俺の隣にいるのはキミがいい

空乃 ひかげ

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第二章

公園と駄菓子

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蝉の声が鳴き止まない真夏の午前。
公園の日陰のベンチに、5人分の影が並んで揺れていた。

「はー、あっつぅ……!」
蛍が手をぱたぱたと仰ぎながら、勢いよくジュースを飲む。
「だから言ったろ、10時集合は早いって」
隣に座る瑠夏が、額の汗を拭いながら文句を言う。

「でも昼前に行っとかないと、駄菓子屋のおばちゃん昼寝入るんだよ」
私は笑いながら答えると、天音が頷いた。
「それなら仕方ないな。
夕方は閉まってたりするしね」
「んじゃ、早速行きますか。
こうして座ってても暑いだけだしな」
悠理がベンチから立ち上がって苦笑する。

みんなで並んで歩く道は、夏特有のスッキリとした風が通り抜けて、遠くの電線が揺れていた。

駄菓子屋に着くと、私は懐かしそうに声を弾ませながら商品を見た。
「わぁ、ほとんど変わってないね!
ほら、まだ瓶ラムネもあるよ!」
「おー、マジか。
これ懐かしいな」

瑠夏が懐かしさにテンションを上げ、
それに続く様に蛍が
「ちょっとこれ!
チョコ棒あるじゃん!」
と棚を指差す。
悠理と天音は少し離れたところで、落ち着いた様子でお菓子を選びながらこちらを見て、小さく微笑んでいた。

「ひなた達、子供みたいだな」
「子供みたいっていうか、もう子供そのものだよね」
2人で顔を見合わせて笑っている姿が見えた。

それからしばらくして、それぞれが思い思い買った駄菓子が入ったビニール袋を手に、公園に戻ってくる。

「じゃあ、駄菓子みんなでシェアしよ!」
「「「「おー!」」」」

木陰のでかいテーブル付きベンチにみんなで座って、袋の中身を上に広げる。
「じゃーん!
私は並んでたうまい棒全種類買ってみましたー!」
「多すぎだろ……」
瑠夏が苦笑しながらも手を伸ばす。
「俺はこれ。
ベビースターとタラタラしてんじゃねーよ」

「名前のクセ強いなぁ」
蛍が笑って突っ込みを入れる。
私の前の席に座っている天音は、静かにテーブルの上に小袋のラムネ菓子を出して並べながら
「俺、これ好きなんだ。
昔から試合前に必ず食べてる」
1つ袋を取って、微笑みながらラムネを見つめていた。

「え、ルーティーンなの?」
私は少し意外かも…なんて思いながら、目を丸くする。
「うん。
……甘い物食べると、少し落ち着くんだよ」
「可愛いこと言うねぇ~天音!」
蛍がニヤニヤしながら肩を小突き、天音は少し照れながら苦笑していた。

その様子を悠理が見ていて、ふっと笑う。
「やっぱこのメンバー落ち着くな」
ボソリと呟くその言葉を、私は聞き逃さなかった。

「…だね。
なんか、すごく青春してるなぁって感じがする」
そう言って空を見上げると、眩しい太陽が木々の間からこぼれていた。

――少し汗ばんだ風の中、5人の笑い声が公園に響いていた…。
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