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第五章
22.ビルワーツのお家芸披露、ビルワーツから離籍しても血は争えない?
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「これが偽物だと!?」
「お気付きではなかったのでしょうが、疑ってはおられたはず。その疑惑をクレベルンにお伝えになられたのではありませんか? クレベルンは公国から複数の宝石技師を誘拐し、そのネックレスと同じものを作るよう強要されておりましたから。
つまり、そのアクセサリーはエロイーズ様が望み、クレベルンが盗み、エロイーズ様に献上した品で間違いございません」
大広間が静まり返る中、エロイーズが立ち上がり目を吊り上げて喚きはじめた。
「妾を侮辱しタダで済むと思っておるのではなかろうな! 成人にもならぬ小娘の戯言にしては悪辣すぎる、その文言。妄想をひけらかし、妾を侮辱した罪、万死に値する。小娘だけの血では贖えぬ。オルシーニ公爵家とビルワーツ侯爵家の財と、命の全てを妾の前に差し出すが良い。オーレリアの魔導士達も我が手に送り届けよ。
小娘の後ろに控えしキャンベルの息子達も同様じゃ。我の足元に跪け。それ相応の誠意で仕えるならば、キャンベル侯爵家は見逃してやらんでもない。
小娘とその母アメリアは、妾を塔に幽閉したと同じ時間、血の涙を流させてやる。地に額をつけて血反吐を流し死んでいくが良い! 妾がしかと見届けてやるわ」
(まさにエロイーズの本領発揮というところかしら? エロイーズ達に与しない他国の王や、高官もおられる前で本性を出すなど、落ちるところまで落ちた感じだわ)
「確かによく出来た筋書きだったが、そこまで言われては黙っておるわけにはいくまい。クレベルン国王として、エレーナ・オルシーニとその養父エリオット・オルシーニを名誉毀損で訴える。王位簒奪を唆したなどその首一つで贖えるとは思うな。
エリオット・オルシーニはオーレリア国の国王。オーレリアに対し謝罪と慰謝料の請求はせねばならんが、それでは足るまいて。オーレリアの魔導士を慰謝料の不足分として貰い受けねばな」
(王家簒奪を唆した⋯⋯ボロが出ておりますのに、気付いておられませんのね。『上手の手から水が漏る』ですわ)
「連合王国も同様に名誉毀損で訴えますぞ。我が国を飛び地のように扱われているのも業腹。常設した転移の魔導具を含め、全ての魔導具の権利を我が国への賠償の一部としていただく」
「魔法大国だなどと騒ぎ立て図に乗っておるが、セルビアスの呪術に太刀打ちできる術も持たぬくせに! 我が部族の呪術師と魔女の力には叶わぬ大ボラ吹きめが!」
(魔導具の権利の強奪と、オーレリアの魔導士の地位を貶める事⋯⋯想定通りの狙いですわ)
「帝国としても黙っているわけには参らん。愚か者ではあるが、エロイーズは我が妹であり皇位継承権を持つ者。托卵疑惑だなどと世迷いごとを言われるならば、国と国の争いを覚悟しておるのであろうな。
エロイーズの子孫であるランドルフとエドワードはこの地を治めるに相応しいと明言致そう。帝国が資金と武力で他国を威圧したなど、名誉毀損などでは済まぬ侮辱である」
(明言⋯⋯前皇帝が在位中は評判の良い皇子だと聞き及んでおりましたが、帝国色に染まれば、己の利益優先で嘘も平然とつけるようになる。哀れなものですわ)
「我が息子の祝いの席での暴言の数々。何一つとして許すことはできん! 他国より参られた方々の前でこれほどの侮辱を許せば、アルムヘイルは地に落ちたと笑い物になるであろう。オーレリア並びにビルワーツ侯爵家・オルシーニ公爵家・キャンベル侯爵家の連帯責任とする。衛兵、抜刀を許す、この者に縄を打て! 抗うなら切り捨てよ!」
剣を振り翳した衛兵がエレーナ目掛けて走り出した。
エリオットがエレーナを背に庇い、セドリックが結界をジェラルドが魔法障壁を展開した。
「静まりなさいませ! わたくしがなんの証拠も持たずこの場にいるとお思いか! 武力で事実を捻じ曲げるなら、それ相応のお覚悟ありととらせていただく。
ビルワーツ侯爵家当主アメリア様が、先の戦いでクレベルンの国軍を退ける為に使用した魔導具! その威力を試すに相応しい場と、捉えさせていただいても良いのですか!?」
差し出したエレーナの左手には、危険を示す朱色のラインの入った四角い木箱。右手にある一枚の書類は⋯⋯。
「見覚えのある方もおられるでしょう。これは、マクベス先王よりご依頼いただき鑑定した、血縁鑑定の結果を記した書類。エロイーズ様とランドルフ様は親子でございますが、マクベス先王とランドルフ様の血は繋がっておられません。
托卵の事実は当時の国王マクベス様とキャロライン様以外にも、宰相や大臣達が知っておられました。もちろん、そこにおられる皇帝陛下も」
2枚目に差し出した手紙は端が所々破れ、皺を伸ばした跡があった。
「わたくしは皇帝陛下の発言に虚偽を申し立てます。陛下は『托卵』など世迷いごとだと申されましたが、これは帝国、現皇帝の書簡でございます。
帝国の玉璽も押さた公文書に、ランドルフ様がアルムヘイル王家の血を持たぬ事は周知の事実、今後いかように処分されても構わぬと明記しておられ、エロイーズ様の皇位継承権を剥奪したとも書かれております。
マクベス先王がエロイーズ様とランドルフ様に対し身分剥奪と処罰を行う為に、帝国の意向を伺われた。その返答がこの書簡。よもやお忘れか!?」
次に差し出した手紙は、ところどころに黒い血の跡が滲んでいた。
「さて、次なる書類をご覧なさいませ。托卵王太子であったランドルフ様が廃太子される瀬戸際に、王位簒奪を唆したクレベルン王国ハントリー侯爵直筆の手紙にございます。クレベルン国王軍の大将が持っていたこの書簡には詳細な戦術が記載され、戦後ビルワーツ領の分割が4カ国で同意されていること、その中から特別褒章を与える、決してビルワーツを逃すなと書かれております」
4枚目⋯⋯4回目に出した書類は膨大な数があった。
「こちらはランドルフ様・エドワード様・帝国第二皇子が一番よくご存知の事でしょう。帝国ケネス第二皇子とランドルフ様やエドワード様の密約書並びに借用書にございます。
ビルワーツ侯爵領を手に入れる為に手を結び、侯爵領の鉱山の分割条件が記載されたもの。クレベルンやセルビアスの作戦の進捗状況や、帝国が資金で籠絡、帝国兵の武力を持って威圧した国についての記述、エロイーズ様からの指示についてもございます。
筆跡鑑定は済ませております。これらの証拠を前に、わたくしの発言に意義を唱える方はおられますでしょうか?」
「嘘だ! そんなものがあるわけがない。書類を偽装した罪は重いぞ! 筆跡などいくらでも誤魔化せる。誰がある、あの者を切り捨ててしまえ。書類を奪え、燃やしてしまえぇぇ」
一番慌てたのはこれの書類の大半を隠し持っていたランドルフだった。予備室の隠し扉の中から、予想した以上の証拠が出てきた時、エレーナの完全勝利が決まったのだから。
クレベルン国軍の大将が持っていた手紙は公国の金庫から。托卵の鑑定結果はキャロラインの実家ネルズ公爵家の金庫から。
それ以外の書類全てはランドルフが隠し持っていた。
「なんと愚かな! 当然ながら、これらの書類は全て写しでございます。悪の巣窟に参るに際し、証拠を持ち込むなどあり得ません。わたくしや養父に手を出しても、今頃は周辺各国でこれらの書類が審議されております。このパーティーの開始と同時に、公国の総力を上げ、あらゆる国の王都・首都・商業地区に号外をばら撒いております」
「馬鹿な⋯⋯あり得ん、そんな事はあり得ない。俺が王家の血を引いていないだと?」
エドワード、今更そこ?
「王家に托卵するのは大罪だとエロイーズ様もご存知でしょう。托卵されていると知り、父王や多くの臣下を殺めて玉座についたランドルフ様も大罪人。
ランドルフ様とエドワード様は他国と共謀し、多くの罪を重ねられておられます。その中には麻薬密売もございます。仕入れ先は連合王国の部族セルビアス、幻覚や精神を破壊する薬物の取引は、国際法で厳しく取り締まられております。
ジュリエッタ様とソフィー様はそれら全てをご存知であり、ご自身も使用しておられました。
己の欲望のままに酒池肉林に明け暮れて国を傾け、国を建て直すべく奮闘しておられた国王を毒殺。国の為に戦う大勢の臣下を殺したアルムヘイル王家とその一派は、長年ビルワーツの財を狙い無理難題を押し付け続け、先代当主夫妻を惨殺。今もなおビルワーツの鉱山を狙い続けて策を弄しておられる。
他国の王位簒奪を扇動したクレベルン王国ハントリー侯爵は国盗りの大罪人とされて然るべき。国軍の使用が叶った事から国の関与は確実でしょう。公国から優秀な宝石技師達を誘拐したのも大罪の一つ。
ビルワーツの財を狙い托卵王を籠絡し続けるクレベルン王国は、許されざる大悪人。今でもビルワーツを欲しがり、得意の陰謀を張り巡らせていたのは事実でございます。
托卵王であると知りつつ放置していた皇帝陛下も、アルムヘイルの属国化を狙っていた、国盗りの大罪人と言えるでしょう。
帝国のケネス第二皇子はエロイーズ元王妃と組み、他国の侵略・麻薬密売。多くの帝国兵が加担していたのに、それを見逃していた皇帝の罪は如何許りか。
国で持て余していた皇女をアルムヘイルに押し付け、その後は皇女が罪を犯していると知りつつ、援助で誤魔化していた帝国。幽閉されたエロイーズ様の欲望を叶え続けた第二皇子と、それを見て見ぬふりを続けた皇帝。
麻薬の密売とは別に、禁術を使い違法薬物で他国の民を疲弊させたセルビアスもビルワーツ狙い。クラリスという娘をオーレリアの学園に潜入させる為、己の意のままにする為に、多くの貴族に精神に影響する術をかけたのは違法でございます。
アルムヘイル、帝国、クレベルン、連合王国セルビアスの4カ国が揃って、他国の財を理不尽に狙うのを、多くの国はなんと思われるでしょうか。国際裁判所にて申し開きなさいませ。
さて、もう一度申し上げますが、ここに礼を尽くさねばならぬ方などおられないように思われます」
「⋯⋯き、貴様に何の関係がある! 貴様は既にオーレリアの国民、オルシーニの養女ではないか!」
「お気付きではなかったのでしょうが、疑ってはおられたはず。その疑惑をクレベルンにお伝えになられたのではありませんか? クレベルンは公国から複数の宝石技師を誘拐し、そのネックレスと同じものを作るよう強要されておりましたから。
つまり、そのアクセサリーはエロイーズ様が望み、クレベルンが盗み、エロイーズ様に献上した品で間違いございません」
大広間が静まり返る中、エロイーズが立ち上がり目を吊り上げて喚きはじめた。
「妾を侮辱しタダで済むと思っておるのではなかろうな! 成人にもならぬ小娘の戯言にしては悪辣すぎる、その文言。妄想をひけらかし、妾を侮辱した罪、万死に値する。小娘だけの血では贖えぬ。オルシーニ公爵家とビルワーツ侯爵家の財と、命の全てを妾の前に差し出すが良い。オーレリアの魔導士達も我が手に送り届けよ。
小娘の後ろに控えしキャンベルの息子達も同様じゃ。我の足元に跪け。それ相応の誠意で仕えるならば、キャンベル侯爵家は見逃してやらんでもない。
小娘とその母アメリアは、妾を塔に幽閉したと同じ時間、血の涙を流させてやる。地に額をつけて血反吐を流し死んでいくが良い! 妾がしかと見届けてやるわ」
(まさにエロイーズの本領発揮というところかしら? エロイーズ達に与しない他国の王や、高官もおられる前で本性を出すなど、落ちるところまで落ちた感じだわ)
「確かによく出来た筋書きだったが、そこまで言われては黙っておるわけにはいくまい。クレベルン国王として、エレーナ・オルシーニとその養父エリオット・オルシーニを名誉毀損で訴える。王位簒奪を唆したなどその首一つで贖えるとは思うな。
エリオット・オルシーニはオーレリア国の国王。オーレリアに対し謝罪と慰謝料の請求はせねばならんが、それでは足るまいて。オーレリアの魔導士を慰謝料の不足分として貰い受けねばな」
(王家簒奪を唆した⋯⋯ボロが出ておりますのに、気付いておられませんのね。『上手の手から水が漏る』ですわ)
「連合王国も同様に名誉毀損で訴えますぞ。我が国を飛び地のように扱われているのも業腹。常設した転移の魔導具を含め、全ての魔導具の権利を我が国への賠償の一部としていただく」
「魔法大国だなどと騒ぎ立て図に乗っておるが、セルビアスの呪術に太刀打ちできる術も持たぬくせに! 我が部族の呪術師と魔女の力には叶わぬ大ボラ吹きめが!」
(魔導具の権利の強奪と、オーレリアの魔導士の地位を貶める事⋯⋯想定通りの狙いですわ)
「帝国としても黙っているわけには参らん。愚か者ではあるが、エロイーズは我が妹であり皇位継承権を持つ者。托卵疑惑だなどと世迷いごとを言われるならば、国と国の争いを覚悟しておるのであろうな。
エロイーズの子孫であるランドルフとエドワードはこの地を治めるに相応しいと明言致そう。帝国が資金と武力で他国を威圧したなど、名誉毀損などでは済まぬ侮辱である」
(明言⋯⋯前皇帝が在位中は評判の良い皇子だと聞き及んでおりましたが、帝国色に染まれば、己の利益優先で嘘も平然とつけるようになる。哀れなものですわ)
「我が息子の祝いの席での暴言の数々。何一つとして許すことはできん! 他国より参られた方々の前でこれほどの侮辱を許せば、アルムヘイルは地に落ちたと笑い物になるであろう。オーレリア並びにビルワーツ侯爵家・オルシーニ公爵家・キャンベル侯爵家の連帯責任とする。衛兵、抜刀を許す、この者に縄を打て! 抗うなら切り捨てよ!」
剣を振り翳した衛兵がエレーナ目掛けて走り出した。
エリオットがエレーナを背に庇い、セドリックが結界をジェラルドが魔法障壁を展開した。
「静まりなさいませ! わたくしがなんの証拠も持たずこの場にいるとお思いか! 武力で事実を捻じ曲げるなら、それ相応のお覚悟ありととらせていただく。
ビルワーツ侯爵家当主アメリア様が、先の戦いでクレベルンの国軍を退ける為に使用した魔導具! その威力を試すに相応しい場と、捉えさせていただいても良いのですか!?」
差し出したエレーナの左手には、危険を示す朱色のラインの入った四角い木箱。右手にある一枚の書類は⋯⋯。
「見覚えのある方もおられるでしょう。これは、マクベス先王よりご依頼いただき鑑定した、血縁鑑定の結果を記した書類。エロイーズ様とランドルフ様は親子でございますが、マクベス先王とランドルフ様の血は繋がっておられません。
托卵の事実は当時の国王マクベス様とキャロライン様以外にも、宰相や大臣達が知っておられました。もちろん、そこにおられる皇帝陛下も」
2枚目に差し出した手紙は端が所々破れ、皺を伸ばした跡があった。
「わたくしは皇帝陛下の発言に虚偽を申し立てます。陛下は『托卵』など世迷いごとだと申されましたが、これは帝国、現皇帝の書簡でございます。
帝国の玉璽も押さた公文書に、ランドルフ様がアルムヘイル王家の血を持たぬ事は周知の事実、今後いかように処分されても構わぬと明記しておられ、エロイーズ様の皇位継承権を剥奪したとも書かれております。
マクベス先王がエロイーズ様とランドルフ様に対し身分剥奪と処罰を行う為に、帝国の意向を伺われた。その返答がこの書簡。よもやお忘れか!?」
次に差し出した手紙は、ところどころに黒い血の跡が滲んでいた。
「さて、次なる書類をご覧なさいませ。托卵王太子であったランドルフ様が廃太子される瀬戸際に、王位簒奪を唆したクレベルン王国ハントリー侯爵直筆の手紙にございます。クレベルン国王軍の大将が持っていたこの書簡には詳細な戦術が記載され、戦後ビルワーツ領の分割が4カ国で同意されていること、その中から特別褒章を与える、決してビルワーツを逃すなと書かれております」
4枚目⋯⋯4回目に出した書類は膨大な数があった。
「こちらはランドルフ様・エドワード様・帝国第二皇子が一番よくご存知の事でしょう。帝国ケネス第二皇子とランドルフ様やエドワード様の密約書並びに借用書にございます。
ビルワーツ侯爵領を手に入れる為に手を結び、侯爵領の鉱山の分割条件が記載されたもの。クレベルンやセルビアスの作戦の進捗状況や、帝国が資金で籠絡、帝国兵の武力を持って威圧した国についての記述、エロイーズ様からの指示についてもございます。
筆跡鑑定は済ませております。これらの証拠を前に、わたくしの発言に意義を唱える方はおられますでしょうか?」
「嘘だ! そんなものがあるわけがない。書類を偽装した罪は重いぞ! 筆跡などいくらでも誤魔化せる。誰がある、あの者を切り捨ててしまえ。書類を奪え、燃やしてしまえぇぇ」
一番慌てたのはこれの書類の大半を隠し持っていたランドルフだった。予備室の隠し扉の中から、予想した以上の証拠が出てきた時、エレーナの完全勝利が決まったのだから。
クレベルン国軍の大将が持っていた手紙は公国の金庫から。托卵の鑑定結果はキャロラインの実家ネルズ公爵家の金庫から。
それ以外の書類全てはランドルフが隠し持っていた。
「なんと愚かな! 当然ながら、これらの書類は全て写しでございます。悪の巣窟に参るに際し、証拠を持ち込むなどあり得ません。わたくしや養父に手を出しても、今頃は周辺各国でこれらの書類が審議されております。このパーティーの開始と同時に、公国の総力を上げ、あらゆる国の王都・首都・商業地区に号外をばら撒いております」
「馬鹿な⋯⋯あり得ん、そんな事はあり得ない。俺が王家の血を引いていないだと?」
エドワード、今更そこ?
「王家に托卵するのは大罪だとエロイーズ様もご存知でしょう。托卵されていると知り、父王や多くの臣下を殺めて玉座についたランドルフ様も大罪人。
ランドルフ様とエドワード様は他国と共謀し、多くの罪を重ねられておられます。その中には麻薬密売もございます。仕入れ先は連合王国の部族セルビアス、幻覚や精神を破壊する薬物の取引は、国際法で厳しく取り締まられております。
ジュリエッタ様とソフィー様はそれら全てをご存知であり、ご自身も使用しておられました。
己の欲望のままに酒池肉林に明け暮れて国を傾け、国を建て直すべく奮闘しておられた国王を毒殺。国の為に戦う大勢の臣下を殺したアルムヘイル王家とその一派は、長年ビルワーツの財を狙い無理難題を押し付け続け、先代当主夫妻を惨殺。今もなおビルワーツの鉱山を狙い続けて策を弄しておられる。
他国の王位簒奪を扇動したクレベルン王国ハントリー侯爵は国盗りの大罪人とされて然るべき。国軍の使用が叶った事から国の関与は確実でしょう。公国から優秀な宝石技師達を誘拐したのも大罪の一つ。
ビルワーツの財を狙い托卵王を籠絡し続けるクレベルン王国は、許されざる大悪人。今でもビルワーツを欲しがり、得意の陰謀を張り巡らせていたのは事実でございます。
托卵王であると知りつつ放置していた皇帝陛下も、アルムヘイルの属国化を狙っていた、国盗りの大罪人と言えるでしょう。
帝国のケネス第二皇子はエロイーズ元王妃と組み、他国の侵略・麻薬密売。多くの帝国兵が加担していたのに、それを見逃していた皇帝の罪は如何許りか。
国で持て余していた皇女をアルムヘイルに押し付け、その後は皇女が罪を犯していると知りつつ、援助で誤魔化していた帝国。幽閉されたエロイーズ様の欲望を叶え続けた第二皇子と、それを見て見ぬふりを続けた皇帝。
麻薬の密売とは別に、禁術を使い違法薬物で他国の民を疲弊させたセルビアスもビルワーツ狙い。クラリスという娘をオーレリアの学園に潜入させる為、己の意のままにする為に、多くの貴族に精神に影響する術をかけたのは違法でございます。
アルムヘイル、帝国、クレベルン、連合王国セルビアスの4カ国が揃って、他国の財を理不尽に狙うのを、多くの国はなんと思われるでしょうか。国際裁判所にて申し開きなさいませ。
さて、もう一度申し上げますが、ここに礼を尽くさねばならぬ方などおられないように思われます」
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