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24.その時はタダじゃおかないつもり
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「これでは言い訳のしようもないね。目撃者もいて証拠品も出て来た」
リチャードと3人の愉快な仲間たちが喜色満面で頷いている。
「では、憲兵を呼びましょう」
「「「「えっ?」」」」
ロクサーナの発言にリチャード達が唖然として凝視してきた。
「べっ別にそこまで大袈裟にする必要はないだろう? ほんの出来心だったと素直に認めれば許してやらなくもないんだし」
学園長をそっちのけでリチャードが会話の主導権を握った。
「それなりの罰はあるが、公になんてしたら侯爵家の醜聞になるだろ?」
「構いませんとも。シュルツ教諭、ロッカーの中には髪飾り以外に何が入っていましたか?」
「えっ? 他には何も・・あっ、いやその」
「私のロッカーは入学当初から鍵が壊れておりました。修理の依頼は事務所に提出してありましたが、今まで一度も修理されませんでした。
その為私は一度もロッカーを使った事がないので荷物は入っておりません。
そのような場所に盗んだ品だけを入れておくなんて・・まるで見つけてくれとでも言っているようです」
にっこり笑ったロクサーナはやや青褪めてきたリチャード達を見ながら話を続けた。
「目撃者への聞き取り調査と告発文の文字の鑑定を専門家にお願い致しましょう。
侯爵家に関してはご心配なく。お父様は私が犯罪者であるならば簡単に切り捨てると思いますから。
犯罪者を庇い立てするなど高位貴族の恥ですわ」
「がっ学園内に憲兵を呼ぶなんて、とんでもない醜聞になる。そんな事はさせられない!」
学園長が青筋を立ててロクサーナに睨みつけた。
「ではこの件を学園長はどのように扱われるのでしょうか」
「髪飾りは出てきたのだし、今回の事は不問とか・・」
学園長がリチャードの顔色をチラチラと伺いながら言い淀んだ。
「・・仕方ない、今回は大目に見てあげよう。だが次に同じことがあったらこうはいかないと覚えておけよ」
腕を組んだリチャードが恩着せがましい捨て台詞を吐いた。
「それは困ります。学園側が呼ばないのであれば私から憲兵に連絡を致します。
先程既に私の窃盗容疑が公になっておりますから、このままではおかしな噂が流れてしまいます。
シュルツ教諭が生徒達の前で公言なさいましたもの」
「こっ子供の告発で憲兵が動く訳がない!」
学園長が慌てふためきロクサーナに指差して怒鳴った。
「では、お父様から告発して頂きます」
「侯爵がお前の為にそんな事をする訳がないさ」
せせら笑うリチャードにロクサーナはにっこり笑って答えた。
「仮にお父様が私の事を何とも思っていなくても侯爵家の名誉の為になら即行動すると保証しますわ。
何しろSクラスの生徒は高位貴族の子女ばかり。この様な話、間違いなく醜聞になりますもの。
内容は・・冤罪による名誉毀損でしょうか」
「お前がやってないと決まった訳じゃないんだぞ!」
「それも合わせて調べて頂ければ。いつ何処で髪飾りが盗まれ、誰が目撃したのか。
その時私は本当にそこに居たのか。
今日はこれで失礼します」
早退届を提出したロクサーナはそのまま屋敷へ帰り、チャールズへ詳細を記した手紙を届けさせた。
コナーを探して庭に行くと物置小屋の横で道具の手入れをしていたコナーが訝しげな顔をしてロクサーナをみた。
「こんな時間にどうしなすった?」
ロクサーナは学園であった事を簡単に説明し、怒りに顔を赤くしたコナーにお願いをした。
「コナー、そんな状況だからネイサンのところに行ってしばらくの間動けそうにないって伝えてくれる?
その時詳しく話を聞いて来て欲しいの」
「分かった、しかし許せねえ。もし旦那様が何にもしなかったらタダじゃおかねえ」
(その時は私もタダじゃおかないから大丈夫)
ぶつぶつと文句を言いながらコナーはネイサンの元へと出かけて行った。
(ロッカーの鍵を壊しといて大正解)
お茶とお菓子でのんびり寛いでいると血相を変えたチャールズが馬車から飛び降り屋敷に駆け込んできた。
リチャードと3人の愉快な仲間たちが喜色満面で頷いている。
「では、憲兵を呼びましょう」
「「「「えっ?」」」」
ロクサーナの発言にリチャード達が唖然として凝視してきた。
「べっ別にそこまで大袈裟にする必要はないだろう? ほんの出来心だったと素直に認めれば許してやらなくもないんだし」
学園長をそっちのけでリチャードが会話の主導権を握った。
「それなりの罰はあるが、公になんてしたら侯爵家の醜聞になるだろ?」
「構いませんとも。シュルツ教諭、ロッカーの中には髪飾り以外に何が入っていましたか?」
「えっ? 他には何も・・あっ、いやその」
「私のロッカーは入学当初から鍵が壊れておりました。修理の依頼は事務所に提出してありましたが、今まで一度も修理されませんでした。
その為私は一度もロッカーを使った事がないので荷物は入っておりません。
そのような場所に盗んだ品だけを入れておくなんて・・まるで見つけてくれとでも言っているようです」
にっこり笑ったロクサーナはやや青褪めてきたリチャード達を見ながら話を続けた。
「目撃者への聞き取り調査と告発文の文字の鑑定を専門家にお願い致しましょう。
侯爵家に関してはご心配なく。お父様は私が犯罪者であるならば簡単に切り捨てると思いますから。
犯罪者を庇い立てするなど高位貴族の恥ですわ」
「がっ学園内に憲兵を呼ぶなんて、とんでもない醜聞になる。そんな事はさせられない!」
学園長が青筋を立ててロクサーナに睨みつけた。
「ではこの件を学園長はどのように扱われるのでしょうか」
「髪飾りは出てきたのだし、今回の事は不問とか・・」
学園長がリチャードの顔色をチラチラと伺いながら言い淀んだ。
「・・仕方ない、今回は大目に見てあげよう。だが次に同じことがあったらこうはいかないと覚えておけよ」
腕を組んだリチャードが恩着せがましい捨て台詞を吐いた。
「それは困ります。学園側が呼ばないのであれば私から憲兵に連絡を致します。
先程既に私の窃盗容疑が公になっておりますから、このままではおかしな噂が流れてしまいます。
シュルツ教諭が生徒達の前で公言なさいましたもの」
「こっ子供の告発で憲兵が動く訳がない!」
学園長が慌てふためきロクサーナに指差して怒鳴った。
「では、お父様から告発して頂きます」
「侯爵がお前の為にそんな事をする訳がないさ」
せせら笑うリチャードにロクサーナはにっこり笑って答えた。
「仮にお父様が私の事を何とも思っていなくても侯爵家の名誉の為になら即行動すると保証しますわ。
何しろSクラスの生徒は高位貴族の子女ばかり。この様な話、間違いなく醜聞になりますもの。
内容は・・冤罪による名誉毀損でしょうか」
「お前がやってないと決まった訳じゃないんだぞ!」
「それも合わせて調べて頂ければ。いつ何処で髪飾りが盗まれ、誰が目撃したのか。
その時私は本当にそこに居たのか。
今日はこれで失礼します」
早退届を提出したロクサーナはそのまま屋敷へ帰り、チャールズへ詳細を記した手紙を届けさせた。
コナーを探して庭に行くと物置小屋の横で道具の手入れをしていたコナーが訝しげな顔をしてロクサーナをみた。
「こんな時間にどうしなすった?」
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「コナー、そんな状況だからネイサンのところに行ってしばらくの間動けそうにないって伝えてくれる?
その時詳しく話を聞いて来て欲しいの」
「分かった、しかし許せねえ。もし旦那様が何にもしなかったらタダじゃおかねえ」
(その時は私もタダじゃおかないから大丈夫)
ぶつぶつと文句を言いながらコナーはネイサンの元へと出かけて行った。
(ロッカーの鍵を壊しといて大正解)
お茶とお菓子でのんびり寛いでいると血相を変えたチャールズが馬車から飛び降り屋敷に駆け込んできた。
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