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前編
気のせいとかじゃなくて?
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結局僕のこの嘘は、まぁ案の定かなり大きくなって医者を呼ぶまでの騒ぎになった。
普通に考えてそうだよね、意識不明を乗り越えて起きたかと思えば胸が痛いとか、普通に心臓の病気疑うだろうし。
一応一頻り検査されてそこから一週間経った今、検査結果待ちの状態です。
多分、異常なしって言われるんだろうなぁ………。
だって実際問題、心臓に持病なんて無い筈だし。
「ちいにいさま、くるしい?」
妹がすごく心配そうな声でそう聞いてくるもんだから、別の意味で胸が痛い。
ごめんね、嘘吐きな兄さまで。
そう思いながらギュッと抱き締めて大丈夫だよって笑って告げるけど、妹は不服そうに眉根を寄せた。
多分、僕が無理をしてるんじゃないかって思ってるんだろう。
でも僕は本当に大丈夫なんだ。
「ルイ、お医者様がいらっしゃいましたよ。おいで。」
母様はそう言って僕を呼ぶ。
はい、と良い子のお返事をして、今更ながらに異常無しってなったらどうしよう。
あの時胸が痛いと思っていたら嘘ではないのだけど、でも持病に認められず診断書貰えなかったらやっぱり王宮に学友候補として行くことになってしまう。
嗚呼、やだな。
それ。
「ああ、ルイ様。お久しぶりですね。」
「はい、おひさしぶりです。」
小さい頃はやっぱり病気にかかりやすかったから、僕も妹もお医者様のお世話にはちょいちょいなってた。
それでも確か四歳位の頃からあまり掛からなくなったから、それ以来かなぁ。
検査の時は、丁度王子様の診断に掛かっていたらしく居なかったし。
お医者様は優しく僕にそう言うと、検査結果の紙を母様に説明していく。
「少し、心臓の動きがよろしくないですな。」
「えっ。」
「そんな!治らないのでしょうか!?」
え?僕、本当に心臓弱かったの?
気のせいとかじゃなくて?
お医者様は母様の問いにうーんと唸りながら、聴診器を取り出す。
心音聴くのかな?
そう思っているとやっぱり看護師さんに胸をたくし上げられて、ひんやりとした聴診器が胸に当てられる。
違う意味でドキドキしちゃう。
「うーん………やはり、以前よりも音が小さく弱いですな。ただ原因が分からないので、もう少し詳しい検査をして、少しばかり様子を見ることになりそうです。」
音が小さい?
こんなにもドキドキしてるのに?
僕にはすごく、身体が揺れちゃう程大きく聞こえる気がするけどなぁ………
「様子見ではありますが、いずれにしてもご学友になるのは諦めて頂くしか………」
「ご学友になれるなれないはどうでも良いのです!」
お医者様の言葉を、母様はぴしゃりと撥ね退ける。
ええっ………家の誉れだよ?
どうでも良くはないでしょうよ。
見てよ、お医者様もビックリされてるよ?
「この子が、この子が無事ならば、健康ならばそれで………」
僕をギュッと抱き締めて、母様はそう言った。
その瞬間、僕のなんともない筈の心臓がまるで絞られたような感覚に陥る。
以前の僕がやったことは、間違えてたんだよって言われたような気がして―――
「分かりました。取り敢えず、今日は検査室は空いてないので来週病院にまた来てください。王宮には、診断書を提出しておきます。」
「ええ、お願い致します。」
母様と一緒に、お医者様をお見送りしながら改めて考える。
僕は家族よりも僕の幸せを取った。
僕の幸せを取った、つもりだった。
でも本当に、健やかだった?
本当に、幸せだった?
でも僕は、間違えてるなんて認めたくない。
だって
そんなの、悪戯に家族を殺してしまっただけみたいになるじゃないか。
普通に考えてそうだよね、意識不明を乗り越えて起きたかと思えば胸が痛いとか、普通に心臓の病気疑うだろうし。
一応一頻り検査されてそこから一週間経った今、検査結果待ちの状態です。
多分、異常なしって言われるんだろうなぁ………。
だって実際問題、心臓に持病なんて無い筈だし。
「ちいにいさま、くるしい?」
妹がすごく心配そうな声でそう聞いてくるもんだから、別の意味で胸が痛い。
ごめんね、嘘吐きな兄さまで。
そう思いながらギュッと抱き締めて大丈夫だよって笑って告げるけど、妹は不服そうに眉根を寄せた。
多分、僕が無理をしてるんじゃないかって思ってるんだろう。
でも僕は本当に大丈夫なんだ。
「ルイ、お医者様がいらっしゃいましたよ。おいで。」
母様はそう言って僕を呼ぶ。
はい、と良い子のお返事をして、今更ながらに異常無しってなったらどうしよう。
あの時胸が痛いと思っていたら嘘ではないのだけど、でも持病に認められず診断書貰えなかったらやっぱり王宮に学友候補として行くことになってしまう。
嗚呼、やだな。
それ。
「ああ、ルイ様。お久しぶりですね。」
「はい、おひさしぶりです。」
小さい頃はやっぱり病気にかかりやすかったから、僕も妹もお医者様のお世話にはちょいちょいなってた。
それでも確か四歳位の頃からあまり掛からなくなったから、それ以来かなぁ。
検査の時は、丁度王子様の診断に掛かっていたらしく居なかったし。
お医者様は優しく僕にそう言うと、検査結果の紙を母様に説明していく。
「少し、心臓の動きがよろしくないですな。」
「えっ。」
「そんな!治らないのでしょうか!?」
え?僕、本当に心臓弱かったの?
気のせいとかじゃなくて?
お医者様は母様の問いにうーんと唸りながら、聴診器を取り出す。
心音聴くのかな?
そう思っているとやっぱり看護師さんに胸をたくし上げられて、ひんやりとした聴診器が胸に当てられる。
違う意味でドキドキしちゃう。
「うーん………やはり、以前よりも音が小さく弱いですな。ただ原因が分からないので、もう少し詳しい検査をして、少しばかり様子を見ることになりそうです。」
音が小さい?
こんなにもドキドキしてるのに?
僕にはすごく、身体が揺れちゃう程大きく聞こえる気がするけどなぁ………
「様子見ではありますが、いずれにしてもご学友になるのは諦めて頂くしか………」
「ご学友になれるなれないはどうでも良いのです!」
お医者様の言葉を、母様はぴしゃりと撥ね退ける。
ええっ………家の誉れだよ?
どうでも良くはないでしょうよ。
見てよ、お医者様もビックリされてるよ?
「この子が、この子が無事ならば、健康ならばそれで………」
僕をギュッと抱き締めて、母様はそう言った。
その瞬間、僕のなんともない筈の心臓がまるで絞られたような感覚に陥る。
以前の僕がやったことは、間違えてたんだよって言われたような気がして―――
「分かりました。取り敢えず、今日は検査室は空いてないので来週病院にまた来てください。王宮には、診断書を提出しておきます。」
「ええ、お願い致します。」
母様と一緒に、お医者様をお見送りしながら改めて考える。
僕は家族よりも僕の幸せを取った。
僕の幸せを取った、つもりだった。
でも本当に、健やかだった?
本当に、幸せだった?
でも僕は、間違えてるなんて認めたくない。
だって
そんなの、悪戯に家族を殺してしまっただけみたいになるじゃないか。
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