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27.帰還
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木炭となった大木を手分けして解体して行く。
魔石が何処かにあるはずだが、探すのはギルドに任せることにした。
「お疲れ様」
「「「「お疲れ様です!」」」」
フィーの魔法で汚れをなくし、一度集まってお互いの無事を確認する。
「とりあえず、無事でよかった」
「ご主人様も、ご無事でなによりです」
「父さん、妖精の女王様にこれをもらいました」
「私とフィーさんは加護をいただきました」
「俺は聖剣を手に入れましたよ」
「なんだかよくわからないが、俺がいない間に色々とあったみたいだな。俺は戦闘の連続で疲れた。このまま寝たいくらいだ」
主人であるアドに各自の報告を行い、アドは奴隷たちを探すために魔物と戦っていたため、疲れたと言って地面に座り込んでしまった。
「ご主人様は、ここでお休みください。食事の用意をしています」
「頼む。出来たら起こしてくれ。腹ペコだから、匂いで起きるかもしれないがな」
「はい。おやすみなさいませ。オーギスとマサは警戒をして、ルナさんはご主人様の近くにいてください」
「いや、フィーさんの手伝いを」
「私1人で大丈夫ですから。いいですね?」
「「「はい」」」
オーギスとマサは武器を替えながら周りを警戒し、ルナは眠っているアドに近づいて行き、地面に腰を下ろしてアドの頭を持ち上げれば自分の膝に乗せた。
「ご主人様、食事の用意が出来ましたよ」
「ん? ルナ、おはよう。何事もなかったか?」
「はい。オーギスとマサが警戒していましたが、近くに魔物はいないようです」
「そうか。ん、いい匂いだ」
ルナからの報告を受けて上半身を起こして背中を伸ばす。離れたところから漂ってくる食事の匂いにアドの腹から空腹を訴える音がなる。
アドは少し恥ずかしそうに頬をかく。
ルナはアドの行動に笑みを向けながら立ち上がり、アドに手を伸ばして握ってくれるのを待った。
「フィーさんが美味しい食事を用意してくれていますよ」
「楽しみだ」
アドはルナの手を握り立ち上がる。
すぐにルナの手を離してフィーたちが集まっている方にルナと歩き出す。
「ご褒美、楽しみにしてますよ?」
「そう、だな。楽しみにしてくれ」
まさかあの呟きが聞かれていたとは思わなかったので少し動揺してしまうが、アドはルナに笑みを向けて頷いた。
皆と食事を済ませて、帰り道を探そうかとしているアドにマサが声をかける
「食事も済んだし、どこかにクリスタルがあるはずだから探すか」
「あ、多分、その必要はないと思います」
「どうしてだ?」
「聖剣を使えば、転移できるんですよ。それで帰れると思います」
「…またとんでもない力を手に入れてきたんだな。しかしあれがボスであったのならどこかに宝箱があるはずだ。探索してから帰ろう」
マサからの報告にアドは苦笑いを浮かべて、クリスタルを探す必要はないことはわかったが、あの大木がボスだったとすればどこかに宝箱があるはずなので、探索はすることは確定していた。
「わかりました」
アドは1人、奴隷たちは2人一組で草原を探索したところ、草原にポツンとある一つの扉が見つかった。
「罠はないな。中に入るぞ」
扉に罠がないことは確認できたが、中がどのようになっているかわからないので、アドは警戒しながら扉を開けた。
扉を開けた先には、宝箱とクリスタルが部屋の中にあった。
「こんな短期間で金の宝箱を二つも手に入れるとは、思わなかったな」
部屋に罠がないことを確認して、金の宝箱に近づきながら呟く。
「クリスタルで帰りますか?」
アドが金の宝箱をマジックバッグに入れたのを確認して、マサが声をかける。
「いや、マサの力で安全に帰ろう。今日は疲れた。早くやすみたい」
「わかりました。妖精の国には、後日行くということで」
「なんの話だ?」
「女王様が勇者に話があるそうです。聞いて損はない話だと言っておられました」
アドの問いかけにルナが説明を行う。
「そうか。それは後日で頼む。というよりも、俺は必要なのか?」
「俺のご主人様なんで、聞いといて損はないんじゃないですか?」
アドの問いかけにマサが答える。アドが必要とは言われてないが、いてくれた方が安心という気持ちがあった。
「そうだな。鬼のことも聞けるかもしれないしな」
このまま使っていてもいい能力なのか、知っておいた方がいいだろうと思い、妖精の女王に会うことが決定した。
「そうですね。なんか、角が伸びてる気がします」
ルナがアドの額に手を伸ばして行き、少しだけあった角がちょっとだけ伸びていて、髪がなければそれなりに目立っているのではと予想された。
「今のところ角以外は体に変化がない。すぐにどうこうなるわけじゃないんだろうな」
ルナに額、というよりも角を触られるのはくすぐったいのか、苦笑いを浮かべながらルナの手から離れようとする。
「あ、す、すみません!」
ルナは慌ててアドから手を離して頭を下げて謝る。
「心配してくれていることはわかっている。そこまで謝る必要はない。じゃあ、頼めるか?」
頭を下げたままでいるルナの頭に手をやり、優しく撫でてからマサに向き直り、聖剣の力で転移をお願いする。
「オッケーボス! 転移!」
マサが聖剣を鞘から抜いて、みんなが近くにいることを確認すれば、聖剣を天に掲げて転移と言えば、その場から5人の姿は無くなった。
5人が現れた場所は、2の迷宮の前にあるクリスタルの近くであった。
「帰ってきた、か」
アドのよく知る光景が視界に入り、安堵する。
ギルドへの報告はするべきなのだろうが、疲れているので家に帰ろうと歩き出すが、
「アド先輩! 生きてた!」
アンに抱きつかれたことで地面に倒れることになってしまった。
「そんなに時間は経ってないだろ?」
抱きついてきたアンを安心させるように頭を撫でてやるが、離れる気配がない。
「3日ですよ? 私たちが帰還してから、3日は出てこなかったんですからね!」
「そんなに時間が経ってたのか。俺はてっきり3時間くらいかと」
アンの言葉に3日の時間が流れていたことを知って驚愕する。
「アンさん、離れていただけますか?」
いい笑顔? のルナに声をかけられたアンは速やかにアドから離れていった。
アドがルナをちらりと見たが、よくわからない恐怖を感じたのは言うまでもない。
「ル、ルナちゃんたちも無事でよかったよ。ギルドには、私からアド先輩たちが帰ってきたことを報告しておくから、今日は帰って休んで。明日にはギルドに報告してくれればいいようにしておくからさ。大丈夫。それくらいの権限は持ってるから」
アンの言葉に甘えて、アド達は家に帰ることにした。
家に帰ると、双子がアドに抱きついてきた。
「「おかえりなさいませ、ご主人様!」」
「ただいま」
アドは双子の頭を撫でながら家を見上げる。
帰ってきたと、ようやく安心して、双子に抱きつかれたまま、寝落ちした。
魔石が何処かにあるはずだが、探すのはギルドに任せることにした。
「お疲れ様」
「「「「お疲れ様です!」」」」
フィーの魔法で汚れをなくし、一度集まってお互いの無事を確認する。
「とりあえず、無事でよかった」
「ご主人様も、ご無事でなによりです」
「父さん、妖精の女王様にこれをもらいました」
「私とフィーさんは加護をいただきました」
「俺は聖剣を手に入れましたよ」
「なんだかよくわからないが、俺がいない間に色々とあったみたいだな。俺は戦闘の連続で疲れた。このまま寝たいくらいだ」
主人であるアドに各自の報告を行い、アドは奴隷たちを探すために魔物と戦っていたため、疲れたと言って地面に座り込んでしまった。
「ご主人様は、ここでお休みください。食事の用意をしています」
「頼む。出来たら起こしてくれ。腹ペコだから、匂いで起きるかもしれないがな」
「はい。おやすみなさいませ。オーギスとマサは警戒をして、ルナさんはご主人様の近くにいてください」
「いや、フィーさんの手伝いを」
「私1人で大丈夫ですから。いいですね?」
「「「はい」」」
オーギスとマサは武器を替えながら周りを警戒し、ルナは眠っているアドに近づいて行き、地面に腰を下ろしてアドの頭を持ち上げれば自分の膝に乗せた。
「ご主人様、食事の用意が出来ましたよ」
「ん? ルナ、おはよう。何事もなかったか?」
「はい。オーギスとマサが警戒していましたが、近くに魔物はいないようです」
「そうか。ん、いい匂いだ」
ルナからの報告を受けて上半身を起こして背中を伸ばす。離れたところから漂ってくる食事の匂いにアドの腹から空腹を訴える音がなる。
アドは少し恥ずかしそうに頬をかく。
ルナはアドの行動に笑みを向けながら立ち上がり、アドに手を伸ばして握ってくれるのを待った。
「フィーさんが美味しい食事を用意してくれていますよ」
「楽しみだ」
アドはルナの手を握り立ち上がる。
すぐにルナの手を離してフィーたちが集まっている方にルナと歩き出す。
「ご褒美、楽しみにしてますよ?」
「そう、だな。楽しみにしてくれ」
まさかあの呟きが聞かれていたとは思わなかったので少し動揺してしまうが、アドはルナに笑みを向けて頷いた。
皆と食事を済ませて、帰り道を探そうかとしているアドにマサが声をかける
「食事も済んだし、どこかにクリスタルがあるはずだから探すか」
「あ、多分、その必要はないと思います」
「どうしてだ?」
「聖剣を使えば、転移できるんですよ。それで帰れると思います」
「…またとんでもない力を手に入れてきたんだな。しかしあれがボスであったのならどこかに宝箱があるはずだ。探索してから帰ろう」
マサからの報告にアドは苦笑いを浮かべて、クリスタルを探す必要はないことはわかったが、あの大木がボスだったとすればどこかに宝箱があるはずなので、探索はすることは確定していた。
「わかりました」
アドは1人、奴隷たちは2人一組で草原を探索したところ、草原にポツンとある一つの扉が見つかった。
「罠はないな。中に入るぞ」
扉に罠がないことは確認できたが、中がどのようになっているかわからないので、アドは警戒しながら扉を開けた。
扉を開けた先には、宝箱とクリスタルが部屋の中にあった。
「こんな短期間で金の宝箱を二つも手に入れるとは、思わなかったな」
部屋に罠がないことを確認して、金の宝箱に近づきながら呟く。
「クリスタルで帰りますか?」
アドが金の宝箱をマジックバッグに入れたのを確認して、マサが声をかける。
「いや、マサの力で安全に帰ろう。今日は疲れた。早くやすみたい」
「わかりました。妖精の国には、後日行くということで」
「なんの話だ?」
「女王様が勇者に話があるそうです。聞いて損はない話だと言っておられました」
アドの問いかけにルナが説明を行う。
「そうか。それは後日で頼む。というよりも、俺は必要なのか?」
「俺のご主人様なんで、聞いといて損はないんじゃないですか?」
アドの問いかけにマサが答える。アドが必要とは言われてないが、いてくれた方が安心という気持ちがあった。
「そうだな。鬼のことも聞けるかもしれないしな」
このまま使っていてもいい能力なのか、知っておいた方がいいだろうと思い、妖精の女王に会うことが決定した。
「そうですね。なんか、角が伸びてる気がします」
ルナがアドの額に手を伸ばして行き、少しだけあった角がちょっとだけ伸びていて、髪がなければそれなりに目立っているのではと予想された。
「今のところ角以外は体に変化がない。すぐにどうこうなるわけじゃないんだろうな」
ルナに額、というよりも角を触られるのはくすぐったいのか、苦笑いを浮かべながらルナの手から離れようとする。
「あ、す、すみません!」
ルナは慌ててアドから手を離して頭を下げて謝る。
「心配してくれていることはわかっている。そこまで謝る必要はない。じゃあ、頼めるか?」
頭を下げたままでいるルナの頭に手をやり、優しく撫でてからマサに向き直り、聖剣の力で転移をお願いする。
「オッケーボス! 転移!」
マサが聖剣を鞘から抜いて、みんなが近くにいることを確認すれば、聖剣を天に掲げて転移と言えば、その場から5人の姿は無くなった。
5人が現れた場所は、2の迷宮の前にあるクリスタルの近くであった。
「帰ってきた、か」
アドのよく知る光景が視界に入り、安堵する。
ギルドへの報告はするべきなのだろうが、疲れているので家に帰ろうと歩き出すが、
「アド先輩! 生きてた!」
アンに抱きつかれたことで地面に倒れることになってしまった。
「そんなに時間は経ってないだろ?」
抱きついてきたアンを安心させるように頭を撫でてやるが、離れる気配がない。
「3日ですよ? 私たちが帰還してから、3日は出てこなかったんですからね!」
「そんなに時間が経ってたのか。俺はてっきり3時間くらいかと」
アンの言葉に3日の時間が流れていたことを知って驚愕する。
「アンさん、離れていただけますか?」
いい笑顔? のルナに声をかけられたアンは速やかにアドから離れていった。
アドがルナをちらりと見たが、よくわからない恐怖を感じたのは言うまでもない。
「ル、ルナちゃんたちも無事でよかったよ。ギルドには、私からアド先輩たちが帰ってきたことを報告しておくから、今日は帰って休んで。明日にはギルドに報告してくれればいいようにしておくからさ。大丈夫。それくらいの権限は持ってるから」
アンの言葉に甘えて、アド達は家に帰ることにした。
家に帰ると、双子がアドに抱きついてきた。
「「おかえりなさいませ、ご主人様!」」
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