夢か現か

黒梟

文字の大きさ
4 / 58
結婚からの

しおりを挟む
 

 履きなれない靴を長時間履いていたせいで、靴擦れが出来てしまった。

 馬車で新郎の邸に行ったと思いきや、連れて行かれたのはなんと別邸。
 本邸から20分ほど離れたところに建っている。同じ敷地内だが木々が生い茂っていて、本邸からは確認できない。

 扉を開けても誰の出迎えもない。
 この対応、あの姉なら憤慨ものだろうな。

「この家はお前の好きに使って構わない」

 それだけ言うと、私を別邸に残してさっさと本邸に一人帰ってしまった。

 えっ?初夜は?なし?
えっ?これからどうしろと?

・・・・・・・・・・・

 とりあえず寝る
▶︎靴を履き替え屋敷内の探検

 ・・・・何もする事ないしね。物の置き場所とか確認がてら運動しますか。

 てくてくてくてくてくてくてく、トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン

 ・・・・・・・何、この無駄に長い階段。はっ、嫌がらせ?嫌がらせで作った邸か?
 って事は、ドアを開けるのにもコツがいるとか、水を出すにも仕掛けがあるとか?まさか今話題の小説にあった、朝起きる度に物の配置が変わってるとかいうアレか!

 至る所に押してくださいスイッチもある事だし、カラクリ屋敷万歳!

 取り敢えずスイッチを押してみますか?
 答えはもちろん

 はい
 いいえ

 はいはいはいはいはいはいはい!!

 ポチポチポチポチポチポチポチ!

 なんだか明日が楽しみだな!









 なんて思ってた時期もありました。
掃除が全くと言っていいほどされていない現状を見るまでは。

 邸の主人が主人なら、使用人も使用人ね。
 仕方ない、掃除が終わったら好きにさせてもらおう。

 そう決心して、埃まみれのベッド・・・ではなく少しばかり綺麗にしたソファーで寝る事にした。

 あんなのに抱かれずに済むし、慣れれば人目を盗んでの行動も可能そうだしね。

「おやすみなさーい」

 誰にも返されることのない挨拶で今日を終わった。






 


 次の朝

 身体異常無し!
 
 やっぱり彼にとっては、都合の良い令嬢との結婚だったみたいだ。

 



 まあ、私としても好都合だけどね❤️
うふふ、楽しくなりそう。














 あれ?そういやあのスイッチなんだったんだろう?



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

旦那様、彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです

ましゅぺちーの
恋愛
伯爵夫人フルールは、夫である伯爵と愛人の秘書に長年頭を悩ませていた。 何度夫に苦言を呈しても「彼女は仕事において必要不可欠なパートナーだから」と一切聞く耳を持たない。 困り果てていたそのとき、彼女は突然前世の記憶を取り戻した。 このままだと夫と愛人の真実の愛の犠牲になってしまう。 それだけは御免だ。 結婚五年目にして、彼女はようやく夫を見限り、新たな事業を立ち上げた。 そして事業を成功させたフルールの隣には、いつも同じ男が立っていた。 その男は誰なのかと問い詰める夫に、フルールはニッコリ笑って言った。 「彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです」と。

側近女性は迷わない

中田カナ
恋愛
第二王子殿下の側近の中でただ1人の女性である私は、思いがけず自分の陰口を耳にしてしまった。 ※ 小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

処理中です...