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廻る時
五十三
しおりを挟むふわふわする感じがして目を開けるのが怖かった。これ以上失うものなど何もない。後はそう、自分の生命くらいだった。
私を狙う者はそれが狙いだったのだろうか?何故狙われるのかも分からない。
このまま静かに眠り続けたい
私を呼ぶ声が遠くで聞こえてくる。もう誰も私を呼ばないで欲しい、私は、私はもうこのまま・・・・・
ズシリと重い何かが私の身体の上に置かれた。それも二つ。
身をよじろうにも身体が動かない。段々息苦しくなって来た時、乳首を吸われる感覚に襲われる。そして思いっきり噛まれた。
あまりの痛さに顔を顰め胸を抱こうとすれば暖かい塊が二つ。
?ふにゅっと柔らかい感覚に堪らずムニムニしていれば、また乳首を噛まれた。
「痛いーーー」
あまりの痛さに声が出た。涙ながらに重い瞼を持ち上げれば二つの塊。
触ると柔らかくとても気持ちの良い触り心地。思わず顔がにやけてくるが構わず触り続ける事数分。再度噛まれた。
引き剥がそうにも噛んでいて離れず、引っ張ると余計に私が痛い。どうにかしようと色々考えるも涙しか出てこない。本当に痛い。
クスクスと笑い声を耳が拾いそちらを見ればソーシアルが面白そうに椅子に腰掛け笑っている。
思わず睨みつければ優しく頭を撫でられる。気持ちよさそうな顔をしていたのか、額に口付けられた。
「目を覚ましてくれて良かった。気分はどうです?産後にショックな出来事もあったから精神的に参って10日ほど寝てたんですよ?」
・・・・えっ?何それ聞いてない。て言うかじゃあ私の身体の上に乗ってる二つの塊はもしかしなくとも子供たち?
「二人ともお母様の身体の上から降りましょうね。取り敢えず食べて体力つけてもらわないとあなた達と遊ぶ事もままなりませんからね」
そう言ってソーシアルが子供たちを一人づつ私の身体から引き剥がした。
その際子供と目が合う。一番初めに産んだ時と同じ瞳の色。
もしかしてと、もう一人が引き剥がされた時に瞳の色を確認すると同じく初めに産んだ時と同じ瞳の色をしていた。
綺麗で男女の双子だからか、瞳の色は同じ、ただ二人ともオッドアイで左右対称になっていた。
見分けがつかない時があると言われた事があるがそんなことはない。
確かに顔はそっくりだが、瞳が左右で反対だからすぐに分かる。まあ、たまにどんな技を使ったのか騙される事もあったが・・・良い思い出である。今回もそんな事があるのだろうか?
ボーッと離されていく二人を見てそんな風に思った。
不意に大きな手が私の目を隠した。そのまま、少しだけベッドから起き上がっていた身体はあっさりベッドに逆戻り。
ぽふんと身体がベッドに沈むと同時に口付けられた。
押しのけるまもなくのし掛かられる、そして口付けは深くなる。
息ができないほどではないが、少し苦しい。ソーシアルの胸を押すと彼は離れてくれた。
そして彼は笑顔で私の頭を撫でた。それは壊れ物に触れるように優しくゆっくりと。
その暖かさに私の心は満たされ再度夢の中に堕ちていった。
これは本当に夢なのだとそう告げられた気がした
心が悲鳴を上げている。なぜ私だけが・・・
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