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儀式
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「ねえ、パック」
なんだ、とパックはミリィをふりかえった。
ミリィはうつむき、なにか言いかけている。
「なんだよ?」
うん、とミリィは生返事。
パックはいらいらしてきた。
「言いたいことがあれば言えば?」
わかった、とミリィは顔をあげた。
「パック、あのね。ギャンのことだけど」
ギャン?
いまさら何を言い出すのか?
「どうしてギャンがパックに絡むのか、あたしわかるんだ」
へえ……とパックは真顔になった。
「どうしてだい?」
「そのお……去年のことだけど」
「うん?」
去年……。
それはギャンがパックをやたら敵視し始めた時期である。
「ギャンは学校を卒業したら、都会へ行くんだって」
「ふーん。ま、親父のサックは金持ちだからな。都会の学校へ進学しようと思えば、できるんだろうな。でも、そんなことなんでミリィが知っているんだ?」
「ギャンがそう言ったの。あたしに」
「お前に? なんで?」
「一緒に都会へ行かないか、って言ったのよ」
ふえっ? とパックは妙な合いの手をいれた。
「どういうことだい?」
「あたしに結婚してほしいんだって」
ええーっ、と、パックは今度は本当に驚いた。
「一緒に都会へ出て暮らさないか、だって」
「で、で、でも、ミリィは……つまり、その、ええと……!」
パックは混乱していた。
結婚?
ミリィに結婚してくれ?
あのギャンが?
「そ、そ、それで、ミリィはなんて答えたんだい? 結婚するのか?」
ミリィはなぜか赤くなった。
「馬鹿ねえ! いくらなんでもそのころ十二なのよ。断ったわよ。でもギャンは都会に出るころには、あたしも年頃だからできるってきかないのよ。あれから何度もつきまとわれて……それでもあたしが断ったから諦めたらしいけど」
「それでなんでギャンがおれを憎むんだ」
ミリィはきっとパックを睨んだ。
「あたしがパックを好きなんだと、ギャンは思ってるみたいなの!」
「……」
パックの顔に血が上った。
ミリィとは隣り同士、生まれたときが一緒でまるで兄妹のように暮らしてきた。
はっきり彼女が好きか、と問われれば答えようがないが否定も出来ない。
気まずい沈黙がふたりに流れた。
なんだ、とパックはミリィをふりかえった。
ミリィはうつむき、なにか言いかけている。
「なんだよ?」
うん、とミリィは生返事。
パックはいらいらしてきた。
「言いたいことがあれば言えば?」
わかった、とミリィは顔をあげた。
「パック、あのね。ギャンのことだけど」
ギャン?
いまさら何を言い出すのか?
「どうしてギャンがパックに絡むのか、あたしわかるんだ」
へえ……とパックは真顔になった。
「どうしてだい?」
「そのお……去年のことだけど」
「うん?」
去年……。
それはギャンがパックをやたら敵視し始めた時期である。
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「ギャンがそう言ったの。あたしに」
「お前に? なんで?」
「一緒に都会へ行かないか、って言ったのよ」
ふえっ? とパックは妙な合いの手をいれた。
「どういうことだい?」
「あたしに結婚してほしいんだって」
ええーっ、と、パックは今度は本当に驚いた。
「一緒に都会へ出て暮らさないか、だって」
「で、で、でも、ミリィは……つまり、その、ええと……!」
パックは混乱していた。
結婚?
ミリィに結婚してくれ?
あのギャンが?
「そ、そ、それで、ミリィはなんて答えたんだい? 結婚するのか?」
ミリィはなぜか赤くなった。
「馬鹿ねえ! いくらなんでもそのころ十二なのよ。断ったわよ。でもギャンは都会に出るころには、あたしも年頃だからできるってきかないのよ。あれから何度もつきまとわれて……それでもあたしが断ったから諦めたらしいけど」
「それでなんでギャンがおれを憎むんだ」
ミリィはきっとパックを睨んだ。
「あたしがパックを好きなんだと、ギャンは思ってるみたいなの!」
「……」
パックの顔に血が上った。
ミリィとは隣り同士、生まれたときが一緒でまるで兄妹のように暮らしてきた。
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