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①〈フラップ編〉
8『炎の思い出は、心に焼きついて消えないもの』
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ラボのネズミたちから話を聞くかぎり、
しろさんは、本当にすごいネズミのようでした。
生まれた時から、人間よりも何倍もの早さで脳が成長しているのだとか。
そのせいで、ああして年齢を重ねていないうちから、
人間ですらいまだ解明していない世の不思議現象を解析しては、
自分の研究に応用して、数々の発明品を作り上げているというのです。
「フレデリック博士は、われわれネズミの誇りですとも!」
「研究に手をつくすばかりでなく、われわれ助手どものことも、
常に気にかけてくださるんです」
「おかげさまで、美味しいチーズにもご馳走にあずかれるので!」
レンは熱心なネズミ助手たちの話を聞きながら、
フラップとしろさんがラボの中にある多目的ルームの一室で
丸い的とむかい合っているのを、部屋の外から見ていました。
ラボドアは、レンの部屋の本棚、一番下の段の、本と本のすき間に移されました。
今日に至るまでの二日間、フラップはラボの中で、
幾度にわたって検査を受け続けていたのです。
その間レンは、フラップに会えない時間が続いたわけですが。
(結局、こういうことになるんだよなあ……)
しろさんにフラップを独占されたようで、レンはいい気はしなかったのですが、
今日ようやく、またフラップとお目にかかれたわけです。
「――検査の結果、フラップ様には、
火を吹く能力が備わっていることが分かったのです」
助手のひとりが言いました。
「じゃあ、今から行われるのは、その火吹き能力の記録なんだね?」
「その通りでございます。ただ、検査を受けたフラップ様は、
なんだか少し気分が悪そうにこうおっしゃっていました。
できれば知られないままがよかった、とか」
細かい事情は分かりませんが、火吹きについては、レンはすでに知っていました。
はじめてあった日、フラップにわが家のカレーをご馳走した時のこと。
フラップは辛さのあまり、部屋の中で烈火のごとく火を吹きました。
思えばあの時、火事にならなかったのが幸いです。
「これ、フラップよ。早く火を吹いてみせてくれんか」
「あのう、ですからぼく……」
何やら部屋の中では、フラップがもたついているようでした。
何度指示されても、いっこうに火を吹こうとしないのです。
フラップは手と手を組んで、もじもじとしていました。
部屋には無数のカメラが設置されていて、
フラップが口から見事な炎を吹く瞬間を、今か今かと待っているのに。
「何度も、言ってるじゃないですか。ぼくは、火が吹けないんです」
「そんなはずなかろう。検査上、おぬしの体は何も異常はなかったんじゃ。
まあ、あくまで検査上じゃがのう。だからほれ、早く披露してみい」
最初はおだやかだったしろさんも、だんだんとイライラがつのって、
少し強引な物言いになっていました。
「じゃあ、い、いきますよ……?」
フラップは自信なさげに、渋々と火吹きの構えを取りました。
両脚を開いてどっしりと床に立ち、両手に力をこめ、その口から赤い炎を――。
ポッ。
「えっ? 黒い……煙?」
レンは目を疑いました。フラップの口から出てきたのは、
燃えさかる炎でも、ましてや赤いものでもありませんでした。
フラップは、調子でも悪いのでしょうか。
何度も何度も、同じように吹こうとしても、飛びだすのは小さな黒煙。
フラップは突然、部屋の片隅かたすみへ逃げ出し、
恥らい悲しむように両手で顔をおおいながら、情けない声で言いました。
「だからぼく、人前で火を吹きたくなかったんです……。
生まれ持った能力のはずなのに、吹けない……。
スクールから下界落としを食らった理由なんですよう、これが……」
*
その後レンは、自分の部屋の机で、算数の宿題とにらんでいました。
フラップの炎について、いまだに納得がいかなくて、手がつけられないです。
あの日、ぼくはたしかに見たはずなんだ。
フラップが火を吹くさまを。あの焦げつきそうな真っ赤な火の熱さを。
それともあれは、ぼくが無意識のうちに思い描いた幻にすぎなかったのか――。
「お、学校の宿題か。はかどっておるかの?」
確信と疑心の間を右往左往していると、
開いたノートのそば、赤い筆箱の上に、しろさんが現れました。
「わっ、いつの間にそこに?」
「さすらいネズミは神出鬼没なのじゃ!
――ところで、フラップが言っていたことは本当なのか?
おぬしは、あいつが火を吹くところを見たと言うが」
「たしかに見たはずなんだ。でも、フラップは吹いた覚えはないって言ってる」
「話がおかしくないか? 火を吹くなんて芸当、
よほどのことがないかぎり、自覚できないわけがないのじゃが」
「たぶん、あの時は、はじめて食べるカレーの美味しさにびっくりしてたから。
口から熱い火を吹いたことなんて、気にするどころじゃなかったんだ」
レンは、何とはなくひとさし指の上でくるくると鉛筆を回しました。
「フラップ、今何してる?」
「ラボにこもって、けん命に火吹きの特訓なんぞこころみておるわ。
もう夜の八時じゃ。あれから四時間も経っておるぞ。休めばよいものを。
――休むといえばレンよ、フラップはいつもどうやって寝ておるのじゃ?
やはり、犬のように体をふせて眠るのか?」
「え……ナンデそんなことを聞くの?」
「いやあ、あいつ、検査の間はイスに座ったまま眠ってもらってたんじゃ。
その方が、はじめての検査も効率よく行えるからのう。
じゃから、ふと気になった。ドラギィの寝る時の習性についてな」
「……はじめてあった日、昼間は普通に丸まって寝てたけど、夜は別だったよ。
『何か、やわらかくて抱きしめられるもの、ありませんか』って。
聞けばさ、ドラギィは夜になると、何かを抱いて眠るんだって」
「ほほう! それで?」
「ぼく、そういうものはあまり手元になかったから、ちょっと困ったよ。
で、去年、雑貨屋で友達とおそろいで買った、
火の玉坊主のぬいぐるみストラップがあったから、それ貸そうとしたんだ。
そしたらフラップったら、嫌な顔して『それじゃないのがいいです』って」
「なーんじゃ、あいつ。お子様なうえに、駄々っ子だったとはのう!」
そう言ってしろさんが、くっくっくっと、いやらしい笑みをこぼした時でした。
「しょうがないじゃないですか。ぼく、火が嫌いなんですから……」
本棚のラボドアから、フラップがげっそりとした表情で出てきたのです。
「おぬし、練習はもうよいのか?」
「ええ……。体を思いっきり力ませたり、宙がえりしながら吹いたり、
吹く前に地団駄してみたり……いろいろ試してみました。
けど、結局どれもうまくいかなくて……」
フラップは、この世の終わりのような顔をしながら、
レンの机の上まで飛んでくると、机の上でぺたんと沈むように座りこみ、
天井をまっすぐ見上げて、物思いにふけるように語りはじめました。
「……ぼく、自分でも火を吹くのは、好きじゃないんですよ。
好きじゃないどころか、恐ろしい思い出すらありましてね。
ぼく、小さい頃は、ちゃんと火が吹けたんですけど、
その頃はまだ、火加減の調節がしっかりできてなくて。
ある日、友達の家でうっかり強火を吹いて、その家を燃やしてしまって……」
「げっ、そんなの初耳だってば!」レンは目を丸くしました。
「幸い、近くに火を消してくれる仲間がいましたから、
なんとか火は、消し止められましたけども……。あの日見た、自分の炎が、
ぐすん、友達の家を、ひっく、呑みこんでいく様が……」
フラップは目に涙をため、むせび泣きました。
レンもしろさんも、感傷的な気分がつのって、胸がつまりそうでした。
「……トラウマ、じゃな」しろさんはつぶやくように言いました。
「きっと、こっぴどく叱られたことじゃろう。
何度も後悔と自責の念におそわれたことじゃろう。
しかし、その炎の思い出を克服しないことには、
おぬしは再び自由に火を吹くことも、故郷に帰る夢もかなわぬぞ?」
「分かってます。ぐすん、分かってるんですけどねぇ……。
なんでこんな、火吹きが……卒業課題に、入ってたのかなぁ……」
両手で顔をおおうフラップを見て、レンは居ても立ってもいられず、
おもむろに席を立ちあがりました。
「しろさん、今はそっとしといてあげようよ。
ぼく、台所から何か食べるもの持ってくるね。
お店の売れ残りのカレーがあったはず。それを食べれば、また元気になるって」
しろさんは、本当にすごいネズミのようでした。
生まれた時から、人間よりも何倍もの早さで脳が成長しているのだとか。
そのせいで、ああして年齢を重ねていないうちから、
人間ですらいまだ解明していない世の不思議現象を解析しては、
自分の研究に応用して、数々の発明品を作り上げているというのです。
「フレデリック博士は、われわれネズミの誇りですとも!」
「研究に手をつくすばかりでなく、われわれ助手どものことも、
常に気にかけてくださるんです」
「おかげさまで、美味しいチーズにもご馳走にあずかれるので!」
レンは熱心なネズミ助手たちの話を聞きながら、
フラップとしろさんがラボの中にある多目的ルームの一室で
丸い的とむかい合っているのを、部屋の外から見ていました。
ラボドアは、レンの部屋の本棚、一番下の段の、本と本のすき間に移されました。
今日に至るまでの二日間、フラップはラボの中で、
幾度にわたって検査を受け続けていたのです。
その間レンは、フラップに会えない時間が続いたわけですが。
(結局、こういうことになるんだよなあ……)
しろさんにフラップを独占されたようで、レンはいい気はしなかったのですが、
今日ようやく、またフラップとお目にかかれたわけです。
「――検査の結果、フラップ様には、
火を吹く能力が備わっていることが分かったのです」
助手のひとりが言いました。
「じゃあ、今から行われるのは、その火吹き能力の記録なんだね?」
「その通りでございます。ただ、検査を受けたフラップ様は、
なんだか少し気分が悪そうにこうおっしゃっていました。
できれば知られないままがよかった、とか」
細かい事情は分かりませんが、火吹きについては、レンはすでに知っていました。
はじめてあった日、フラップにわが家のカレーをご馳走した時のこと。
フラップは辛さのあまり、部屋の中で烈火のごとく火を吹きました。
思えばあの時、火事にならなかったのが幸いです。
「これ、フラップよ。早く火を吹いてみせてくれんか」
「あのう、ですからぼく……」
何やら部屋の中では、フラップがもたついているようでした。
何度指示されても、いっこうに火を吹こうとしないのです。
フラップは手と手を組んで、もじもじとしていました。
部屋には無数のカメラが設置されていて、
フラップが口から見事な炎を吹く瞬間を、今か今かと待っているのに。
「何度も、言ってるじゃないですか。ぼくは、火が吹けないんです」
「そんなはずなかろう。検査上、おぬしの体は何も異常はなかったんじゃ。
まあ、あくまで検査上じゃがのう。だからほれ、早く披露してみい」
最初はおだやかだったしろさんも、だんだんとイライラがつのって、
少し強引な物言いになっていました。
「じゃあ、い、いきますよ……?」
フラップは自信なさげに、渋々と火吹きの構えを取りました。
両脚を開いてどっしりと床に立ち、両手に力をこめ、その口から赤い炎を――。
ポッ。
「えっ? 黒い……煙?」
レンは目を疑いました。フラップの口から出てきたのは、
燃えさかる炎でも、ましてや赤いものでもありませんでした。
フラップは、調子でも悪いのでしょうか。
何度も何度も、同じように吹こうとしても、飛びだすのは小さな黒煙。
フラップは突然、部屋の片隅かたすみへ逃げ出し、
恥らい悲しむように両手で顔をおおいながら、情けない声で言いました。
「だからぼく、人前で火を吹きたくなかったんです……。
生まれ持った能力のはずなのに、吹けない……。
スクールから下界落としを食らった理由なんですよう、これが……」
*
その後レンは、自分の部屋の机で、算数の宿題とにらんでいました。
フラップの炎について、いまだに納得がいかなくて、手がつけられないです。
あの日、ぼくはたしかに見たはずなんだ。
フラップが火を吹くさまを。あの焦げつきそうな真っ赤な火の熱さを。
それともあれは、ぼくが無意識のうちに思い描いた幻にすぎなかったのか――。
「お、学校の宿題か。はかどっておるかの?」
確信と疑心の間を右往左往していると、
開いたノートのそば、赤い筆箱の上に、しろさんが現れました。
「わっ、いつの間にそこに?」
「さすらいネズミは神出鬼没なのじゃ!
――ところで、フラップが言っていたことは本当なのか?
おぬしは、あいつが火を吹くところを見たと言うが」
「たしかに見たはずなんだ。でも、フラップは吹いた覚えはないって言ってる」
「話がおかしくないか? 火を吹くなんて芸当、
よほどのことがないかぎり、自覚できないわけがないのじゃが」
「たぶん、あの時は、はじめて食べるカレーの美味しさにびっくりしてたから。
口から熱い火を吹いたことなんて、気にするどころじゃなかったんだ」
レンは、何とはなくひとさし指の上でくるくると鉛筆を回しました。
「フラップ、今何してる?」
「ラボにこもって、けん命に火吹きの特訓なんぞこころみておるわ。
もう夜の八時じゃ。あれから四時間も経っておるぞ。休めばよいものを。
――休むといえばレンよ、フラップはいつもどうやって寝ておるのじゃ?
やはり、犬のように体をふせて眠るのか?」
「え……ナンデそんなことを聞くの?」
「いやあ、あいつ、検査の間はイスに座ったまま眠ってもらってたんじゃ。
その方が、はじめての検査も効率よく行えるからのう。
じゃから、ふと気になった。ドラギィの寝る時の習性についてな」
「……はじめてあった日、昼間は普通に丸まって寝てたけど、夜は別だったよ。
『何か、やわらかくて抱きしめられるもの、ありませんか』って。
聞けばさ、ドラギィは夜になると、何かを抱いて眠るんだって」
「ほほう! それで?」
「ぼく、そういうものはあまり手元になかったから、ちょっと困ったよ。
で、去年、雑貨屋で友達とおそろいで買った、
火の玉坊主のぬいぐるみストラップがあったから、それ貸そうとしたんだ。
そしたらフラップったら、嫌な顔して『それじゃないのがいいです』って」
「なーんじゃ、あいつ。お子様なうえに、駄々っ子だったとはのう!」
そう言ってしろさんが、くっくっくっと、いやらしい笑みをこぼした時でした。
「しょうがないじゃないですか。ぼく、火が嫌いなんですから……」
本棚のラボドアから、フラップがげっそりとした表情で出てきたのです。
「おぬし、練習はもうよいのか?」
「ええ……。体を思いっきり力ませたり、宙がえりしながら吹いたり、
吹く前に地団駄してみたり……いろいろ試してみました。
けど、結局どれもうまくいかなくて……」
フラップは、この世の終わりのような顔をしながら、
レンの机の上まで飛んでくると、机の上でぺたんと沈むように座りこみ、
天井をまっすぐ見上げて、物思いにふけるように語りはじめました。
「……ぼく、自分でも火を吹くのは、好きじゃないんですよ。
好きじゃないどころか、恐ろしい思い出すらありましてね。
ぼく、小さい頃は、ちゃんと火が吹けたんですけど、
その頃はまだ、火加減の調節がしっかりできてなくて。
ある日、友達の家でうっかり強火を吹いて、その家を燃やしてしまって……」
「げっ、そんなの初耳だってば!」レンは目を丸くしました。
「幸い、近くに火を消してくれる仲間がいましたから、
なんとか火は、消し止められましたけども……。あの日見た、自分の炎が、
ぐすん、友達の家を、ひっく、呑みこんでいく様が……」
フラップは目に涙をため、むせび泣きました。
レンもしろさんも、感傷的な気分がつのって、胸がつまりそうでした。
「……トラウマ、じゃな」しろさんはつぶやくように言いました。
「きっと、こっぴどく叱られたことじゃろう。
何度も後悔と自責の念におそわれたことじゃろう。
しかし、その炎の思い出を克服しないことには、
おぬしは再び自由に火を吹くことも、故郷に帰る夢もかなわぬぞ?」
「分かってます。ぐすん、分かってるんですけどねぇ……。
なんでこんな、火吹きが……卒業課題に、入ってたのかなぁ……」
両手で顔をおおうフラップを見て、レンは居ても立ってもいられず、
おもむろに席を立ちあがりました。
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