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ハーミット王国、ダンジョン
59.ギルマスはお腹いっぱい
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「紹介しますね」
お茶会に参加していたのは、
・司法神のミスラ
・神獣のヴァン
・ニヴルヘイムを支配する女神のヘル
・木の精霊ディー
・火の精霊アータル
・火から生まれた妖精ペリ
・猫の王様、妖精のケット・シー
・ドワーフのガンツ
・エルフのリンド
・ハーフエルフのカノン
「本当はナナさんとマックスもって思ったんですけど、仕事が忙しくて無理だったんですよね」
「ガンツ、お前まで何でここに?」
「コンポジット・ボウの調整にディーに連れてきてもらったんだよ。
そしたら随分と楽しげなことやってるからよ」
ガンツとその隣に座っているミスラの持っているコップには酒が入っているらしく、目の前にあるのは甘いゴーフルではなく焼いた塩漬けのタラや木の実などの酒のつまみ。
「ミリアの武器が壊れた?」
「いや、リンドに貸したやつの方だな。リンドの体型に合わせようと思ってな。
ミリアの方は問題ねえ、丁寧に使ってるみてえだな」
「お陰でますます狙いが定まりやすくなりました」
リンドが横に置いたコンポジット・ボウを嬉しそうに撫でている。
「もうちょい大きくなったらカノンにも使ってやるからしっかり練習しとけよ」
「はい!」
元気なカノンの返事にみんなの顔が綻んでいった。
「簡単なとこからはじめたんだが・・すっげえ聞きたくない質問が残ってんだよな」
小さく溜息をついたギルマスがミスラ・ヘル・アータル・ペリの順に顔をチラ見した。
「僕から話そうかな? 多分だけど僕が先にミリアと会ってるからね」
ペリは不老不死の花の事やミリアの両親の事、ボギーやデーウの事を話した。
「今朝、別のデーウがみんなに迷惑をかけたって知ってお詫びに来たんだ。
因みにダンジョンでケルベロスと戦う時に実験に参加させてもらったんだ。
すごく楽しかったよ」
「実験?」
ギルマスがチラッとミリアを見たが、ミリアは慌てて顔を背けた。
「次はあたし?」
ヨトゥンヘイムに住むフリームスルスと蛇のニーズヘッグの喧嘩の話や、ペリの作った魔法陣で召喚された事を話した。
「ニーズヘッグがちいとばかり大人しくしてるからフリームスルスもお利口にしてるよ。
ただ、ヨルムンガンドが煩くてねえ。
俺だけ除け者にしやがって! ってしょっちゅう文句を言ってくるのさ。
フェンリルがいつまで経ってもミリアんとこにいるからやきもち焼いてるみたいで。
で、時々でいいから遊んでやってくんないかなーって」
「・・毒蛇の・・精霊と遊ぶ?」
ギルマスの顔が蒼白になってきた。
「ウートガルザ・ロキがやったみたいに幻術で猫の姿にでも変えてもらえば何とかなるかなあって思ってさ。あはは」
「あたしはユグドラシルのてっぺんとまってるフレースヴェルグや栗鼠のラタトスクと仲良しになったんだよ。
ミイちゃんとも遊びたいっていつも言ってる。ノッカーもね」
ディーの追加情報にお腹いっぱいのギルマスにミスラが追い討ちをかけた。
「私とアータルはミリアと今朝出会ったばかりでね」
デーウがアータルの持つクワルナフなしで消滅させられた時初めてミリアに関心を持った事や、今朝別の一柱がカノンをさらいミリアとヴァンを誘い出した事、今回のデーウからは闇魔法の気配がしたため急遽アータルと共にやって来たことを話した。
「会ってみるとミリアからはとても面白い気配がしてね、益々興味が湧いた。
来てみればこのメンバー。成程と感心していたところだ。
ガンツとの会話も楽しんでいるし、時々遊びに来ようと思っている。
ミリアの光魔法なら仕事も手伝ってもらえそうだし、別のデーウならば簡単に消滅させられるだろう」
「・・ちびすけ、巻き込まれるなよ。神様の仕事はそっちに丸投げしとけ」
「それは冷たいよー。ミリアが手伝ってくれたら僕は凄く楽になるし、何より滅茶苦茶楽しそうじゃん。
ギルマスのとこにも遊びに行ったげるから拗ねないで?
ミスラはお酒が好きだから、ギルマスと一緒に飲んだら?
バックスに貰った美味しいワインを持ってるし」
「バックスはダメだ。下手したらバックスが乱入してきそうな気配がする。
ミリアに構うのは禁止だ。
俺はディテュランボスは歌えねえし歌わねえ」
バックスは豊穣神・酒神・狂気を孕んだ神などと呼ばれている。
美しい若者か髭を生やした中年として現れ多くの女性信者がいるが、酒に酔うと理性のブレーキが外れ淫らな本性が出てくる。
ディテュランボスとは古くからあるバックス讃歌。
「じゃあ、ソーマやネクタルは? ネクタルはすっごく甘いんだって」
ソーマは酒ではなく高揚感や幻覚作用を伴う植物の液汁。
神々と人間に活力を与え霊感をもたらす不老不死の霊薬。
ネクタルは蜂蜜のように甘く香りの良いワインのように赤い飲み物で、特殊な植物で作られた不老不死となる蒸留酒。
アンブロシアは不死を意味する食べ物。
アンブロシアは神の食べ物であると同時に、神の乗る馬車をひく馬の飼い葉・女神の肌の汚れを落とす化粧品・不死にする効力のある軟膏としても用いられる。
「ソーマは酒じゃねえ。ネクタルは・・(甘いのは気になるが)・・不老不死は断る」
ギルマスが心の声を断腸の思いで断ち切りキッパリと断った。
「ねえ、アンブロシアって汚れ落としとか軟膏にもな「駄目だったらダメだ!」」
ミリアの薬師心をガツンと押さえつけたギルマスだった。
「ギルマスってもしかしてミリアの事、好・・むぐ」
お茶会に参加していたのは、
・司法神のミスラ
・神獣のヴァン
・ニヴルヘイムを支配する女神のヘル
・木の精霊ディー
・火の精霊アータル
・火から生まれた妖精ペリ
・猫の王様、妖精のケット・シー
・ドワーフのガンツ
・エルフのリンド
・ハーフエルフのカノン
「本当はナナさんとマックスもって思ったんですけど、仕事が忙しくて無理だったんですよね」
「ガンツ、お前まで何でここに?」
「コンポジット・ボウの調整にディーに連れてきてもらったんだよ。
そしたら随分と楽しげなことやってるからよ」
ガンツとその隣に座っているミスラの持っているコップには酒が入っているらしく、目の前にあるのは甘いゴーフルではなく焼いた塩漬けのタラや木の実などの酒のつまみ。
「ミリアの武器が壊れた?」
「いや、リンドに貸したやつの方だな。リンドの体型に合わせようと思ってな。
ミリアの方は問題ねえ、丁寧に使ってるみてえだな」
「お陰でますます狙いが定まりやすくなりました」
リンドが横に置いたコンポジット・ボウを嬉しそうに撫でている。
「もうちょい大きくなったらカノンにも使ってやるからしっかり練習しとけよ」
「はい!」
元気なカノンの返事にみんなの顔が綻んでいった。
「簡単なとこからはじめたんだが・・すっげえ聞きたくない質問が残ってんだよな」
小さく溜息をついたギルマスがミスラ・ヘル・アータル・ペリの順に顔をチラ見した。
「僕から話そうかな? 多分だけど僕が先にミリアと会ってるからね」
ペリは不老不死の花の事やミリアの両親の事、ボギーやデーウの事を話した。
「今朝、別のデーウがみんなに迷惑をかけたって知ってお詫びに来たんだ。
因みにダンジョンでケルベロスと戦う時に実験に参加させてもらったんだ。
すごく楽しかったよ」
「実験?」
ギルマスがチラッとミリアを見たが、ミリアは慌てて顔を背けた。
「次はあたし?」
ヨトゥンヘイムに住むフリームスルスと蛇のニーズヘッグの喧嘩の話や、ペリの作った魔法陣で召喚された事を話した。
「ニーズヘッグがちいとばかり大人しくしてるからフリームスルスもお利口にしてるよ。
ただ、ヨルムンガンドが煩くてねえ。
俺だけ除け者にしやがって! ってしょっちゅう文句を言ってくるのさ。
フェンリルがいつまで経ってもミリアんとこにいるからやきもち焼いてるみたいで。
で、時々でいいから遊んでやってくんないかなーって」
「・・毒蛇の・・精霊と遊ぶ?」
ギルマスの顔が蒼白になってきた。
「ウートガルザ・ロキがやったみたいに幻術で猫の姿にでも変えてもらえば何とかなるかなあって思ってさ。あはは」
「あたしはユグドラシルのてっぺんとまってるフレースヴェルグや栗鼠のラタトスクと仲良しになったんだよ。
ミイちゃんとも遊びたいっていつも言ってる。ノッカーもね」
ディーの追加情報にお腹いっぱいのギルマスにミスラが追い討ちをかけた。
「私とアータルはミリアと今朝出会ったばかりでね」
デーウがアータルの持つクワルナフなしで消滅させられた時初めてミリアに関心を持った事や、今朝別の一柱がカノンをさらいミリアとヴァンを誘い出した事、今回のデーウからは闇魔法の気配がしたため急遽アータルと共にやって来たことを話した。
「会ってみるとミリアからはとても面白い気配がしてね、益々興味が湧いた。
来てみればこのメンバー。成程と感心していたところだ。
ガンツとの会話も楽しんでいるし、時々遊びに来ようと思っている。
ミリアの光魔法なら仕事も手伝ってもらえそうだし、別のデーウならば簡単に消滅させられるだろう」
「・・ちびすけ、巻き込まれるなよ。神様の仕事はそっちに丸投げしとけ」
「それは冷たいよー。ミリアが手伝ってくれたら僕は凄く楽になるし、何より滅茶苦茶楽しそうじゃん。
ギルマスのとこにも遊びに行ったげるから拗ねないで?
ミスラはお酒が好きだから、ギルマスと一緒に飲んだら?
バックスに貰った美味しいワインを持ってるし」
「バックスはダメだ。下手したらバックスが乱入してきそうな気配がする。
ミリアに構うのは禁止だ。
俺はディテュランボスは歌えねえし歌わねえ」
バックスは豊穣神・酒神・狂気を孕んだ神などと呼ばれている。
美しい若者か髭を生やした中年として現れ多くの女性信者がいるが、酒に酔うと理性のブレーキが外れ淫らな本性が出てくる。
ディテュランボスとは古くからあるバックス讃歌。
「じゃあ、ソーマやネクタルは? ネクタルはすっごく甘いんだって」
ソーマは酒ではなく高揚感や幻覚作用を伴う植物の液汁。
神々と人間に活力を与え霊感をもたらす不老不死の霊薬。
ネクタルは蜂蜜のように甘く香りの良いワインのように赤い飲み物で、特殊な植物で作られた不老不死となる蒸留酒。
アンブロシアは不死を意味する食べ物。
アンブロシアは神の食べ物であると同時に、神の乗る馬車をひく馬の飼い葉・女神の肌の汚れを落とす化粧品・不死にする効力のある軟膏としても用いられる。
「ソーマは酒じゃねえ。ネクタルは・・(甘いのは気になるが)・・不老不死は断る」
ギルマスが心の声を断腸の思いで断ち切りキッパリと断った。
「ねえ、アンブロシアって汚れ落としとか軟膏にもな「駄目だったらダメだ!」」
ミリアの薬師心をガツンと押さえつけたギルマスだった。
「ギルマスってもしかしてミリアの事、好・・むぐ」
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