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漂流編
目標 03
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『重要な会話だけピックアップして再生するニョ』
アンドの屋敷の調査をネジコに命じた翌日、その成果を確認する事になった。
□□□□□ 再生開始 □□□□□
『やはり間違いなかったのか……シバーナの所に預けてはおけぬ、明日にでもすぐにここへ連れてこい』
『はっ、念の為、腕利きを連れて行きます』
□□□□□□ 中略 □□□□□□
『どうやらワシにも運が向いてきたようだな……エルフの姫をアーガスに引き渡せば我が大地も彼の国から支援を受けられるだろう』
『ですが王の資格を持たなければ幾らこの大地を開拓しても……』
『なに、支援は何も大地の開拓だけでは無い……中央に向かっている我が息子が王の資格を得られれば再び我らが先祖の大望を果たす事が出来るのじゃ』
□□□□□□ 中略 □□□□□□
『それにしてもエルフの姫も悲惨だのう……友好国に裏切られ、国を追われて……そして本人の寝ている間に国が無くなってしまうとはな』
『さすがに中央に行かれるとやっかいでしたからな……まさにこの地で押さえる事が出来た事が幸運ですな。しかも眠り姫とは何処までもこちらに都合が良い、くっくっくっ……』
『全くだ……ワシの代では無理かもしれんが、アンド王国が興される……その夢を再び夢見る事が出来ようとは……今宵の酒は美味いな』
□□□□□ 再生終了 □□□□□
『大体こんな感じだニョ……何が起きたかは大体把握出来たと思うニョ』
「こいつは……お姫様にはショックな出来事だな」
とは言え黙っていても何 れは分かる事だ、嘘偽り無く伝えるしか無いだろう。そして、その事実を知って彼女はどうしたいのかを聞いておかなくては。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「嘘じゃ!! そのような事信じられぬ!!」
予想通り彼女はその事実を受け止められないように否定する。そこを無理に認めさせる様な事はせず、俺は逆に質問をする。
「あぁ、あくまでアンドが話していた事であって事実かどうかは分からない。この大陸には離れた場所の情報を知る術 はあるのか?」
「そ、それは……いくつかあるのじゃ。精霊に頼んで風を飛ばしたり……超遺物 にも、そのような物があると聞くのじゃ」
俺の質問を受けてお姫様は冷静になったのか、その可能性を考え始めた。
「事実はどうだかは分からない……だが、お姫様、これからどうするかは決めておかないといけない。まだ国は無事ならば当初の予定通り中央に行って援軍を要請すれば良いよな? だが、もしも……もしも国が盗られていたらどうするんだ? あくまでも可能性だぞ」
「気を遣ってくれて済まぬの……もう妾は落ち着いたわ。あれだけの戦操兵 を投入されて堕ちぬ国も無かろう」
肩を落とし虚空を見つめたかと思うと、すぐにその目は力を取り戻すと俺を真っ直ぐに見つめる。その可憐で儚げに見えた瞳が一転してギラリと輝き出した。
「国が滅んでおれば妾は新たに王たる資格を得て国を興す!! そして裏切りのファーガスに、必ず報いをくれてやるのじゃ!!
なぁに、妾には人族と違って時間がたっぷりあるのじゃ。今の世代の王には届かぬかもしれぬが、必ず奴の一族に……妾の刃を突きつけてくれるわ!!」
凄いな……温室育ちのお姫様かと思ったらしっかりと王様って感じだ。これならば俺達は協力し合えるかもしれない。
「ならば提案だ……俺も訳けあって中央を目指している。自分の国に帰るために大陸を渡れるほどの技術を……人材に物資とあらゆる物が必要になる」
裏切り者の3馬鹿を倒し、仲間や拠点を取り戻して終わりじゃ無い……その先も考えておかなくてはならない。
「場合によっては王たる資格を手に入れて大地を得る必要があるかもしれない……1人では困難かもしれないが、力を合わせればその歩みを劇的に進める事も出来るだろう」
「そなた……」
そう、俺は失われた中央で宇宙 へ帰る手段を手に入れる……その為に出来る事をする。
「お姫様……お前の父親は親友に裏切られたかもしれない。いきなり信用してくれなんて言わない。だが必ず信頼を勝ち取って見せる……だから共に行こう……中央へ」
握手なんて求めない……それは真に彼女の信頼を得た時で良いだろう。
「リリアじゃ……もう姫では無いのじゃからな。これからもよろしく頼むぞ……エイジ」
「あぁ、必ずリリアの助けとなるよう約束する」
「マリチャパも主と一緒に行くぞ!!」「主様!! 私も行くぞ!!」「俺もです!!」「わたしも!!」「おいらも!!」「あちしも~!!」
マリチャパ達……ムカチャパ族達も声を上げる。いたんだ……っていうかモブ (失礼)の反応がいつも一緒に見える。
……こうして俺達は大いなる野望の第一歩を踏み込んだのだった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「差し当たってアンドの対応をどうするかだが……」
「ふむ、馬鹿正直にあちらに行けばファーガスに送られてしまうの」
再び皆で集まり相談タイムとなった。今日にもアンドは部下を差し向けてリリアを連れ出しに来だろう。それまでに今後の方針を決めておかなくてはならない。
「とりあえずこの街を乗っ取ろうと思うんだが?」
「な、なんですと!!」
大声を上げる鼻……まぁ、その反応も分からなくも無い。
「アンド様の私兵は200人はいますよ!? しかも腐っても元王族候補、私達の知らない超遺物 だって所持している可能性もあります」
「安心しろ真っ正面からぶつかる訳じゃ無い……お前の時と一緒で、一気に頭を押さえれば問題ないだろう」
まぁ、真正面からでも何とかなりそうだが、あまり街の戦力を減らしたくは無い。鼻の時と同じようにアンドの首に文字通り首輪を付けてしまうのが簡単だろう。
善政を布くような指導者ならこんな事をする必要は無いのだが、話を聞く限りの人物像では容赦の必要が無さそうだからな。
「それでも安全の確保は大事だ。たしかに超遺物 はどんな物で、どんな効果があるかはわからないからな。何 れにせよ一気に強襲するのが一番だろうが……そこでリリア?」
「なんじゃ?」
「お前の守りはまだあるのか? 眠っていなくとも……起きていても有効なのか?」
「守り? 何じゃそれは?」
え? 知らないのか? 俺はリリアが寝ている時の出来事を説明した。
「なんと、妾の身にそのような事が起こって……そのような守りがあったのか?」
「ならば試してみるか、リリア、腕を伸ばしてくれ……悪いが実験に付き合ってもらう」
「分かったのじゃ」
俺の言われるままに腕を伸ばしたリリア。俺はそろーりと足音を立てぬよう部屋の出口に向かう勘の良い鼻に対して……
「命令だ、リリアの手に触れろ」
「ひぃ!!」
……と、実験の命令を下した。体をビクッと震わせた後にフラフラとリリアに向かうと、その手に自分の腕を伸ばす。
バチン!!!
「ぎゃあああっっ!!」
「よし、止めてよし」
腕を抱えながらうずくまる鼻……どうやらまだ邪な心根の持ち主からの守りは有効のようだ。
「な、なんと、このような事が……しかし生まれて此の方、このような事は一度も起こった事なぞ無かったぞ?」
「それはリリアの国に邪な心を持った人間がいなかったという事だろう。そんな素晴らしい国を取り戻すために頑張らないとな」
「!? おおう、そうじゃな!!」
今は亡き自国を褒められて可憐な笑みを浮かべるエルフのお姫様。この守りの力が有効ならこの作戦はいけるだろう。
「作戦は簡単だ……身の安全が保証されたリリアを囮にして俺が潜入。ボスであるアンドを一気に押さえる……猿でも分かる作戦だ」
「なるほど、確かにこれなら妾も不安は無いのぅ……しかし、そなたは一緒に潜入なんぞ出来るのかの?」
「それは見ていてくれ」
俺は普段、索敵ドローンに付けている例の機能をオンにする。
「なっ!!?」
「消えたのじゃ!!」
そう、光学迷彩だ。ボディスーツの拡張スロットに光学迷彩の機能をセットしたわけだ。俺はゆっくり音を立て無いようリリアの側に行くと機能をオフにした。
「おお!! いつの間に!?」
突然側に現れた俺に素直に驚くリリア。別に自分の力という訳では無いのだがちょっと優越感だな。
「ほ、本当にあなたは一体何者なんでしょう?」
「何者だって構わないだろう? 俺と敵対しなければ害は無い」
「のぅ、のぅ、もう一度消えてみて欲しいのじゃ」
リリアに請われるまま再び光学迷彩をオンにする。
「凄いのじゃ!! お? おおう!? ちゃんとそこにいるのじゃ!!」
消えた俺に手を伸ばして俺の胸元をペタペタ触ってきた。さっきまで王の威厳を放っていたお姫様が今は無邪気な少女となってしまっている……俺は再び機能をオフにして姿を現す。
「ん? そういえばエイジは妾に触れても平気なのじゃな……つまりはエイジは妾に対して邪な心を持っておらぬと言う事じゃな?」
リリアは再び花開いたような可憐な笑みをこちらに向けてきた。いや、どういう訳か、最初から俺だけは触れても平気だったんだけれど……まぁ、わざわざそれを言う必要は無いか。
『ダーリン、アンドの屋敷から使者が出発したニョ。今度は10人ほど厳ついのが一緒に来ているニョ、時間にして20分ほどで到着だニョ』
「どうやら、あちらも準備ができたらしいぜ……時間まで作戦会議といこうか?」
……俺達は街制圧に向けての準備を開始するのだった。
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面白かったらぜひ【お気に入りに追加】や【感想】をよろしくお願いします。
それを励みにより一層、頑張ります。
アンドの屋敷の調査をネジコに命じた翌日、その成果を確認する事になった。
□□□□□ 再生開始 □□□□□
『やはり間違いなかったのか……シバーナの所に預けてはおけぬ、明日にでもすぐにここへ連れてこい』
『はっ、念の為、腕利きを連れて行きます』
□□□□□□ 中略 □□□□□□
『どうやらワシにも運が向いてきたようだな……エルフの姫をアーガスに引き渡せば我が大地も彼の国から支援を受けられるだろう』
『ですが王の資格を持たなければ幾らこの大地を開拓しても……』
『なに、支援は何も大地の開拓だけでは無い……中央に向かっている我が息子が王の資格を得られれば再び我らが先祖の大望を果たす事が出来るのじゃ』
□□□□□□ 中略 □□□□□□
『それにしてもエルフの姫も悲惨だのう……友好国に裏切られ、国を追われて……そして本人の寝ている間に国が無くなってしまうとはな』
『さすがに中央に行かれるとやっかいでしたからな……まさにこの地で押さえる事が出来た事が幸運ですな。しかも眠り姫とは何処までもこちらに都合が良い、くっくっくっ……』
『全くだ……ワシの代では無理かもしれんが、アンド王国が興される……その夢を再び夢見る事が出来ようとは……今宵の酒は美味いな』
□□□□□ 再生終了 □□□□□
『大体こんな感じだニョ……何が起きたかは大体把握出来たと思うニョ』
「こいつは……お姫様にはショックな出来事だな」
とは言え黙っていても何 れは分かる事だ、嘘偽り無く伝えるしか無いだろう。そして、その事実を知って彼女はどうしたいのかを聞いておかなくては。
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「嘘じゃ!! そのような事信じられぬ!!」
予想通り彼女はその事実を受け止められないように否定する。そこを無理に認めさせる様な事はせず、俺は逆に質問をする。
「あぁ、あくまでアンドが話していた事であって事実かどうかは分からない。この大陸には離れた場所の情報を知る術 はあるのか?」
「そ、それは……いくつかあるのじゃ。精霊に頼んで風を飛ばしたり……超遺物 にも、そのような物があると聞くのじゃ」
俺の質問を受けてお姫様は冷静になったのか、その可能性を考え始めた。
「事実はどうだかは分からない……だが、お姫様、これからどうするかは決めておかないといけない。まだ国は無事ならば当初の予定通り中央に行って援軍を要請すれば良いよな? だが、もしも……もしも国が盗られていたらどうするんだ? あくまでも可能性だぞ」
「気を遣ってくれて済まぬの……もう妾は落ち着いたわ。あれだけの戦操兵 を投入されて堕ちぬ国も無かろう」
肩を落とし虚空を見つめたかと思うと、すぐにその目は力を取り戻すと俺を真っ直ぐに見つめる。その可憐で儚げに見えた瞳が一転してギラリと輝き出した。
「国が滅んでおれば妾は新たに王たる資格を得て国を興す!! そして裏切りのファーガスに、必ず報いをくれてやるのじゃ!!
なぁに、妾には人族と違って時間がたっぷりあるのじゃ。今の世代の王には届かぬかもしれぬが、必ず奴の一族に……妾の刃を突きつけてくれるわ!!」
凄いな……温室育ちのお姫様かと思ったらしっかりと王様って感じだ。これならば俺達は協力し合えるかもしれない。
「ならば提案だ……俺も訳けあって中央を目指している。自分の国に帰るために大陸を渡れるほどの技術を……人材に物資とあらゆる物が必要になる」
裏切り者の3馬鹿を倒し、仲間や拠点を取り戻して終わりじゃ無い……その先も考えておかなくてはならない。
「場合によっては王たる資格を手に入れて大地を得る必要があるかもしれない……1人では困難かもしれないが、力を合わせればその歩みを劇的に進める事も出来るだろう」
「そなた……」
そう、俺は失われた中央で宇宙 へ帰る手段を手に入れる……その為に出来る事をする。
「お姫様……お前の父親は親友に裏切られたかもしれない。いきなり信用してくれなんて言わない。だが必ず信頼を勝ち取って見せる……だから共に行こう……中央へ」
握手なんて求めない……それは真に彼女の信頼を得た時で良いだろう。
「リリアじゃ……もう姫では無いのじゃからな。これからもよろしく頼むぞ……エイジ」
「あぁ、必ずリリアの助けとなるよう約束する」
「マリチャパも主と一緒に行くぞ!!」「主様!! 私も行くぞ!!」「俺もです!!」「わたしも!!」「おいらも!!」「あちしも~!!」
マリチャパ達……ムカチャパ族達も声を上げる。いたんだ……っていうかモブ (失礼)の反応がいつも一緒に見える。
……こうして俺達は大いなる野望の第一歩を踏み込んだのだった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「差し当たってアンドの対応をどうするかだが……」
「ふむ、馬鹿正直にあちらに行けばファーガスに送られてしまうの」
再び皆で集まり相談タイムとなった。今日にもアンドは部下を差し向けてリリアを連れ出しに来だろう。それまでに今後の方針を決めておかなくてはならない。
「とりあえずこの街を乗っ取ろうと思うんだが?」
「な、なんですと!!」
大声を上げる鼻……まぁ、その反応も分からなくも無い。
「アンド様の私兵は200人はいますよ!? しかも腐っても元王族候補、私達の知らない超遺物 だって所持している可能性もあります」
「安心しろ真っ正面からぶつかる訳じゃ無い……お前の時と一緒で、一気に頭を押さえれば問題ないだろう」
まぁ、真正面からでも何とかなりそうだが、あまり街の戦力を減らしたくは無い。鼻の時と同じようにアンドの首に文字通り首輪を付けてしまうのが簡単だろう。
善政を布くような指導者ならこんな事をする必要は無いのだが、話を聞く限りの人物像では容赦の必要が無さそうだからな。
「それでも安全の確保は大事だ。たしかに超遺物 はどんな物で、どんな効果があるかはわからないからな。何 れにせよ一気に強襲するのが一番だろうが……そこでリリア?」
「なんじゃ?」
「お前の守りはまだあるのか? 眠っていなくとも……起きていても有効なのか?」
「守り? 何じゃそれは?」
え? 知らないのか? 俺はリリアが寝ている時の出来事を説明した。
「なんと、妾の身にそのような事が起こって……そのような守りがあったのか?」
「ならば試してみるか、リリア、腕を伸ばしてくれ……悪いが実験に付き合ってもらう」
「分かったのじゃ」
俺の言われるままに腕を伸ばしたリリア。俺はそろーりと足音を立てぬよう部屋の出口に向かう勘の良い鼻に対して……
「命令だ、リリアの手に触れろ」
「ひぃ!!」
……と、実験の命令を下した。体をビクッと震わせた後にフラフラとリリアに向かうと、その手に自分の腕を伸ばす。
バチン!!!
「ぎゃあああっっ!!」
「よし、止めてよし」
腕を抱えながらうずくまる鼻……どうやらまだ邪な心根の持ち主からの守りは有効のようだ。
「な、なんと、このような事が……しかし生まれて此の方、このような事は一度も起こった事なぞ無かったぞ?」
「それはリリアの国に邪な心を持った人間がいなかったという事だろう。そんな素晴らしい国を取り戻すために頑張らないとな」
「!? おおう、そうじゃな!!」
今は亡き自国を褒められて可憐な笑みを浮かべるエルフのお姫様。この守りの力が有効ならこの作戦はいけるだろう。
「作戦は簡単だ……身の安全が保証されたリリアを囮にして俺が潜入。ボスであるアンドを一気に押さえる……猿でも分かる作戦だ」
「なるほど、確かにこれなら妾も不安は無いのぅ……しかし、そなたは一緒に潜入なんぞ出来るのかの?」
「それは見ていてくれ」
俺は普段、索敵ドローンに付けている例の機能をオンにする。
「なっ!!?」
「消えたのじゃ!!」
そう、光学迷彩だ。ボディスーツの拡張スロットに光学迷彩の機能をセットしたわけだ。俺はゆっくり音を立て無いようリリアの側に行くと機能をオフにした。
「おお!! いつの間に!?」
突然側に現れた俺に素直に驚くリリア。別に自分の力という訳では無いのだがちょっと優越感だな。
「ほ、本当にあなたは一体何者なんでしょう?」
「何者だって構わないだろう? 俺と敵対しなければ害は無い」
「のぅ、のぅ、もう一度消えてみて欲しいのじゃ」
リリアに請われるまま再び光学迷彩をオンにする。
「凄いのじゃ!! お? おおう!? ちゃんとそこにいるのじゃ!!」
消えた俺に手を伸ばして俺の胸元をペタペタ触ってきた。さっきまで王の威厳を放っていたお姫様が今は無邪気な少女となってしまっている……俺は再び機能をオフにして姿を現す。
「ん? そういえばエイジは妾に触れても平気なのじゃな……つまりはエイジは妾に対して邪な心を持っておらぬと言う事じゃな?」
リリアは再び花開いたような可憐な笑みをこちらに向けてきた。いや、どういう訳か、最初から俺だけは触れても平気だったんだけれど……まぁ、わざわざそれを言う必要は無いか。
『ダーリン、アンドの屋敷から使者が出発したニョ。今度は10人ほど厳ついのが一緒に来ているニョ、時間にして20分ほどで到着だニョ』
「どうやら、あちらも準備ができたらしいぜ……時間まで作戦会議といこうか?」
……俺達は街制圧に向けての準備を開始するのだった。
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