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序章
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「そういえば、ウィリアムも学園行くの?」
「うん、商人科に行くの。」
いつも三人で遊ぶ時は、お絵描きだったり本を読んだりして過ごす。
詳しくいうとソファに横になって本を読んでるルイスのお腹の上に僕が寝転ぶように本を読んで、キャロルが床に何枚もの紙を広げて座り込んで絵を描いているというのがいつもの光景。
つまり、各自好きにしながら時折雑談するのがいつもの光景ということだ。
「俺も商人科かなー。キャロルは?」
「俺もだよ。美術商になるんだ。」
ルイスは将来この薬草屋を継ぎたいと前々から言っていた。
とはいえ、おじさんもおばさんもどっちかといえば好きに生きてちょうだいという考えだから、別にルイスが長男だからという理由ではない。
単純に、薬草そのものと接客することが好きらしい。
キャロルは絵を描くことが好きだから画家か………服が大好きだから服飾系だと思ったけど、意外だ。
「意外。画家かと思った。」
「だろう?俺もそう思う。」
「自分のことなのに?」
ルイスの言葉にまるで他人事のように返しているから、思わず驚いてしまう。
ちょっと身を乗り出そうとしたけど、ルイスの腕がしっかりと僕の肩を押さえて失敗してしまう。
重くないのかしらん………
「んー。確かに俺、こうして絵を描くの好きだけど、好きなだけでやりたいことじゃないんだって気付いたんだ。」
どういうこと?
好きなこととやりたいことって、違うの?
ルイスの上に寝転びながら首を傾げる僕に、キャロルは苦笑しながらうーんと唸った。
「俺にとっては違うかなー。俺は、俺がいいね!って思った物を見て見て-!ってしたいんだ。」
服も、絵も。
そう言ったキャロルの顔は、キラキラと輝いていてすごく楽しそうだなと思った。
可愛い。
そして、カッコイイ。
「キャロルはカッコイイねー。」
「だろう?」
「えっ!?ウィリアム、俺は!?」
「ルイスもカッコイイよ!」
将来の夢ややりたいことを決めてる奴の心はカッコイイって、お父さんはいつも言ってる。
だから薬草屋をやりたいルイスも、美術商をしたいキャロルも僕にとってはとてもカッコイイのだ。
お父さんの次に。
僕にとって、世界で一番カッコイイのはお父さんだし、世界で一番可愛いのはお母さんだ。
「ついでっぽい!」
「ちがうよぉ!」
「あ、またイチャイチャしてる!俺もまーぜて!」
肩を押さえていた手を僕の顎に移動させて、ルイスはすねたようにそう言ってそのまま顎を撫でてきた。
くすぐったい。
思わずクスクスと笑えば、お絵描きを止めたキャロルがだらしなく垂らしていた僕の手を握った。
ルイスよりは小さく、けれど僕のより大きな掌。
その掌で僕の手をすっぽりと包み込むと、にぎにぎもみもみとマッサージみたいなことされてちょっと落ち着かない。
「何してるの?」
「痛い?」
「ううん。変な感じ。」
「ふーん。」
僕の言葉に興味無さそうな返事をしたかと思えば、今度は指と指の間をもんだり、スリスリと指で撫でたりされた。
………何をしてるんだろう?
「キャロル。」
そう不思議に思ってると、ルイスが今まで聞いたことないような低い声でキャロルを呼んだからビックリしてしまう。
ルイスの手はすごく優しく僕の顎を撫でてるのに、声と雰囲気が怖くて別の人みたい。
「はいはい。ごめんねウィリアム、嫌だった?」
「ううん………でも、普通に握るのが良い………」
「ふふっ、いーよ。」
改めて、といった感じでキャロルは僕の手を握った。
いつも三人で手を繋ぎながらお昼寝するから、こうして握られるなんだか………
「ウィリアム、眠い?」
「………うん………」
「本貸して。ベッドに行くから、寝てて良いよ。」
キャロルの優しい声を聞きながら、ルイスに頭を撫でてもらうともうダメだ。
まるでまぶたに重りが乗ったように瞳が閉じてしまう………
「「おやすみ、俺らのお姫様。」」
「うん、商人科に行くの。」
いつも三人で遊ぶ時は、お絵描きだったり本を読んだりして過ごす。
詳しくいうとソファに横になって本を読んでるルイスのお腹の上に僕が寝転ぶように本を読んで、キャロルが床に何枚もの紙を広げて座り込んで絵を描いているというのがいつもの光景。
つまり、各自好きにしながら時折雑談するのがいつもの光景ということだ。
「俺も商人科かなー。キャロルは?」
「俺もだよ。美術商になるんだ。」
ルイスは将来この薬草屋を継ぎたいと前々から言っていた。
とはいえ、おじさんもおばさんもどっちかといえば好きに生きてちょうだいという考えだから、別にルイスが長男だからという理由ではない。
単純に、薬草そのものと接客することが好きらしい。
キャロルは絵を描くことが好きだから画家か………服が大好きだから服飾系だと思ったけど、意外だ。
「意外。画家かと思った。」
「だろう?俺もそう思う。」
「自分のことなのに?」
ルイスの言葉にまるで他人事のように返しているから、思わず驚いてしまう。
ちょっと身を乗り出そうとしたけど、ルイスの腕がしっかりと僕の肩を押さえて失敗してしまう。
重くないのかしらん………
「んー。確かに俺、こうして絵を描くの好きだけど、好きなだけでやりたいことじゃないんだって気付いたんだ。」
どういうこと?
好きなこととやりたいことって、違うの?
ルイスの上に寝転びながら首を傾げる僕に、キャロルは苦笑しながらうーんと唸った。
「俺にとっては違うかなー。俺は、俺がいいね!って思った物を見て見て-!ってしたいんだ。」
服も、絵も。
そう言ったキャロルの顔は、キラキラと輝いていてすごく楽しそうだなと思った。
可愛い。
そして、カッコイイ。
「キャロルはカッコイイねー。」
「だろう?」
「えっ!?ウィリアム、俺は!?」
「ルイスもカッコイイよ!」
将来の夢ややりたいことを決めてる奴の心はカッコイイって、お父さんはいつも言ってる。
だから薬草屋をやりたいルイスも、美術商をしたいキャロルも僕にとってはとてもカッコイイのだ。
お父さんの次に。
僕にとって、世界で一番カッコイイのはお父さんだし、世界で一番可愛いのはお母さんだ。
「ついでっぽい!」
「ちがうよぉ!」
「あ、またイチャイチャしてる!俺もまーぜて!」
肩を押さえていた手を僕の顎に移動させて、ルイスはすねたようにそう言ってそのまま顎を撫でてきた。
くすぐったい。
思わずクスクスと笑えば、お絵描きを止めたキャロルがだらしなく垂らしていた僕の手を握った。
ルイスよりは小さく、けれど僕のより大きな掌。
その掌で僕の手をすっぽりと包み込むと、にぎにぎもみもみとマッサージみたいなことされてちょっと落ち着かない。
「何してるの?」
「痛い?」
「ううん。変な感じ。」
「ふーん。」
僕の言葉に興味無さそうな返事をしたかと思えば、今度は指と指の間をもんだり、スリスリと指で撫でたりされた。
………何をしてるんだろう?
「キャロル。」
そう不思議に思ってると、ルイスが今まで聞いたことないような低い声でキャロルを呼んだからビックリしてしまう。
ルイスの手はすごく優しく僕の顎を撫でてるのに、声と雰囲気が怖くて別の人みたい。
「はいはい。ごめんねウィリアム、嫌だった?」
「ううん………でも、普通に握るのが良い………」
「ふふっ、いーよ。」
改めて、といった感じでキャロルは僕の手を握った。
いつも三人で手を繋ぎながらお昼寝するから、こうして握られるなんだか………
「ウィリアム、眠い?」
「………うん………」
「本貸して。ベッドに行くから、寝てて良いよ。」
キャロルの優しい声を聞きながら、ルイスに頭を撫でてもらうともうダメだ。
まるでまぶたに重りが乗ったように瞳が閉じてしまう………
「「おやすみ、俺らのお姫様。」」
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