積もるまえの塵集

無花果

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お兄ちゃんとアイスと私(※近親相姦)

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私はアイスがとても好き。
毎日複数個を消費するし、それでお腹を冷やしたとしても後悔はない。

冷たくて、甘くて、硬いかと思えば、あっさり溶け落ちて、そろそろと皮膚を伝い、私をベタベタにする。

お兄ちゃんみたい。





「凛」

優等生を絵に描いたようなお兄ちゃんは、少し冷たい印象のする美形。でも、私を呼ぶ声は甘い。

「凛?起きないと、このまま入れちゃうよ」

入れて欲しい。けど、多分この選択に遅刻がかかってる。

「……ひどいぃ」

お兄ちゃんは構わず入ってきて、私は間抜けな悲鳴をあげる。

「ああ、すご。とろっとろ……」

「お兄ちゃん……!」

私を見下ろすお兄ちゃんは、冷酷そうな切長の目を細めて舌舐めずりした。長い指は泥濘む秘裂をたどって膨らんだ花芽を暴く。

「なか、すごいよ。きもちいい」

私には行為を咎める余裕なんてなくて、軋む安ベッドの上で揺さぶられる。だってまだ半分寝ぼけてるし、お兄ちゃんのお兄ちゃんが気持ち良すぎる。頭がいい人間はどうしてこう要領がいいのか。

スーツの前だけ崩して、極薄のゴム越しに種づけを完了したお兄ちゃんは、私の唇に軽くキスして「ありがと」って言って出て行った。

なんのありがとうだ!

思った通り電車を逃した。

コンビニでアイスを買った。ソーダ味だ。

外側はぎゅっと詰まったアイスキャンディー、中にはシャリシャリのカキ氷。甘くてクール。さっと溶けて喉を潤し、後味が尾を引ひいて五感を支配する。

放課後、友達の誘いを断りスーパーで買い物。

ちょっと疲れたので今夜のメニューはカレーで。あと、ご褒美に箱アイス。

カップの抹茶をオヤツに玉ねぎを炒める。

カップアイスは溶かすのが醍醐味。アイスとクリームの中間にあるソレを掬って、そっと口に運ぶ。棒アイスでは図れない絶妙のタイミング。

舌の上、ふわりと沁みる乳濁液エマルション。体熱を奪って儚く融解する結晶のテクスチャー。渋味の強いフレーバー。記憶揺さぶるサウダージ。

ところでカレーは少し薄かった。

シャバシャバしたカレーを、お兄ちゃんは普通に完食。ごめんお兄ちゃん。

それから、子供の頃に見たアニメ映画の地上波放送を二人で眺めながら、デザートにつぶつぶ苺の棒アイス。チョココーティングも、つぶ苺。

高価格帯商品らしく味に深みあり。

上品な甘さ。クリーミーな口溶け。苺のつぶが変化に富んだ酸味を添えて、味に立体感を醸し出す。

至福。





お兄ちゃんが言う。

「凛はなんでそんなアイスばっか食べてんの?」

もしかして、お腹を壊すと言いたいのだとして、クッションみたいなフリをして私を抱いてるこの腕が、シャツの裾から潜り込んで素肌を撫でまわすせいで、ヘソが丸出しにされてる現状では、説得力は皆無だよ。

「だって、好きだから」

お腹を壊してもいい。

遊ばれてるだけでも、未来なんて望めなくても、今だけの幸福でも。

「好きなの」





眉間に皺を寄せて手に持つアイスを睨む凛の、顎を掴んでその表情を確かめる。

黒目がちな瞳は濡れて、小ぶりな鼻の頭が赤い。

可哀想で可愛い妹に伸し掛かり、苺の香りの冷えた口に、さっき使った歯磨き粉の味がするだろう舌を、食べさせる。

何度でも、何度でも、食べ尽くしてくれるまで。





「アイス、とけてきてるよ」

チョコレートの器を零れて、指を流れ肘から滴るクリーム色の雫が、ポツリポツリとお腹を汚す。

「うわぁ……」

お兄ちゃんは嬉しそうに感嘆を漏らしたあと、人差し指でそれを塗り広げ、クリームのついた指を私に口に咥えさせ、ニッコリ笑った。

その日の前戯はいつも以上にしつこくて、お兄ちゃんに舐められながら、私もいっぱい舐めさせられて、それから沢山汚された。





つんと澄まして居たかと思えば、蕩けるくらいに甘やかしてきて、真面目かと思えば至って不真面目。油断してたら不意に冷酷な顔を覗かせて私をメチャクチャにしてしまう。



アイスみたいなお兄ちゃん。


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