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65.騎士団の横行により
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「あー、あそこはバレてねえと思うがなあ。ちびすけがネトルの採取に行ったのは一回っきりだし、ここに来て直ぐの事だしな」
「トレントの森はもっと奥にあるから大丈夫だよー」
「どうすっかなあ。
念には念を入れてってなるとアイツらも連れてきといた方がいいかもだが。
そうするとすげえ大所帯になる、ソフィア何とかなるか?」
「はい、客室は結構広いですし料理は下から運ばせます。
もしもの時は一時的に訓練場の使用を停止して野営をしてもらう手もあります」
「んじゃ、ヴァンが戻ってきたらもう一回働いてもらうか。日頃の運動不足解消になんだろ?」
『貴様に言われる筋あいはない』
ヴァンの声と同時に、ガンツ達三人の姿が現れた。
「ミイちゃん!」
ナナが走ってきてミリアに抱きついた。
「もー、心配してたんだぜー」
エグエグと泣きながらミリアに抱きついたままのナナが後ろにいたマックスに蹴りを入れた。
(なっ何で蹴り?)
「ありがとう、ナナさんの作ってくれた弓懸とっても使いやすかった」
「ミイ、あの・・お帰り」
「マックス、矢を沢山ありがとう。ラードーンでほとんど使い切っちゃった」
「ええっ、マジで?」
ヴァンに転送してもらったカノン達も現れた。
カノンがナナの横からミリアに抱きつき、リンドは大勢の人に警戒しながら話しかけてきた。
「ミイ、どうなった?」
「手続き無事完了したよ」
「ミイ、俺様もおめでとうを言いにきてやったぞ」
「ドワーフの次はエルフ・・ケット・シーも」
セオドラとテスタロッサ、ディエチミーラの全員が愕然としている。
ギギギと後ろを振り向いたウォーカーが目でギルマスに問いかけた。
「驚いたろ? 俺の苦労がわかった気になんなよ。こんなもん序の口だからな」
ギルマスがふふっとタチの悪い顔で笑った。
「ギルマス、そろそろ呼び名をミリアで統一して良いんじゃろ? それともまだか?」
「いや、ちびすけは見事Sランクに昇格した」
「おめでとう、良かったな! これでもう騎士団の奴らにとやかく言われねえんだろ?」
「あともうちょっとかな? それでみんなに来てもらったの」
「騎士団が難癖つけてきた時の為には一箇所に集まっといた方が面倒がないからな。
取り敢えずここにいる間はなんかありゃあこいつが責任とってくれるからな」
ギルマスが意地悪げな顔でセオドラを指さした。
「おっ俺?」
「コイツは冒険者ギルド本部長のセオドラ・ミルタウン様だ。
こんな時に使わなきゃ肩書きにカビが生えるだろうが」
「ルカ、てめえ。この状況ちゃんと説明しろよ」
「あー、もちっと後の方が良いと思うぜ。ヴァン、お前はどう思う?」
『貴様に名を呼ばれる覚えはない。我をこき使いおって』
「ふん、昨日騙しやがったくせによお」
ギルマスとヴァンが睨み合いを続ける中、ソフィア達女性陣の中では折角だからお祝いをしようと話が盛り上がっていた。
「これだけいるとやっぱり訓練場が良いですね。閉鎖して料理を頼んできます」
ソフィアが部屋を出かけた時ギルマスが慌ててソフィアを引き留めた。
「待て待て待て、それは不味い。冗談になってねえよ」
「だってミリアちゃんの昇格祝いですよ。皆さんも集まったことですし」
「だから、集まってねえんだよ。集まらないほうがいい! な? あんまり派手にすんな、頼む」
ギルマスの必死の形相にミリアが申し訳なさそうな顔をした。
「あの、ここで普通にお茶するだけで・・」
ミリアが恐る恐る言うとソフィアとテスタロッサが顳顬をピクピクさせてギルマスに詰め寄った。
「主役に気を遣わせてどう言うつもりですか!」
「いや、ここは断固として反対する!」
『ギルマスよ、貴様が騒ぐからどんどん関心が集まっておるぞ』
「げっ、マジか? いや、すまん・・俺はちょっと出かけてくるからお前らで適当にやっといてくれ」
冷や汗を流しながらソロソロとドアに向かうギルマスの肩をセオドラがガシッと掴んだ。
「ルカ、なーに隠してんのかな? ゆっくり話を聞かせてもらおうか?」
ソフィアが一階に降りるとギルド内は閑散としていた。
「騎士団がギルドの周りを固めてて、冒険者達が入ってこれないんです」
「じゃあ今日はギルドを休みにするしかなさそうね。苦情や損害は全部騎士団に回すからみんなも今日は帰っていいわ」
ギルド発足以来初の休業宣言に驚いた職員達だが、いそいそと帰り支度をはじめた。
お陰でこの後の混乱を防ぐことができたことにまだ気づいていないソフィアだった。
ソフィアはギルドの外に、
【騎士団の横行により本日休業】
と大きな貼り紙を貼ったあと、訓練場に料理を運ぶよう頼みに行った。
料理人達は料理を運んだ後帰る事にした。
全員で食堂からテーブルと椅子を運びお祝いの準備をする。
「誰もいねえなら食堂でやりゃあ良いんじゃねえか?」
「訓練場なら結界が張ってあるので騎士団が何かしてきても問題ないんです。
ここだと外から覗かれたり殴り込みをかけられたら面倒なので」
ガンツの疑問にソフィアが答えた。
「酒はなしだからな!」
最後の足掻きか、ギルマスがガンツに怒鳴っている。
「はあ? 祝いに酒がねえとかあり得んだろうが」
二日酔いの頭を振りながら机を運ぶギルマスにミリアが薬を渡してきた。
「すごく苦いけどよく効きます。これでダメならグレイソンに頼めば治りますから。
二日酔いって状態異常の一つなんで」
「・・有り難え。もっと早く知りたかったがな」
「えー、ギルマスはあの程度の酒で体調を崩したのー?」
背後から聞こえてきた声に、ギルマスは持っていた机を落としてしまった。
「トレントの森はもっと奥にあるから大丈夫だよー」
「どうすっかなあ。
念には念を入れてってなるとアイツらも連れてきといた方がいいかもだが。
そうするとすげえ大所帯になる、ソフィア何とかなるか?」
「はい、客室は結構広いですし料理は下から運ばせます。
もしもの時は一時的に訓練場の使用を停止して野営をしてもらう手もあります」
「んじゃ、ヴァンが戻ってきたらもう一回働いてもらうか。日頃の運動不足解消になんだろ?」
『貴様に言われる筋あいはない』
ヴァンの声と同時に、ガンツ達三人の姿が現れた。
「ミイちゃん!」
ナナが走ってきてミリアに抱きついた。
「もー、心配してたんだぜー」
エグエグと泣きながらミリアに抱きついたままのナナが後ろにいたマックスに蹴りを入れた。
(なっ何で蹴り?)
「ありがとう、ナナさんの作ってくれた弓懸とっても使いやすかった」
「ミイ、あの・・お帰り」
「マックス、矢を沢山ありがとう。ラードーンでほとんど使い切っちゃった」
「ええっ、マジで?」
ヴァンに転送してもらったカノン達も現れた。
カノンがナナの横からミリアに抱きつき、リンドは大勢の人に警戒しながら話しかけてきた。
「ミイ、どうなった?」
「手続き無事完了したよ」
「ミイ、俺様もおめでとうを言いにきてやったぞ」
「ドワーフの次はエルフ・・ケット・シーも」
セオドラとテスタロッサ、ディエチミーラの全員が愕然としている。
ギギギと後ろを振り向いたウォーカーが目でギルマスに問いかけた。
「驚いたろ? 俺の苦労がわかった気になんなよ。こんなもん序の口だからな」
ギルマスがふふっとタチの悪い顔で笑った。
「ギルマス、そろそろ呼び名をミリアで統一して良いんじゃろ? それともまだか?」
「いや、ちびすけは見事Sランクに昇格した」
「おめでとう、良かったな! これでもう騎士団の奴らにとやかく言われねえんだろ?」
「あともうちょっとかな? それでみんなに来てもらったの」
「騎士団が難癖つけてきた時の為には一箇所に集まっといた方が面倒がないからな。
取り敢えずここにいる間はなんかありゃあこいつが責任とってくれるからな」
ギルマスが意地悪げな顔でセオドラを指さした。
「おっ俺?」
「コイツは冒険者ギルド本部長のセオドラ・ミルタウン様だ。
こんな時に使わなきゃ肩書きにカビが生えるだろうが」
「ルカ、てめえ。この状況ちゃんと説明しろよ」
「あー、もちっと後の方が良いと思うぜ。ヴァン、お前はどう思う?」
『貴様に名を呼ばれる覚えはない。我をこき使いおって』
「ふん、昨日騙しやがったくせによお」
ギルマスとヴァンが睨み合いを続ける中、ソフィア達女性陣の中では折角だからお祝いをしようと話が盛り上がっていた。
「これだけいるとやっぱり訓練場が良いですね。閉鎖して料理を頼んできます」
ソフィアが部屋を出かけた時ギルマスが慌ててソフィアを引き留めた。
「待て待て待て、それは不味い。冗談になってねえよ」
「だってミリアちゃんの昇格祝いですよ。皆さんも集まったことですし」
「だから、集まってねえんだよ。集まらないほうがいい! な? あんまり派手にすんな、頼む」
ギルマスの必死の形相にミリアが申し訳なさそうな顔をした。
「あの、ここで普通にお茶するだけで・・」
ミリアが恐る恐る言うとソフィアとテスタロッサが顳顬をピクピクさせてギルマスに詰め寄った。
「主役に気を遣わせてどう言うつもりですか!」
「いや、ここは断固として反対する!」
『ギルマスよ、貴様が騒ぐからどんどん関心が集まっておるぞ』
「げっ、マジか? いや、すまん・・俺はちょっと出かけてくるからお前らで適当にやっといてくれ」
冷や汗を流しながらソロソロとドアに向かうギルマスの肩をセオドラがガシッと掴んだ。
「ルカ、なーに隠してんのかな? ゆっくり話を聞かせてもらおうか?」
ソフィアが一階に降りるとギルド内は閑散としていた。
「騎士団がギルドの周りを固めてて、冒険者達が入ってこれないんです」
「じゃあ今日はギルドを休みにするしかなさそうね。苦情や損害は全部騎士団に回すからみんなも今日は帰っていいわ」
ギルド発足以来初の休業宣言に驚いた職員達だが、いそいそと帰り支度をはじめた。
お陰でこの後の混乱を防ぐことができたことにまだ気づいていないソフィアだった。
ソフィアはギルドの外に、
【騎士団の横行により本日休業】
と大きな貼り紙を貼ったあと、訓練場に料理を運ぶよう頼みに行った。
料理人達は料理を運んだ後帰る事にした。
全員で食堂からテーブルと椅子を運びお祝いの準備をする。
「誰もいねえなら食堂でやりゃあ良いんじゃねえか?」
「訓練場なら結界が張ってあるので騎士団が何かしてきても問題ないんです。
ここだと外から覗かれたり殴り込みをかけられたら面倒なので」
ガンツの疑問にソフィアが答えた。
「酒はなしだからな!」
最後の足掻きか、ギルマスがガンツに怒鳴っている。
「はあ? 祝いに酒がねえとかあり得んだろうが」
二日酔いの頭を振りながら机を運ぶギルマスにミリアが薬を渡してきた。
「すごく苦いけどよく効きます。これでダメならグレイソンに頼めば治りますから。
二日酔いって状態異常の一つなんで」
「・・有り難え。もっと早く知りたかったがな」
「えー、ギルマスはあの程度の酒で体調を崩したのー?」
背後から聞こえてきた声に、ギルマスは持っていた机を落としてしまった。
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