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28.報告
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アド達が迷宮から帰還した翌日。
アドが目を覚ましたのは昼前だった。
家の前で寝落ちしたことを思い出し、誰かが運んでくれたのだろうと思いながら、部屋を出る。
「あ、ご主人様! おはようございます」
「おはよう、リタ。昨日は誰が運んでくれたんだ?」
「オーギスとマサ兄です」
「その2人は?」
「そろそろ昼食ができるので、大部屋にいると思いますよ?」
「わかった。ありがとう」
アドとリタは全員が集まっているのだろう大部屋に向かう。
予想通り、調理をする女性陣と料理を椅子に座って待っている男性陣の姿があった。
「おはよう」
『『『おはようございます』』』
「オーギス、マサ。昨日はありがとう」
「父さんが寝ているだけで安心した」
「相当疲れてたんですね。もう昼ですよ?」
「ご主人様。そろそろ昼食ができますので、しばらくお待ちください」
「ありがとう」
ルナに水の入ったコップを受け取り、喉を潤す。
空になったコップをルナが受け取り、調理場へ戻っていった。
昼食を済ませて、双子が後片付けをしている間に、今後の予定を話す。
「今日を入れて3日の休息を取ろうと思っている。3日後にオークションがあるはずだ。買った奴隷の様子次第では4日の休息になると思う」
「また奴隷を買われるのですね」
「最後の1人になる。どうするかまだ考えているところだが、4人には2の迷宮に入ってもらい、俺は買った奴隷と1の迷宮に入ると思う。理由としては、お前達が1の迷宮に入っても得られることはないからだ。どう考えてもお前達のランクはB以上ある。連携の練習をする場合は1の迷宮に入るとは思う」
「わかりました」
「問題は、ギルドに報告を行うと王様に呼ばれることだろう。すぐに呼ばれると思うから予定が狂うことはないと思うが、どうなるかわからないと思っていてくれ」
「かしこまりました。ご主人様の今日のご予定は?」
「ギルドに報告をするだけだな」
「わかりました。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
話し合いは終わり、アドは奴隷達に見送られてギルドに向かった。
アドを見送った奴隷達は家に入る。
「冒険者って、意外に休みが多いんだな」
「ご主人様が優しいだけだよ」
フィーとマサはマサの部屋で話していた。
マサがフィーの背中から抱きついて、フィーは恥ずかしそうにしながらも嫌そうではなく、嬉しそうにマサの手に自分の手を重ねていた。
「そうだよな。普通なら俺たちを迷宮に行かせて、俺たちが稼いだ金で遊び歩いたりするよな」
「そういう貴族もいるという話。ご主人様は優しくて、私たちを家族みたいに扱ってくれる」
「ちゃんと裏はあるんだろうけど、ありがたいよな」
「裏があることは、私たちが1番理解してる。だから優しくしてくれてるんだよ。私たちがちゃんとすれば、悪いようにならないって教えてくれてる」
「しっかりと飼い慣らされているってことだな」
「そうだね。明日はどうするの?」
「そうだな。買い物でも行こうか?」
「うん。楽しみにしてる」
フィーとマサ以外の奴隷達は、大部屋でマサが作ったトランプで遊んでいた。
「上がりです」
「私も上がり」
「リア姉、勝負!」
「来なさい、オーギス!」
負けた者は買い物に行くことになっていた。
誰も行きたくないわけではない。
何かあれば勝負が盛り上がるというだけであった。
「私の勝ち!」
「負けた!」
オーギスの負けが決定した。
「買う物は決まってるの?」
「これが一覧よ」
「了解です。買って来ます」
オーギスはルタから紙を受け取って、家を出て行った。
「オーギスが帰ってくる前に、掃除と洗濯しないとね」
「姉さんはどっちがいい?」
「どっちかといえば掃除かしら? ご主人様達が帰って来たことで、洗濯物が多いから」
「じゃあ勝負だね!」
「それじゃあ私は負けた方を手伝うということでいい?」
「ルナさんも参加だよ。勝ったら休んでて。負けたら、ご主人様の服をよろしく」
「そんなこと言ったらルナさんは負けるわよ?」
「負けません。絶対に勝ちます」
結果を言ってしまえば、ルナの負けだった。
双子に勝つことはできなかった。
「じゃあご主人様の服をお願いします。嗅いじゃダメですよ?」
「あとで覚えておきなさい」
ルタが掃除、リタとルナが洗濯に決まった。
「ルナさんは、ご主人様のどこが好きなのですか?」
「強いところ」
「それだけですか?」
「優しいところ、頭を撫でてくれるところ、戦闘中の横顔、ちょっと子供っぽいところ」
「もう大丈夫です! 本当に好きなんですね」
「リタもルタも好きでしょ?」
「そう、ですね。優しくて、包容力のある、お父さんみたいな存在です。ルナさんは、男性としてみてますよね?」
「そうね。最初はお父さんみたいだと思ってたんだけど、いつの間にか好きになってた。ずっとそばに居たいって思ってる」
「顔、赤いですよ?」
「リタが聞いてきたんでしょ。ほら、さっさと終わられるわよ」
「は~い。ご主人様も、きっとルナさんのことが好きですよ」
「…あの人は、みんなのことが好きなのよ」
奴隷達がそれぞれの時間を過ごしているころ、アドはギルドに到着した。
「アドさん! こっちです!」
アドから声をかける前にナーナからアドに声がかけられ、手招きをされているので、注目を集めながらアドはナーナに近づいて行く。
「どうした?」
「奥でギルド長と騎士団長が、朝からお待ちです」
「わかった。部屋まで案内してくれ」
ナーナの案内で受付の奥にある部屋に向かう。
「こちらです。ギルド長、アドさんをお連れしました」
「入れ」
扉の前で立ち止まり、ナーナがノックをしてアドを連れてきたといえば、中から入れとナーキの声が聞こえてきた。
ナーナが扉を開けてアドを先に中へ入れる。
「朝から待ってたんだって? 騎士団長は暇なのか?」
「えぇ。それほどにアドさんの情報が必要だと思っていますので。それほど暇ではないのですが、模擬戦をするくらいなら」
「報告はいらないのか?」
「では、模擬戦は後日ということで。報告をお願いできますか?」
「お前ら、仲がいいのか悪いのかわからんな。で、何があった?」
「アンから聞いてると思うが、骸の王が居た。骸の王を排除して帰還しようとしたが、俺たちだけ迷宮に転移した。奴隷達とバラバラに転移してしまったが、なんとか合流してボスだと思われる大木の魔物を討伐。あとで買い取ってくれ。木炭になってるが」
「骸の王の排除というのは?」
「アンはアドから聞いてくれの一点張りでよ。詳しくは話してくれねえんだ。で、どうしたんだ?」
「討伐したとはいえないだけだ。話のできる奴だった。骸の要望に答えたら、迷宮からいなくなっただけだ」
「どんな要望でしたか?」
「話し相手が欲しかった。そう言っていた」
全てが嘘ではない。本当のことを言っているので、嘘だとは気づかれないだろうとアドは思っていた。
全てを話すには、王族は信用できない。
「わかりました。嘘ではないようですし、国王様にはそのように報告させていただきます。後日、報酬などの話が城の方であると思いますので、ドル商会に招待状を送ればよろしいでしょうか?」
「それで頼む。俺だけが行けばいいんだよな? 俺の仲間は奴隷だけだ。奴隷達を連れて行ったほうがいいのか?」
「いえ、アドさんだけで結構です。薄汚れた奴隷を城に入れるわけには行きませんから」
「そうか」
「はい。それでは、これで失礼させていただきます。城での模擬戦を、楽しみにしております」
「勝手にしてろ」
騎士団長が一礼して部屋から出て行った。
「審判は俺だよな?」
「ナーキは呼ばれてるのか?」
「呼ばれることになると思うぜ。2の迷宮はしばらく封鎖することになったからな」
「元に戻ってないのか?」
「アン達がランクBの冒険者たちを連れて調査中だ。何もなければ明日にはランクCが入れるようになると思うぜ」
「そうか」
「ところで、また金の宝箱を見つけたんだろ? 中身はどうだった?」
「まだ開けていない。少し落ち着いてからだな」
「なんなら買い取ってやろうか?」
「大金貨100枚」
「ぼったくりすぎだろ!?」
「金の宝箱だけで20枚だぞ? 未開封なら100枚はもらってもバチは当たらないと思うけどな。もう帰ってもいいのか?」
「今日は帰ってくれてもいいぜ。次来た時には、アドの奴隷達をランクBに上げてやるよ」
「もう少し後でもいいぞ。今度のオークションで最後の奴隷を買う予定だからな。ランクが離れすぎると何かと面倒だからな」
「そうか。ならそうするか。次はどんな奴隷を買う予定なんだ?」
「そうだな。大金貨、50枚以内の奴隷を買う予定だ」
「ドラゴンでも買う気かよ」
アドの予算を聞いて笑うしかないナーキと、驚いた表情のナーナに見送られながら部屋を出て行った。
アドが目を覚ましたのは昼前だった。
家の前で寝落ちしたことを思い出し、誰かが運んでくれたのだろうと思いながら、部屋を出る。
「あ、ご主人様! おはようございます」
「おはよう、リタ。昨日は誰が運んでくれたんだ?」
「オーギスとマサ兄です」
「その2人は?」
「そろそろ昼食ができるので、大部屋にいると思いますよ?」
「わかった。ありがとう」
アドとリタは全員が集まっているのだろう大部屋に向かう。
予想通り、調理をする女性陣と料理を椅子に座って待っている男性陣の姿があった。
「おはよう」
『『『おはようございます』』』
「オーギス、マサ。昨日はありがとう」
「父さんが寝ているだけで安心した」
「相当疲れてたんですね。もう昼ですよ?」
「ご主人様。そろそろ昼食ができますので、しばらくお待ちください」
「ありがとう」
ルナに水の入ったコップを受け取り、喉を潤す。
空になったコップをルナが受け取り、調理場へ戻っていった。
昼食を済ませて、双子が後片付けをしている間に、今後の予定を話す。
「今日を入れて3日の休息を取ろうと思っている。3日後にオークションがあるはずだ。買った奴隷の様子次第では4日の休息になると思う」
「また奴隷を買われるのですね」
「最後の1人になる。どうするかまだ考えているところだが、4人には2の迷宮に入ってもらい、俺は買った奴隷と1の迷宮に入ると思う。理由としては、お前達が1の迷宮に入っても得られることはないからだ。どう考えてもお前達のランクはB以上ある。連携の練習をする場合は1の迷宮に入るとは思う」
「わかりました」
「問題は、ギルドに報告を行うと王様に呼ばれることだろう。すぐに呼ばれると思うから予定が狂うことはないと思うが、どうなるかわからないと思っていてくれ」
「かしこまりました。ご主人様の今日のご予定は?」
「ギルドに報告をするだけだな」
「わかりました。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
話し合いは終わり、アドは奴隷達に見送られてギルドに向かった。
アドを見送った奴隷達は家に入る。
「冒険者って、意外に休みが多いんだな」
「ご主人様が優しいだけだよ」
フィーとマサはマサの部屋で話していた。
マサがフィーの背中から抱きついて、フィーは恥ずかしそうにしながらも嫌そうではなく、嬉しそうにマサの手に自分の手を重ねていた。
「そうだよな。普通なら俺たちを迷宮に行かせて、俺たちが稼いだ金で遊び歩いたりするよな」
「そういう貴族もいるという話。ご主人様は優しくて、私たちを家族みたいに扱ってくれる」
「ちゃんと裏はあるんだろうけど、ありがたいよな」
「裏があることは、私たちが1番理解してる。だから優しくしてくれてるんだよ。私たちがちゃんとすれば、悪いようにならないって教えてくれてる」
「しっかりと飼い慣らされているってことだな」
「そうだね。明日はどうするの?」
「そうだな。買い物でも行こうか?」
「うん。楽しみにしてる」
フィーとマサ以外の奴隷達は、大部屋でマサが作ったトランプで遊んでいた。
「上がりです」
「私も上がり」
「リア姉、勝負!」
「来なさい、オーギス!」
負けた者は買い物に行くことになっていた。
誰も行きたくないわけではない。
何かあれば勝負が盛り上がるというだけであった。
「私の勝ち!」
「負けた!」
オーギスの負けが決定した。
「買う物は決まってるの?」
「これが一覧よ」
「了解です。買って来ます」
オーギスはルタから紙を受け取って、家を出て行った。
「オーギスが帰ってくる前に、掃除と洗濯しないとね」
「姉さんはどっちがいい?」
「どっちかといえば掃除かしら? ご主人様達が帰って来たことで、洗濯物が多いから」
「じゃあ勝負だね!」
「それじゃあ私は負けた方を手伝うということでいい?」
「ルナさんも参加だよ。勝ったら休んでて。負けたら、ご主人様の服をよろしく」
「そんなこと言ったらルナさんは負けるわよ?」
「負けません。絶対に勝ちます」
結果を言ってしまえば、ルナの負けだった。
双子に勝つことはできなかった。
「じゃあご主人様の服をお願いします。嗅いじゃダメですよ?」
「あとで覚えておきなさい」
ルタが掃除、リタとルナが洗濯に決まった。
「ルナさんは、ご主人様のどこが好きなのですか?」
「強いところ」
「それだけですか?」
「優しいところ、頭を撫でてくれるところ、戦闘中の横顔、ちょっと子供っぽいところ」
「もう大丈夫です! 本当に好きなんですね」
「リタもルタも好きでしょ?」
「そう、ですね。優しくて、包容力のある、お父さんみたいな存在です。ルナさんは、男性としてみてますよね?」
「そうね。最初はお父さんみたいだと思ってたんだけど、いつの間にか好きになってた。ずっとそばに居たいって思ってる」
「顔、赤いですよ?」
「リタが聞いてきたんでしょ。ほら、さっさと終わられるわよ」
「は~い。ご主人様も、きっとルナさんのことが好きですよ」
「…あの人は、みんなのことが好きなのよ」
奴隷達がそれぞれの時間を過ごしているころ、アドはギルドに到着した。
「アドさん! こっちです!」
アドから声をかける前にナーナからアドに声がかけられ、手招きをされているので、注目を集めながらアドはナーナに近づいて行く。
「どうした?」
「奥でギルド長と騎士団長が、朝からお待ちです」
「わかった。部屋まで案内してくれ」
ナーナの案内で受付の奥にある部屋に向かう。
「こちらです。ギルド長、アドさんをお連れしました」
「入れ」
扉の前で立ち止まり、ナーナがノックをしてアドを連れてきたといえば、中から入れとナーキの声が聞こえてきた。
ナーナが扉を開けてアドを先に中へ入れる。
「朝から待ってたんだって? 騎士団長は暇なのか?」
「えぇ。それほどにアドさんの情報が必要だと思っていますので。それほど暇ではないのですが、模擬戦をするくらいなら」
「報告はいらないのか?」
「では、模擬戦は後日ということで。報告をお願いできますか?」
「お前ら、仲がいいのか悪いのかわからんな。で、何があった?」
「アンから聞いてると思うが、骸の王が居た。骸の王を排除して帰還しようとしたが、俺たちだけ迷宮に転移した。奴隷達とバラバラに転移してしまったが、なんとか合流してボスだと思われる大木の魔物を討伐。あとで買い取ってくれ。木炭になってるが」
「骸の王の排除というのは?」
「アンはアドから聞いてくれの一点張りでよ。詳しくは話してくれねえんだ。で、どうしたんだ?」
「討伐したとはいえないだけだ。話のできる奴だった。骸の要望に答えたら、迷宮からいなくなっただけだ」
「どんな要望でしたか?」
「話し相手が欲しかった。そう言っていた」
全てが嘘ではない。本当のことを言っているので、嘘だとは気づかれないだろうとアドは思っていた。
全てを話すには、王族は信用できない。
「わかりました。嘘ではないようですし、国王様にはそのように報告させていただきます。後日、報酬などの話が城の方であると思いますので、ドル商会に招待状を送ればよろしいでしょうか?」
「それで頼む。俺だけが行けばいいんだよな? 俺の仲間は奴隷だけだ。奴隷達を連れて行ったほうがいいのか?」
「いえ、アドさんだけで結構です。薄汚れた奴隷を城に入れるわけには行きませんから」
「そうか」
「はい。それでは、これで失礼させていただきます。城での模擬戦を、楽しみにしております」
「勝手にしてろ」
騎士団長が一礼して部屋から出て行った。
「審判は俺だよな?」
「ナーキは呼ばれてるのか?」
「呼ばれることになると思うぜ。2の迷宮はしばらく封鎖することになったからな」
「元に戻ってないのか?」
「アン達がランクBの冒険者たちを連れて調査中だ。何もなければ明日にはランクCが入れるようになると思うぜ」
「そうか」
「ところで、また金の宝箱を見つけたんだろ? 中身はどうだった?」
「まだ開けていない。少し落ち着いてからだな」
「なんなら買い取ってやろうか?」
「大金貨100枚」
「ぼったくりすぎだろ!?」
「金の宝箱だけで20枚だぞ? 未開封なら100枚はもらってもバチは当たらないと思うけどな。もう帰ってもいいのか?」
「今日は帰ってくれてもいいぜ。次来た時には、アドの奴隷達をランクBに上げてやるよ」
「もう少し後でもいいぞ。今度のオークションで最後の奴隷を買う予定だからな。ランクが離れすぎると何かと面倒だからな」
「そうか。ならそうするか。次はどんな奴隷を買う予定なんだ?」
「そうだな。大金貨、50枚以内の奴隷を買う予定だ」
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