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ルーメン 暁のダンジョン
146.危険なお宝と愚かなポーター
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「パンデモニウムからウコバクが盗んできた宝だと?」
「おう、残ってたのは全部回収してきたから後で渡す。ポーターが持ってる物と白銀の奴等の装備以外の物も全部回収してくれ。魔界から取り返しに来たらとんでもないことになる」
「分かった。しかし、その後は・・どこに保管しても危険すぎる。参ったな」
「レイドに参加したギルマスとAランクパーティーの奴等とジャニス。それ以外に奴らがゴマを擦りたい相手に渡ってる可能性がある」
「領主・冒険者・職員・・直ぐに人を手配しよう」
「そういやあいなくなった奴も探した方がいい。ウコバクが人間に化けて宝を探してたって事は、ソイツが付き纏ってた奴は怪しいだろ?」
「ダンジョンがおかしくなりはじめてからこの街に来た奴となると結構な人数になりそうだな」
「あの、ウコバクを退治した後見つけたんですけど・・この色ってEランクですよね」
ミリアはアイテムバックからネックレス付きの冒険者のギルドカードを机に置いた。明るいところで確認してみるとEランク冒険者のケインの名前が刻印されていた。
「ん? Eランクのケインって俺達をダンジョンまで案内してくれた奴じゃねえか?」
「調べてみる。しかし今後は氷のダンジョンか。暁のイメージとは違うな」
「ランクも調べ直したほうがいいぜ。ウコバクのせいで滅茶苦茶になってたからな」
「もう一度潜ってくれないか?」
「いや、そいつは他の奴に任せる。俺達が受けた依頼はクリアしたはずだからな」
「はあ、だよな」
「さてと、俺達は本部に寄って衣装箱を預けたら終わりだな。他に気になることがあったら連絡してくれ」
「報酬は期待しといてくれ。しかし、スタンピードの話が悪魔の話に変わるとはなぁ・・お前ら、パーティー名を《デイモンキラー》に変えたらどうだ?」
「やめてくれ、縁起が悪すぎる」
エレノア達にお土産を買って帰ることになり、ミリア達がギルドを出ると大きなリュックを背負ったジャニスが待っていた。
「げっ、あのまま転移すりゃ良かったぜ」
『仕返しするか?』
溜息を吐いたルカに向かって元気良く走ってきたジャニスはまずミリアに頭を下げた。
「ミリアさん、さっきは勘違いしてすみませんでした。ルカさん、宿取っときました。ペットも泊まれるとこって少ないんで大変だったんですよ」
キラッキラに目を輝かせて見上げサムズアップしているジャニスのドヤ顔にルカは顔を顰めた。
「俺達は買い物を済ませたら直ぐに出発するから宿には泊まらねえ」
「えっ、でも今からだと途中で野宿になっちゃいますよ。俺はそれでも構わないんですけど女の子はやっぱり宿の方がいいんじゃないですか? でも・・わかりました。買い物付き合いますね」
「俺達はお前を連れてくなんて一言も言ってねえ」
「えーっ、連れてってくださいよぉ。ほら、荷物も準備済ませてきてるんで。俺、絶対役に立ちます。損はさせません! テスタロッサさんから聞きませんでしたか? 俺、もう一度冒険者になってみたいと思うんです。前は上手く行かなかったけどルカさんとなら・・」
「そうか、お前の希望はわかった。俺の希望はな、二度とお前に会いたくねえってやつだ。ジェルソミーノは今んとこミリアと俺の2人だが次に入る奴はもう決まってる。そんで、それはお前じゃない」
ルカがジャニスを避けて歩き出すと後ろからジャニスが叫んだ。
「謝ったじゃないですか! そんなに意地悪しなくてもいいでしょう?」
振り返ったルカの顔は今まで見たことがないほどの怒りに燃えていた。
「何のことだ?」
「ミリアさんが拗ねてるんでしょう? だけど、ちゃんと謝ったんだから許してくれても良いじゃないですか!」
涙目で大声を張り上げるジャニスとルカ達の周りに大勢の人が集まりはじめた。
「あれ、ジャニスじゃねえか」
「何があったんだ?」
「ミリアさん、もう一回謝りますからご機嫌を直してください。俺、ルカさんの下で働きたいんです」
ジャニスの言葉に野次馬が騒めきはじめた。
「あんなに謝ってるのに許してやれよなぁ」
「ジャニスって頑張り屋だしよお」
「邪魔するとか酷くね?」
野次馬が自分を擁護する声が聞こえてくるとジャニスはこっそりほくそ笑んだ。
(この流れならきっと・・)
この流れのままルカに同行しようと顔を上げたジャニスは、腕を組み仁王立ちしたルカの般若のような顔を見て硬直してしまった。
「なあ、俺は一度もお前を連れてくって言ってないんだけど? それどころかずーっと断ってるよな」
「なんだ?」
「ジャニスが勝手に言ってるだけかよ」
「お前はダンジョンから帰ってくる間ミリアに傲慢な態度を取り続けてたが、ミリアはお前の暴言をずっと我慢して一言も言い返さなかった。そんなお前とパーティーを組みたいと思うわけがないだろ?」
「・・」
「ミリアは俺とパーティーを組む前に単独でラードーンを退治してSランクになった奴だぜ」
「あっ、知ってる。伝説級の黄金の林檎だ!」
「ミリアって国から冤罪かけられたのを自力で解決した冒険者だ」
「ディエチミーラと一緒に皇帝に謁見したんだよ」
「こんなちっこい子だったの?」
野次馬の言葉にジャニスの顔がどんどん青褪めていった。
「おう、残ってたのは全部回収してきたから後で渡す。ポーターが持ってる物と白銀の奴等の装備以外の物も全部回収してくれ。魔界から取り返しに来たらとんでもないことになる」
「分かった。しかし、その後は・・どこに保管しても危険すぎる。参ったな」
「レイドに参加したギルマスとAランクパーティーの奴等とジャニス。それ以外に奴らがゴマを擦りたい相手に渡ってる可能性がある」
「領主・冒険者・職員・・直ぐに人を手配しよう」
「そういやあいなくなった奴も探した方がいい。ウコバクが人間に化けて宝を探してたって事は、ソイツが付き纏ってた奴は怪しいだろ?」
「ダンジョンがおかしくなりはじめてからこの街に来た奴となると結構な人数になりそうだな」
「あの、ウコバクを退治した後見つけたんですけど・・この色ってEランクですよね」
ミリアはアイテムバックからネックレス付きの冒険者のギルドカードを机に置いた。明るいところで確認してみるとEランク冒険者のケインの名前が刻印されていた。
「ん? Eランクのケインって俺達をダンジョンまで案内してくれた奴じゃねえか?」
「調べてみる。しかし今後は氷のダンジョンか。暁のイメージとは違うな」
「ランクも調べ直したほうがいいぜ。ウコバクのせいで滅茶苦茶になってたからな」
「もう一度潜ってくれないか?」
「いや、そいつは他の奴に任せる。俺達が受けた依頼はクリアしたはずだからな」
「はあ、だよな」
「さてと、俺達は本部に寄って衣装箱を預けたら終わりだな。他に気になることがあったら連絡してくれ」
「報酬は期待しといてくれ。しかし、スタンピードの話が悪魔の話に変わるとはなぁ・・お前ら、パーティー名を《デイモンキラー》に変えたらどうだ?」
「やめてくれ、縁起が悪すぎる」
エレノア達にお土産を買って帰ることになり、ミリア達がギルドを出ると大きなリュックを背負ったジャニスが待っていた。
「げっ、あのまま転移すりゃ良かったぜ」
『仕返しするか?』
溜息を吐いたルカに向かって元気良く走ってきたジャニスはまずミリアに頭を下げた。
「ミリアさん、さっきは勘違いしてすみませんでした。ルカさん、宿取っときました。ペットも泊まれるとこって少ないんで大変だったんですよ」
キラッキラに目を輝かせて見上げサムズアップしているジャニスのドヤ顔にルカは顔を顰めた。
「俺達は買い物を済ませたら直ぐに出発するから宿には泊まらねえ」
「えっ、でも今からだと途中で野宿になっちゃいますよ。俺はそれでも構わないんですけど女の子はやっぱり宿の方がいいんじゃないですか? でも・・わかりました。買い物付き合いますね」
「俺達はお前を連れてくなんて一言も言ってねえ」
「えーっ、連れてってくださいよぉ。ほら、荷物も準備済ませてきてるんで。俺、絶対役に立ちます。損はさせません! テスタロッサさんから聞きませんでしたか? 俺、もう一度冒険者になってみたいと思うんです。前は上手く行かなかったけどルカさんとなら・・」
「そうか、お前の希望はわかった。俺の希望はな、二度とお前に会いたくねえってやつだ。ジェルソミーノは今んとこミリアと俺の2人だが次に入る奴はもう決まってる。そんで、それはお前じゃない」
ルカがジャニスを避けて歩き出すと後ろからジャニスが叫んだ。
「謝ったじゃないですか! そんなに意地悪しなくてもいいでしょう?」
振り返ったルカの顔は今まで見たことがないほどの怒りに燃えていた。
「何のことだ?」
「ミリアさんが拗ねてるんでしょう? だけど、ちゃんと謝ったんだから許してくれても良いじゃないですか!」
涙目で大声を張り上げるジャニスとルカ達の周りに大勢の人が集まりはじめた。
「あれ、ジャニスじゃねえか」
「何があったんだ?」
「ミリアさん、もう一回謝りますからご機嫌を直してください。俺、ルカさんの下で働きたいんです」
ジャニスの言葉に野次馬が騒めきはじめた。
「あんなに謝ってるのに許してやれよなぁ」
「ジャニスって頑張り屋だしよお」
「邪魔するとか酷くね?」
野次馬が自分を擁護する声が聞こえてくるとジャニスはこっそりほくそ笑んだ。
(この流れならきっと・・)
この流れのままルカに同行しようと顔を上げたジャニスは、腕を組み仁王立ちしたルカの般若のような顔を見て硬直してしまった。
「なあ、俺は一度もお前を連れてくって言ってないんだけど? それどころかずーっと断ってるよな」
「なんだ?」
「ジャニスが勝手に言ってるだけかよ」
「お前はダンジョンから帰ってくる間ミリアに傲慢な態度を取り続けてたが、ミリアはお前の暴言をずっと我慢して一言も言い返さなかった。そんなお前とパーティーを組みたいと思うわけがないだろ?」
「・・」
「ミリアは俺とパーティーを組む前に単独でラードーンを退治してSランクになった奴だぜ」
「あっ、知ってる。伝説級の黄金の林檎だ!」
「ミリアって国から冤罪かけられたのを自力で解決した冒険者だ」
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