うり坊すごろく記 ~もふもふは非常食要員なんじゃないかと最近うたがってます~

青山零

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悪役を演じて見せよ!

赤の招待状

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「今日の魔法授業は音楽祭の招待状を書いてもらおうかのう。祭りじゃしなー、血わき踊る赤い紙がええじゃろ。ふぉーっふぉっふぉっぐぇふげふげふげふげふ」
 もっと音楽祭って格式高いものだと思っていたが、割と庶民向けなのか。お手伝いのヤト信者こと白岩先生が赤い紙を配っている。ヤト先生は高笑いしつつ、今日の授業の主旨を説明してくれた。途中、むせてしまって、苦しそう。高笑いするときはお腹からだそう!
 
 エリヤが手を挙げて、進言した。
「お言葉ですが、おじい様。音楽祭は3年に一度の国を挙げての大きな催しとなっております。とらえ方によっては、絶縁を意味する赤い紙は不適切かと」
「げふげふ…はー。ぬー、もう用意しちゃったぞ。…祝福を意味することもあるじゃろ…げふげふ…ええい、このままでよかろう…。赤の招待状、かっこよすぎじゃろ!」
 先ほどむせてしまったヤト先生はまだちょっとそれが尾を引いている。近くにいる白岩先生がお水を差し出している。ヤト信者は付き人にでもなったのかな。対して、かしずかれ慣れているヤト先生は気にしていないが、生徒はちょっぴり動揺している。
「ふむ! 文句がでてきたら、学園長になんとかしてもらおう。書いたら教壇の上の箱に提出するんじゃぞ、白岩先生がまとめてポストに出しといてくれるから」

 そんなこんなで赤い紙で招待状を書くことになった。ソラは家族と課外授業で知り合った妖怪たちに送ることにした。魔法の授業で手紙を書くので、皆各々、個性を出して招待状を作っている。
 文字を音声で読み上げる魔法や折った形の動きをする魔法など付与してから、便箋に入れる。受け取った相手が封を開けたら魔法が発動する仕組みとなっている。

 ソラは両親には猪型、兄にはライオン型に手紙を折って送ることにした。猪型は便箋を開けた途端に走り出し、ライオン型はえる仕草をする予定だ。2枚の紙を重ねて、頭と胴体をくっつけている手紙だ。

「ぬー、そうじゃ、わし、音楽祭のこと詳しくは知らんのじゃ。エリヤ、説明を頼む」
「あっ、はい、先ほどお伝えした通り、音楽祭は3年に一度の国を挙げての大きな催しとなっております。まず、大物歌手をゲストとして呼び出して、国歌を歌ってもらいます。それから、午前の部は、それぞれクラス毎に合唱コンクールを行います。その後、お昼は吹奏楽部や軽音楽部が銘々演奏します。午後の部は自由参加枠の生徒が歌ったり、演奏したりします。最後に、午前の部、午後の部、それぞれの優秀者の発表を行い、立食式の祝賀会が開かれます」
 3年に一度で、大物歌手を呼び出すあたり、かなり本格的である。そんな中、素人のソラは自由参加枠に参加しても大丈夫か不安になった。道理で、自由参加枠の仲間を募集しても誰も食いついてくれなかったわけだ。梅組3人組は弟分を思って手を挙げてくれたわけで、本来は参加する気は微塵もなかった。

「ふむ、なるほど、つまらんのう。祭りというから、わっしょいわっしょい神輿を担いだり、花火をぽんぽんあげたりするのかと思っておったぞ。つまらんのう…。こうなったら体育祭を…今からなら間に合うぞい! ちょっとわし、用事で来たんで後は頼んだぞ、エリヤちゃん」
 そういうと、ヤト先生はそそくさといなくなってしまった。音楽祭だけではなく、体育祭も何だか大きなイベントになりそうな予感だ。最後、ジジ馬鹿の片鱗が見えたが、誰も突っ込めぬまま、ヤト先生は去っていった。
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