51 / 73
アンチノック・スターチスの誤算
1
しおりを挟む
「だからな、大さじ一杯ってなかなか難しいんだって」
時刻は午前七時半を少し過ぎたところ。すべては、珍しく早起きだった――実は碌に寝ていないのかもしれないが――上司である土屋恭介を叩き起こす手間が減り、これまた珍しく自ら境内の掃除などを始めていた彼に代わって朝餉の支度をしていたせいで大幅に時間短縮できてしまった恩恵とでも言うべきか。朝食を済ませた後に、ゆっくりお茶を飲みながら雑談をするなどという優雅な時間が生まれてしまった。
自分としてはねちねちくどくどと恭介を起こさなければならないという朝の行事を大層楽しんでおり――その名目を振りかざして、はだけた浴衣から覗くふくらはぎを存分に眺めたり、或いは事故を装って触ってみたり、つねった頬の痛さに涙目になる愛らしいオッドアイを間近で見られるという特典を満喫していたので、それなりに体力を使うこのルーティーンをこなすのは吝かではなかったが、このようにゆったりとした二人きりの時間ができたことに浮き足立つ気持ちもない訳じゃない。
圭吾は、目に掛かる前髪を指先で払った。緩く癖のある髪は、昨晩の雨を引き摺っているせいか少し湿っぽい。ダックグリーンを含めたような彼の髪色は、オフホワイトの学ランに良く似合っていた。
肌寒さを覚えるのは、朝と寝る前のほんの一時間程度だけ。日中は、真夏日だと錯覚しそうな太陽光が降り注がれるこの季節。秋服と夏服、どちらを選択するかは生徒に委ねられている。朝の体感温度に惑わされるため長袖に腕を通してしまうが、結局羽織るために作られた筈の上着は、鞄のように持ち歩く羽目になった。
今日こそは、半袖にしようという判断がない訳ではないけれど。どうしても学校帰りに、この神社に足を運ぶことになっても問題のない制服の方を選択してしまう。何のかんのと言い訳をつけて片恋中の彼の家に立ち寄り、あまつさえ夕食を一緒に嗜む時間を楽しんでしまえば、世界はあっという間に夜になる。帰宅する時間が二十時を過ぎれば、脇に抱えるだけだった上着の存在がありがたいのだ。
件の想い人でもあり、秘密の共有者でもあり、上司でもある複雑な関係の恭介をちらりと盗み見た。艶やかな黒髪は、日の光が当たっているところだけアイボリーブラックの輪郭を彩っている。短髪の前髪は、眉よりも少し上。キスしたくなる程形の良いおでこの一部が、今日も無防備に晒されていた。
自分が圭吾の腕を通す袖の長さを決めているだなんて思いもしない呑気な彼は、今日も今日とて半分寝ぼけたようなまなこで、世界一平和な話題に花を咲かせているのだった。
目の前で、大さじの一杯で留めるには特にお酒が難しく、いつも勢いドバドバと出てしまうから流しでやらなければならないだとか、普段なら明日の天気よりも興味のないそんな話にさえ心が踊るのだから、恋というものはどこまでも人を盲目にさせるのだと思う。言葉による説明だけで充分想像できるのに、片手に計量スプーンを持ち、左手で酒瓶を傾けるパフォーマンスをわざわざ見せられた暁には、限度を超えたその可愛さに、着たばかりだろう制服をひんむいて押し倒してやりたい気持ちにもなる。
「だから言ってるじゃないですか。お歳暮のお裾分けで烏丸さんからいただいた一升瓶を、無理に料理に使うのは不便だって。手頃なサイズの料理酒を買うという頭はないんですか?」
「う……だって、あるのに買うのは勿体ないだろ。それに、料理は良い酒を使った方が美味しくできるんだって」
自分がポーカーフェイスで良かったなと心底思う。涼しい顔で毒を吐く目の前の男が、まさか脳内で恭介のシャツの襟口を留めているボタンを引きちぎる想像をしているだなんて思いもよらないのだろう。今の酒を使い続けることへの尤もらしい理由を並べ立てて、つぐむ唇が愛らしい。
「烏丸さんあたりの受け売りですか」
だって、という言葉尻を拾い上げ、少し冷たい言い方でつついてみる。
「だったら何だよ! 師匠は、いろいろ知っててすごいんだからな」
そんなこと、言われなくてもわかっていた。恭介の一挙手一投足には、いちいち烏丸の影が見える。それがどこにも安寧の地がなかった幼少の恭介を守るために存在し続けた証だと、今では十分にわかっていた。
多くを望まずに、手の中にある僅かばかりの幸いを愛おしげに握りしめるだけで満足するところのある彼が、ずっと一人きりで過ごすような悲しいことにならなくて良かったと思う気持ちは本物だ。けれど恋心を自覚したばかりのこの頭は、それさえ元彼の片鱗を見せつけられたようで気に食わない。
「……そろそろ準備しないと、遅刻しますね」
「ん」
短く頷いて、恭介が席を立つ。特にルールにしたつもりはないが、圭吾がご飯の支度をした時は、恭介が進んで食器を洗ってくれることが多かった。先程それらを洗ってもらったばかりだったので、急須くらいは己で洗おうと持ち上げてみたが、するりと家主に奪われてしまう。
「いいから、座ってろ。俺が洗っておくよ」
そんな新妻みたいなことを、可愛く笑いながら言わないで欲しい。
「……先輩が洗ってくれたの、拭きますね」
「さんきゅ」
いそいそと隣に立って、食器用の布巾を取って並ぶ。まるで新婚のようなやりとりに酩酊するような気持ちが、圭吾の胸を踊らせたけれど。
(――覚悟していたより、平気かもしれない)
最初は怖かった。自覚してしまったこの気持ちを、うまく隠せるのかどうかがわからなかったから。
圭吾にとっては、これが初恋で、詰まるところ要するに、何もかもが未知数だった。誰かに想いを寄せることがあったら、どんなふうに自分が壊れてしまうのかも、どんなタイミングで感情が零れてしまうのかもわからない。けれど今のところ、それらの警戒はすべてにおいて杞憂というカテゴリーの中にしまっておいても問題がないように思える。
実際、お風呂あがりに出くわして火照ったうなじを見てしまうなどの心臓に悪いラッキースケベは何度かあったが、その弾みで想いを伝えてしまうような衝動に飲まれることはなかったし、もともと表情に何もかもが表れる恭介と違って、圭吾はそのあたりの隠蔽は得意な方だ。あまつさえ、彼には犬神だの烏丸だのの優秀なセコムが常にひっついている。
ときにそれが煩わしくもあるけれど、圭吾の理性が焼き切れそうなタイミングで毎回ストッパーになってくれるのは正直なところありがたかった。この感情に、最初こそ戸惑いはしたけれど――意外と、うまく飼い慣らして行けるのかもしれない。
(それこそ、烏丸さんも犬神さんも手出しできないような雪山のロッジかどこかで、先輩と裸で抱き合うようなことでもない限り大丈夫かもしれないな……)
恭介が、首を傾げて圭吾を見遣る。角度的に、きれいなラインが浮かび上がった鎖骨が見える。水が溜まりそうだな、と感想を抱きながらも、言葉にして伝えようとは思わない。
何もかもが、順調だった――そう、それは怖いくらいに。
時刻は午前七時半を少し過ぎたところ。すべては、珍しく早起きだった――実は碌に寝ていないのかもしれないが――上司である土屋恭介を叩き起こす手間が減り、これまた珍しく自ら境内の掃除などを始めていた彼に代わって朝餉の支度をしていたせいで大幅に時間短縮できてしまった恩恵とでも言うべきか。朝食を済ませた後に、ゆっくりお茶を飲みながら雑談をするなどという優雅な時間が生まれてしまった。
自分としてはねちねちくどくどと恭介を起こさなければならないという朝の行事を大層楽しんでおり――その名目を振りかざして、はだけた浴衣から覗くふくらはぎを存分に眺めたり、或いは事故を装って触ってみたり、つねった頬の痛さに涙目になる愛らしいオッドアイを間近で見られるという特典を満喫していたので、それなりに体力を使うこのルーティーンをこなすのは吝かではなかったが、このようにゆったりとした二人きりの時間ができたことに浮き足立つ気持ちもない訳じゃない。
圭吾は、目に掛かる前髪を指先で払った。緩く癖のある髪は、昨晩の雨を引き摺っているせいか少し湿っぽい。ダックグリーンを含めたような彼の髪色は、オフホワイトの学ランに良く似合っていた。
肌寒さを覚えるのは、朝と寝る前のほんの一時間程度だけ。日中は、真夏日だと錯覚しそうな太陽光が降り注がれるこの季節。秋服と夏服、どちらを選択するかは生徒に委ねられている。朝の体感温度に惑わされるため長袖に腕を通してしまうが、結局羽織るために作られた筈の上着は、鞄のように持ち歩く羽目になった。
今日こそは、半袖にしようという判断がない訳ではないけれど。どうしても学校帰りに、この神社に足を運ぶことになっても問題のない制服の方を選択してしまう。何のかんのと言い訳をつけて片恋中の彼の家に立ち寄り、あまつさえ夕食を一緒に嗜む時間を楽しんでしまえば、世界はあっという間に夜になる。帰宅する時間が二十時を過ぎれば、脇に抱えるだけだった上着の存在がありがたいのだ。
件の想い人でもあり、秘密の共有者でもあり、上司でもある複雑な関係の恭介をちらりと盗み見た。艶やかな黒髪は、日の光が当たっているところだけアイボリーブラックの輪郭を彩っている。短髪の前髪は、眉よりも少し上。キスしたくなる程形の良いおでこの一部が、今日も無防備に晒されていた。
自分が圭吾の腕を通す袖の長さを決めているだなんて思いもしない呑気な彼は、今日も今日とて半分寝ぼけたようなまなこで、世界一平和な話題に花を咲かせているのだった。
目の前で、大さじの一杯で留めるには特にお酒が難しく、いつも勢いドバドバと出てしまうから流しでやらなければならないだとか、普段なら明日の天気よりも興味のないそんな話にさえ心が踊るのだから、恋というものはどこまでも人を盲目にさせるのだと思う。言葉による説明だけで充分想像できるのに、片手に計量スプーンを持ち、左手で酒瓶を傾けるパフォーマンスをわざわざ見せられた暁には、限度を超えたその可愛さに、着たばかりだろう制服をひんむいて押し倒してやりたい気持ちにもなる。
「だから言ってるじゃないですか。お歳暮のお裾分けで烏丸さんからいただいた一升瓶を、無理に料理に使うのは不便だって。手頃なサイズの料理酒を買うという頭はないんですか?」
「う……だって、あるのに買うのは勿体ないだろ。それに、料理は良い酒を使った方が美味しくできるんだって」
自分がポーカーフェイスで良かったなと心底思う。涼しい顔で毒を吐く目の前の男が、まさか脳内で恭介のシャツの襟口を留めているボタンを引きちぎる想像をしているだなんて思いもよらないのだろう。今の酒を使い続けることへの尤もらしい理由を並べ立てて、つぐむ唇が愛らしい。
「烏丸さんあたりの受け売りですか」
だって、という言葉尻を拾い上げ、少し冷たい言い方でつついてみる。
「だったら何だよ! 師匠は、いろいろ知っててすごいんだからな」
そんなこと、言われなくてもわかっていた。恭介の一挙手一投足には、いちいち烏丸の影が見える。それがどこにも安寧の地がなかった幼少の恭介を守るために存在し続けた証だと、今では十分にわかっていた。
多くを望まずに、手の中にある僅かばかりの幸いを愛おしげに握りしめるだけで満足するところのある彼が、ずっと一人きりで過ごすような悲しいことにならなくて良かったと思う気持ちは本物だ。けれど恋心を自覚したばかりのこの頭は、それさえ元彼の片鱗を見せつけられたようで気に食わない。
「……そろそろ準備しないと、遅刻しますね」
「ん」
短く頷いて、恭介が席を立つ。特にルールにしたつもりはないが、圭吾がご飯の支度をした時は、恭介が進んで食器を洗ってくれることが多かった。先程それらを洗ってもらったばかりだったので、急須くらいは己で洗おうと持ち上げてみたが、するりと家主に奪われてしまう。
「いいから、座ってろ。俺が洗っておくよ」
そんな新妻みたいなことを、可愛く笑いながら言わないで欲しい。
「……先輩が洗ってくれたの、拭きますね」
「さんきゅ」
いそいそと隣に立って、食器用の布巾を取って並ぶ。まるで新婚のようなやりとりに酩酊するような気持ちが、圭吾の胸を踊らせたけれど。
(――覚悟していたより、平気かもしれない)
最初は怖かった。自覚してしまったこの気持ちを、うまく隠せるのかどうかがわからなかったから。
圭吾にとっては、これが初恋で、詰まるところ要するに、何もかもが未知数だった。誰かに想いを寄せることがあったら、どんなふうに自分が壊れてしまうのかも、どんなタイミングで感情が零れてしまうのかもわからない。けれど今のところ、それらの警戒はすべてにおいて杞憂というカテゴリーの中にしまっておいても問題がないように思える。
実際、お風呂あがりに出くわして火照ったうなじを見てしまうなどの心臓に悪いラッキースケベは何度かあったが、その弾みで想いを伝えてしまうような衝動に飲まれることはなかったし、もともと表情に何もかもが表れる恭介と違って、圭吾はそのあたりの隠蔽は得意な方だ。あまつさえ、彼には犬神だの烏丸だのの優秀なセコムが常にひっついている。
ときにそれが煩わしくもあるけれど、圭吾の理性が焼き切れそうなタイミングで毎回ストッパーになってくれるのは正直なところありがたかった。この感情に、最初こそ戸惑いはしたけれど――意外と、うまく飼い慣らして行けるのかもしれない。
(それこそ、烏丸さんも犬神さんも手出しできないような雪山のロッジかどこかで、先輩と裸で抱き合うようなことでもない限り大丈夫かもしれないな……)
恭介が、首を傾げて圭吾を見遣る。角度的に、きれいなラインが浮かび上がった鎖骨が見える。水が溜まりそうだな、と感想を抱きながらも、言葉にして伝えようとは思わない。
何もかもが、順調だった――そう、それは怖いくらいに。
0
あなたにおすすめの小説
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
イケメン俳優は万年モブ役者の鬼門です
はねビト
BL
演技力には自信があるけれど、地味な役者の羽月眞也は、2年前に共演して以来、大人気イケメン俳優になった東城湊斗に懐かれていた。
自分にはない『華』のある東城に対するコンプレックスを抱えるものの、どうにも東城からのお願いには弱くて……。
ワンコ系年下イケメン俳優×地味顔モブ俳優の芸能人BL。
外伝完結、続編連載中です。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
推しにプロポーズしていたなんて、何かの間違いです
一ノ瀬麻紀
BL
引きこもりの僕、麻倉 渚(あさくら なぎさ)と、人気アイドルの弟、麻倉 潮(あさくら うしお)
同じ双子だというのに、なぜこんなにも違ってしまったのだろう。
時々ふとそんな事を考えてしまうけど、それでも僕は、理解のある家族に恵まれ充実した引きこもり生活をエンジョイしていた。
僕は極度の人見知りであがり症だ。いつからこんなふうになってしまったのか、よく覚えていない。
本音を言うなら、弟のように表舞台に立ってみたいと思うこともある。けれどそんなのは無理に決まっている。
だから、安全な自宅という城の中で、僕は今の生活をエンジョイするんだ。高望みは一切しない。
なのに、弟がある日突然変なことを言い出した。
「今度の月曜日、俺の代わりに学校へ行ってくれないか?」
ありえない頼み事だから断ろうとしたのに、弟は僕の弱みに付け込んできた。
僕の推しは俳優の、葛城 結斗(かつらぎ ゆうと)くんだ。
その結斗くんのスペシャルグッズとサイン、というエサを目の前にちらつかせたんだ。
悔しいけど、僕は推しのサインにつられて首を縦に振ってしまった。
え?葛城くんが目の前に!?
どうしよう、人生最大のピンチだ!!
✤✤
「推し」「高校生BL」をテーマに書いたお話です。
全年齢向けの作品となっています。
一度短編として完結した作品ですが、既存部分の改稿と、新規エピソードを追加しました。
✤✤
綴った言葉の先で、キミとのこれからを。
小湊ゆうも
BL
進路選択を前にして、離れることになる前に自分の気持ちをこっそり伝えようと、大真(はるま)は幼馴染の慧司(けいし)の靴箱に匿名で手紙を入れた。自分からだと知られなくて良い、この気持ちにひとつ区切りを付けられればと思っていたのに、慧司は大真と離れる気はなさそうで思わぬ提案をしてくる。その一方で、手紙の贈り主を探し始め、慧司の言動に大真は振り回されてーー……。 手紙をテーマにしたお話です。3組のお話を全6話で書きました!
表紙絵:小湊ゆうも
染まらない花
煙々茸
BL
――六年前、突然兄弟が増えた。
その中で、四歳年上のあなたに恋をした。
戸籍上では兄だったとしても、
俺の中では赤の他人で、
好きになった人。
かわいくて、綺麗で、優しくて、
その辺にいる女より魅力的に映る。
どんなにライバルがいても、
あなたが他の色に染まることはない。
嘘つき王と影の騎士
篠雨
BL
「俺の役割は、貴方を守ることだ。……例え、貴方自身からも」
国の平穏を一身に背負い、十二年間「聖王」という偶像を演じ続けてきたセシル。
酷使し続けた心身はすでに限界を迎え、その命の灯火は今にも消えようとしていた。
そんな折、現れたのは異世界からの「転移者」。
代わりを見つけた国は、用済みとなったセシルからすべてを剥奪し、最果ての地へと追放する。
死を待つためだけに辿り着いた冬の山。
絶望に沈むセシルの前に現れたのは、かつて冷徹に王を監視し続けていた近衛騎士団長、アルヴィスだった。
守るべき王も、守るべき国も失ったはずの二人が過ごす、狭い小屋での夜。
無価値になり、壊れかけた自分を、なぜこの男は、そんな瞳で見つめるのか。
なぜ、そんなにも強く、抱きしめるのか。
これは、すべてを失った「聖王」が、一人の男の熱に暴かれ、再生していくまでの物語。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる