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序章
序-3.再来Ⅱ
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「諦めなさい。この娘は間違いなく再来。長くは生きれませぬ」
──あがめ祀らなければ必ず厄災と化す。
司祭の告げた言葉に母親は目を瞠り唇を震わせて失望する。
一方、司祭の枯れ枝のような腕に抱かれた赤ん坊は不思議そうに母を見つめていた。
「この子の短い人生を我々が大事に見守る事を約束しましょう。貴女は女神を産み落とした母としての責務がある。それを確と果たすように……」
司祭は母親の肩を労うように摩った後、見た目にそぐわぬ健脚で颯爽と歩んで行った。
その後、背後から響くのは悲痛な程の慟哭だった。
──アイリーン。母親の叫ぶ赤子の名は、この地の古き言葉で〝不滅の輝き〟と〝菫青石〟二つを意味する。
しかし、彼女の瞳は菫とは程遠い薔薇色で……。
今しがた厄災の凶兆とされる女神と認められてしまった。
──あがめ祀らなければ必ず厄災と化す。
司祭の告げた言葉に母親は目を瞠り唇を震わせて失望する。
一方、司祭の枯れ枝のような腕に抱かれた赤ん坊は不思議そうに母を見つめていた。
「この子の短い人生を我々が大事に見守る事を約束しましょう。貴女は女神を産み落とした母としての責務がある。それを確と果たすように……」
司祭は母親の肩を労うように摩った後、見た目にそぐわぬ健脚で颯爽と歩んで行った。
その後、背後から響くのは悲痛な程の慟哭だった。
──アイリーン。母親の叫ぶ赤子の名は、この地の古き言葉で〝不滅の輝き〟と〝菫青石〟二つを意味する。
しかし、彼女の瞳は菫とは程遠い薔薇色で……。
今しがた厄災の凶兆とされる女神と認められてしまった。
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