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19.思わぬところから上がった反撃の狼煙
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「わた、私が・・あーっ、預かってるわ。えーっとお父様やお母様はご存じないと思うのだけど、エリーは・・そう、部屋の片付けが出来ない子なの。だから私が管理してあげてたの」
ミリーがしどろもどろになりながら言い訳をすると両親と兄はすっかり信じてしまった。
「まあ、そうだったのね? メイド達も何も言ってなかったから全然知らなかったわ」
「だからね、明日荷物をお渡しするんで良いでしょ?」
「ミリーにはかわいそうな事をしたな。しかし、取り敢えず見てみるか」
「駄目! レディの部屋に入るなんて絶対にやめて!」
今回は仕方ないからと言うサイラスの言葉でミリーの部屋に移動する事になった。
全員で移動したミリーの部屋はエリーの部屋の倍もあるような広い部屋だったが至る所に物が溢れかえっていた。
ぎちぎちに詰まったクローゼットからはみ出したドレスや靴がソファの背もたれや床に散らばり、蓋の開いたジュエリーボックスから溢れ出したネックレスや髪飾りが勉強机の上に散乱し床にも落ちている。
「「「これは・・」」」
「困りました。これでは荷物を纏めるどころかトランクを持ち込むこともできません」
予想を超えたミリーの部屋の汚さに思わず顔を引き攣らせたチャールズが呟いた。
「おっお部屋が狭すぎるんだもの仕方ないじゃない。メイドが役立たずなの。お父様、もっと仕事のできるメイドを雇ってくださらなくちゃ」
ドレスを選ぶ度に何枚ものドレスを床に投げ捨て、アクセサリーを決めるためにジュエリーボックスの中身を全てひっくり返すミリーの所業を思い出したメイド達がミリーを睨みつけた。
「わあ、ミリーも片付けは苦手なんだね。そのミリーに言われるくらいだからエリーは相当酷いってこと?」
「どちらにしろ今日はどうにもならないわ。明日の朝メイドに荷物を分けさせましょう。そう言えばエリーのメイドはどっちだったかしら?」
エドナがミリーの近くに立っている2人のメイドを見ながら聞いた。
「「えっ?」」
メイド達は顔を見合わせた後キョトンとした顔で首を傾げた。
「あなた達のどちらでもないのだったらエリーのメイドを直ぐに呼んできて・・ほら、さっさと連れてきて」
メイド達は呆然と立ち尽くしていたが左側に立っていた濃茶の髪のメイドが恐る恐る話しはじめた。
「あのー、元々は私がエリー様のメイドだったのですがミリー様のお世話をするよう申し付けられてから、エリー様には侍女もメイドもついておりませんが」
「は? 誰がそんな事を」
「旦那様が仰いました。その時奥様もいらっしゃいました」
「そうだったか? 全く覚えておらん」
サイラスとエドナは全く覚えておらず2人揃って首を横に振った。
「ミリー様はお出かけになられる事が多いのでお世話をするようにと」
「エリー様はあまりお出かけになられないから専属のメイドは不要だからとも仰っておられました」
「しかし、2人もメイドがいるのならこの部屋の有様は酷すぎるな」
サイラスは部屋の中を見回しながら眉間に皺を寄せた。
「あの、私達お暇を頂きたいと思います。このお部屋からエリー様のお荷物がなくなっても多分片付けは無理なので」
メイドの1人が言うともう1人も首を縦に振った。
「私もミリー様のお世話は無理です」
「酷いわ! だったら紹介状なんて書いてあげないんだから。そしたらあんた達どこにも雇ってもらえなくなるのよ!」
「私達、まだ試用期間ですから全然問題ありません」
この2人のメイドはミリー達の世話をする為にと王都で新しく雇った使用人だったが、ミリーの横暴に呆れて本採用前に辞めようと話していた。いくら片付けても物を投げ散らかし、破れる・汚れる・壊れる。その挙句メイドに文句を言うミリーがいつか弁償しろと言い出すのではないかと不安になっていた。
「今まではミリー様が壊したり汚して使えなくなったりした時はエリー様の物を代用品にしておられましたけど、エリー様がいらっしゃらなくなったら私達のせいにされそうなんで」
「私達が壊したんだから弁償しろと言われる前に辞めさせて頂きます」
ペコリと頭を下げて部屋を出て行ったメイド達を、チャールズが連れてきた使用人の1人がこっそりと追いかけて行った。
「まあ、なんて無責任なのかしら。こんな事なら領地から連れてくれば良かったわ」
「王都の使用人の質は最低だな。急いで新しいメイドを雇うしかあるまい」
「今日はもう遅くなってしまったから明日にしましょう。ミリーはこんな汚い部屋では眠れないでしょう? 今日はエリーの部屋で休むと良いわ。
ジェームズ、直ぐに準備をして頂戴ね」
エドナは部屋のあまりの汚さに険しい表情で指示を出したが、明日までに少しでもエリーのアクセサリーを隠したいミリーが言い募った。
ミリーがしどろもどろになりながら言い訳をすると両親と兄はすっかり信じてしまった。
「まあ、そうだったのね? メイド達も何も言ってなかったから全然知らなかったわ」
「だからね、明日荷物をお渡しするんで良いでしょ?」
「ミリーにはかわいそうな事をしたな。しかし、取り敢えず見てみるか」
「駄目! レディの部屋に入るなんて絶対にやめて!」
今回は仕方ないからと言うサイラスの言葉でミリーの部屋に移動する事になった。
全員で移動したミリーの部屋はエリーの部屋の倍もあるような広い部屋だったが至る所に物が溢れかえっていた。
ぎちぎちに詰まったクローゼットからはみ出したドレスや靴がソファの背もたれや床に散らばり、蓋の開いたジュエリーボックスから溢れ出したネックレスや髪飾りが勉強机の上に散乱し床にも落ちている。
「「「これは・・」」」
「困りました。これでは荷物を纏めるどころかトランクを持ち込むこともできません」
予想を超えたミリーの部屋の汚さに思わず顔を引き攣らせたチャールズが呟いた。
「おっお部屋が狭すぎるんだもの仕方ないじゃない。メイドが役立たずなの。お父様、もっと仕事のできるメイドを雇ってくださらなくちゃ」
ドレスを選ぶ度に何枚ものドレスを床に投げ捨て、アクセサリーを決めるためにジュエリーボックスの中身を全てひっくり返すミリーの所業を思い出したメイド達がミリーを睨みつけた。
「わあ、ミリーも片付けは苦手なんだね。そのミリーに言われるくらいだからエリーは相当酷いってこと?」
「どちらにしろ今日はどうにもならないわ。明日の朝メイドに荷物を分けさせましょう。そう言えばエリーのメイドはどっちだったかしら?」
エドナがミリーの近くに立っている2人のメイドを見ながら聞いた。
「「えっ?」」
メイド達は顔を見合わせた後キョトンとした顔で首を傾げた。
「あなた達のどちらでもないのだったらエリーのメイドを直ぐに呼んできて・・ほら、さっさと連れてきて」
メイド達は呆然と立ち尽くしていたが左側に立っていた濃茶の髪のメイドが恐る恐る話しはじめた。
「あのー、元々は私がエリー様のメイドだったのですがミリー様のお世話をするよう申し付けられてから、エリー様には侍女もメイドもついておりませんが」
「は? 誰がそんな事を」
「旦那様が仰いました。その時奥様もいらっしゃいました」
「そうだったか? 全く覚えておらん」
サイラスとエドナは全く覚えておらず2人揃って首を横に振った。
「ミリー様はお出かけになられる事が多いのでお世話をするようにと」
「エリー様はあまりお出かけになられないから専属のメイドは不要だからとも仰っておられました」
「しかし、2人もメイドがいるのならこの部屋の有様は酷すぎるな」
サイラスは部屋の中を見回しながら眉間に皺を寄せた。
「あの、私達お暇を頂きたいと思います。このお部屋からエリー様のお荷物がなくなっても多分片付けは無理なので」
メイドの1人が言うともう1人も首を縦に振った。
「私もミリー様のお世話は無理です」
「酷いわ! だったら紹介状なんて書いてあげないんだから。そしたらあんた達どこにも雇ってもらえなくなるのよ!」
「私達、まだ試用期間ですから全然問題ありません」
この2人のメイドはミリー達の世話をする為にと王都で新しく雇った使用人だったが、ミリーの横暴に呆れて本採用前に辞めようと話していた。いくら片付けても物を投げ散らかし、破れる・汚れる・壊れる。その挙句メイドに文句を言うミリーがいつか弁償しろと言い出すのではないかと不安になっていた。
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「私達が壊したんだから弁償しろと言われる前に辞めさせて頂きます」
ペコリと頭を下げて部屋を出て行ったメイド達を、チャールズが連れてきた使用人の1人がこっそりと追いかけて行った。
「まあ、なんて無責任なのかしら。こんな事なら領地から連れてくれば良かったわ」
「王都の使用人の質は最低だな。急いで新しいメイドを雇うしかあるまい」
「今日はもう遅くなってしまったから明日にしましょう。ミリーはこんな汚い部屋では眠れないでしょう? 今日はエリーの部屋で休むと良いわ。
ジェームズ、直ぐに準備をして頂戴ね」
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