ライラを修道院に入れたいけど、他にいない』ってなるはず。そんな風に悩んでる時政略に使えそうな娘が目の前にいたら?」
「その時はその娘を養女にして婚姻を結ばせると思わないか?」
「貴族の方々のお考えはよくわからなくて、そこまでして政略結婚ってしなくちゃいけないものなんですか?」
「じゃあ、ジェラルドに手伝ってもらうのはどう? メイヨー公爵家の伝手を利用してそれとなく噂をばら撒くの。それなら大丈夫じゃないかしら」
メイヨー公爵家は先々代に王女が降嫁しており、現在の国王とも親交がある。小耳に挟んだ噂を口にした程度でメイヨー公爵家に抗議する勇気はないだろう。
「お願いしようかな。但し、ジェラルドや公爵様にゴリ押ししちゃダメだからね」
「少なくともジェラルドは喜んで協力すると言うか向こうから手伝いたいって言ってくると思うから心配しないで」
ハーヴィーの死に責任を感じているジェラルドなら例え危険を承知しても手伝いたいと言うだろう。
(だから下手に聞けないし頼めないのよね)
恐縮して逃げ回るノアをミリアーナが強制連行して4人で昼食を取った後、ライラ達は屋敷に戻ることにした。
「はあ」
顔色の悪いノアが溜息をついた。
「ミリアーナ様に毎回捕獲されるのが分かってるくせにノアは往生際が悪すぎるのよ」
「俺の家は一代限りの騎士爵ですし、平民より質素な生活をしてた自信があるんです。それがあのような席で貴族の方々と食事だなんて一生慣れないですよ」
「胸を張って貧乏自慢するのなんてノアくらいかもね。ミリアーナ様はノアのテーブルマナーは完璧だって褒めてらしたじゃない」
「それは、お屋敷でも学園でも教えていただいてますから。手順を間違わないようにするだけで料理の味なんて分かりませんし、この後必ず腹が痛くなるってご存知でしょう?」
「ノアは意外に気が小さいのかしら⋯⋯ミリアーナ様との食事の後は必ずお腹を壊すものね。もう少し頻度が上がれば慣れるんじゃないかしら」
「⋯⋯鬼ですか」
ふふっと笑ったライラはかなり機嫌が良くなった。
(屋敷で私と一緒に食べた時はお腹壊さないものね)
兄のように寄り添うノアの言動は護衛騎士の領分を超えているが、彼がいたからここまでやってこれたと思っている。
ハーヴィーもノアの事を『私にもこんな兄上がいたら良かったのに』って言っていた。剣が得意ではなかったハーヴィーはしょっちゅうノアの指導を受けていたし、馬場で2人仲良く競争するのを応援したのは楽しい思い出の一つ。
(虫が苦手なノアをハーヴィーが揶揄ったり⋯⋯)
濃いブロンドをすっきりと短くしていたハーヴィーとハニーブロンドに近い髪を伸ばして後ろで結んでいるノアの身長は同じくらいだった。2人ともほっそりとした見た目で手足の長さも変わらなかった。
ピクニックに出かけた帰りに雨に打たれた事があった。初秋とはいえ濡れた服に青褪めていたライラを心配したハーヴィーが『ターンブリー侯爵家の方が近いから』と言い出した。
遠慮するノアにハーヴィーの服を無理矢理着せると、サイズがぴったりでとても似合っていて驚いたのを覚えている。メイド達が目を輝かせ用もないのに部屋にやってくるのが気に入らなくて拗ねているとハーヴィーが笑い出した。
『私がライラをエスコートできない時はノアに頼めば衣装の心配は要らなそうだね。他の男にその役目を取られずに済みそうで安心したから、その時は私の為だと思って頑張ってくれよ』
ノアの部屋には誕生日プレゼントだと言ってハーヴィーから贈られた服が数着。一度も袖を通したことのないそれは上質の布地で作られ高位貴族の前に出ても恥ずかしくない物ばかりだった。
『ライラの幸せと私の安心だと思って受け取ってくれるかな。剣の師匠へのお礼込みと言うことで、これからも宜しく』
(ハーヴィーは相手のことを考えた言葉遣いが出来る人だったのよね。ノアより年上に見える時があって、あんな家族と暮らしてるせいで老成してるのかと思ったら、少し悲しくなってノアに叱られたっけ)
『家族の中で何を考えどう生きるかを模索した結果、人より少し早く大人になったのだとしたら、それは悲しむより尊敬するべき事だと思います』
屋敷に戻ると報告書が届いていた。
鍵をかけた部屋のドアの近くに立っていたノアが近づいてきて、ライラの横から報告書を覗き込んでいると、心配そうな顔をしたサラが外に人がいないことを確認して窓を閉めた。
「ごく薄いけど使えそうな人が何人かいたわ。ほら、ここ⋯⋯この2人が年齢的に合うわね」
ライラが読んでいる報告書に書かれているのはプリンストン侯爵家の血縁者の一覧。現プリンストン侯爵は一人っ子だがそれより上の代で、婚姻によって他家に行った者や爵位がなく平民になった次男以降の者達の所在と家族構成を調べていた。
「しかもラッキーな事に一人は学園の一年生。キャサリン・サルーン男爵令嬢、3人兄妹で⋯⋯残念、女の子は一人だけだわ」
「一年生ですか、すぐに調べさせましょう」
「あの、その女性にお嬢様の代わりをお願いするって言う事なんでしょうか?」
まだ詳しい説明をしていないのでサラが不安そうに手揉みしている。
ライラの狙いはプリンストン侯爵家の血が僅かでも入った女性とビクトールが付き合ってくれる事。ビクトールのタチの悪さを考えれば女性に無理強いをするつもりはないが、侯爵家の名前と資産に目を奪われたリリアのような女性だったなら⋯⋯。
「ビクトールがいくら婚約破棄を叫んだとしてもプリンストン侯爵家に娘が一人しかいない状況ではお父様は納得されないでしょう。でも、ビクトールがぶら下げている女性がプリンストンの血縁だったら話が変わってくると思わない?」
現在、政略によるより強い結びつきを欲しがっているのはどちらかと言えば財政危機に陥りかけているターンブリー侯爵家の方。
プリンストン侯爵に内緒で行った投資が失敗し貿易会社の利益で貯まっていた貯蓄は底をついている。
(ハーヴィーの話では⋯⋯この投資が上手くいったら貿易会社からプリンストンを追い出すつもりだったとか。そのつもりで根回ししていたのに当てが外れて慌ててるって)
血統と自身の評判を異常に気にするプリンストン侯爵にはライラ以外に娘がいないが、婚約破棄されてしまえば社交界での自分の評判を考えてライラをそのままにしておけない。
「婚約破棄を受け入れるしかなくなったら『ライラを修道院に入れたいけど、他にいない』ってなるはず。そんな風に悩んでる時政略に使えそうな娘が目の前にいたら?」
「その時はその娘を養女にして婚姻を結ばせると思わないか?」
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