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秘密
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「あそこです!」
おおよそ半日ほど森の中を、そうやって馬車でゆれらていると、急にユールが大きな声を上げた。
ユールが指さした先には、煌々と光り輝く光の網。
大聖女が紡いだという、大結界だ。
結界には大きな穴が開いており、群がるように神殿の神官や巫女たちが、必死でその聖力を注ぎ込んで修復を試みている。その周りには幾重にも騎士達が守りを固めて、結界の穴を通ってきた魔獣を始末している。
あたりに光りを放つ聖力の輝きは、うずたかく積まれた魔獣の死骸に照り、凄惨な場面だ。
中型以下の魔物はこの結界の網目を通り抜ける事ができるが、その代わりに大型の魔獣や強い魔力を持つ魔物は、魔の森からこちらに出てくる事はできない。だが、結界に穴が開けばその限りではない。綻んだ穴から外に出ようと、穴の向こうに無数の大型魔獣が群れを成している。
「状況は!!」
(ひ・・・怖い)
荒々しいヴァルクの声が馬車の外から響いた。ヴァルクの辺境伯としての顔だ。
ドルマは怯えて体を震わせて、マティアスのローブの中に胸を埋めた。
ヴァルク声に振り返って、その姿に心底驚いたという顔をして、大神官の真紅のローブを纏った男が反応した。
「おおお、お館様! どうやって塔から???」
「話は後だ、誰か説明しろ!」
「は、はい、大型が二体穴から逃げ出しました。一体は第一騎士団が仕留めました。二体目はウルド魔法伯が封印しましたが、負傷者が多数です! 今神殿が総力を上げて穴を塞いでいますが、何せ数ではこちらが劣っています!ここを突き破られるのは時間の問題です!」
大神官の後ろの、若い神官が、手のひらを穴にかざしながら苦しそうにそう叫んだ。
穴からは魔獣の前足が出てきて、この若い神官のローブを掴んでいる。
ひらりと下馬したヴァルクは、穴まで走りゆき、穴から出ていた若い神官のローブを掴んだ魔獣の前足を一刀両断にして、大きな声で叫んだ。
「ドルマをここに!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レナは、ヴァルクの号令に馬を走らせると、穴を囲む大勢の神官や兵に指示を出した。
「みんな、皆は今すぐ後ろをむいて、ここから下がっていて!! 視界から外れて!! ドルマが怖がるのよ!!」
「レナ様、一体・・? ご覧の通り、手を離したら一気に大型魔獣が穴を通ります!」
「私とユールがしばらくは二人でここを押さえるから、そこを早くどいて、森に隠れて伏せていて!」
そしてレナがユールは目を見合わせて、全魔力の最大値を、穴に向かって放出した。
この威力であれは、半刻程であれば二人だけで持ちこたえる事ができるだろう。
「早くしなさい!!」
レナの切羽詰まった怒号に神官や兵達は、くるりと背を向けて森に走った。
「レナ様、ご武運を・・引け!みな、後ろを向け!」
「レナ! よくやった、外に出た個体はわれらに任せておけ! 二人は穴に、穴に集中せよ!!」
カイルとヴァルクが剣を構え、穴の周りを守る。だがそれでもドルマが怯えてはと、二人の戦士は深くフードをかぶった。
「・・ドルマ。さあ、お前の知らない人はここには誰もいない。ここにいるのは皆、君の味方で、君の友達ばかりだ。さあ怖くないか、行けそうか」
マティアスは、そっとマティアスの胸の中で震えているドルマに声を掛けた。
ドルマは震えながらも、小さく首を縦に振って、言った。
「マティアス様・・やっぱり怖いです。一人では・・でも」
ドルマは意を決した様に、マティアスに言った。
「マティアス様が一緒なら、大丈夫です。穴まで連れていって、下さいませんか」
マティアスは、ゆっくりと口角を上げて、そっとドルマを抱えると、言った。
「ドルマ、もちろんだ。可愛い恋人からのお願いは嬉しいな」
マティアスはドルマをローブの中に抱え込むと、震えるその頭に優しい口づけを落とし、そのままドルマを抱いて馬車の外にゆっくりと出た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ビシビシ!と穴の亀裂から大きな電気の音がする。
ユールとレナが、その全魔力の最大値で穴からせり出て来ようとする魔物と力比べをしているのだ。
「姉上!ダイエットのし過ぎで力が落ちてるんじゃないですか、もうちょっと出力あげてください!!」
「うるさいわね、ユール!あんたこそ無駄が多いのよ!質の悪い魔力放出してんじゃないわよ!」
「マティアス様、早く!」
ぎゃあぎゃあと悪態をつきながら、できるだけドルマを怯えさせまいとたった二人でこの穴を引き受けた二人は、だがやはり力に限りがある。早くしないと二人の力だけでは押し負けてしまう。
「ああ、二人ともありがとう!!・・さあドルマ、ここだ。大丈夫・・かい?」
マティアスは、ゆっくりと胸からドルマを下ろし、そっと大切そうに穴の前に立たせた。
穴から出て来ようとしていた大型魔獣が、ドルマの姿を見て怯んで、一斉に穴からあとずさりをした。
(本当に、ドルマを見て怯えているわ・・)
己の魔力を押し返してくる、魔獣の力が弱まったのを感じたレナは、ユールと顔を見合わせた。
ドルマはマティアスに一つうなずくと、ゆっくりとした足取りで穴まで近づいていった。
マティアスは、先ほどまで己の胸の中で震えていた可愛い恋人が、大型魔獣の群れを前に全く怯える事もなく、ただ次になにをすべきかを知っているような、堂々とした足取りであった事に驚きを隠せない。
騎士でも恐れて足がすくむほどの大型魔獣だ。
ドルマはフードで顔を隠す事すら、忘れている様子で、その少し童顔のあどけない顔で、じっと大結界に空いた穴を見上げていた。
穴はおおよそドルマの身長の半分くらいの大きさに傷口のように開いている。
ドルマがそっと穴に触れると、穴の一番前で、鋭い爪を立ててグルグルと威嚇していたのヒョウ型の魔獣が、クウン、クウンと情けない鳴き声を上げて、穴から立ち去った。
(一体何が起ころうとしているの)
レナは己の額から脂汗が流れてくるのを感じた。
ドルマは、何も言わずにただゆっくりと穴にふれて、心の中でつぶやいた。
(この穴は、つながりたいと願っているのね。離してしまったその手が、お互いを求めているのね・・だったら私が繋いであげる、私がもう一度、一緒にしてあげるわ)
そして、結界の穴の両端の光をそっと手にとって、まるで綻んだ布を繕うように、ゆっくり、ゆっくり、黒い穴を光で紡いでいった。
おおよそ半日ほど森の中を、そうやって馬車でゆれらていると、急にユールが大きな声を上げた。
ユールが指さした先には、煌々と光り輝く光の網。
大聖女が紡いだという、大結界だ。
結界には大きな穴が開いており、群がるように神殿の神官や巫女たちが、必死でその聖力を注ぎ込んで修復を試みている。その周りには幾重にも騎士達が守りを固めて、結界の穴を通ってきた魔獣を始末している。
あたりに光りを放つ聖力の輝きは、うずたかく積まれた魔獣の死骸に照り、凄惨な場面だ。
中型以下の魔物はこの結界の網目を通り抜ける事ができるが、その代わりに大型の魔獣や強い魔力を持つ魔物は、魔の森からこちらに出てくる事はできない。だが、結界に穴が開けばその限りではない。綻んだ穴から外に出ようと、穴の向こうに無数の大型魔獣が群れを成している。
「状況は!!」
(ひ・・・怖い)
荒々しいヴァルクの声が馬車の外から響いた。ヴァルクの辺境伯としての顔だ。
ドルマは怯えて体を震わせて、マティアスのローブの中に胸を埋めた。
ヴァルク声に振り返って、その姿に心底驚いたという顔をして、大神官の真紅のローブを纏った男が反応した。
「おおお、お館様! どうやって塔から???」
「話は後だ、誰か説明しろ!」
「は、はい、大型が二体穴から逃げ出しました。一体は第一騎士団が仕留めました。二体目はウルド魔法伯が封印しましたが、負傷者が多数です! 今神殿が総力を上げて穴を塞いでいますが、何せ数ではこちらが劣っています!ここを突き破られるのは時間の問題です!」
大神官の後ろの、若い神官が、手のひらを穴にかざしながら苦しそうにそう叫んだ。
穴からは魔獣の前足が出てきて、この若い神官のローブを掴んでいる。
ひらりと下馬したヴァルクは、穴まで走りゆき、穴から出ていた若い神官のローブを掴んだ魔獣の前足を一刀両断にして、大きな声で叫んだ。
「ドルマをここに!!!」
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レナは、ヴァルクの号令に馬を走らせると、穴を囲む大勢の神官や兵に指示を出した。
「みんな、皆は今すぐ後ろをむいて、ここから下がっていて!! 視界から外れて!! ドルマが怖がるのよ!!」
「レナ様、一体・・? ご覧の通り、手を離したら一気に大型魔獣が穴を通ります!」
「私とユールがしばらくは二人でここを押さえるから、そこを早くどいて、森に隠れて伏せていて!」
そしてレナがユールは目を見合わせて、全魔力の最大値を、穴に向かって放出した。
この威力であれは、半刻程であれば二人だけで持ちこたえる事ができるだろう。
「早くしなさい!!」
レナの切羽詰まった怒号に神官や兵達は、くるりと背を向けて森に走った。
「レナ様、ご武運を・・引け!みな、後ろを向け!」
「レナ! よくやった、外に出た個体はわれらに任せておけ! 二人は穴に、穴に集中せよ!!」
カイルとヴァルクが剣を構え、穴の周りを守る。だがそれでもドルマが怯えてはと、二人の戦士は深くフードをかぶった。
「・・ドルマ。さあ、お前の知らない人はここには誰もいない。ここにいるのは皆、君の味方で、君の友達ばかりだ。さあ怖くないか、行けそうか」
マティアスは、そっとマティアスの胸の中で震えているドルマに声を掛けた。
ドルマは震えながらも、小さく首を縦に振って、言った。
「マティアス様・・やっぱり怖いです。一人では・・でも」
ドルマは意を決した様に、マティアスに言った。
「マティアス様が一緒なら、大丈夫です。穴まで連れていって、下さいませんか」
マティアスは、ゆっくりと口角を上げて、そっとドルマを抱えると、言った。
「ドルマ、もちろんだ。可愛い恋人からのお願いは嬉しいな」
マティアスはドルマをローブの中に抱え込むと、震えるその頭に優しい口づけを落とし、そのままドルマを抱いて馬車の外にゆっくりと出た。
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ビシビシ!と穴の亀裂から大きな電気の音がする。
ユールとレナが、その全魔力の最大値で穴からせり出て来ようとする魔物と力比べをしているのだ。
「姉上!ダイエットのし過ぎで力が落ちてるんじゃないですか、もうちょっと出力あげてください!!」
「うるさいわね、ユール!あんたこそ無駄が多いのよ!質の悪い魔力放出してんじゃないわよ!」
「マティアス様、早く!」
ぎゃあぎゃあと悪態をつきながら、できるだけドルマを怯えさせまいとたった二人でこの穴を引き受けた二人は、だがやはり力に限りがある。早くしないと二人の力だけでは押し負けてしまう。
「ああ、二人ともありがとう!!・・さあドルマ、ここだ。大丈夫・・かい?」
マティアスは、ゆっくりと胸からドルマを下ろし、そっと大切そうに穴の前に立たせた。
穴から出て来ようとしていた大型魔獣が、ドルマの姿を見て怯んで、一斉に穴からあとずさりをした。
(本当に、ドルマを見て怯えているわ・・)
己の魔力を押し返してくる、魔獣の力が弱まったのを感じたレナは、ユールと顔を見合わせた。
ドルマはマティアスに一つうなずくと、ゆっくりとした足取りで穴まで近づいていった。
マティアスは、先ほどまで己の胸の中で震えていた可愛い恋人が、大型魔獣の群れを前に全く怯える事もなく、ただ次になにをすべきかを知っているような、堂々とした足取りであった事に驚きを隠せない。
騎士でも恐れて足がすくむほどの大型魔獣だ。
ドルマはフードで顔を隠す事すら、忘れている様子で、その少し童顔のあどけない顔で、じっと大結界に空いた穴を見上げていた。
穴はおおよそドルマの身長の半分くらいの大きさに傷口のように開いている。
ドルマがそっと穴に触れると、穴の一番前で、鋭い爪を立ててグルグルと威嚇していたのヒョウ型の魔獣が、クウン、クウンと情けない鳴き声を上げて、穴から立ち去った。
(一体何が起ころうとしているの)
レナは己の額から脂汗が流れてくるのを感じた。
ドルマは、何も言わずにただゆっくりと穴にふれて、心の中でつぶやいた。
(この穴は、つながりたいと願っているのね。離してしまったその手が、お互いを求めているのね・・だったら私が繋いであげる、私がもう一度、一緒にしてあげるわ)
そして、結界の穴の両端の光をそっと手にとって、まるで綻んだ布を繕うように、ゆっくり、ゆっくり、黒い穴を光で紡いでいった。
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