夢か現か

黒梟

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廻る時

三十九

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 ソーシアルとリーの養父が森の入り口で話をしている頃の天界

「どうするんです?人間に落としたにも関わらず、輪廻の理を壊し人間を洗脳までして、此方に戻ってこようとしてますよ?あのアホども」

「碌でも無いな。だからこそ人間に落としたのだが・・・・意味は無かったな。
 天界の記憶は消しておいたのだが、執念深いなぁ。欲望の神はどうなんだ?」

「魂は完全に回復しています。肉体の方も問題ないかと」

「あやつの掛けた呪いはどうなっているんだ?」

「もう解けていますよ。ただ、人の感情の影響を受けて拡大しているようで、入れ物の人間の方が悪影響を受けていますね。どうします?もうそろそろ彼女の魂も限界ですよ?」

「次の巻き戻りで最期にしようか。豊穣の女神も頑張っていたからな。
 ちゃんとの神殿に張られている結界解いておいてくれ。わたしはを起こしてくる」

「かしこまりました我らが主」

「やれやれ、人間に関与することは神としては大罪であると教えてあった筈なのに懲りないなぁ。
 今回は神罰という形で特大の雷でも落とすか・・・・欲望の神の執念深さを豊穣の女神は知らんのだろうなぁ。直ぐにでも子が出来そうで怖いわ」

“じーじ大変そうだね”
“仕方ないね。あの時キチンとしとけば問題なかったんだし”
“”ねー“”
“今度こそ母様と父様と幸せに暮らせるかな?”
“大丈夫だよ。僕たちの魂は欲望神が保護してくれているから、父様の欲望そのまま叶えてくれるんじゃないかな?”
“頑張れ母様。だね”
“そうだね。早くまた会いたいなぁ”
“ふふもうちょっとだよ”
“そうだね、もちょっとだね”
“おやすみレイト。またね”
“おやすみミンタム。またね”
“”おやすみなさい“”




 ?おかしい。いつもなら歩いて半刻も立たずに神殿に辿り着ける筈なのに一向に神殿の姿が確認出来ない。

 舌打ちしながら前回リー達と神殿に向かった道順を進む。道は悪く何度も転けそうになるのを堪える。
 獣が襲ってきた時の事を考えていたが、襲われることは無かった。

 崖を登る時に苦労したが、その先にある建屋で落ち着き、リーの身体についた汚れを払い拭った。
 その晩ベッドでリーを抱きしめ眠りについた。


 私は気づかなかったが、深い眠りについた後淡い光が私とリーを包み込みそのまま消えていった。その後私とリーの左手首にキキョウの花が薄く刻まれていた。
 今生その事に私が気付くことは無かった。


 眠りから覚め身支度を整え何か口に入れようと思えば、テーブルに料理が並んでいた。
 ありがたく頂き片付けをしてから神殿に向かう。
 冷たくなっているリーの身体にしがみつくように抱き抱え建屋を後にした。

 それから数日掛かって神殿に辿り着く。そのまま神殿内に入ろうとすれば弾かれた。
 
 そんな事いままでに一度としてなかったので驚きそして困惑した。

「女神の怒りを買ってしまった?」

 誰に言うでも無く口から出た。リーがこのままであるのなら私が生きている意味が無い。リーが生きているからこそ私は頑張れるし、人として存在出来る。

 もう一度神殿に入ろうと試みる。リーが傷つかないように自分の手を前にかざして。
 すると今回は何の障害もなく神殿内に入り込むことが出来た。

 そのまま祭壇まで行こうと歩を進めれば、途中で父によく似た人と出会った。

「一つ君に確認しても良いかな?君が抱いている子は君にとっての何?」

「リーは私の全てです」

「クックック、ブレないね。流石僕の魂の一部を持っているだけはある。
良いよ、今回は時を戻してあげる。でもその子の記憶だけは消すよ。
その子もう、現実と夢との境目が無くなってきていてね?これ以上は魂自体が消えそうなんだ。だから頑張ってもう一回この子の心を掴んでね。そして子供が出来たらもう一回来ると良い。祝福してあげるよ」

「?貴方はこの神殿の神ではないでしょう?そんな事をしても良いのですか?」

「ええ、問題ありませんよ。僕の神殿は破壊されていますし、彼女の傍の方が僕も退屈しなくて済むのでね。
 ああ、もう奥には行かなくてもいい。危ないからね。
 じゃあ今度こそ楽しく最期まで生きれる人生を送るといい。報告楽しみにしているよ」

 彼がそう言い終わると空間が歪み視界も歪んだ。
 抱いていたはずのリーの重みも消え私の意識も無くなっていった。



「やれやれ、手間の掛かる子たちだ。私がこの姿で現れた意味を理解してくれていると良いのだが・・・」
 
 てを握り開くと、そこには綺麗な光のたまが二つ寄り添いあっていた。

「早くこの子達の入る器を作ってあげてくださいね。可愛い私と女神の分身達」

 彼がもう一度手を握るとその光は消えて無くなった。

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