異世界で王子様の代わりを務めるだけの簡単なお仕事です

豆野 豆助

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2:上手く立ち回るだけの簡単なお仕事です[3]

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※暴力表現を含みます※







「やめないよ。お前が僕の命令に逆らう限りは限りね」







「……誰が、お前なんかに……!!」





「強情だなぁ。泣かせるのが趣味なわけじゃないんだけれど」





「っ……!やめろ!!」





息が掛かるほどに距離を詰められたかと思えば、ルシウスはフォルティアの首筋を舐め、そのまま先程付けられた傷を舌が這う。痛みと、何より気持ち悪さに必死で逃げ出そうとするも、乗り掛かられた体勢で満足に抵抗できるはずもなく、楽しげな笑みを浮かべたルシウスに動きを封じられ、耳を甘噛みされる。





「ひっ……!!」





「ふふ、良い声だね」





「あっ……や、やめ……」





「大丈夫だよ。すぐに何も考えられなくなるくらい良くしてあげるから」





ルシウスはフォルティアの耳に舌を差し込み、音を立てながら執拗に責め立てる。





「ひゃっ……あぁっ……やぁっ!」





「可愛い。もっと聞かせて」





「んっ、やっ、やぁっ!」





「ふふ、良い子だね」





ルシウスは満足気に微笑むと、服を引き裂かれたせいで晒されている薄い腹部に刃を当てる。ひんやりとした感覚に恐怖で息が引き攣った。





「ひっ……や、やめっ……」





「柔らかいね。それにすごく温かい。こんな小さなナイフで簡単に傷ついてしまう」





「やめっ……!」





「でも、お前は強いから簡単じゃないだろうけど」





ルシウスはそう言うとフォルティアの腹の上にゆっくりとナイフを押し当てていく。鋭利な先端は徐々に皮膚を破り、真っ赤に染まった血が溢れ出す。





「いっ……痛い!!やめてっ……!!」





「ほら、お前の血が溢れているよ」





「お願いだから……もうっ……許して……」





ゆっくりと身体を傷付けられる恐怖に遂に身も蓋もなく懇願してしまう。何を求められているのかも分からない状態で謝る以外に選択肢は見つからない。





「駄目だよ。これはお仕置なんだから」





ルシウスはそう言ってフォルティアの懇願を一蹴すると、更に深くナイフを突き刺す。肉を裂かれる激痛とだらだらと流れ出る血液に目の前が点滅する。





「ぐぅ……!い"……たい……ぃ……」





「痛いね。でも悪いことをしたお前がわるいんだよ」





「も、もう……やめ、……死んじゃ……う」





「そうだね。このままだと本当に死んでしまうかもしれない……普通なら、ね。お前は優秀だから大丈夫だろう?」





ルシウスはそう言うと、フォルティアの上から退き、近くにあったソファーへと腰掛ける。フォルティアは荒く呼吸を繰り返しながらもなんとか起き上がり乱れた呼吸を繰り返す。傷口に手を当てればぬるつく血液が手に纏わりついて酷く不快に感じた。





「はぁっ……はぁっ……うっ……!」





裂かれた皮膚からは止めどなく血が流れ、高価な絨毯に真っ赤な染みを作る。勿論今まで腹部を切り付けられた経験など有る訳がないため、純粋な恐怖で身体は震え、歯の根はもうずっと合っていない。音がなりそうなほど震える自分の身体を庇う様に蹲る。





「さっきはごめんね。少し意地悪をし過ぎたみたいだ」





「はぁ……はぁっ……ぅ……」





「これなら、お前も素直になれるかな?」





「……」





____何を言っているんだ、こいつは……。謝っても聞き入れ無いくせに、素直になれなどと言われてもどうすれば良いのか全く分からない。視線だけで睨みつけるように見上げていれば場にそぐわない困ったような笑みを向けられた。





「……ほんとに今日はどうしたんだい?いつもならこうなる前に泣いて縋ってくるのに。僕としてはこの方が躾甲斐があっていいんだけど」





ルシウスはいっそ優雅な仕草でフォルティアの顎を掴むと上を向かせる。無理に体勢を変えられ、痛みに顔を顰めたフォルティアの視線の先には歪んだ笑みを浮かべるルシウスの姿。





「っ!?んーっ!」





「暴れないでね?危ないし」





ルシウスは流れるような動作でフォルティアの口に布のようなものを噛ませる。





「これでよし。いい子になれるまで頑張ろうね」





「んんっ!」





ルシウスはフォルティアの頬に手を当て、うっとりした表情でそう呟く。その姿はとても正気とは思えなかった。なんとかしなければと思うものの、焦れば焦るほどに頭に中は混乱し涙が滲む。



痛い、辛い、怖い_______



溢れ出すこの感情は本当に自分のものだろうか、今のフォルティアにそれを確かめる術はない。



ぱちん___不意に室内に乾いた音が響く。呆然としたフォルティアの頬は赤く晴れ、じんじんとした痛みを訴えていた。





「刃物じゃなくって……これなら死なないよ。良かったね、僕が優しくて。早く、ごめんなさいって言えばいいのに」





「ゔっ……んんっ」





謝るも何も口に布を噛まされた状況で一体どう発言しろと言うのか。そもそも謝ったところで聞き入れる気もないくせに__。続け様に反対側の頬が殴られ、勢いを殺すことも出来ないまま襤褸切れのように床に倒れ込むと、口の中に鉄臭い味が広がった。じわっと熱を持つそれは紛れもない痛みだった。





「ああ、もう。そんなに強く殴ったつもりはなかったのに。ほら、こっち向いて」





ルシウスはフォルティアの顔を掴み強引に正面に向けると、再び手加減無しに拳を振り上げる。





「っ……!!」





「……あれ、泣かないのかい?泣き喚いて許しを乞うかと思ったのだけれど」





鈍い音と共に再び頭部に鈍い痛み。視界がぶれるような衝撃にうめき声を上げる程度の反応が精一杯で動くことも満足に出来ず床に倒れ込んだまま押し黙る。





「……」





「あぁ、そういうことか」





ルシウスは何かに気付いたようにそう言うと、フォルティアの腕を引き立ち上がらせ噛ませていた布を取り払う。腹部の傷からまた血が流れたようで脚を生暖かな液体が伝っていくのが分かった。





「ごめんね、気が利かなかったよ」





「ふぐっ……」





ルシウスはそう言うとフォルティアの頭を掴んで無理矢理唇を重ねてくる。先程までの頭の可笑しい暴力的な行為とは違い、ただ触れるだけのキスだ。しかしそれが余計に恐怖心を煽る。





「や、やめっ……」





「やめないよ。だってまだ足りないだろう?」





ルシウスはフォルティアを抱き寄せると、そのままベッドの上へ運び、押し倒す。





「んっ、ふっ……」





抵抗しようにも身体が動かない。僅かな衝撃でも傷はじくじくと痛み、失血のせいで意識がぼんやりとする。ただでさえそんな状態なのに加え、何度も角度を変えて重ねられるそれに息苦しくなる。次第に頭が回らなくなり、思考が鈍くなっていく。





「はぁ……やっと大人しくなってきたね。大丈夫、怖がらないで。ちゃんと気持ちよくしてあげるから」





「……」





「ふふっ、良い子だね。でも、やっぱりお仕置きが必要だよね」







「……?」





「フォルティア、僕の可愛いお人形さん。僕から離れないように、お前には印をつけておかないと」





「……ひっ」





ルシウスは自分の服を脱ぎ捨てながらフォルティアの首筋へと顔を埋める。

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