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8歳の春
おみみ
「シグルドー。まだー?わっ!」
ちっとも戻って来ないシグルドをニールが迎えに来たのは、それから10分程した頃だった。
お水を飲みに行くだけだと聞いていたのに、いくら何でも長過ぎる。
そう思いながらリビングに行って、ニールは驚愕に目をぱちくりとさせた。
「すごーい!シグルド、おしゃれさん!お父さんも、おしゃれさん!」
数秒固まったニールだったが、すぐに目をキラキラとさせてはしゃいだ。
そこに居たのは、ジルコールとシルビア、そしてお洒落大好き猫妖精にされるがまま着飾られたシグルドとウィルが居たのだ。
普段から格好良いお父さんとお兄ちゃんが更に格好良くなっているのだ。
はしゃがない筈がない。
「あら、ニール!丁度良かったわ!このお帽子被ってみて!」
「あ!お耳のおボーシ!」
シルビアがニコニコと微笑みながら取り出した帽子を見て、ニールは満面の笑みを浮かべた。
お母さんとお揃いになれる魔法の帽子だ。
ちなみに三毛猫獣人であるシェルニーニャとお揃いが良いので、三毛柄以外はあんまり興味がなかったりする。
なので内心、お母さんの柄じゃないのかぁと思ったが、でもシルビアとジルコールが丹精込めて作ってくれた帽子だ。
嬉しくて素直に被り、くるりと一回転してみる。
「どう?」
「可愛いわー!」
「でもこっちの柄の方が良いんじゃないか?」
「にゃーはこっちの方も見たいですにゃ!」
ジルコールが渡した垂れ耳茶トラ帽子と、猫妖精が渡してくれたキジトラ帽子を見比べる。
うーん、茶トラにしようかな。
そう思って茶トラ帽子を被ってみる。
垂れ耳をちょこちょこと触ってみたら、なんだかとっても良い感じな気がする。
「カガミ見てくる!」
「お帽子用の鏡ならここにもあるわ。見てみて。」
シルビアがそう言って、丸い鏡を取り出した。
お洒落は良く分からないが、お母さんとお揃いになれる魔法の帽子と魔法の洋服は好きだ。
ウキウキとした気持ちで鏡をのぞき、ちょこちょこと垂れ耳の先に触れてみる。
可愛い。
お母さんはぴんとした三角お耳だったみたいだが、垂れ耳も可愛い。
「これ!可愛い!」
「気に入ったか?」
「うん!これのミケがら、ないの?」
キラキラとした目でそう聞かれて、シルビアとジルコールは一瞬だけ固まった。
実はこの垂れ耳デザインで三毛柄は作っていない。
だが、可愛い孫の数少ないオネダリだ。
ジジババとして叶えなければ………!
「あるわよー!でもまだお披露目前なの!ニールは三毛柄好きだもんね!」
「うん!お母さんといっしょ!」
「お洋服はどれにしようか。」
シルビアとジルコールは目配せをして、誕生日までに作り上げることを決めた。
ついでに尻尾のデザインも確認する為に洋服の着せ替えをすることにする。
やはり本人が欲しい物は本人に確認するのが一番だ。
「お母さんは、おしっぽながかった?」
「短くはないが先は丸かった。このくらい。」
とはいえニールの基準は、お母さんとお揃いなのだが。
ちっとも戻って来ないシグルドをニールが迎えに来たのは、それから10分程した頃だった。
お水を飲みに行くだけだと聞いていたのに、いくら何でも長過ぎる。
そう思いながらリビングに行って、ニールは驚愕に目をぱちくりとさせた。
「すごーい!シグルド、おしゃれさん!お父さんも、おしゃれさん!」
数秒固まったニールだったが、すぐに目をキラキラとさせてはしゃいだ。
そこに居たのは、ジルコールとシルビア、そしてお洒落大好き猫妖精にされるがまま着飾られたシグルドとウィルが居たのだ。
普段から格好良いお父さんとお兄ちゃんが更に格好良くなっているのだ。
はしゃがない筈がない。
「あら、ニール!丁度良かったわ!このお帽子被ってみて!」
「あ!お耳のおボーシ!」
シルビアがニコニコと微笑みながら取り出した帽子を見て、ニールは満面の笑みを浮かべた。
お母さんとお揃いになれる魔法の帽子だ。
ちなみに三毛猫獣人であるシェルニーニャとお揃いが良いので、三毛柄以外はあんまり興味がなかったりする。
なので内心、お母さんの柄じゃないのかぁと思ったが、でもシルビアとジルコールが丹精込めて作ってくれた帽子だ。
嬉しくて素直に被り、くるりと一回転してみる。
「どう?」
「可愛いわー!」
「でもこっちの柄の方が良いんじゃないか?」
「にゃーはこっちの方も見たいですにゃ!」
ジルコールが渡した垂れ耳茶トラ帽子と、猫妖精が渡してくれたキジトラ帽子を見比べる。
うーん、茶トラにしようかな。
そう思って茶トラ帽子を被ってみる。
垂れ耳をちょこちょこと触ってみたら、なんだかとっても良い感じな気がする。
「カガミ見てくる!」
「お帽子用の鏡ならここにもあるわ。見てみて。」
シルビアがそう言って、丸い鏡を取り出した。
お洒落は良く分からないが、お母さんとお揃いになれる魔法の帽子と魔法の洋服は好きだ。
ウキウキとした気持ちで鏡をのぞき、ちょこちょこと垂れ耳の先に触れてみる。
可愛い。
お母さんはぴんとした三角お耳だったみたいだが、垂れ耳も可愛い。
「これ!可愛い!」
「気に入ったか?」
「うん!これのミケがら、ないの?」
キラキラとした目でそう聞かれて、シルビアとジルコールは一瞬だけ固まった。
実はこの垂れ耳デザインで三毛柄は作っていない。
だが、可愛い孫の数少ないオネダリだ。
ジジババとして叶えなければ………!
「あるわよー!でもまだお披露目前なの!ニールは三毛柄好きだもんね!」
「うん!お母さんといっしょ!」
「お洋服はどれにしようか。」
シルビアとジルコールは目配せをして、誕生日までに作り上げることを決めた。
ついでに尻尾のデザインも確認する為に洋服の着せ替えをすることにする。
やはり本人が欲しい物は本人に確認するのが一番だ。
「お母さんは、おしっぽながかった?」
「短くはないが先は丸かった。このくらい。」
とはいえニールの基準は、お母さんとお揃いなのだが。
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