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「ずっ随分と暇なんだなあ、勤労の精神はねえのかよ」
「まぁね、お祝いなんて参加したことないから超楽しみー」
「てめえ、おちょくってんだろ。昨日も散々楽しそうにしてたよな」
「ミリア、おめでとうを言いにきたよー」
ギルマスを無視してアータルはミリアに抱きついた。
テーブルに料理が並び料理人達が帰った後、
「なあ、人数の割に皿やコップが多くないか?」
セオドラのもっともな疑問に、開き直ったギルマスが答えた。
「備えあれば憂いなし・・どこからでもかかってこいや」
ギルマスが両手を腰に仁王立ちした。
「勇ましい台詞の割には顔が引き攣ってるぞ?」
「食うぞ、今のうちにな」
みんなの手元に飲み物が配られた時、辺りの空気が変わった。
「来やがったな」
ギルマスの呟きの横で全員が身構えた。
「お祝いならちゃんと声かけなさいよ! 気が利かないわね、ギルマスあんた殺されたいの?」
開口一番ニヴルヘイムから来たヘル。
その横にヨトゥンヘイムに住むフリームスルスと、フレースヴェルグや栗鼠のラタトスクがいる。
「蛇のニーズヘッグはめんどくさいから置いてきたからね」
「祝いの席だと聞いたのでアンブロシアを持ってきました」
二番手は司法神のミスラ。
「僕も来たよ。ディー、一日ぶりだね。
ガンツぅ、バックスからワインもらってきたからねー」
三番手は火の精霊アータル。
「僕もペリの園からお土産を持ってきたんだ」
四番手はキラキラと手を輝かせている妖精ペリ。
何故か隣にはもじもじと下を向いているノッカーがいる。
「今回の件で結構仲良くなって、連れてけって」
そして・・最後に白黒のぶちねこがちょこんと座っている。
「兄者、汚ねえぞ。俺だけ仲間外れ酷くないか?」
(ヨルムンガンドが煩くてねえ・・)
ケット・シーが尻尾を巻いてカノンの後ろに隠れている。
五番手は初お目見えのヨルムガンド。
「・・マジか、毒蛇の精霊が来た。コイツだけは関係ねえだろ?」
「あぁ? てめえ、俺を除け者にしてタダで済むと思うなよ! 一秒でヘルんとこに送り込んでやんぜ」
「えー、ヨルムガンドならギルマスなんて瞬殺だよー」
アータルが構えた腕を振り抜く真似をしながら、とても不穏な事をあっけらかんと言い放った。
「ルカ、話の様子からしてお前は全員と知り合いか?」
セオドラが小さな声で聞いてきた。
「ばーか、俺じゃねえよ。全員ミリアの友達だよ、多分な」
「「「はあ?」」」
セオドラとテスタロッサ、ディエチミーラとソフィア。
全員がミリアに注目し説明を求める顔になった。
「ギルドの依頼をこなしたら皆さんと出会って・・ねっ?」
ミリアがギルマスに話を投げた。
「ギルマス、俺の妹にそんな無茶な依頼をさせたのか?」
ウォーカーの怒りがギルマスに向いた。
「ネトルの採取だぞ? うちで張り出してあった依頼をミリアが選んだんだよな。
その次の塩漬け依頼は俺が頼んだがな」
「それが何で・・」
「ねえ、坊や。あんたウォーカーだろ? セリーナとライオネルの息子の。
文句があんならアンタから先に両親とこに連れてってもいいんだよ」
ヘルの不機嫌な顔に訓練場の中に風が渦巻き、雷が地面を穿っていく。
ディエチミーラがウォーカーを囲み防御の構えをとったが、そこにギルマスののんびりした声が響いた。
「なあ、ちびすけの祝いに来たんだろ? なのに兄ちゃん連れてくって単なる脅しにしても趣味悪くねえか?」
「あー、悪かったよ。ちょっと言い過ぎた」
ヘルは「帰ったらまたセリーナに説教されそうだ」とブツブツ言っていた。
「ちびすけの母ちゃんすげぇ大物だな。ヘルに説教すんのか?」
ミリアは苦笑いを浮かべながら首を傾げた。
酒や果実水で乾杯し、大量の料理を食べながら和気藹々と話に花を咲かせる面々。
「このメンバーで楽しく会食って二度と経験できないだろうな」
ほろ酔いのセオドラが追いかけっこをしている子供……ディー・アータル・カノン・ケットシー……達を眺めながら呟いた。アレンの契約精霊、サラマンダーとシルフも参加している。
「誰に話しても信じやしねえだろうがな」
酒をちびちびと飲んでいるギルマスに、
「もう二日酔いは大丈夫なのか?」
「ミリアが薬をくれた」
「なあ・・」
「知らねえ、知らんほうが身のためだ」
「かもな」
猫の姿のヨルムガンドが仔犬のヴァンを追いかけている。
ミリアはナナと料理をつつき、ソフィアとテスタロッサは上司の文句を言い合っていた。
ノッカーはヨトゥンヘイムに住むフリームスルスの腕にぶら下がり、フレースヴェルグと栗鼠のラタトスクがその周りを飛び回っている。
リンドとガンツとマックスはディエチミーラのメンバーと共に武器や防具の話に夢中になり、ミスラとヘルがペリのリュートを聴きながら神器について蘊蓄を垂れている。
ナナがガンツ達と合流し、ミリアがギルマスのところにやって来た。
「ギルマス、さっきはありがとう」
「あ?」
「ギルマスのお陰でヘルが・・」
「ああ、さて何か食ってくるかな。このままじゃまた二日酔いになりそうだ」
ギルマスはミリアとセオドラを置いてテーブルに向かった。
「アイツ、照れてやがる」
ギルマスの周りに子供達が集まり何か騒ぎはじめた。
ギルマスが煩そうに手を振るところを見ると遊びに誘われているのだろうか。
料理に手を伸ばしたギルマスにアータルがテーブルの上の果物を渡し、ギルマスが何気に口にしようとした時ミリアが飛び出して行った。
「ルカ!」
「まぁね、お祝いなんて参加したことないから超楽しみー」
「てめえ、おちょくってんだろ。昨日も散々楽しそうにしてたよな」
「ミリア、おめでとうを言いにきたよー」
ギルマスを無視してアータルはミリアに抱きついた。
テーブルに料理が並び料理人達が帰った後、
「なあ、人数の割に皿やコップが多くないか?」
セオドラのもっともな疑問に、開き直ったギルマスが答えた。
「備えあれば憂いなし・・どこからでもかかってこいや」
ギルマスが両手を腰に仁王立ちした。
「勇ましい台詞の割には顔が引き攣ってるぞ?」
「食うぞ、今のうちにな」
みんなの手元に飲み物が配られた時、辺りの空気が変わった。
「来やがったな」
ギルマスの呟きの横で全員が身構えた。
「お祝いならちゃんと声かけなさいよ! 気が利かないわね、ギルマスあんた殺されたいの?」
開口一番ニヴルヘイムから来たヘル。
その横にヨトゥンヘイムに住むフリームスルスと、フレースヴェルグや栗鼠のラタトスクがいる。
「蛇のニーズヘッグはめんどくさいから置いてきたからね」
「祝いの席だと聞いたのでアンブロシアを持ってきました」
二番手は司法神のミスラ。
「僕も来たよ。ディー、一日ぶりだね。
ガンツぅ、バックスからワインもらってきたからねー」
三番手は火の精霊アータル。
「僕もペリの園からお土産を持ってきたんだ」
四番手はキラキラと手を輝かせている妖精ペリ。
何故か隣にはもじもじと下を向いているノッカーがいる。
「今回の件で結構仲良くなって、連れてけって」
そして・・最後に白黒のぶちねこがちょこんと座っている。
「兄者、汚ねえぞ。俺だけ仲間外れ酷くないか?」
(ヨルムンガンドが煩くてねえ・・)
ケット・シーが尻尾を巻いてカノンの後ろに隠れている。
五番手は初お目見えのヨルムガンド。
「・・マジか、毒蛇の精霊が来た。コイツだけは関係ねえだろ?」
「あぁ? てめえ、俺を除け者にしてタダで済むと思うなよ! 一秒でヘルんとこに送り込んでやんぜ」
「えー、ヨルムガンドならギルマスなんて瞬殺だよー」
アータルが構えた腕を振り抜く真似をしながら、とても不穏な事をあっけらかんと言い放った。
「ルカ、話の様子からしてお前は全員と知り合いか?」
セオドラが小さな声で聞いてきた。
「ばーか、俺じゃねえよ。全員ミリアの友達だよ、多分な」
「「「はあ?」」」
セオドラとテスタロッサ、ディエチミーラとソフィア。
全員がミリアに注目し説明を求める顔になった。
「ギルドの依頼をこなしたら皆さんと出会って・・ねっ?」
ミリアがギルマスに話を投げた。
「ギルマス、俺の妹にそんな無茶な依頼をさせたのか?」
ウォーカーの怒りがギルマスに向いた。
「ネトルの採取だぞ? うちで張り出してあった依頼をミリアが選んだんだよな。
その次の塩漬け依頼は俺が頼んだがな」
「それが何で・・」
「ねえ、坊や。あんたウォーカーだろ? セリーナとライオネルの息子の。
文句があんならアンタから先に両親とこに連れてってもいいんだよ」
ヘルの不機嫌な顔に訓練場の中に風が渦巻き、雷が地面を穿っていく。
ディエチミーラがウォーカーを囲み防御の構えをとったが、そこにギルマスののんびりした声が響いた。
「なあ、ちびすけの祝いに来たんだろ? なのに兄ちゃん連れてくって単なる脅しにしても趣味悪くねえか?」
「あー、悪かったよ。ちょっと言い過ぎた」
ヘルは「帰ったらまたセリーナに説教されそうだ」とブツブツ言っていた。
「ちびすけの母ちゃんすげぇ大物だな。ヘルに説教すんのか?」
ミリアは苦笑いを浮かべながら首を傾げた。
酒や果実水で乾杯し、大量の料理を食べながら和気藹々と話に花を咲かせる面々。
「このメンバーで楽しく会食って二度と経験できないだろうな」
ほろ酔いのセオドラが追いかけっこをしている子供……ディー・アータル・カノン・ケットシー……達を眺めながら呟いた。アレンの契約精霊、サラマンダーとシルフも参加している。
「誰に話しても信じやしねえだろうがな」
酒をちびちびと飲んでいるギルマスに、
「もう二日酔いは大丈夫なのか?」
「ミリアが薬をくれた」
「なあ・・」
「知らねえ、知らんほうが身のためだ」
「かもな」
猫の姿のヨルムガンドが仔犬のヴァンを追いかけている。
ミリアはナナと料理をつつき、ソフィアとテスタロッサは上司の文句を言い合っていた。
ノッカーはヨトゥンヘイムに住むフリームスルスの腕にぶら下がり、フレースヴェルグと栗鼠のラタトスクがその周りを飛び回っている。
リンドとガンツとマックスはディエチミーラのメンバーと共に武器や防具の話に夢中になり、ミスラとヘルがペリのリュートを聴きながら神器について蘊蓄を垂れている。
ナナがガンツ達と合流し、ミリアがギルマスのところにやって来た。
「ギルマス、さっきはありがとう」
「あ?」
「ギルマスのお陰でヘルが・・」
「ああ、さて何か食ってくるかな。このままじゃまた二日酔いになりそうだ」
ギルマスはミリアとセオドラを置いてテーブルに向かった。
「アイツ、照れてやがる」
ギルマスの周りに子供達が集まり何か騒ぎはじめた。
ギルマスが煩そうに手を振るところを見ると遊びに誘われているのだろうか。
料理に手を伸ばしたギルマスにアータルがテーブルの上の果物を渡し、ギルマスが何気に口にしようとした時ミリアが飛び出して行った。
「ルカ!」
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