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「行く! イーサン、ここよりもっと素敵な家具のある店があるんだって。今から行きましょうよ」
「えー、今からぁ? なら、明日にしようぜ。家具なんてそんなに慌てなくてもいいじゃん」
前日の酒が抜けていないイーサンはアリーシャに無理矢理連れてこられただけであまり気が乗っていない。
「家具なんてカタログとか見て決めればいいだろ? 母上はいつもそうしてるし」
「折角のアタシの夢のお家なんだから妥協したくないの! ねえ、お願~い」
「しょうがない奴だなあ、じゃあ移動するか」
「では、馬車の準備をして参りますのでしばらくお待ちください」
ライリーが準備したのはバーラム公爵家の馬車。
4頭立てでスプリングの効いたキャリッジには優雅な装飾が施され、広い座席にクッションや膝掛けが置かれていた。
「それでは、到着するまでごゆっくりお過ごしください」
「えー、一緒に乗らないのぉ?」
「はい、私は御者台におりますので何かありましたらお声をおかけください」
ドアを閉めて直ぐに馬車が走り出した。
揺れの少ない馬車にイーサンがプライドを傷つけられたようでムッとした顔になった。
「ボクス家の馬車より凄い⋯⋯わけないよな。たかが商会の馬車だし、ハリボテってやつだよ」
「ねえ、これってシャンパン? 冷た~い。ここにあるって事は飲んでいいって事だよね」
勝手に栓を開けて並々と注いで二人で乾杯し⋯⋯いつしかぐっすりと眠り込んでしまった。
「ライリー坊ちゃん、まさかと思いますが一服盛ったりしてませんよね」
御者をしているバーラム公爵家の使用人セルズが眉を顰めた。
「坊ちゃんはやめてくれ。それと、薬なんて使ってない。アイツらかなり夜更かししてるみたいな顔をしてたから、シャンパンと馬車の揺れで寝不足を解消してるだけ。
最低野郎に『ざまぁ』するにしても、こっちが罪を犯したら同じレベルに落ちてしまう。
それじゃあ楽しめないからな」
店を出たのは昼前だったがそれから2時間走り、ようやく停まった馬車のドアを開けてライリーが声をかけた。
「お客様、お待たせいたしました」
「う、うーん。ここは?」
「あー、なんかすっごい寝ちゃった気がするぅ」
よろよろと馬車を降りてきたイーサン達は首を傾げた。
「ここは?」
「当店のお得意様限定の商品だけを保管している倉庫でございます」
「凄~い、早く行こう!」
ドアの鍵を開けライリーが中を案内して回った。絹のシーツまで掛けられた天蓋付きのベッドは勿論のこと、さまざまな様式のソファやテーブルが整然と並んでいる。
「ランプとかクロスまで置いてあるのか」
「はい、お部屋に設置した時のイメージが作りやすいかと思いまして」
「ねえ、あれあれ。あのソファが良い!」
いくつもの注文を取り付けた後、入り口近くのソファにイーサン達を案内した。
「お届け先は領地の公爵邸でよろしいですか?」
「あ、いや別邸だ」
「承知いたしました。お支払いはいかがされますか?」
「家具の納入時に一括で払う」
「⋯⋯申し訳ありませんがこれだけ高額な家具でございますし、品数からいっても荷馬車数台と護衛が必要です。
こういった場合、前金での決済をお願いしております」
「また前金か! 本当にセコくてくだらん奴らだな」
「それが商売ですから」
「イーサン、大丈夫! アタシに任せて」
ドレスで上手く交渉できたと思っているアリーシャが張り切って胸を叩いた。
「えっと、取りあえず家具はキープ⋯⋯取り置きしておいて、モーガン侯爵家から支払いをしてもらってから家具を配達してね」
「かしこまりました。モーガン侯爵家の了承はいただいていると言う認識でよろしいでしょうか?」
「え、あの。大丈夫だよね。ダメならイーサンんちが払ってくれるでしょ?」
少し不安になったアリーシャがイーサンの顔を覗き込んだ。
「安心しろ、モーガン家が払うに決まってる。これは輿入れの家具だからな」
「え! 輿入れ用の家具でございますか? それはおめでとうございます」
「そう! アタシ達の新居⋯⋯きゃは!⋯⋯で使うのぉ」
「ボクス様はサラ様と婚約されたと伺っておりますが? 私はサラ様と少しばかり面識がございまして⋯⋯こちらのご令嬢とは別の方のはずでございます」
「ごちゃごちゃ煩いな、お前達は金さえ入れば文句はないだろ?」
「確かに、商人としては問題ない気も致します」
「えー、今からぁ? なら、明日にしようぜ。家具なんてそんなに慌てなくてもいいじゃん」
前日の酒が抜けていないイーサンはアリーシャに無理矢理連れてこられただけであまり気が乗っていない。
「家具なんてカタログとか見て決めればいいだろ? 母上はいつもそうしてるし」
「折角のアタシの夢のお家なんだから妥協したくないの! ねえ、お願~い」
「しょうがない奴だなあ、じゃあ移動するか」
「では、馬車の準備をして参りますのでしばらくお待ちください」
ライリーが準備したのはバーラム公爵家の馬車。
4頭立てでスプリングの効いたキャリッジには優雅な装飾が施され、広い座席にクッションや膝掛けが置かれていた。
「それでは、到着するまでごゆっくりお過ごしください」
「えー、一緒に乗らないのぉ?」
「はい、私は御者台におりますので何かありましたらお声をおかけください」
ドアを閉めて直ぐに馬車が走り出した。
揺れの少ない馬車にイーサンがプライドを傷つけられたようでムッとした顔になった。
「ボクス家の馬車より凄い⋯⋯わけないよな。たかが商会の馬車だし、ハリボテってやつだよ」
「ねえ、これってシャンパン? 冷た~い。ここにあるって事は飲んでいいって事だよね」
勝手に栓を開けて並々と注いで二人で乾杯し⋯⋯いつしかぐっすりと眠り込んでしまった。
「ライリー坊ちゃん、まさかと思いますが一服盛ったりしてませんよね」
御者をしているバーラム公爵家の使用人セルズが眉を顰めた。
「坊ちゃんはやめてくれ。それと、薬なんて使ってない。アイツらかなり夜更かししてるみたいな顔をしてたから、シャンパンと馬車の揺れで寝不足を解消してるだけ。
最低野郎に『ざまぁ』するにしても、こっちが罪を犯したら同じレベルに落ちてしまう。
それじゃあ楽しめないからな」
店を出たのは昼前だったがそれから2時間走り、ようやく停まった馬車のドアを開けてライリーが声をかけた。
「お客様、お待たせいたしました」
「う、うーん。ここは?」
「あー、なんかすっごい寝ちゃった気がするぅ」
よろよろと馬車を降りてきたイーサン達は首を傾げた。
「ここは?」
「当店のお得意様限定の商品だけを保管している倉庫でございます」
「凄~い、早く行こう!」
ドアの鍵を開けライリーが中を案内して回った。絹のシーツまで掛けられた天蓋付きのベッドは勿論のこと、さまざまな様式のソファやテーブルが整然と並んでいる。
「ランプとかクロスまで置いてあるのか」
「はい、お部屋に設置した時のイメージが作りやすいかと思いまして」
「ねえ、あれあれ。あのソファが良い!」
いくつもの注文を取り付けた後、入り口近くのソファにイーサン達を案内した。
「お届け先は領地の公爵邸でよろしいですか?」
「あ、いや別邸だ」
「承知いたしました。お支払いはいかがされますか?」
「家具の納入時に一括で払う」
「⋯⋯申し訳ありませんがこれだけ高額な家具でございますし、品数からいっても荷馬車数台と護衛が必要です。
こういった場合、前金での決済をお願いしております」
「また前金か! 本当にセコくてくだらん奴らだな」
「それが商売ですから」
「イーサン、大丈夫! アタシに任せて」
ドレスで上手く交渉できたと思っているアリーシャが張り切って胸を叩いた。
「えっと、取りあえず家具はキープ⋯⋯取り置きしておいて、モーガン侯爵家から支払いをしてもらってから家具を配達してね」
「かしこまりました。モーガン侯爵家の了承はいただいていると言う認識でよろしいでしょうか?」
「え、あの。大丈夫だよね。ダメならイーサンんちが払ってくれるでしょ?」
少し不安になったアリーシャがイーサンの顔を覗き込んだ。
「安心しろ、モーガン家が払うに決まってる。これは輿入れの家具だからな」
「え! 輿入れ用の家具でございますか? それはおめでとうございます」
「そう! アタシ達の新居⋯⋯きゃは!⋯⋯で使うのぉ」
「ボクス様はサラ様と婚約されたと伺っておりますが? 私はサラ様と少しばかり面識がございまして⋯⋯こちらのご令嬢とは別の方のはずでございます」
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