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22.ランクAパーティー
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「アド先輩! 迷宮から帰れない!」
12階層の攻略を進めていると、アンのパーティーと合流した。
話を聞くところによるとラーキに大怪我を負わせたドラゴンと再戦して討伐に成功したので帰ろうと思い、13階層にあるクリスタルで転移しようとしたら、クリスタルがなくなっていたらしい。
仕方なく12階層に降りてきて、俺たちを発見したので「帰れない!」と叫びながらアンが飛びついてきた。
12階層の攻略を始めたばかりだったが、確認のためにアンのパーティーと一緒に12階層にあるだろうクリスタルを見に行くことにした。
クリスタルと出口がなくなっていた。
「逃さないって、言われてるみたいですね」
アンと俺の考えは同じようだ。
「14階層までは行けたのか?」
「それが全然。私が2の迷宮に入ってた時より成長してるようですね」
「1から11までが小さくなって、13が広がっている」
「え? 小さくなってるんですか?」
「気づかなかったのか?」
「はい。地図買って見ながら来ましたけど、小さくはなってなかったですよ?」
アン達が入った時は小さくなかったということか。
「俺たちは2日でここまで来たんだが、アン達は4日くらいか?」
「ですです! それも迷宮で寝泊まりしてましたからね。そう考えるとめっちゃ小さくなってますね」
「だな。帰るにはどうすればいいと思う? 狂犬のアン殿」
「迷宮を攻略するしかないと思います。次、その名前で呼んだら噛みちぎりますよ?」
「そう怒るな。悪かったよ」
どこをとは聞かずにアンの頭に手を置いて優しく撫でていく。時々犬耳を指でつまんでやる。
「んふ~」
だらしない表情で頭を手に擦り付ける姿は犬のようだ。
「とりあえず、情報交換と安全の確保だな」
「了解です! 臨時リーダーはアド先輩でいいですか?」
「ここはアンだろ」
「いやいや。面倒ごとは年長者の仕事ですよ」
「お前のパーティーメンバーがいいならやってもいいが」
「「「「よろしくお願いします」」」」
「ということで、アド先輩がリーダーってことで」
「まあいいか。今のところ、ここは安全そうだし軽く紹介しておくか」
先日までランクCだった男に臨時リーダーなんかやらせるなよと思いながらフィー達を紹介する。
「じゃあ次は私たちですね。獣人族のアンです。アド先輩とは運命的な出会いをして、尊敬しています! 武器は双剣を使います。よろしくね」
「ラーキだ。大盾と剣を使う。後ろに攻撃は通さないから安心してほしい」
「ま、マーリアです。リアって呼ばれてます。攻撃魔法が得意です。誤射しないように頑張ります」
「オガルダ。ダルって呼ばれてる。剣も弓も使える。治癒魔法も、少しは使える。よろしく」
「俺様がガノルバだ! ルノって呼ばれてるぜ! アド先輩と同じで短剣を使う! 罠の解除とか索敵が俺様の仕事だ!」
アンのパーティーは全員がランクAだ。
平均年齢25の若手パーティー。ランクSに1番近いパーティーだ。
「こんなものでいいだろう。とりあえず、ここに休める場所を作るか? それとも、13階層に行って作るか?」
「実はドラゴンに思ったよりも苦戦して、ヘトヘトなんですよね」
「わかった。マサ、結界の出番だ」
「オッケーボス!」
たまによくわからない返事をしてくるので反応に困るが、行動しているのを見るに了解ということだろう。
「結界なんて張れるんですか?」
マサが短剣で地面に傷をつけているのを見ながらアンが話しかけてきた。
「エルフ族を助けたお礼に教えてもらったそうだ」
リアとルノがマサに近づいて、作業の様子を見ている。
フィーとルナとダルは夕食の用意を進めていた。
オーギスはラーキに盾の使い方を教えてほしいと言って、ラーキは快く受けてくれたようで、オーギスにラーキの大盾を持たせている。
「そんな簡単に教えてもらえるものなんですか?」
「マサは天才だからな」
「親バカですね」
テントが三つは張れるほどの魔法陣を描き終わったマサが近づいてくる。
「ほら」
ここまでくるのに討伐した魔物の魔石をマサに渡す。
「これだけあれば、1日は持ちますね」
「そうか。足りなかったらアンから貰えばいいよな?」
「魔石ですか? 腐るほどあるのでいくらでも差し上げますよ! 安心して寝られるなんて、最高です!」
「じゃあ、結界張りますね」
マサが魔法陣の中に魔石を放り込んでから魔法陣に両手を当てる。
魔法陣が輝き、数秒もすれば光が治った。結界が完成したようだ。
「これで魔物は入ってこれません。テント張ってきますね」
安全な寝床を確保して、フィー達が用意してくれた料理を食べる。
フィーの料理は好評だった。ダルも料理が趣味らしく、フィーに色々と聞いていたので、マサがフィーとダルの間に入ってフィーにダルが近づきすぎないようにしていた。
「ダルがあんなに話してたの、初めて見ましたよ」
食事が終わって後片付けも済んだ。
魔物が入ってこないとはいえ、近づいてくる可能性あるので、見張りとして結界の中から迷宮内を見ていたら、アンが話しかけてきた。
「アンは料理しないのか?」
「できるように見えますか? あ、できたらお嫁さんにしてくれるんですか!?」
「バカなこと言ってないでさっさと寝ろ」
「は~い。アド先輩も寝てくださいね? おやすみなさい」
アンが女性用のテントに入っていった。
魔物が近づいてくるが、入ってこないことを確認して男性用のテントに入る。
オーギスとマサは眠っていた。
ルノとダルはもう一つのテントで寝ているだろう。
13階層に出てくる魔物は聞いた。
アンのパーティーと協力すれば対処できると思った。
信用するしかない。明日は迷宮攻略だ。眠らないといけない。
眠ってしまっていいのか?
俺は、この子達以外を信用できない。
この状況では信用するしか、ない。
俺は、眠りについた。
12階層の攻略を進めていると、アンのパーティーと合流した。
話を聞くところによるとラーキに大怪我を負わせたドラゴンと再戦して討伐に成功したので帰ろうと思い、13階層にあるクリスタルで転移しようとしたら、クリスタルがなくなっていたらしい。
仕方なく12階層に降りてきて、俺たちを発見したので「帰れない!」と叫びながらアンが飛びついてきた。
12階層の攻略を始めたばかりだったが、確認のためにアンのパーティーと一緒に12階層にあるだろうクリスタルを見に行くことにした。
クリスタルと出口がなくなっていた。
「逃さないって、言われてるみたいですね」
アンと俺の考えは同じようだ。
「14階層までは行けたのか?」
「それが全然。私が2の迷宮に入ってた時より成長してるようですね」
「1から11までが小さくなって、13が広がっている」
「え? 小さくなってるんですか?」
「気づかなかったのか?」
「はい。地図買って見ながら来ましたけど、小さくはなってなかったですよ?」
アン達が入った時は小さくなかったということか。
「俺たちは2日でここまで来たんだが、アン達は4日くらいか?」
「ですです! それも迷宮で寝泊まりしてましたからね。そう考えるとめっちゃ小さくなってますね」
「だな。帰るにはどうすればいいと思う? 狂犬のアン殿」
「迷宮を攻略するしかないと思います。次、その名前で呼んだら噛みちぎりますよ?」
「そう怒るな。悪かったよ」
どこをとは聞かずにアンの頭に手を置いて優しく撫でていく。時々犬耳を指でつまんでやる。
「んふ~」
だらしない表情で頭を手に擦り付ける姿は犬のようだ。
「とりあえず、情報交換と安全の確保だな」
「了解です! 臨時リーダーはアド先輩でいいですか?」
「ここはアンだろ」
「いやいや。面倒ごとは年長者の仕事ですよ」
「お前のパーティーメンバーがいいならやってもいいが」
「「「「よろしくお願いします」」」」
「ということで、アド先輩がリーダーってことで」
「まあいいか。今のところ、ここは安全そうだし軽く紹介しておくか」
先日までランクCだった男に臨時リーダーなんかやらせるなよと思いながらフィー達を紹介する。
「じゃあ次は私たちですね。獣人族のアンです。アド先輩とは運命的な出会いをして、尊敬しています! 武器は双剣を使います。よろしくね」
「ラーキだ。大盾と剣を使う。後ろに攻撃は通さないから安心してほしい」
「ま、マーリアです。リアって呼ばれてます。攻撃魔法が得意です。誤射しないように頑張ります」
「オガルダ。ダルって呼ばれてる。剣も弓も使える。治癒魔法も、少しは使える。よろしく」
「俺様がガノルバだ! ルノって呼ばれてるぜ! アド先輩と同じで短剣を使う! 罠の解除とか索敵が俺様の仕事だ!」
アンのパーティーは全員がランクAだ。
平均年齢25の若手パーティー。ランクSに1番近いパーティーだ。
「こんなものでいいだろう。とりあえず、ここに休める場所を作るか? それとも、13階層に行って作るか?」
「実はドラゴンに思ったよりも苦戦して、ヘトヘトなんですよね」
「わかった。マサ、結界の出番だ」
「オッケーボス!」
たまによくわからない返事をしてくるので反応に困るが、行動しているのを見るに了解ということだろう。
「結界なんて張れるんですか?」
マサが短剣で地面に傷をつけているのを見ながらアンが話しかけてきた。
「エルフ族を助けたお礼に教えてもらったそうだ」
リアとルノがマサに近づいて、作業の様子を見ている。
フィーとルナとダルは夕食の用意を進めていた。
オーギスはラーキに盾の使い方を教えてほしいと言って、ラーキは快く受けてくれたようで、オーギスにラーキの大盾を持たせている。
「そんな簡単に教えてもらえるものなんですか?」
「マサは天才だからな」
「親バカですね」
テントが三つは張れるほどの魔法陣を描き終わったマサが近づいてくる。
「ほら」
ここまでくるのに討伐した魔物の魔石をマサに渡す。
「これだけあれば、1日は持ちますね」
「そうか。足りなかったらアンから貰えばいいよな?」
「魔石ですか? 腐るほどあるのでいくらでも差し上げますよ! 安心して寝られるなんて、最高です!」
「じゃあ、結界張りますね」
マサが魔法陣の中に魔石を放り込んでから魔法陣に両手を当てる。
魔法陣が輝き、数秒もすれば光が治った。結界が完成したようだ。
「これで魔物は入ってこれません。テント張ってきますね」
安全な寝床を確保して、フィー達が用意してくれた料理を食べる。
フィーの料理は好評だった。ダルも料理が趣味らしく、フィーに色々と聞いていたので、マサがフィーとダルの間に入ってフィーにダルが近づきすぎないようにしていた。
「ダルがあんなに話してたの、初めて見ましたよ」
食事が終わって後片付けも済んだ。
魔物が入ってこないとはいえ、近づいてくる可能性あるので、見張りとして結界の中から迷宮内を見ていたら、アンが話しかけてきた。
「アンは料理しないのか?」
「できるように見えますか? あ、できたらお嫁さんにしてくれるんですか!?」
「バカなこと言ってないでさっさと寝ろ」
「は~い。アド先輩も寝てくださいね? おやすみなさい」
アンが女性用のテントに入っていった。
魔物が近づいてくるが、入ってこないことを確認して男性用のテントに入る。
オーギスとマサは眠っていた。
ルノとダルはもう一つのテントで寝ているだろう。
13階層に出てくる魔物は聞いた。
アンのパーティーと協力すれば対処できると思った。
信用するしかない。明日は迷宮攻略だ。眠らないといけない。
眠ってしまっていいのか?
俺は、この子達以外を信用できない。
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俺は、眠りについた。
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